国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/06/27


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年) 6月28日(日曜日)
        通巻第2640号  
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日米同盟は半世紀続いたが。。。。
  改定のビジョンがないままに現実が突き進む
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 ▲無言のまま安保条約の質が変わっている
 
日米安保条約の改定をめぐって60年に全学連などのデモが吹き荒れ岸内閣が退陣にいたった。あれから半世紀になる。
 これほど長期に緊密な同盟が存続した例は世界史でも珍しい。
 60年アンポ反対運動は攘夷的な国民的ムードが背景にあり、当時のシチュエーションは反米だった。運動に参加した殆どの人は条約を精密に読んでいなかった。ゼンガクレンは情念と正義感で動いた
 70年アンポは前年までに反戦運動が下火となり、赤軍派と三島事件という両極の政治事件で終わった。この間、高度経済成長と東京五輪によりナショナリズムは体制側に収奪された。

 爾来、日米安保条約の自動延長が継続され、80年アンポは政治争乱もなく、むしろフォード元大統領らを招いた日米シンポジウムが東京で開催された。筆者は当該シンポジウムの広報担当だったため会場のホテルに一週間ほど泊まり込んだ。中川一郎、末次一郎氏らと夜遅くまで懇談した。駐日米国大使はマンスフィールドだった。不思議に親和力をもった人だった。

 やがて政治の季節は去り、全学連政治各派は分裂を繰り返し、左翼は「サヨク」になり、過激派は三島由紀夫の割腹に衝撃を受け、一部は転向し、体制派はすっかり米国の執事のごとくになった。その後、国際情勢の緊張とともに防衛論議は本格化したが、「日米安保はこれからどうなる」という肝腎の議論がない。

 ところが日米安保条約は無言のうちに運用が変質し事実上、改編されている。「条約」ではない、これは「同盟」である。
 たとえば事前協議の対象とされるのに、沖縄の海兵隊も横須賀の空母も日本に相談なくイラクなどの戦場へ出て行った。集団安全保障議論も海外派兵議論も沸騰しないまま自衛隊は「国際貢献」と言われてカンボジア、イラク、モザンビーク、ゴラン高原、そしてソマリアへ出動している。日本ではなく米国が勝手に解釈を変えているのだ。


 ▲日本の頭越しにG2の時代、日米安保体制は一方で空洞化

 しかし日本国内の防衛議論は専門的に走り過ぎ、国民から遊離している。マニアックは兵器の性能を論じたり、次世代航空機を論じたり。しかし法の改正という議論には滅多にお目にかかれない。

 歴史開闢以来、同盟が半世紀以上つづいた例はきわめて少ない。例外は英米同盟くらいだろう。日英同盟は短命だったし、日ソ不可侵条約はもっと短命だった。
 しかし確実にくる宿命がある。それはいずれ日米同盟が終わりを迎えるという確固たる近未来のシナリオである。なぜなら東西冷戦が終わってソ連が崩壊し十五に分裂し、ユーゴは連邦が瓦解して六つの国にばらけ、NATOは反ソ軍事同盟から性格を変えて東方に拡大してイランを囲み、東側は上海シックス(中ロ+中央アジア四カ国)に収斂された。そして昨日の敵は今日の友、日本の頭越しに米中のG2時代がやってきた。

 米軍はグアム以東へ防衛戦を下げ、北朝鮮の核実験には曖昧な態度で終始し、拉致問題を含めて日本の期待を裏切るかたちとなった。台湾海峡を中国海軍が扼することになれば米空母の防衛力が劇的に減殺される。日本の尖閣諸島は危機に瀕し、やがては沖縄をめぐる日中の攻防も予測される。
 しかしワシントンから見ると経済の凋落と軍事力の衰退は現実であり、従来の米韓、米日、米印、米豪の安保体制を維持するものの、日本の防衛貢献が足りないという認識である。今後、いかに改編すべきか、日米同盟半世紀を閲して本格的議論が始まるだろう。
 終局的に日本の目標は自尊、自衛、自立でなければならないのだが。。。

 (この文章は、『北国新聞』の朝刊コラム(毎週月曜)、「北風抄」<6月22日付け>の拙文に加筆したものです)。
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(読者の声1) 「還暦で、体力が・・・」とおっしゃりながら、壮年でも追いつかない東奔西走ぶり。維新の時の志士たちもかくもありしかと思わせる、タフな宮崎学兄に敬意を表します。
常連コラムを寄稿される樋泉克夫教授の不思議なまでの行動力にもそのレポートのユニークさとともに、感嘆させられます。たしかに寿衣、寿盒という文字を初めて北京の街中で見たときにはやはり?と思いました。
そういう看板を掲げた店が市内の大病院のまわりにおびただしくあるのにも文化の違いとは言え吃驚しました。
日本でいえば慈恵医大や東大病院のまわりに葬儀屋や墓石・棺桶屋が群れているようなものですから。
台北の記事、懐かしく拝読しました。学生時代に短期ですが、いまの淡江大学(当時は文理学院)にて漢語他の講座を受けたことがありました。そのときに引率・指導してくださったのが、若き日の樋泉さんでした。
ところでラオックスを支配下におさめた孫氏、来日する中国人富裕層の金を狙うと同時に、大規模家電量販のビジネス・モデルを支那で強化しようという戦略でしょうか。
北京でも上海でも秋葉原のような家電店があふれていますし競合環境もどんどん激化しているようですので狙いはわかるような気がします。
しかし日本ではヤマダとエディオン、それにビックなどに家電量販という業界自体が統合され収斂してゆくなかでラオックスを手中にして孫氏はどうしたいのか、そしてアマゾンのようにネットショップがどんどん路面店を凌駕してゆく傾向も加速していますがそのあたりへの狙いもあるのでしょうか。
   (所沢W生)


(宮崎正弘のコメント)その前にラオックスへ大型出資の中国家電は国内でライバルを倒したばかり。背後に巨大な権力との闇が存在するようです。
 かれらは見せ金、はったりに加えて虚偽の決算報告を作成し巨額を銀行から借り、返せないフリをしたり、やることなすこと全て日本人の理解を超えていますから。ご承知のように。



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(読者の声2)『月刊日本』七月号に鈴木宗男氏が「櫻井よしこ氏に物申す! 国益を害しているのはあなたである」という一文を寄せています。
鈴木氏以外櫻井女史にケンカを挑む政治家はいないでしょう。 櫻井女史の文章は立派なのですが筋論が勝っていて面白みに欠け(失礼!)、私は熱心な読者ではありません。
鈴木氏にとって同文は毎日のように政府に発射している質問主意書のような観があります。鈴木氏は産経新聞で「鈴木氏もまた、日本側が2島返還でとりあえず、問題決着をはかる用意があるかのような印象を、ロシア側に与えたのであり、責任は重大である」と同氏を批判した櫻井女史に事実誤認があると配達証明と内容証明で二度質問状を出したのになしの礫なそうです。
国家基本問題研究所の櫻井理事長にはぜひ回答してもらいたいものです。そしてその行司役を北方領土の日露外交交渉に関わった佐藤優氏にやって頂きたいところです
   (HN生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)うーん。各自言い分が強烈すぎて、どうも本質は、そういうところにないのではありませんか?
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