国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/06/03


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成21年(2009年)6月4日(木曜日)
         通巻第2616号 (6月3日発行)
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 金正日・王朝の後継者に三男の金正雲がなぜ有力視されだした?
  誰も知らない横顔、かなりの国際通とロシアの北朝鮮専門家が分析
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 ふっと三男の名前が挙がって、これまで有力視された次男の金正哲が消えた。
 次男の正哲と三男の正雲は金高姫(コ・ヨンヒ)との間の子、金高姫は、在日朝鮮人で60年代に北に帰国し、「よろこび組」に所属し金正日に見いだされた。
 04年に癌で死亡した。

 長男の正男は2001年ディズニーランド見学時に成田空港で見破られ、小泉政権が中国へ護衛付きで送還した。田中真紀子外相は「ミサイルが飛んできたらどうする?早く送還しなさいっー」と悲鳴を挙げたそうな。
 正男の母親は成恵琳(ソン・ヘイム)。英語、フランス語、ロシア語、中国語、日本語を喋るという才女説がある。
 正男は01年の成田事件いらい、父親から疎まれ、後継レースから離れた。

 次男の金正哲が後継有力とされた時代があったが、結局は「極度の臆病者」という風評があり、性格的に指導者向きらしくないという。

 世界的に有名な北朝鮮専門家、レオニード・ペトロフはいまキャンベラの大学で教鞭を執っている。
 「三男が後継となる可能性が高いが、儒教社会においては末っ子が一番元気。しかも父親を尊敬し、兄たちに従順な金正雲だから次期後継の可能性は高い。となればこれからの内外政策は多分に金正日の政策を引き継ぐ。ただし金正雲は軍内に基盤が弱く、まずは国防委員会の役職を担うことになるだろう。同時にスイス留学の経験から国際感覚もあり、北朝鮮の孤立化を続けるというのはどうだろうと考えるように成るはずである」とロシア人の北朝鮮専門家は言う(アルジャジーラ、6月2日付けインタビューに答えた)。

 とはいえ、三男を西側で見た人がいない。写真はと言えば、金正雲が11歳のときの子供の写真が最後、以後十五年間、金正雲の成人した写真は公開されていない。
 だれも知らない人である。
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●◎ブックレビュー◎●BOOK REVIEW◎●書評◎●ブックレビュー◎●
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ケヴィン・ドーク著、工藤美代子訳『大声で歌え「君が代」を』(PHP研究所)
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 ドークは日本浪漫派の研究でしられるジャパノロジストだが、今度の新刊は日本で忌避されがちなナショナリズムの研究成果をまとめたもの、原題は「モダン日本のナショナリズムの歴史」。なぜか、日本市場向けにこのような題名が冠された。
 「君が代」をめぐる本と言えば、丸谷才一の『裏声で歌え、君が代』、対照的に黛敏郎の『君が代はなぜ歌われない』を想起した。

 ドークは本書の中で本居宣長から福沢諭吉、和辻哲郎、折口信夫、高坂正顕、中曽根康弘、小沢一郎、安倍晋三までを扱って、「ナショナリズム」を肯定的に捉えるところに特色がある。
とくに戦前戦後と知識人らの唱えたナショナリズムを検討しつつ、「自由主義研究会」を冠した藤岡信勝氏に関してもおよそ一ページ、もうふたり、佐伯啓思と坂本多加雄に対しても肯定的考察がある。
惹句に曰く。
「ナショナリズムはけっして危険思想ではない。むしろ欧米の民主主義の発展にとって必要不可欠な思想だったし、日本も例外ではあり得ない。国旗を振らず、国歌を歌わない国が、はたしてあるだろうか」。

さて、ざっと通読して丸山真男とか清水幾太郎、竹内好、吉本隆明などへの評価だが、もうすこし辛辣でも良いのにとおもえる箇所が目立つ。
他方では三島由紀夫、林房雄らはあまり評価されておらず、江藤淳とか、石原慎太郎とか、西部遭とかの名前は出てこない。欠陥品なのか意図的なのか、しかし、米国のアカデミズムの日本研究がこの程度であるということが逆に分かって参考になった。

おおまかな目次を掲げる。第一章 国家と市民の基盤、第二章 明治維新と民権運動、第三章 天皇制度の戦前と戦後、第四章 国民と社会の契約、第五章 戦後における国民の登場、第六章 民族と戦争を超えて、結び 市民ナショナリズムの可能性。
http://www.php.co.jp:80/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-70812-6
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●READER‘S VOICE●  ◎READER’S VOICE◎
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(読者の声1)貴誌にでた「林思雲氏の"避諱"についての言葉が思い出されます。『中国人にとって歴史と言うのは事実の積み重ねでなくともいいのです。それどころか国家にとって都合の悪いこと、不名誉なことは一切明らかにしてはいけない。それが国を安定させる、それで世の中が治まるという考え方です。そのために積極的に嘘をつくことは倫理的に正しい行為なのです。中国人がものごとを大げさに言ったり、平気で嘘をついたりするのを、ただ相手を騙すためなのだと考えるのは大きな間違いですね。中国人が嘘をつくのは自分のためと言うより、家族や国家のためという場合のほうが多い。これは中国人にとって動かしがたい伝統的な心性であって、それを知らないと中国人の歴史認識は理解できません」(『WILL・別冊』5月号)。<引用終わり>

感想:支那人にとって嘘は、生存と生活のためと必需とされていますが、「国家」のためにうそをつくということもはいるのでしょうか。
要するに利己的な目的を公的な目的に偽装しているのではないかと思います。
というのも中共幹部は国家を私物化しており、軍隊も私兵であり公の国民軍がないのです。
天安門広場で国民を殺した共産軍は共産党の私兵部隊です。
中共人が天安門事件を隠蔽、歪曲、偽造するのは保身のためと思います。それを林思雲氏が「国家のため」というのは、これも得意な嘘と考えてよいのではないでしょうか。
家族のためという部分はわかりますが、日本人は支那人の言うことを真に受けすぎです。
私は長年、政権の変遷を重ねてきた支那人の動機はすべて私利につながっており、日本人のような公の概念がないと考えています。
   (東海子)


(宮崎正弘のコメント)孫文も蒋介石も言いました。「天下為公」。
 人はできないことを理想とするらしい。



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(読者の声2)北京大学での講演でガイトナー財務長官が「中国がもつ米国債権はきわめて安全」と訴えると会場を埋めていた聴衆からどっと笑い声が上がったそうです。
先生が以前にご指摘されたように中共では「美元」という概念は既になくなり、「美屑」とみなしているのでしょう。
http://www.telegraph.co.uk/finance/financetopics/financialcrisis/5423650/Geithner-insists-Chinese-dollar-assets-are-safe.html

それでもリップサービスなのかFT紙(6月2日付け)によると、中国建築銀行の郭樹清が「短期間のうちに米ドルに代わる通貨を見いだすことはできないだろう」と発言したとのこと。
長期米国債を売って短期米国債を大量に購入しているチャイナ。一体、何を画策していることやら・・・。
 一方、アメリカの熟練投資家からは「ベン・バーナンキは利率の低いうちに国債をどんどん売るよう財務省にアドバイスすべきだ」という声が聞こえてきます。そんな米国債を黙々と買い支えているのは日本なのに、同盟国ということで今回はスルーなのでしょうか。
ところで過日の「ST様」の投書に。
今年の第一四半期の決算でCitiGroupは自社社債の価格が下落したということで25億ドルの収益を計上したそうです。
これはリーマン・ブラザーズも昔やったことがあるというデリバティブを駆使した会計トリックによるものだそうです。
銀行のストレス・テストに関しても、銀行幹部から天下り式に提供された数字を支持できるように会計法ぎりぎりの解釈で分析が行われたため、その結果には疑問が残るという内部告発もあります。
現在のアメリカ経済はドルの印刷と会計法の操作で粉飾され実態はかなり酷いものと思われます。
   (MI5)


(宮崎正弘のコメント)日本に強引に圧力をかけて時価会計をおしつけ、都合が悪くなると、さっと時価会計を一部棚上げして粉飾決算を黙認する。それがアメリカって国柄ですか。日本は時価会計導入により、ケイレツという独特の日本のとり引き慣行が破壊され、株式の持ち合い制度が大きく揺らいだ。その間隙をぬって乗り込んできたのがアメリカのファンドでしたね。
 日本の金融界をめちゃめちゃにして元凶はアメリカなれど、それに唯々諾々として、いや先兵として振る舞ったのが小泉政権、その舵取りが某慶応大額教授でした。
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 宮崎正弘 MIYAZAKIMASAHIRO みやざきまさひろ 宮崎正弘
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       (KKベストセラーズ、1680円)
 ◎6月15日ごろ発売になります!
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 ★MIKE MIYAZAKI★  ◎MIKE MIYAZAKI◎
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