国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/04/23


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)4月23日(木曜日)
          通巻第2574号 
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米国新聞・雑誌メディア、いよいよ経営が深刻化、ボストングロープも廃刊か
  ネット社会は何を築き、何を毀すのか、そして何処へ行くのだろうか?
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▲命脈がつきかけて。。。。。。

ピュリツァー賞を五つ、またまたNYタイムズが貰った。
2009年4月20日に発表された今年度ピュリツァー賞は、国際報道、速報、写真など五つの部門でNYタイムズが栄冠を勝ち得た。注目されたニューメディアは、インターネット部門での受賞はなかった。
NYタイムズは、とくにアフガニスタンの戦争報道、オバマ大統領が選挙中に暴風雨のなかでの行動風景の特ダネは写真部門で。

ところがめでたさが続いたのは一日だけだった。
翌日、同紙の赤字は予想以上に悪化、09年第一四半期は7400万ドルに膨らんでいたとの発表があった。主柱の広告が激減し、売り上げ6億900万ドルのうちの55%を占めた広告費が三割近くもダウンしていた。
NYタイムズは本体整理の前に、社内のリストラを断行したが、傘下の「ボストン・グローブ」の廃刊を検討しているという。同紙はリベラル派の牙城、保守陣営は喝采を贈るだろうけれども。
 いよいよ断末魔の様相ではないのか、これは。

 というわけで、世界のジャーナリストが現在戦々恐々としているのは、明日の我が身のことである。
明日のアフガニスタン、明後日のパキスタンの運命も重要ではあるが、明日NYタイムズは生き残っておられるのか? 
日本で言えば朝日新聞はまだ存在し続けているのか?
 広告業界とて、今年は大型倒産が出るだろう。


 ▲通信社のビジネスモデルも破綻

 日本では共同通信の危機が叫ばれ、時事と産経新聞の合併がまことしやかに囁かれ、GM倒産シナリオより真剣に語られている。
 共同通信は部数に比例してのニュース配信料金を決めているから、地方紙でも中央の全国紙でも部数が減れば、その分、配信料金は安くなる。
 
衝撃は、米国からやってきた。通信社のビジネスモデルも破綻しかけているのだ。
 AP通信が米国加盟者の経営支援のため、配信料金を2010年には20%前後引き下げるという「英断」を下したのだ(4月6日)。
この値下げ措置は2年連続であり、配信している加盟社は1500,売り上げのうち3500万ドルが減収となる。
 
ひとつには通信社の配信料金が高すぎるという批判があり、これは米国や欧米に限らず日本でも高いのだが、「値下げしてくれなければ加盟者を脱退します」というクレームも相当あるという。
 米国ではシカゴ・トリビューンの会社更生法申請につづき、シカゴ・サンタイムズ、アリゾナ州の地域紙、ツゥーソン・シチズンズなども廃刊した。


 ▲オピニオン雑誌の将来性

 仏文学者の鹿島茂氏が「活字メディアの危機」という随想(日経、4月14日夕刊所載)のなかで、「指示表出系活字メディアが全滅したあとも、かろうじて自己表出系活字メディアは残ると思う」が、「自己表出系活字メディアが残るにしても、それは現代詩がおかれている状況にほぼ等しい。つまり、それで食べていくことは出来ないということである」。

 この指摘を我流に置き換えてみると、ようするに主張をもつメディア、たとえば産経新聞や、正論、VOICE、月刊日本は残り、分析だけで主張のない「論座」も「諸君」も休刊したように、いずれメディアは残っても、それでは食べてはいけない。

 率直にいえば、当該雑誌はそれ自体の経営では、以前から食べていけないし、本体が経営的に安定しているからこそ総体メリットとして、経営的にはぶら下がって、その社の「良心」として発行を続けてきた。産経新聞、PHP研究所、あればこそ。
この間に母体の変身によって「諸君」は休刊に追いやられ、独立系は半世紀つづいてきた「自由」がついに体力つき、『月刊日本』は主幹の個性と人望で維持できても、商業主義的には市場での持続が難しい。
 
 米国もじつは似たようなもので、鹿島の定義した「指示表出系活字メディア」とは、要するに主張をもった雑誌、新聞などを意味するが、米国保守メディアは日本とまったく同様な状況に陥っている。

 保守の牙城は『ナショナル・レビュー』、1955年アイゼンハウワー大統領時代に保守思想家のウィリアム・バークレー・ジュニアが創刊した。

ウィリアムが死去したあとも、息子のクリストル・バークレィが引き継ぎ、米国保守論壇に大きな影響力があった。
そのバークレィが『ナショナル・レビュー』主宰の座を降りた。
オバマ政権誕生前後、この主宰者は黒人大統領が米国に必要と発言したのが原因とされる。あのときに米国の保守派は、ほぼ全員でジョン・マケイン共和党候補を、支持の熱狂の強弱を別として、支援していたし、副大統領候補にサラ・ペイリンが突如登場した折にも、殆どがサラを評価した。同誌はサラを評価しなかった。

それゆえ、選挙終盤戦でのバークレーに対するブログ上の非難囂々、ブログの投書欄も批判で山積みとなって、バークレィは辞任表明へと至るのだ。

だが、それは同誌衰退の直接的原因ではなかった。ナショナルレビューでバークレィ親子らが展開した論陣は、まさしくネオコンの主流にして保守の反主流の主張だった。
政治の波はときにして保守本流に有利となり、イデオロギー的ないし宗教的危機に陥ると思想的な保守化が違う流れをつくる。
同誌は、或る時期の保守論壇を牽引した『諸君』のように、保守思想を優先させるため、曖昧で融和的に政策がぶれると強く共和党政権にも噛みつき、民主党政権では殆どの政策に的確に論理的に反対の論陣を張り、アメリカ人保守派の団結の典型をみた。保守を代弁する雑誌だった。

ところが911テロ以後、ブッシュ政権擁護が強すぎた結果、保守系のブログのほうに興味深く面白く役に立つ議論が移行した。『諸君』が戦闘性を希釈させ、訳の分からない左翼、リベラルにもページを分かち、保守派から飽きられてしまった側面に酷似している。

さてクリスタル辞任後、同誌の発行部数が意外にも、169000部から185000部に部数が伸びた。
オバマ政策のジグザグ、北京への急傾斜など保守層の危機意識の増大がバネだろう。
従来、民主党政権下では保守メディアが伸びるのは当然のことであり、カーター時代のあまりにデタラメな外交への不満、批判が高まって、当時、ナショナルレビューは25万部を突破したこともあった。

ともかく、この雑誌には「主張」がある。だから活字メディアとしても命脈を保てるが、顔のない雑誌は、これからの戦国時代に存続がさらに難しくなるだろう。
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(読者の声1)貴誌2573号の食料不足の問題は各国をベースとするとしても地球人口過剰の問題です。
この問題は古来より飢餓で調節されてきましたが、現代では各国がつながり制御が不能になりつつあります。食料が不足すれば、人間は生命がけなので食糧のある地域へ移住し、土地の人から食糧を奪います。征服戦争にもなります。
ということで食糧問題は人口過剰問題を論じることであり、放置すれば恐ろしい戦争になることを常に思い起こす必要があります。
生存のための戦争は無条件で正当化されます。人口と食糧の問題はすでにマルサスが指摘したとおりで食糧増産は人口増加に追いつけません。
具体的対応としては、中共や印度など自給率の低い人口巨大国は人口抑制政策をとるべきです。しかし中共では毛沢東が一人っ子政策を強制しましたが、男女比が偏ったので廃止するという話もあります。
したがって人口大国の殖民征服対象になる中小国は自衛上外国人管理を厳重にし、国防を固めるしかありません。
 現状では食糧問題解決の見通しは暗いように思われます。
   (東海子)


(宮崎正弘のコメント)すでに水をもとめてイナゴの大群のように中国人は海外へ流出を始めています。あのアフリカ大陸にまで中国人の移民が二百万人!



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(読者の声2)貴誌2573号の(読者の声1)のST生様に伺います。 
「昭和初期に当時政治思想史の第一人者であった井上哲次郎東京帝国大学教授が天皇の践祚には三種の神器は必須ではないとの意見を発表したところ、頭山満がとんでもないことを言うなと脅すという事件がありました。天皇陛下が宮中祭祀に使うからこそ尊いものであるという宮中で伝統からすると、井上教授の見解のほうが宮中の伝統に忠実であるといえます。(ST生、神奈川)」
とあります。
末尾の「井上教授の見解のほうが宮中の伝統に忠実であるといえます」という結び方の意味がわからないので、補足説明を願いたいと思います。
(SJ生)



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(読者の声3)今日の電車の車内できこえてきた女子高生3人の会話。
「ストレートパーマが4900円なの」「安〜い」「カットを付けても7千円だね」「トリートメント付けても1万円ね」「安〜〜い」
カットのみ千円の床屋が流行るかと思えば女子高生はパーマで1万円は安いのですね。たしかに近所のヘアサロンの値段と比べても格安です。日本のヘアサロンは薬剤や鏝・ドライヤーの温度コントロールなど器具もハイテク、さらに美容師の手先の器用さもあり世界中から大人気とか。ボリュームの多すぎる欧米系からチリチリヘアのアフリカ系まで日本の技術でストレートヘアは不可能ではないようです。さらにストレートパーマは効果が長持ちするから結局は安くつくとのこと。
 日本の政治家でも中田横浜市長のヘアはまだいいとして、自民党を飛び出した渡辺喜美など若作りし過ぎでは?と思うほどのヘアスタイル。七三分けの小沢一郎など旧世代の政治家とは違うとのアピールでしょうか。

 10年ほど前、カリスマ美容師が話題になり、SMAPのキムタクのドラマも高視聴率でした。そのころカリスマ美容師に憧れた世代が店を持つようになったためか3年ほど前からヘアサロンが急激に増えてきました。価格も競争激化で下降気味。
それでも若い世代は男性でもほとんど美容室でカットしますから市場は拡大しているようです。最近のデータでは美容室の市場規模2兆1千億円で理容室の9千億円を圧倒しています。同じヘアカットでも理容は千円〜、美容は3千円〜、付加価値の差でしょうか。
 アジアでは韓国を除く東アジアやタイ・シンガポールなどほとんど日本のヘアスタイルそのまま。中国人はもともと理髪・仕立て・料理と刃物をつかう仕事は得意ですから日本の流行も難なくこなします。
 先日、麻生総理が中国の雑誌の表紙の日本人モデルの名前がわかるか? と記者を挑発していましたが、グルメと並んでファッションやメイクは日本が最先端。中国でもどこでも日本の女性誌と資生堂など日本の化粧品をプレゼントすれば大喜び。
 韓国は歴史的に職人の地位が低かったせいか、いまだにダメですね。日本や中国・台湾・タイでは美容室は外から客の目を引くいい場所にありますが韓国ではほとんど2階以上。技術もひどいもので成田空港で韓国人を見るとすぐにわかります。
 マスゴミは輸出産業がボロボロで日本はもうダメとか、ホテルのバーが高いとか盛んに麻生叩きをしていました(女子高生が1万円のパーマが安いと言っているのに)。小沢問題以降風向きが変わったのか麻生内閣の経済対策もやっと報じるようになりましたが、テレビでは不景気風を煽り過ぎ優良スポンサー激減、パチンコと通販のCMばかり。

 それでも不法入国・不法滞在のカルデロン一家の報道では子供がかわいそうのお涙頂戴。背後に韓国・朝鮮系の弁護士がついているとか?
以前、アロヨ大統領が中韓の尻馬に乗ったのか慰安婦問題を口にしたとたん、フィリピン人の興行ビザがストップしたことがありました。
たまたま興行ビザの厳格化と慰安婦発言のタイミングが合っただけかもしれませんが、それ以降アロヨ大統領の慰安婦発言はないように思います。
カルデロン問題では正規にビザをとったフィリピン人など今後ビザがさらに下りにくくなるのではと心配しています。カルデロン一家は目くらまし、不法入国・不法滞在の韓国・朝鮮人を日本に定住化させるための一歩としか思えません。NHKの台湾統治を貶める番組と同様、マスゴミの世論誘導がみえみえです。
合成の誤謬でマスゴミが不況風を煽り倹約を勧めるほど不況はひどくなりますが、マスゴミより女子高生のほうがよほど日本の景気回復に貢献しているようです。
     (PB生)


(宮崎正弘のコメント)美容室と理髪店の料金体系と売り上げから現状を分析されて、参考になります。十数年前にはやった自由の女神のような髪型、あれ四万円でしたね。

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 明日です!
どなたでも予約なくご参加できます!

 三島由紀夫研究会「公開講座」
  ケント・ギルバート氏を招いて『春の雪』を中心に語ります
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弁護士、タレントとして活躍のケント・ギルバートさんを招いて公開講座です。
 じつはケントさん、たいへんな親日家であることはご承知の通りでしょうが、大学時代に三島文学論も書いた。『春の雪』は何回も読んだそうです。
そのあたりから日本文化と米国文化の違いなどを雑談もまじえて語っていただきます。
         記
とき      4月24日(金曜日) 午後六時半(六時開場)
ところ     市ヶ谷「アルカディア市ヶ谷」四階会議室
講師      ケント・ギルバート
演題      「私の卒論もミシマだった」(仮題)。
会費      2000円(会場分担金として)。賛助会員ならびに学生=1000円
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 講座修了後、近くの居酒屋で「懇親会」があります。別途会費3000円を予定。これは希望者のみです。
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宮崎正弘の新刊  http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
  宮崎正弘・石平 共著
『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(定価980円。ワック文庫) 
       4月24日配本。四月下旬に全国主要書店に並びます。


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『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
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