国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/04/25


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)4月25日(土曜日)
          通巻第2578号 
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

  454から1054へ。この数字は何でしょう?
    北京、世界第五位の金保有国入りを自慢
****************************************

 中国が半世紀掛けて海軍力を充実させ、さらには向こう十年以内に空母二隻体制にすると豪語している。

 同様にG20サミットのロビィで世界の関心が集まったのは中国の次の通貨戦略だった。周小川は、この時点では{SDRを通貨に}を主張し、米国が狼狽した。

 中国の長期戦略は、それが達成できるかどうかは別として、米国に並ぶ経済覇権の確立である。そのためには人民元を、ハードカレンシーとして、もっと高級化する。やがて日本円を駆逐し、アジア一帯で通用する新「人民元」(これを『華元』と呼ぶ)として、嘗ての宋銭、明銭のような経済覇権を確立することにある。

 半世紀まで、誰も中国の軍事的躍進を予想しなかった。
 いまから半世紀後、中国が世界に通用する新通貨を確立するなんて?ドルに代替できる通貨を確立するなんて、いまは夢でも、こつこつと励めば実現できないこともないだろう。

 「中国は4月23日、金保有が2003年の金解禁以来、454トンから、08年統計で1054トンになった、これは世界第五位であると公表した」(ヘラルトトリビューン、09年4月25日付け)。

新人民元の金本位制移行という未来のシナリオは着々と進んでいることにならないか。

ちなみに全世界で金保有が1000トンを越えるのは六カ国。日本は金保有が先進国の中で一番少ない(ちなみに金備蓄一番の米国は8000トン、日本はわずかに763トン)。
    ◆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇連休中でも闘いは続きます◇連休中でも闘いは続きます◇連休中でも闘いは続きます◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ♪
拉致被害者の早期救出を求める国民大集会
    ♪
日 時:平成21年5月6日(水)14:00−17:00
開 場:13:00
場 所:日比谷公会堂 千代田区日比谷公園1−3
    地下鉄霞ヶ関駅または日比谷駅または内幸町駅下車、徒歩3分
司 会:櫻井よしこ
登壇者:家族会、救う会、拉致議連役員など
費 用:無料
    是非、お集まり下さい。黄金週間最後の日を有意義に!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)最近貴誌で食料危機に関して記事でも読者の声欄でも頻繁に論じられています。
以下に愚見を述べさせてください。
マルサスの人口論を単純化した、食料供給量の増加に比べて人口より早く増加するという論が実証された真実かのようにそれを前提とした議論がままみられます。
私はマルサスの人口論を読んでいないので、マルサスの人口論自体に対しては論じません。ただし、マルサスは、一流の学者なの現状を精密に分析し考察したうえで、議論しているはずなので、そんな単純化した図式を述べたとはとても思えません。
また19世紀初頭のイギリスという彼が活躍した時代と地理的・社会的位置を考慮に入れる必要があります。
日本では、江戸時代中期から幕末まで日本の人口は二千五百万人から三千万人の間で比較的安定していました。
その後、明治中期から急激に増大して、その増加傾向が昭和初期まで続きました。
このことから、私は、以下の2原則の方がこの期間の日本の人口動態を忠実に表していると考えます。
ある民族集団あるいは国民が社会的、経済的に安定していると
1.人口は、多くの人口変動要因がバランスを取ったところで安定する。
2.人口変動要因のうちのひとつだけないしいくつかだけが急変したとしても、他の要因は容易に変動せず、他の要因が新しい状況に合わせて調整され、再び安定するには半世紀くらいを要する。
明治中期から次第に乳幼児の死亡率が低くなってきました。これは、医療の進歩もさることながら、上水道の普及により、乳幼児の死亡の主要原因であった質の悪い水を飲食に使ったための消化器系の病気が激減したことにあります。
江戸時代から明治時代のころまで、女性は結婚すると、2〜3年毎に出産し、40歳近くまで出産を続けました。
これが江戸時代から明治初期において人口を安定させるのに要する出生率だったのでした。
また個人としてもこれくらい産まないと跡継ぎができると安心できませんでしたし、子供が全員死んで養子を求める家庭も多くありました。乳幼児の死亡率が変わったにもかかわらず、この高い出生率は継続しました。
さらに明治時代中期以降の西洋からの農業技術導入と台湾からの食料移入により人口が増大しても食料不足は起きない環境がととのいました。
この2要因が、人口の爆発的な増加をもたらしたのでした。

この状況の変動に対応して出生率をはじとして、他の要因が変動して人口が安定するのは昭和初期でした。
このことを劇的に示している事象があります。
高い出生率を維持するために、多くの出産を比較的高齢まで続けたため、結婚した女性の平均寿命は明治時代には男性より短かったのが、大正時代には出産頻度が減り、より低い年齢で出産を行わなくなったため、母体の健康状態が改善しついに女性の平均寿命が男性を追い抜きました。
先進各国とはことなり、アフリカ等の貧困地帯で急激に人口が増えているのは、もうひとつの人口動態の原則である、極端に経済状況、社会状況、食料等の生活環境が悪い場合、子孫を沢山つくって、民族、部族の生存を維持しようという本能的な傾向が働いていると思われます。
これは極端な食料不足に陥った部族や避難民キャンプでの異常に高い出生率に現れています。
これをマルサスの人口論を証明する事例のように論じるのは無理があります。

もうひとつ、先進国、中進国で最近になってみられる急激な出生率の低下傾向があります。
これは、少数の子供に高い教育を得させようという傾向、女性の職業志向等の社会的傾向に原因があるように推察いたします。
これに加え日本では産児調整に長年人工流産を濫用してきたため、深い意識の中にゆがみを生ぜしめたこともあるので、日本ではより急激に出生率が低下したと考えます。
この新しい傾向にも数十年たてば、人口動態安定化が起きるかに関しては、即断いたしかねます。
人類史上いままでになかった新現象だからです。ただし、百年単位で観れば解決すると私は、楽観(達観)しています。
このことに加え、アフリカ等の開発途上国での食料不足に関しては食料供給という面からの問題もあります。
いまから、30年近く前、当時定期購読していた週間新聞「The Economist」にアフリカにおける食糧危機に関して瞠目すべき記事が載っていました。

1.食料不足の国に食糧援助をするとその国に食料作物生産者が儲からなくなり、投資の余裕がなくなり、生産量が減り、ますます食料が不足する。
2.食料援助より、金銭を援助して、援助先にそのお金で食料を獲得させるほうが優れたやり方であり、さらに優れたやり方は、ECおよび米国が自国の農民への補助金支給を止めることである。
そうすれば、食料作物の価格が上昇し、アフリカの農民たちも食料作物の採算性が上昇し、その結果生産量が増える。
3.ECおよび米国が自国の農民への補助金支給を続けるなら、アフリカの農民は米国やEC諸国で生産できない、カカオ豆等の商業作物ばかり作るようになり、これが当該国おける食料作物の生産量減少につながる。
その結果、
(1)食料作物の自給ができなくなる。
(2)商業作物の輸出により、その国の実力以上に高い為替交換比率となり、ますます自国農民は商業作物以外の食糧作物の価格競争力がなくなる。
その後、モロッコの南にある国マリで絵に上記記事を描いたようなことが起きました。
米国からの農業援助でできた農村地帯と首都を結ぶ道路を通って、大量の商業作物が運ばれ、農村には輸入した食糧が運ばれ、ますますこの動きを加速させました。
あの論考が載ってから30年近くになりますが、まさにそのとおりの展開が続いています。人類とはかくも愚かで欺瞞にみちたものです。
「分かっちゃいるけど止められない」、むしろこの状況を利用して多くの人に苦しみを与えながら自己の利益を平気で追求するのが悲しい人間の性なのかもしれません。

 もうひとつ今後の世界の農業に関して大きな問題があります。
農業用水の確保です。
これも、先進・中進各国が、自国の農民への補助金支給をやめ、食糧作物の価格が上昇すれば、開発途上国の農民にも農業用水確保に投資する余裕が生まれることでしょう。
これに向けて明るい動きがあります。
1.EUに農業のGDPに占める割合の高い東ヨーロッパ各国が加わり、財政的にEUが今後も農業補助政策(Common Agricultural Policy)を維持しがたくなってきている。
EUが農業補助を減らせば、もうひとつの農業補助大国である米国に対しても補助減額が要求しやすくなる。
2.先進国の企業家にとって、開発途上国を資源と単純労働の供給源としておくより、収入を拡大させ消費者として育て上げるほうが利益があるようになりつつある。これは、南北戦争の時の北部の企業化家が置かれていた状況と似ています。

農業補助の減少→食料作物の価格上昇→豊かな農家が開発途上国でも多数出現→世界の食料問題解決、となっていくことを祈念いたします。
   (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)エマニエル・トッドの人口論は現代的で、さらにユニークで、感心しながら読みました。識字率の向上が世代間の確執を生み、子供は少子化に向い、だからソビエトは国家破産を迎えてしまった、と予測した世界的に著名な人口学者です。
 マルサスはご指摘のように、いまや古典ですね。
 △
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
########################################
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声2)外務省による渡航注意勧告について。
先般のタイの赤シャツ騒動。早速、外務省は「邦人は安全に留意して集会に近づくな。反対派のシンボルの黄色いシャツを着るな」。
そこで小生、黄色いシャツで赤シャツ集会へ。なにもなし。
激しい衝突といったところで、その隣では水を掛けあいタイの正月を楽しんでいました。
以前、南太平洋の某島嶼国に総領事として赴任した友人が、反政府暴動に遭遇。邦人保護の方法を本省に問うと、「暫し待て。安全に十分留意せよ」以外、なんの返答なし。
台湾政府(李登輝時代だったはず)は早速、軍艦を派遣し自国民を軍艦に収容。台湾側から邦人収容の申し出があったが、本省は煮えきらず。
そこで友人が一存で台湾側にお願いしたとのこと。外務省による渡航注意勧告の乱発は、笹と判った後でも、いや確かに幽霊だったとほざいている。腰抜け以下。
   (KH生、愛知県)


(宮崎正弘のコメント)それを理由に紛争地帯に近づかない日本のマスコミは抜ける腰もない(呵々大笑)。



   ♪
(読者の声3)日本のマスコミの愚劣さには今更ながら辟易するばかりである。
お隣の略奪国家・中国から重大ニュースが二つも発信されていると言うのに、新聞テレビは馬鹿タレントの呆れ返る行為の報道で溢れ、まるで日本海は”べた凪”であるかの様な愚劣な報道で先を競う愚かさ。
更には、この非常時に大臣(鳩山、舛添)が二人も出て言及する様なことではない筈だが、政治家まで毒されているのか、大臣失格だ。
馬鹿タレントが馬鹿な行為をしたまでのこと、先ずゴミありきの日本のマスコミ界は、”下記読者の声2”に真剣に耳を傾けるべきである。
”マスコミさんよ、草某はそもそもお前たちが養成した馬鹿タレントの一人だ。一年前(?)の正月番組(温泉シーン)では、ホリエモンや他のタレントに本番のテレビ画面で素裸の姿を曝させ、あろうことか穴(ケツ)丸出しのシーンを放映し垂れ流してきたではないか。
事ほど左様な報道姿勢に神経を麻痺させられた頭の弱い馬鹿タレントは、いい歳をして深夜の公園で裸になるくらいは許されると勘違いしとるのだ。言い換えれば、この男はテレビ局が作り出した馬鹿タレントなんだよ。テレビ局側にも、製造者責任ならぬ”養成者責任”がある。
自らも責任を負うのが先決だ。即ち、共同正犯の教唆の責任がある。こんな馬鹿タレントを養護する馬鹿なコメンテーター(アナ)もいるが、テレビ界は総じて腐り切っている。大掃除が必要だ。
   (KI生)


(宮崎正弘のコメント)草某が裸になってうめこうが叫ぼうが、北朝鮮のミサイルや中国の軍艦の「悪魔」性と比べてニュースにすること自体が怪しいですね。



   ♪
(読者の声4)前号の貴誌(読者の声3)でYM子氏が「様」と「さま」の違いについていられます。
ふと江戸時代の大名間での書簡の宛先に関して以前きいたことを思い出しました。
江戸時代に大名間での公式書簡ので宛先が将軍家の場合は、楷書で「様」、御三家のいずれかの場合は、行書で「様」それ以外の場合は、草書で「様」であったとのことでした。
では、草書をさらに崩したひらがなの「さま」の場合はどうだったのでしょうか。
ご賢察ください。
     (TS生、大和市)


(宮崎正弘のコメント)さま、という表現もさることながら、天皇皇后両陛下の記事を某新聞は、社会面で意図的に凶悪犯人の写真の下に配置したりの「工夫」をしています。某新聞は「皇后さま」のほか「両陛下」を「天皇ご夫妻」としたり、悪質極まりないサブリミナルの活字版を繰り返しています。
   ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>>><<<<<<<<<>>>>>>>>>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宮崎正弘の新刊  http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
  宮崎正弘・石平 共著
『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(定価980円。ワック文庫) 
       本日発売です!(地方の方は来週に書店に並びます)

♪♪
宮崎正弘の近刊  絶賛発売中!
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
    ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘の近刊  絶賛発売中! 宮崎正弘の近刊  絶賛発売中!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
 ◎小誌の購読(無料)登録は下記サイトから。(過去のバックナンバー閲覧も可能です)。
 http://www.melma.com/backnumber_45206/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • コメントはありません。