国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/06/24


○小誌愛読者14700名! ○アクセス・ランキング一位!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年) 6月25日(木曜日)
        通巻第2636号  (6月24日発行)
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 台湾の“緊張緩和”なる認識は現実的なのか、中国の甘言を信じ切っているのか?
   徴兵廃止、軍縮。つづけて馬祖群島の常備兵力を二千に大幅削減
****************************************

 台湾が徴兵を廃止し、将来的には22万人のプロフェッショナル集団の軍隊に変異させることが決まっている。
目の前の「敵」は台湾向けにミサイルを1300基から1500基に増やそうとしているのに?
 或いは原潜を増やし、空母を十年後に二隻配備するというのに?
 いったい馬英九政権はなにを考えているのだろう。いや彼は正気なのか。

 嘗て台湾防衛の最前線=金門島には七万の兵力がいて、全島が緊張していた。十数年前に訪れたときは兵士相手の酒場もそこら中にあった。
 五年前に再訪したおり、兵力は数千、兵隊相手の商売はすべて閉店、廃業しており、潜水艦基地は観光資源になっていた。
 会見した金門県知事(新党)は、「アモイに橋をかけて大陸との交流を直接的なものとしたい」というので、「えっ? ミサイルを台湾に照準を当てているのに?」と問うと、半ば笑って、
「われわれは同じ中国人、もはや戦争はない。商売、商売」と意にも介さない態度には驚かされた。

 蒋介石が「大陸反抗」を呼びかけていたとき、金門と馬祖は大兵力が結集していた。馬祖は目の前が福建省連江県。馬祖の群島の一部は深く大陸の湾内に食い込んでいる。
 かつて、この馬祖を守る台湾の軍隊は五万人がいた。
 やはり十年ほど前に読売と東京新聞の記者と三人で訪れたおりには多少の軍事的緊張感は残っていた。



▲防衛最前線から釣り客のスポットになった馬祖群島

昨今、四千人の規模に縮小し、馬祖もまた観光資源化がすすみ、とくに釣り客のスポットに早変わりしていた。
台湾本島から釣り人らがワンサカと押しかけるのだ。

 現在、馬祖駐屯の台湾軍兵力は三個歩兵部隊と砲撃部隊四千人だが、地形の関係から戦車は配備されておらず、CM―21装甲車両のみ。
この僅かな兵力をさらに半分の貳千人に削減し、残りを北部軍団に再編入する動きがでている(自由時報、6月20日付け)。
 もはや守る気概さえ失せたのか? それとも?

 馬英九は「三不」を唱えていた。戦争をしない、独立はしない、統一もしないという三つの「不」である。
 いまの馬英九は変心したのか、「三不」を言わず、かわりに「三不排」を言っている。
 つまり「不排除統一」「不排除独立」そして「不排除武力」(「不排統」「「不排独」「不排武」」である。

      △
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〜+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ♪
(読者の声1)イランのSSであるバシジによる封じ込め策に拘わらず予断を許さない大統領選挙後のイラン。
盗まれた票に対するイラン市民の怒りは簡単には収まらないでしょう。かつて、シャー政権の抑圧に対してイラン市民が立ち上がった印が、夜間にテヘラン市民が屋根の上から口々に叫んだ「アッラーは偉大なり!」でした。
 革命後30年経って人々に対する抑圧や人権は改善されていないイランに於いて国営メディアは完全なプロパガンダ。
ただでさえ制限の多い携帯やネット・衛星放送も次々と遮断される中でイランの人々は再び屋根の上に立って叫び始めた!
「アッラー(神)は偉大なり!」「独裁者(アフマディネジャド)に死を!」さらには、「(最高指導者の)ハメネイに死を!」と毎晩10時から反体制スローガンが叫ばれ始めて抗議の意思表示を続けている。
イスラムを騙って不正を行う悪い奴等を許すなという感じなのでしょう。
http://mainichi.jp/select/world/mideast/archive/news/2009/06/23/20090623ddm007030005000c.html
 
ところで貴誌2634号での先生の「武蔵美(じゃなくてムサビ)が改革派って、日本のマスコミが書いているのは笑いますね。」「改革派?ムサビも過激派であり、基本は反米。リベラルからほど遠い政治家です」という御意見が御座いましたが異見が御座います。
それは革命時などでの政治の本質に関わる事で「政治家が政治状況を創る」のか、それとも、「政治状況が政治家を創るのか」という問題です。
 例えば、奴隷制度廃止した米国大統領リンカーンだってどこまで黒人の人権を考えていたのか疑問だし、クーデター時に戦車の上に乗って踊ったロシアのエリツィンも直前まで脅えていた。
パレスチナ国家に反対し続けたイスラエル右派のネタニヤフはオバマとの会談後、半年も経たないのに承認した。オバマもいずれ何らかの戦争を始めるでしょう。
 ムサビに戻ると、例え彼の前歴が保守派であれ何であれ、政治家としてイラン市民が何を欲しているのか察知してその波に乗れば彼自身が想像もしていなかった方向に向かわざるを得ない。
そして今回、彼は既に一線を越えて殉死する覚悟を決めている。おそらく大統領選挙前にはそんな事は考えもしなかったでしょう。貧乏籤を引いたのかもしれませんが。
http://www.cnn.co.jp/world/CNN200906210004.html

一方、倒されるべき腐敗した現イラン体制ですが、やっぱり「混乱は敵の陰謀」(笑)と日本のユダヤ陰謀論者(や北朝鮮支持者)と連動でもしているのか?
  http://mainichi.jp/select/world/mideast/news/20090624k0000m030086000c.html
 しかし市民は狂信的老人支配者達が考えているほど馬鹿でなく、毎日新聞記者が市民の声を拾ったところによると、「陰謀論など誰が信じるか。子供でも分かるうそをつく体制の体質は変わりそうにない」と逆に馬鹿にされている。
http://mainichi.jp/select/world/mideast/archive/news/2009/06/22/20090622ddm002030088000c.html
 そこでとうとう主役登場!イラン元国王(シャー)の息子レザー・パーレビ!下の記事にはイラン上層部から入手した情報として、同国の治安部隊が政権から距離を置き始めていると発言。
勤務を終えて帰宅した治安要員が、私服に着替えて抗議デモに参加していることを明らかにした。同氏は「治安部隊や革命防衛隊の内部で、多数の要員が不満を漏らしている。驚くべき兆候が現れており、重大な動きだ」
と述べたとあります。
 http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200906230004.html
 これは今後イランが日本や英国、その他の欧州諸王国の様に象徴的な王位に戻り民主主義的な立憲君主国になる予兆かもしれません。
http://www.rezapahlavi.org/
振り返って我国は...万葉至乃輔氏が引用した中東専門家佐々木良昭のブログには日本大使館が銃に撃たれ傷付いたイラン市民を受け入れて治療を与えている形跡が全く無いらしい。
http://www.melma.com/backnumber_45206_4520895/
さらに悪いのは、その理由が「日本政府と外務省、現地大使館は、イランの現在の状況を読みきれていない」とヨーロッパの小国並みの情報力も無い(!)事と「日本政府と外務省には、人道という言葉が存在しない」という事で私は目がくらくらする。
http://www.tkfd.or.jp/blog/sasaki/2009/06/no_596.html

思えば瀋陽の日本領事館でも日本領土同様である領事館敷地内で中国武装警察に命からがら逃げてきた脱北を捕られるのをじっと見ていた上に武装警察の帽子まで拾ってあげる人権感覚の外務官僚だから無理もないか。
それにしても日本の偽人権派の極左はこの事態を怒らないのか?
そうか、彼らにとり北朝鮮とシリアとイランの批判はタブーなのだった。
   (doraQ)


(宮崎正弘のコメント)政治はダイナミズムをともなうとき、意想外の結末を引き出す。高杉晋作の奇兵隊のごとくに。薩長土肥の田舎侍が盤石の江戸幕藩体制を破壊した。
 イランも宗教幕府を草もうの人々が転覆できるか? というのが西側の期待だ。
 しかしムサビになっても核武装することは変わりないのでは? パーレビの意見は米国の保守系や共和党系NEWSMAXなど少数派のブログに頻出していますね。



  ♪
(読者の声2)イランのこと、こちらでずっとテレビを見ています。
王政派の親類をほぼ皆殺しにされたイラン人親友がドイツにおり、彼女の母親はまだイランにいるので、人ごとと思えません。
最初のころのデモは、ターバン組の男に交じって、多くの若い男女がいて、「私の一票はどこへ?」といった英語のメッセージを掲げている者もいたので、どうなるかと思ってちょっと楽しみでしたが・・。
結果は更に悪くなりましたね。「宗教に立脚した民主主義」なんて、なんでしょうか?
集会から女性は姿を消してしまった。一人もいなかった。集うはアッラーに祈りをささげる、気味悪いほどの凶暴な男だけの群れ。「これでは、この先どんなにデモを起こしても制圧されるな」と危惧していたら、案の定、スカーフを被っていないジーンズの美女が標的にされて殺された。
イラン中で、どれくらい殺されているかと思います。BBCのホームページに投稿されている携帯の隠し撮りを見ても、警察の取り締まりが凶暴さを増しているのがわかります。
 また貴メルマガで核論争さかんな折も折、23日火曜日のBBCニュースでは、冷戦時の1970〜80年代に、イギリスでは秘密裏に「もし核が投下されたらどう対処するか」のマニュアルが作られていたことが、初めて公になったと報道されていました。下記にBBCのホームページのURLを貼り付けておきます。もし開けなければ、bbc world/cold war で検索できると思います。実際のマニュアル・ヴィデオも出てくると思います。
 http://news.bbc.co.uk/today/hi/today/newsid_8110000/8110678.stm
   (hana、在オランダ)


(宮崎正弘のコメント)美女が殺されると日本では大きなニュースになります。アラブ社会では警官に凄まじいサディストがいます。アラーは同性愛を禁じておりますが、結婚できない貧困の男性は、それがゆえにサディストに走るという説まであります。
 イランには十年ほど前に一週間ほど、イスファファン、コムなどを歩きました。美女が多いようですが、なにしろスカーフを巻いているので(苦笑)。美容室は表通りに硝子張りという店はありません、たいがいは二階の奥です。美は露出しないのです。
 そういう意味で大衆の不満の爆発があった。スカーフは不要だ、と。
やがて宗教秘密警察が巧妙な弾圧を開始するでしょう。この体制をぶち壊すには、イランでも、まだ時間が必要ではありませんか。天安門事件の二の舞を演じるのが次のステージでは?



  ♪
(読者の声3) 、「オバマの支持率」世論調査が出た。読んでください。
http://falcons.blog95.fc2.com/ 和文
http://bomanchu.blog81.fc2.com/ 英字記事
   (伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)早速拝読しました。伊勢さんは在米歴四十年以上ですか。通りで諸般の裏事情にお詳しいわけですね。それにしても、オバマの支持率がまだ65%もあるというのは脅威です。その四分の一あるか、ないかのどこかの国の宰相と違って。。。。
   △
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆★★★☆☆☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
 宮崎正弘新刊
  『人民元がドルを駆逐する』(KKベストセラーズ)
  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
http://www.amazon.co.jp:80/dp/4584131694/

 <世界通貨は大波乱!>
 ●SDR債権なら500億ドル買う、と中国が豪語。ロシア、ブラジルが支持
 ●ガイトナー米財務長官は北京へ飛んで「米国債は安全」と講演、失笑を買った
 ●マレーシアも貿易決済を人民元でと首相が表明
 ●ブラジルは中国と通貨決済に貳国間の取り決め

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 <<<<<<<<<<<<<<<<< 宮 >>>>>>>>>>>>>>>>>>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
♪♪
宮崎正弘のロングセラー 絶賛発売中!
  http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html

『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(石平氏との共著、980円。ワック文庫) 
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
       ★★
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎宮崎正弘 みやざきまさひろ MIYAZAKI MASAHIRO ◎宮崎正弘
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
 ◎小誌の購読(無料)登録は下記サイトから。(過去のバックナンバー閲覧も可能です)。
 http://www.melma.com/backnumber_45206/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 万葉至乃輔2009/06/24

    イランの動乱、台湾の変節、中共の野望、アメリカのほくそ笑み、世界の混沌は日に日にある一定の方向に向かい、その輪郭を徐々にではありますが見せてきました。



    貴誌はあのウルトラQのオープニングの映像(絵の具がくるくる回り徐々に内容がはっきりしてくるような)のようです。



    さて能天気な我国はこのような状況下でもその興味はごく限られていて東国原知事が衆院選にでるとか出ないとか…、骨太方針がどうなった…、鳩山兄弟がどうした…、変に危機感をあおるのもどうかと思いますが、まったくそれを意識させないのも反対にいいのかなと思います。



    麻生総理は既にレームダックになり、自民党はその役目を終わらせました。一方民主党はと申しますと、種々雑多な人の集まりなので論じることが困難です。矛盾だらけですので政権をとったしても一年が限度でしょう。この一年でどこまで反日的な法案をとうすかが、大陸と半島の目的でしょうから、その陰謀が露呈して国民が気が付くこともある意味良いのかもしれません。



    私は今回の選挙には間に合わないでしょうが第三局の形成が必要不可欠ではないかと思います。その中心はおそらく平沼元経相、安部元首相、中川元経相などと西村議員、長島議員、松原議員などの改憲派議員ではないでしょうか。そしてその政党名を「日本浪漫党」としていただければ幸いなのですが…。当然初代名誉党首には宮崎先生がなって頂かなければなりませんが。