国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/06/08


◎小誌愛読者14550名!
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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)6月8日(月曜日)貳
         通巻第2622号 
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 マカオの繁栄は終わったのか? サンズ・ホテルが倒産
  ラスベガスの高級感と優雅さに欠け、カネだけの博打場は限界があった
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 マカオは旧ポルトガル植民地。1999年に中国に返還されたが、爾後、なにが一番変わったか? 
唯一の産業=博打ビジネスが以前より繁盛し、本場ラスベガスから大手三社が殴り込み、そして、大不況の到来とともに米系一社が倒産し、それでも二十四時間不夜城のマカオの博打場は盛業を極めていることだ。

 マカオにはれっきとした独自通貨がある。
 旧植民地時代からのマカオ・パカタである。香港ドルとほぼ等価。ところが、マカオで、この独自通貨にお目にかかるのは稀、殆どが人民元か、香港ドルで決済されている。ホテルは米ドル建てか、香港ドル建てだ。

 2004年頃までは香港ドルが圧倒的に優位だった。人民元優位に転倒がおこったのは05年以後で、いまではマカオ中のホテルでもレストランでも人民元の天下となった。香港もそうである。香港とマカオは「人民元合衆国」の一員と名付けても良いだろう。

 香港とマカオは「特別行政区」で、「一国両制度」のもと、五十年間は自治が保障されている。だから独自通貨を維持している。
独自の行政法(憲法らしきもの)があり、一応、言論の自由があり、独自のパスポート(或いは居住証明)が発行され、世界中旅行できる。
 
しかしEUの通貨が「ユーロ」で統一されたように、人民元という通貨が共通となって、香港とマカオは中国の「出島」のごとき存在となり、“人民元合衆国”の一員となったのである。


 ▲博打ビジネスで経済が成立する

 最初にマカオへ行ったのは三十五年前だった。
香港からフェリーで行った。三時間以上かかった。船酔い客が続出した。マカオの公式の博打場はフェリー乗り場に近いリスボア・ホテルしかなかった。
このホテルはマカオ経済を牛耳るスタンレー・ホーの経営である。

筆者は麻雀もパチンコもやったことがないので、トランプ博打の遣り方を知らないが、このとき同行した弟が二十ドルほどかけて、五十ドルほど勝った。
 十五年ほど前にも行った。やはりまともなホテルと博打の施設はリスボア・ホテルしかなかった。
 マカオは事実上、この最大財閥=スタンレー・ホー一族の天下だった。マフィアが入り乱れ、麻薬、武器密輸、売春が盛んで、治安が悪く、筆者はもっぱら香港から日帰りだった。
 
 返還後、行政法が改正され、外国の博打ビジネスの進出を緩和した。
一斉に博打ホテルが開業した。とくにラスベガスの大手三社、サンズ、MGM、ウィン・グループがやってきて、つぎつぎに豪華ホテルを開業し、そこに中国大陸からどっと、年間1200万の博打打ちが、あたかも中山競馬場へいくような気軽さで押しかけるようになる。
フェリー乗り場と中国との国境ゲートからは各ホテルがそれぞれ無料バスを運行している。まるで昔の面影はない。
 
 2年前にもマカオへ行って驚嘆したことが幾つかある。
第一はマカオの通貨が殆ど使えないこと。第二は二十四時間不夜城のホテルではロシア美女のダンス、フィリピンからの楽団がショーをやっているが、本場ラスベガスのような娯楽性がない。ショッピング街が貧弱極まりない。家族で遊べない。第三に付帯設備が貧弱。エンタテインメントの風情に乏しい。そのうえ、レストランはまるで町の食堂である。
 
 優雅に時間を過ごし、贅沢な食事をワインを飲みながら楽しみ、或いは瀟洒なショッピング・アケードを冷やかし歩くという贅沢な空間のなかに味あうリクレーションの発想がないのだ。

中国人はひたすらマネーゲームに熱中し、カネカネカネと念仏を唱え、ほかの楽しみがない。博打に勝てば美女を買うぐらい。
 

 ▲これからマカオの迷走が始まりそう

マカオには決定的に“遊び心”が欠落している。
そして2009年6月1日、マカオの「夢の市街区」(ドリームタウン)が開業した。目玉はスタンレー・一族(娘のパンシーが経営参加)とラスベガスの大手が合弁の新築ホテル「ハード・ロック・ホテル」。
 認可料金も莫大で、「夢の市街区」の建設費用21億ドルのうちの、じつに40%が『ライセンス料金』としてマカオ行政府の懐に入った。

 04年にラスベガスのサンズ・ホテルが開業し、06年にラスベガスのウィン・グループがリゾートホテルを建て、MGMミラージュも店開きし、07年にベネチア・ホテルも開業した。ラスベガスの御三家が揃っていた。繁栄はピークに達した。年々顧客がふえ、売り上げはラスベガスを凌いだ。
 ところがラスベガスの経営者らが首を傾げた。ラスでは博打の胴元の稼ぎは、全体の売り上げの26%でしかなく、付帯設備からの売り上げが凄いのだが、マカオでは計算が狂った。

 共産党幹部の出入りが激しくなったのも、ここで合法的な賄賂が受け取れるからである。業者の招待でマカオへ「出張」し、博打をする。業者が天文学的金額をかけて、故意に負ける。
共産党幹部は合法的にべらぼうな賭け金を受け取る。領収書が発行される。合法の賄賂である。

08年、リーマンブラザーズの倒産とウォール街の大不況が、マカオも根底的に揺さぶった。三月にラスベガスの老舗「サンズ」が倒産した。
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(読者の声1)先生のレポートをいつも驚きと感謝を持って拝読して居ります。
ところで日本は大東亜戦争に負けたのでしょうか?
開戦時の日本政府声明を読み其の後の歴史展開を考えると、どうも本当の戦勝国は日本だったと思えるのです。
戦後、フィリピン、ベトナム、インド、インドネシア等、当時の欧米各国の植民地が次々に独立を果たした影には残留日本兵が大きな役割を果たしたのは周知の通りです。日本人の戦略的、人的援助が無ければそれらの国は植民地のままで有ったであろう事を思うと影等ではなく真に主役そのものでありましょう。
だから私は思うのです、「太平洋戦争」に日本は負けたが、「大東亜戦争」には勝ったのであると。
(一ドイツ人)


(宮崎正弘のコメント)戦後、オリンピックを立ち上げ高度成長の結果、貿易戦争でアメリカを打ち負かした。その80年代前半、よくアメリカ人と議論したときに、「先の戦争には物理的に負けたが、いまの貿易戦争では我々は勝った」(We won)とよく言いました。
円がつよくなって、アメリカの豪邸が安くなった(為替の錯覚だったが)おりも、取材先でよく「安いですね」と言うとアメリカ人業者はやはり不愉快な顔をしたものでした。
 いま、同じことを中国人がアメリカでやっています。



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(読者の声2)貴誌昨日付けの「読者の声」(Hana、在オランダ)様のお便りは大変面白く真剣に読ませていただきました。
<引用始め>」血みどろで病院に担ぎ込まれる若い男女、検挙された揚句、後に射殺刑になった男女の学生たち。その刑執行の模様も放映されました。 そして今も行方不明とされる子供たちを捜し、真実の究明を叫び続ける50人からなる「天安門の母」たちの存在。これらを一体、同じテレビ局として、NHKはどう否定できるのでしょう。(録画し忘れたのが残念ですが、BBCのホームページ,あるいはYou-tubeでも見られるかもしれません。)
 日本では、事実が一般に、まったくと言ってよいほど報道されません。 イギリス、ドイツ、フランス、そして私の住むオランダは、まだまだジャーナリスムが健在ですから、こちらに住むようになってからは、目を瞑りたくなる様な、世界のあらゆる惨状も、日常の報道で24時間見ています。 日本人は過酷な現実を映し出す報道にも慣らされていないし、実際、正しい報道がなされていないのですから、その現状で「裁判員制度」を無理やり取り込んだ意図も、いずれ明らかになるでしょう」<引用終わり>

感想:日本の報道機関は戦後、世界の恐ろしい現実を隠蔽して国民をだましてきました。現実が分かれば警戒心が正常化し、すぐに核自衛するからです。平和などといっていられなくなります。彼らは占領に始まる敵性外国の対日工作の手先です。

もう一箇所を引用します。
「私ももちろん『あなたたちシネース』と言っています。それは兎も角、彼らと付き合って最も驚くのが、日本人の持つような『道徳観』は彼らには存在していない、ということです。 ある時、奥さんの方が『ヨーロッパのものは高い。シナではルイ・ヴイトンもシャネルもすごく安い』と自慢したのを受けて、アフリカの勇気あるお嬢さんが『でも、み〜んな、偽物ねっ!』と応戦したところ、中国人の方はけろっとしてそうよと誇らしげに言っただけ。偽物作りが犯罪とは、微塵も思っていません」<引用終わり>

感想:これが現実の世界です。冷酷な現実を知らず幻想を抱いている日本人の目を覚
まさなければなりません。「無知は罪、恐ろしい罰をうける」のが世界の常識ですから。火事が母屋にかかっています。
  (東海子)


(宮崎正弘のコメント)洗脳の最悪な手段がマスコミと歴史教科書。なんとしても自由社版の「新しい歴史教科書」を普及させなければ。。。。。。
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<ゴールドラッシュを仕掛ける中国の野望>
     (KKベストセラーズ、1680円)
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 ★MIKE MIYAZAKI★  ◎MIKE MIYAZAKI◎
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