国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/04/17


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)4月17日(金曜日)貳
         通巻第2569号 
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 中南米の地政学大変動・かくも迅速なアメリカの影響力低下
  ベネズエラ、アルゼンチンに続き、ブラジルも人民元決裁圏入りか?
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 アメリカの地政学的感覚ではラテン・アメリカは“中庭”のつもりだった。
 メキシコは“付録”、パナマは“属領”同然、他の国々もいつでも従えさせることが出来ると自信に溢れていた。

しかし半世紀を経ても、目の前の反米政治家=カストロのキューバも落とせず、対岸のベネズエラの激しい反米運動という政治反撃にたじろぎ、ニカラグアでは、鷹派のレーガン政権ですらサンディニスタに手を焼かされた。

 金融危機以後のアメリカは急速に中南米から退場している。
 主因は米銀が体力をすり減らし、貸したカネが戻らない限り、新しい融資も投資も凍結されるからだ。
 2009年度に230億ドルの新規融資を予定しているものの融資できるカネの融通がつかず、貿易でも投資でも、ドル決済に支障が出始めており、労働移動もままならず、そしてこの間隙を縫っての大々的な中国の進出を拱手傍観している。

 まして米国財務省は4月15日の議会報告(年次為替リポート)のなかで、中国を「為替不正操作国」のリストからはずす始末だ。

 ベネズエラへの120億ドル投資はすでに紹介したが、三箇所の鉱区、精油所を中国は合弁で建設する。
中国向け石油は38万バーレルから、日量100万バーレルに激増する。二月には習近平・国家副主席がカラカスを訪問し、先週はチャベス大統領が北京を訪問した。正式に契約した。
ペルーでも、ボリビアでも中国は資源の鉱区を狙って同様な経済支援を続ける。
 チリでもパラグアイ、ウルグアイでも。


 ▲ドル基軸時代の終わりを鮮明に暗示するアルゼンチンとの「通貨スワップ」協定。

 就中、注目はアルゼンチンである。
中国の新しい世界経済戦略の武器は「通貨スワップ」だ。
北京との通貨スワップ協定に署名したアルゼンチンは、100億ドルを上限に人民元決済で中国と貿易を行うことに同意した。
人民元がドル基軸の一部を代替するのである。

 ブラジルも中国への視線を変えた。
これまでの醒めた目から熱狂の眼差しに。
 提示された金額は100億ドル。資源豊富なブラジル国有企業に中国が融資する。有力な鉄鉱石鉱区ばかりか、オフショア開発に充てられる。
この金額は2008年度に「アメリカ大陸銀行」が、中南米すべての国々の案件に融資した総額(112億ドル)に匹敵する。

 「中国が小切手帳を片手にラテン・アメリカを、米国に代替する中庭のごとく闊歩している。金融危機直後からの中南米政治地図が急激にシフトしている」(IHI,4月17日付け)。
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樋泉克夫のコラム


   ――理屈にならぬリクツを、誰もが本当に信じた・・・のかなあ
      『掲発批判“四人幇”文選』(生活・読書・新知三聯書店香港分店 1977年)


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 あの時に毛沢東の死がなければ四人組は続き、!)小平は復活せず、78年末の改革・開放もなかっただろう。それは先軍政治に自家撞着を起す現在の北朝鮮を見るまでもない。
 毛沢東の死は、四人組の政治壟断を苦々しく思っていた共産党幹部にとって千載一遇のチャンスだった。

「你辦事、我放心(お前がやってくれたら、わしゃ安心じゃ)」というたったの6文字で毛沢東から政権を禅譲された「英明な指導者」こと華国鋒を煽てあげた葉剣英ら長老は「赤信号みんなで渡れば怖くない」とばかりに四人組をふん捕まえた。
かくして反四人組キャンペーンが全国展開されることになるのだが、「文献をしっかり学び、核心を確実に把握せよ」と題する党機関紙『人民日報』、党理論誌『紅旗』、それに解放軍機関紙『解放軍報』の共同社説を冒頭に置いたこの本から、当時の党・解放軍・政府を挙げての四人組批判の内実が伝わってくる。

 だが、四人組のどこがどう悪いのか具体的に指摘されているわけではない。
社説は「華主席が我われを指導し、毛主席の遺志を継承し、“四人組”粉砕の闘争を継続することが、我が党の歴史において再度起こった重大な路線闘争である。・・・華主席を頭とする党中央の周囲に堅く団結し、華主席を頭とする党中央の戦略部署にしっかりと続き、一切の行動は華主席を頭とする党中央の指揮に従い、心を整え歩調を合わせ、“四人組”を徹底的に批判するという核心任務をしっかりと把握し、天下を大いに治める新しく偉大なる勝利を勝ち取ろう」で結ばれているが、とどのつまりなにがなんだか判然としない。

まことにもって「莫明其妙(チンプンカンプン)」。四人組は四人組だから悪い。ただ、それだけ。
 そこで『解放軍報』からの転載である「12個の“ナゼ”は四人組の本質が極右であることを暴露する」を読んでみたが、これまたサッパリ判らない。

最初の「ナゼ四人組は偉大な指導者の毛主席に一貫して対抗し、マルクス主義、レーニン主義、毛沢東思想をデタラメに改竄し、毛主席の指示を執行せずに歪曲し、毛主席の戦略部署に干渉し破壊したか」から12番目の「ナゼ四人組は一切を打倒し、我われの社会主義革命と社会主義建設の偉大な成果を根本的に否定し、我が党とプロレタリア階級の専制政治を歪曲し、社会主義の文化事業と経済事業に狂ったように痛打を与え、革命を破壊し、生産を破壊したのか」までを読んでみたが、さすがに文字の国だけあって悪罵の表現は見事としかいいようはないが、とどのつまり悪いから悪い。四人組は悪い。悪いから四人組。なんのことはない堂々巡り。

 この論文は「四人組は口では自分たちこそ左派であり過激派だと標榜していたが、以上のように分析しさえすれば、彼らが党に対し、プロレタリア専制政治に対し、社会主義革命と社会主義建設に対し持ち続けた態度の素地がたちどころに現れてくる。彼らは党とプロレタリア専制政治に悪意をもって攻撃を加えるブルジョワ階級の右派であり、社会主義革命を全面的に否定し根底から覆そうとする反革命派である。

彼らが推し進めたのは、これ以上は右に曲がれないほどに極右の反革命修正主義路線である」で結ばれている。
 なにはともあれ四人組が一網打尽に打倒されたことを挙国一致でドンチャン騒ぎで祝い、「英明な指導者」が!)小平に敗れ去ったことで、改革・開放が緒に就いたわけデス。
まあ、なんだか訳の判らないことばかりですが、とりあえずメデタシメデタシ、でした。
《QED》

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 4月24日、三島由紀夫研究会「公開講座」はケント・ギルバート氏を招いて
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24日三島由紀夫研究会「公開講座」
 講師のケント・ギルバートさんから熱いメッセージ

 「なぜ私は三島由紀夫『春の雪』に惹かれたのか?
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 大学一年生のときに、教会からの指示で日本へ伝道に行くように言われ、選ぶことも断ることもできないまま日本に渡った。そこで日本語を学び、帰国後は大学で日本文学を学んだ。
モルモン教徒として厳しい戒律の中で生活していたとき、三島由紀夫の『春の雪』と出会い、自由奔放に生きる主人公の姿に感銘して三島由紀夫を読むようになった。英訳本は知りうる限り全て、後には日本語版で可能な限り読破した。学生時代、三島に関する論文も書いた。 

  大学時代、最初は英訳本を読んでいたが、だんだん日本語版で読むようになった。
1975年、沖縄海洋博覧会のときにスタッフとして招聘され、再び日本の地を踏む。その頃はある程度自由に日本語を操ることができるようになっていた。大学に戻って法律大学院(ロースクール)に通っていたが、同時に日本文学学科の日本語教師を兼任していた。

△いまも判然としない三島の自死の意味

  モルモン教は自死を厳しく戒めているが、それは「私の世界」での自死であり、三島由紀夫の死は、モルモン教が規定している自死をはるかに上回る死である。教徒である私(ケント)自身、三島の死の意味を、今尚考え続けている。

三島さんの死を考えるとき、天皇の存在を抜きには考えられないのだろうが、「究極の価値」ということなのか、と漠然と感じている。残念ながら「文化防衛論」をまだ読んでいないので私(ケント)にはまだ天皇の本質的意味を理解できずにいる。
  
三島由紀夫も、時代の戒律の中で生き続けたが、作品の中では自由に、奔放に人間模様を描いている。人の生き方、存在を、もっともっと三島から学ぶべきことがあるのではないだろうか。
英語の世界(アメリカ)で、最も知名度の高い日本文学者は間違いなく三島由紀夫である。それは、作品の完成度の高さに由来すると思う。川端文学は、結論がはっきりとしない。遠藤文学はキリスト教を題材にしているが故の評価である。それ以外はほとんど知られていない。
川端よりも三島こそがノーベル文学賞にふさわしい作家であると思っているが、なぜ三島でなく川端だったのかについても疑問に感じている。それを解明したい。
   (文責 編集部)

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 三島由紀夫研究会の次回「公開講座」
  ケント・ギルバート氏を招いて「私の卒論もミシマ・ユキオだった」
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弁護士、タレントとして活躍のケント・ギルバートさんを招いて公開講座です。
 じつはケントさん、たいへんな親日家であることはご承知の通りでしょうが、卒論がミシマ・ユキオだった。そのあたりから日本文化と米国文化の違いなどを雑談もまじえて語っていただきます。
         記
とき      4月24日(金曜日) 午後六時半(六時開場)
ところ     市ヶ谷「アルカディア市ヶ谷」四階会議室
講師      ケント・ギルバート
演題      「私の卒論もミシマだった」(仮題)。
会費      2000円(会場分担金として)。賛助会員ならびに学生=1000円
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講座修了後、近くの居酒屋で「懇親会」があります。別途会費3000円を予定。これは希望者のみです。
 どなたでも予約なくご参加できます。
 ただし懇親会も参加希望の人は予め下記へ予約を(講座だけの人は予約必要ありません)。
 yukokuki@hotmail.com
 お名前と参加人員だけ、上記アドレスへお知らせ下さい。
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宮崎正弘の新刊  http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
  宮崎正弘・石平 共著
『絶望の大国、中国の真実――日本人は中国人のことを何も分かっていない』
(定価980円。ワック文庫) 
       4月24日配本。四月下旬に全国主要書店に並びます。


宮崎正弘の近刊  絶賛発売中!
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
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