国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/04/22


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)4月22日(水曜日)
          通巻第2573号 
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 初のG8農相サミットで食料増産農地への投機を早期監視で合意へ
  直後、中国は「食料の海外農地投資には乗り出さない」と眉唾発言
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 北イタリアで開催されていた、目立たない国際会議は「G8 農相サミット」。
 これは初めての試みである。

 飢えが世界的規模で深刻に拡大し、昨年は世界の三十ヶ国で食糧暴動が発生した。
国連は飢えを減少させることが社会の安定に繋がるとし、G8でも「食糧安保と国家安全保障は直結している。これに環境問題も結びつく」と基調報告があった。

 「米国がこのサミットに力を入れた理由は、食料生産の緊急増加がなければ社会不安が拡がるのを懸念しているからだ」(フィナンシャルタイムズ、4月20日)。
 2050年に世界の人口は現在の65億人から90億人に増える。食料の増産は極めて重要である。

 というわけで韓国やサウジアラビアは外国の土地を借りて農地にかえ、そこで食料を増産するプロジェクトを進める。ヘッジファンドはそうした借農地に派手に投資する。
 ジンバブエあたりで農地を借りた韓国の食料生産の遣り方が国際非難の俎上にのぼった。

 「中国は海外の農地への投機には参加しない。農業への公共投資は重要であるが」とイタリアで開催された冒頭「G8農相サミット」へオブザーバー参加し、その最中に記者会見した。

 だが、この発言は眉唾ではないのか? 
穀物を日本より多く、米国や中南米から輸入している中国は、国内的には昨秋以来の大寒波、干魃被害に見舞われ、農業の収穫に減産予測がでている。
にも関わらず、国際的はウケを狙っただけの発言がこのところ目立つ。「タイミングを選んでの、この発言、いかにも中国的なソフトパワーである」(フィナンシャル・タイムズ、4月20日付け)

 おりしも中国でも三つ目の英字新聞が発行され、話題を呼んでいる。
これまでの中国における英字は、新華社系「チャイナ・ポスト」と「上海ポスト」だけ。この列に「グローバル・タイムズ」が人民日報姉妹版として、北京で“創刊”されたわけで、中味の国営放送的無味乾燥とは別に、ジャーナリズム世界の不況の中での創刊だから、なにかと話題となった。
 新聞がばたばたと休刊してゆく中で、新聞創刊というのは一種の快挙でもある。
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(読者の声1)貴誌通巻第2572号に「しなの六文銭」氏が『太平記』について論じておられました。いつもながらの切れ味の鋭い論考です。
『太平記』に関して論じるとき、ひとつ忘れてはならない重要なことがあります。その成立の経緯です。
室町幕府成立直後、既に太平語りの律僧たちが沢山いたそうです。語るものごとに話が多少違っていたことでしょう。そこで、室町幕府管領で将軍足利尊氏に次ナンバーツーの地位にあった細川頼之が当時の太平語りの名人たちを集めて編纂させ太平語りの話す内容を標準化したものが現在の『太平記』の元になっています。
その割には、北朝や室町幕府にばかり都合の良い話になっていないのは驚くべきことです。何でも受け入れるだけの度量とその裏づけとなる自信が室町幕府にあったのか、あまりにも南朝や楠公の人気が高くあそこまでで妥協せざるを得なかったのか、それとも隠された意図があったのか私にはわかりません。
しかし、このことを知った上で読むことが、的確に作者の意図をつかむために必要であると考えます。
南北朝時代にもとからの三種の神器は、南朝にありましたが北朝も三種の神器を新たに作りました。
では南北朝統合後はどうなったのでしょうか。統一後の宮中祭祀にどちらが使われているかは存じませんが、実は、現在の天皇家にいたるまで、南朝、北朝両方の三種の神器が宮中につたわってきていて、現在も皇居には、それぞれ同じつくりの入れ物に入った三種の神器が二組存在しています。
つまり天皇陛下が宮中祭祀に使ったものであれば、もとからのものであろうとも、北朝が新たに作ったものであろうとも、神聖な神器であるということのようです。
昭和初期に当時政治思想史の第一人者であった井上哲次郎東京帝国大学教授が天皇の践祚には三種の神器は必須ではないとの意見を発表したところ、頭山満がとんでもないことを言うなと脅すという事件がありました。天皇陛下が宮中祭祀に使うからこそ尊いものであるという宮中で伝統からすると、井上教授の見解のほうが宮中の伝統に忠実であるといえます。
   (ST生、神奈川)





(読者の声2)『ローマ亡き後の地中海世界』に十三世紀イスラム教徒が支配し海賊稼業で成り立っていたチェニスとその被害に遭い苦しんでいたスペイン王国の間で次のような協定が結ばれたとあります。
「海賊による被害は、両国とも、三ヶ月以内に申告されねばならない。その期限を過ぎれば、補償の義務はないとする。領民が拉致されたり、それを行った海賊が捕われたとしても、それは両国の友好な関係に何ら支障をもたらすものではないことを明言する」。
この協定について著者は、「これは、国民が拉致されても国家間の外交には無関係、ということであろうか。なんだか、どこかの国の外務省と似ていなくもない」と皮肉を籠めて記しています。
この著者は十二世紀から十三世紀にかけて地中海世界に巻き起こった十字軍運動についてこう述べています。
(引用開始)
「人間とは、良かれ悪しかれ、現実的なことよりも現実から遠く離れたことのほうに、より胸を熱くするものである。つまり心がより躍るのだ。中世人の信仰心が高まったからこそ、十字軍は起こったのである。・・あれだけ多くの人々を巻き込んだ、あれほども長くつづいた大衆運動になったのである。(北アフリカのイスラム人海賊に)拉致された不幸な人々の奪還では、一時的には十字軍であっても、連続した十字軍にはならなかったのだ」。
(引用止め)

十字軍遠征は聖地パレスチナのイスラム教徒からの奪還という宗教的情熱に支えられて七回行われ内一回は北アフリカに拉致されたキリスト教徒奪還に向かいましたが、後が続かなかったことを指しています。
ここで目を西洋中世世界から現代日本に向けますと他国に拉致された同胞を奪い返そうとする十字軍にはあった情熱を日本人は持ち合わせていません。北朝鮮に国家主権を侵害されたとの意識が甚だ稀薄で、それにより損われた自国の威信を回復しようとの気力は無いに等しいのです。
政府、外務省、そして拉致被害者家族は北朝鮮の秘密を知ってしまった拉致被害者を対話(外交交渉)や圧力(経済制裁)で取り戻せないことをよく分かっているのです。
金正日が彼らの帰国を許して自分の悪事を世界にバラされることを絶対容認しないことを知っています。
どうしてマスコミはその真実を報道しないのでしょう。拉致された日本人同胞が帰国できる方法はただ一つでしょう。日本が武力で北朝鮮に攻め入るしかありません。
しかし残念なことに米国、国連(国際社会)が武力による奪還を容認しないだけでなくそもそも日本にその気力がありません。これが二等か三等国家の悲哀です。
しかし武力による進攻の他にやれることがあります。核兵器によって金正日を威嚇することです。某都知事は、そもそも使えない核の脅威を持ち出してやり合う外交交渉なんてナンセンスの極みとの“卓見”を先日ある記者会見で述べていましたが、ナンセンスの極みこそが人間社会の特質です。
現実は核を持った北朝鮮に米国は腰が引けてストレート球を飛ばせずスライス球ばかりになってしまっています。
次回の総選挙で党是に「拉致被害者奪還のための核兵器所有」を掲げてナショナリズムかパトリアティズムか名前は何でもよいのですが、日本人の魂を熱く揺さ振ることが出来たらそこが政権党と成り得るでしょう。
同胞奪還に核所有を唱える気概ある政治家が現れず人気取りの浮薄な政策のバラ撒きや相手方のミス・スキャンダルでの脚の引っ張り合いに終始する党争ばかりしていたら日本は四等国、五等国、十等国へ転がり落ちて行くだけです。
   (有楽生)


(宮崎正弘のコメント)潮匡人氏によれば、日本は世界で80番(81番でしたか)、すでに五等国に落ちた?
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 三島由紀夫研究会の次回「公開講座」
  ケント・ギルバート氏を招いて「私の卒論もミシマ・ユキオだった」
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弁護士、タレントとして活躍のケント・ギルバートさんを招いて公開講座です。
 じつはケントさん、たいへんな親日家であることはご承知の通りでしょうが、卒論がミシマ・ユキオだった。そのあたりから日本文化と米国文化の違いなどを雑談もまじえて語っていただきます。
         記
とき      4月24日(金曜日) 午後六時半(六時開場)
ところ     市ヶ谷「アルカディア市ヶ谷」四階会議室
講師      ケント・ギルバート
演題      「私の卒論もミシマだった」(仮題)。
会費      2000円(会場分担金として)。賛助会員ならびに学生=1000円
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講座修了後、近くの居酒屋で「懇親会」があります。別途会費3000円を予定。これは希望者のみです。どなたでも予約なくご参加できます。
 ただし懇親会も参加希望の人は予め下記へ予約を(講座だけの人は予約必要ありません)。
 yukokuki@hotmail.com
 お名前と参加人員だけ、上記アドレスへお知らせ下さい。
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▲ おしらせ △ INFOMATION ◎ おしらせ ◎ INFOMATION 
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宮崎正弘独演会の予告
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ウォール街から始まった株式暴落と世界同時不況から次の変革が目の前に来ている。これから米国の消費激減とロシア、中国の陥没などが世界的なシステムの変更を否応なく促す。
この「百年に一度の危機」が、日本にとって最大のチャンスであると宮崎正弘先生が明示します。

 記 
とき    平成21年5月16日(土) 18時〜19時45分 (開場:17時45分)
講師と演題  宮崎正弘「どうなる世界と日本のこれから」
ところ    文京シビック3F 第1・2会議室(文京シビックセンター内)
        東京都文京区春日1-16-21  03-3812-7111
        交通:東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」徒歩1分
都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分
 http://www.b-academy.jp/b-civichall/about/about02_04.html 

参加費   1000円 (事前申込の女性・学生500円)
懇親会   20時〜22時。参加費:3800円 (事前申込の女性・学生3500円)

◎会場の都合により、懇親会参加者は必ず事前にお申し込みください。
【申込先】 5月15日までにメールまたはFAXにて(当日受付も可)
      会場の定員が80名につき、先着順とさせて頂きます
士気の集い・青年部  TEL 090-3450-1951 FAX 050-1282-2472
(千田 昌寛宛て)    E-mail:morale_meeting@yahoo.co.jp

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宮崎正弘先生講演会「どうなる世界と日本のこれから」申込書
お名前                お電話     (      )      
                       FAX     (      )      
□講演会     □懇親会  (参加は□にチェックを)

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宮崎正弘の新刊  http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
  宮崎正弘・石平 共著
『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(定価980円。ワック文庫) 
       4月24日配本。四月下旬に全国主要書店に並びます。


宮崎正弘の近刊  絶賛発売中!
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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  • Bebson2009/04/23

    4月22日(水曜日)に小学館発行の『SAPIO』誌に盟友、林建良氏が

    《NHKスペシャルは「日本精神」を尊敬する「親日台湾」を侮辱した》

    として巻頭言を載せております。心意気のある皆様方、是非お読み下さい。

    宇都宮、Bebson HOCHFELD

  • 名無しさん2009/04/22

    潮さんの「80番目の国」を読ませていただきましたがホントにもう国防意識では世界最下位に有ると考えています。