国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/05/07


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)5月7日(木曜日)
          通巻第2585号 
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 次の画期的電子機器は米国とドイツからやってくる
  eリーダー(電子書籍、新聞読み取り機)開発に遅れをとった日本
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 ▲eリーダーの登場は時代を画期する?

 アマゾンが開発中の新製品「eリーダー」(電子書籍読み取り機)は次の市場を席巻する可能性がある。
ドイツのドレスデン工場で生産され2010年にデビューする。
 
iポッドは携帯であらゆる情報を入手でき、かつメール通信も出来るスグレモノ、これからの主流と言われる。

 もうひとつ。アマゾンの新製品「カインドル」(業界では「アマゾン・キンドル」と呼ぶ向きもある)は世界中の書籍をあらゆる言語で携帯スクリーンに読み込む装置、それも予測価格は480ドル程度、この夏にアリゾナ州やプリンストン大学で実験が始まる(フィナンシャル・タイムズ、2009年5月6日付け)。

 「eリーダー」は要するに携帯スクリーンで新聞、雑誌が読めるというシロモノ、米国の新聞雑誌発行の各社は大きな期待を込めて、この新製品の普及を見つめている。

 大学ノートの大判サイズのスクリーンに新聞が即座に現れ、それをテレビを見るような気軽さで読める。電車の中でも行楽地でも、リゾートホテルのプールサイドでも。まさに画期的発明だ。


 ▲読者減をこれで食い止める?

 新聞各社は不況で読者減少という現実を前に少しでも若者層の読者が将来拡がる可能性があるとすれば、アマゾンの新製品に期待せざるを得ず、げんにニューズコープ(ウォールストリート・ジャーナル等を発行)やNYタイムズなどは試作品と実験配信に極めて協力的である。

 英紙『フィナンシャル・タイムズ』のCEOジョン・リディングも「大いなる関心があり、同時に迅速なる発展を期待している」と絶賛している。
 「アマゾンの想定では58の新聞と契約し月極の購読料をウォールストリート・ジャーナルは9ドル99セント、NYタイムズが13ドル99セント、雑誌『ニューヨーカー』は2ドル99セントを予定しているという」(ヘラルドトリビューン、09年5月5日付け)。

 筆者に言わしめれば、これは活字とデジタルの融合であり、新時代にふさわしい実験となるだろう。
 世代間の感性や認識ギャップをこえて新文明のもとのメディアのあり方を左右するターニング・ポイントとなるかも知れない。

 とはいえ新製品に追いつけない人はどうするか?
 なんの心配もありません。いまでもパソコンにたよらず万年筆で評論する花田紀凱氏、加瀬英明氏や愛用の万年筆で小説を書いている北方謙三、中村彰彦氏らが健在であるように。打ち込みは技術者が分業するようになるでしょう。
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(読者の声1)現在『日本経済新聞』に連載中の「私の履歴書」は建築家・磯崎新氏ですが、五月2日付の記事では磯崎氏の父親の子供時代の友達として林房雄先生と三浦義一氏が紹介されていたのを興味深く読みました。
林房雄先生のことを「マルクス主義に傾倒して東大新人会のリ−ダ−になりながら、超国家主義に転向した」と説明していましたが、超国家主義という言葉は不適当ですね。
右翼、超国家主義、国家主義、軍国主義、日本主義、天皇制ファシスト等と民族派に対する左翼用語のレッテルには数限りありませんが。
ところで宮崎さんの国際ニュ−ス・早読みの5月1日付で豪州の軍備強化を述べられた文章で「へり搭載水陸両用戦艦」とか「戦艦(7000頓クラス)」という表現が出ていましたが、これはWarship(軍艦)の誤訳ではありませんか。
戦艦(Battleship)は現在世界で現役では一隻も存在しません。米国のNew Jersey classは既に退役していますし、わが戦艦三笠は記念艦となっています。
軍艦の呼称(巡洋艦、駆逐艦等々)は世界共通ですが、自衛隊だけは「護衛艦」という日本国内でしか通用しない呼び方をしています。外国ではDestroyerとかFrigateなどですね。今年就役した「ひゅうが」も日本ではヘリ搭載護衛艦ですが、外国ではヘリ空母もしくは強襲揚陸艦とみなされています。
日本の国防は言葉のあそびに終始しているといっても過言ではありません。ナンセンスの極みですね。
   (武蔵杉並住人)


(宮崎正弘のコメント)勉強になりました。磯崎さんも的外れな時代感覚をお持ちのようですね。
 そういえば林房雄は和紙の原稿用紙に筆で小説を書いた最後の文士でしたね。



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(読者の声2)先週金曜日、ラジオ日本の番組を拝聴しました。宮崎先生と佐藤優さんと、ミッキー安川さんの掛け合いが面白く、ユダヤ問題からはじまってロシアの経済がどうなるとか、最後に日本の解散はいつか、どちらが勝つかの予測まで、あっという間に二時間近くが。さすがに黄金週間特別番組でした。
 ところで、お二人の話は絶妙に歯車があっていたのですが、佐藤さんと対談集を出されるとか、いつ頃でしょうか。題名はなんでしょうか。いまから楽しみです。
    (OS生、千葉)


(宮崎正弘のコメント)まだ第一回の収録も終わっていません。どんなに早くても単行本としてまとまるのは九月ではないでしょうか。題名はもちろん未定ですが、基本的にロシア、中国というオオカミに挟まれた日本は今後どうやって生き延びるのか、を主軸に語り合う企画です。



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(読者の声3)「宮崎正弘氏のメルマガ」の読者の方に、下記をクリックしてみてください。
http://ameblo.jp/emercury/theme-10010978177.html
 宮崎正弘さん、佐藤優さん、ミッキー安川さんの愉しく、有意義な鼎談が聴けます。
黄金期間中、メルマガ配信がない寂しさを、宮崎先生の絶好調のおしゃべりで紛らわしてください。爆笑しながら世界情勢や日本の方向性のようなものがみえます。
 (A生)

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樋泉克夫のコラム

   ――思えば、国を挙げて“お祭り騒ぎ”ばかりだった
           『時尚五十年』(武俊平 内蒙古人民出版社 1999年)



  △
 1949年10月1日、天安門の楼上に立った毛沢東が「中華人民共和国中央人民政府は本日成立した」と内外に向かって建国宣言をした瞬間から今日まで、思い返してみれば中国に“静謐の時”はあっただろうか。

彼らは強迫観念に追い立てられるようにして国を挙げて息せき切って時代を疾駆し続けてきた。そして今、発展という魔物が彼らを追い立てる。
 
建国後最初に迎えた元旦である1950年1月1日の『人民日報』が「本年の神聖な任務は、チベット、海南島、台湾の解放である」と高らかに宣言したのも束の間、6月には朝鮮戦争がはじまる。
続いて休む間もなく三反五反運動、百家争鳴・百花斉放運動、反右派闘争、大躍進運動と激動が続く。こんな50年代がやっと終わったと思ったら、60年代半ばには超弩級の文化大革命が待ち構えていた。

疾風怒濤・凄絶無比の時代は10年で幕を閉じたが、やがて毛沢東の死と四人組逮捕と続き、改革・開放がはじまる。
そこで挙国一致で向銭看(ゼニ儲け)。かてて加えて外国から賓客がやってきたといえば、熱烈歓迎の大騒ぎ――とにもかくにも国民は総動員。銅鑼や太鼓でドン・ドン・チャン・チャン・ドンチャンドンチャンドンチャンドンチャン。ドン・ドン・チャン・チャン・ドドンガドンチャンと上を下への大騒ぎ。なんだか訳は判らないが、声を嗄らして「偉大なる領袖・毛主席、共産党バンザイ、万歳、万々歳」。よくもまあ、ヤケにならなかったものと感心させられる。

 この本は49年以後の半世紀ほどの中国の歩みを「第一部 夢幻年代(1949-1965)」、「第二部 瘋狂年代(1966-1976)」、「第三部 世俗年代(1977-1999)」と3つに分かち、それぞれの時代を振り返り、半世紀の歩みを庶民の素朴な視点で捉え直したものだ。
 
たとえば1958年の大躍進である。毛沢東が、「フルシチョフ同志は15年後にソ連はアメリカを凌駕するといったが、我われは15年後にはイギリスを追い越すだろう」とブチあげたことから、共産主義のばら色の未来が中国人を有頂天にさせてしまう。まさに夢のような日々の幕開けだった。

当時、ある地方の共産党幹部は、「誰もが満足限りなく、食べるも住むも飲む着るも、一切カネはかかりません。鶏アヒル豚魚、味は飛び切り上等で、テーブルのうえ皿いっぱい。毎日果物味わって、服は抽斗いっぱいで、とっても着切れるものじゃない。誰もが満足このうえなくて、ここは地上の楽園だ」と、共産主義の素晴らしさを持ち上げた。

そこで「急功近利(=利に敏い)」である中国人の性向が如何なく発揮され、あっという間に社会主義の段階をすっ飛ばして共産主義社会に向かって猪突猛進。こんな前後を弁えない常軌を逸した行動が大躍進という名の大飢饉を生んでしまったと、著者は慙愧の念を綴る。
文化大革命も昨今の経済成長路線も、所詮は五十歩百歩というものだ。

数千年来の専制統治に馴らされてきたがゆえに、中国人は自らの感情をストレートに表すことが不得手。だが共産党政権の宣伝が奏功し、有史以来初めて国家の主としての誇りを感じ、彼らは傲然と胸を張り、声を限りに歌を唱い、舞い踊ることを覚えた。
かくて彼らは、燃え上がるような心意気で勇躍として隊伍を組んだ――ここに著者は、毛沢東による“革命の特質”を見出そうとする。
ならば前後の見境なき彼らの集団ヒステリー的行動は数千年続いた専制統治への復仇であり意趣返し、とも考えられる。
さはされど、歴史への恨みを大騒ぎで解消しようとは困ったこと。傍迷惑限りなし、である。
《QED》

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宮崎正弘独演会の予告
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ウォール街から始まった株式暴落と世界同時不況から次の変革が目の前に来ている。
これから米国の消費激減とロシア、中国の陥没などが世界的なシステムの変更を否応なく促す。「百年に一度の危機」が、日本にとって最大のチャンスであると宮崎正弘先生が明示します。
         記 
とき     5月16日(土) 18時〜19時45分 (開場:17時45分)
講師と演題  宮崎正弘「どうなる世界と日本のこれから」
ところ    文京シビック3F 第1・2会議室(文京シビックセンター内)
        東京都文京区春日1-16-21  03-3812-7111
        交通:東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
 http://www.b-academy.jp/b-civichall/about/about02_04.html 

参加費   1000円 (事前申込の女性・学生500円)
懇親会   20時〜22時。参加費:3800円 (事前申込の女性・学生3500円)

◎会場の都合により、懇親会参加者は必ず事前にお申し込みください。
【申込先】 5月15日までにメールまたはFAXにて(当日受付も可)
        会場の定員が80名につき、先着順とさせて頂きます
士気の集い・青年部  TEL 090-3450-1951 FAX 050-1282-2472
(千田 昌寛宛て)    E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp
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宮崎正弘の新刊  http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
たちまち増刷!
 宮崎正弘・石平 共著
『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(定価980円。ワック文庫) 
    
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宮崎正弘の近刊  絶賛発売中!
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
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