国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/04/17


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)4月17日(金曜日)
         通巻第2568号 
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 中華愛国のパラノイア節、ふたたび中国の若者を捉えるか?
  注目の『中国不高興』(中国は不愉快です)がベストセラーに
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最近、中国ではナショナリズムを過度に鼓舞する書籍が売れている。 
とくに世界的金融危機に直面して以後は、米国と対決しない、米国債を購入しつつける中国政府への間接的非難を背景に、ダライラマ法王と会った、サルコジ仏大統領への痛罵を通して、中国の団結を訴える、きわめて歪んだ発想が基礎にある。

その代表格は『中国不高興』(中国は不愉快です)と、ズバリのタイトル、大中華思想に乗っ取って、世界に覇をとなえるパラノイアが発想の基盤となっている。

この動きをいち早く伝えた産経北京総局長の伊藤正氏はこう書いた。
「執筆グループはこうした米中協調に不満を隠さない。彼らは米国同様、中国にも巨大な格差、不公平を生んだ新自由主義経済を非難し、中国人民の血と汗で稼いだ外貨を搾り取られ続けることは我慢できないとする。その上で金融危機は必ず戦争を招くとして、軍事力の強化を提言もしている」(産経、3月24日付け)。

いつか小紙でも紹介した仲大軍の新作も金融危機をバネに、中国の外貨政策を批判し、中国が米国債を買っている現実を『アメリカによって中国の財宝が拉致された』というあべこべの論理をたてた。
あの錯誤に似た中華思想の倒錯が起きている。
これを「ネオ・レフト」と欧米のジャーナリズムが規定しはじめ、警戒警報をならずメディアが増えた。米国がネオレフトと呼ぶのは『ネオコン』批判と同根。この場合は、転向をともなう修正主義の意味合いが米国では含む。

さて、『中国は不愉快です』の著者らはいったい何を言っているのか?
たまたま手元にある「東亜日報」(3月20日付け)の報道から引用すると、

「西欧の一部国家が、チベット問題を中国に不利に報道するなど中国を「挑発」し、独立分子をけしかけて、流血暴力事態が発生するように仕向けていると主張した。 昨年の北京五輪の聖火リレーで、チベット問題を取り上げて聖火リレーを妨害したことも、中国国民を非常に不快にさせたと強調した。著者らは、「このことで、西欧国家は、中国の若者との関係に傷がついた。これは中国にも不利だが、 西欧にはもっと不利なことだ」と警告した。 
中国が追求すべき指導的国家とは、少なくとも現在の米国の姿ではなく、米国に対しては「よく食べるが怠惰で、無責任で、世界を経済危機に追い込んだ国」と猛非難した。 同書が出版され、「中国が今後進むべき世界指導のビジョンを提示した」と肯定的な評価もあるが、一部では「一部の極左派の意見であり、中国全体の人民の意思を代弁していない」という批判も出ていると『文匯報』(09年3月19日付け)は伝えた」
(『東亜日報』、3月20日)

 どうやら「ナショナリト」と呼称される一群の現状不満派は、ならば共産主義原理に帰れと主張しているのかといえば、そうでもない。北京五輪以後、盛り上がったかに見えた中華愛国のムードが世界金融危機に直面して、掻き消え、中国経済が泥沼の不況に陥ったことから、角度の異なる『中華愛国』の旗振りが出てきたと言える。

 執筆者のひとり宋暁軍は、十数年前に世界的ベストセラーとなった『ノーと言える中国』の共著者でもあり、出版ジャーナリストの独特の臭覚から『マーケット』を、その主張に捉えた商業センスもあるようだ、と指摘するのは「ISNニュース」だ(09年4月16日号)。

 「かれらは自身が『ネオ・レフト』とも『ナショナリスト』とも認識していないだろう。かれらは共通に『愛国者』と自己規定しており、政治的にはどの派閥に属するのか不明だ」と専門家のベーント・バーガーは言う(ハンブルグ大学研究員)。

 政治的組織的動きではなく、レトリックの世界を中華思想の現代版がうろついている。
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(読者の声1)貴誌前号にでた「ST生」様の以下のご意見に感想です。
<引用>
「あの状況で講和成立にもっていけるだけの用意周到な和平提案をしたとは贔屓目に見ても言えません。また大東亜戦争勃発後にも日本側の軍、政府あるいは民間の一部の人が講和使節を送ろうとしたり、蒋介石政権と接触したことはありますが、蒋介石とすればそんな話には危なくて乗れるはずがありません。内閣総理大臣が真珠湾攻撃作戦を知ったのが12月1日の御前会議というほど閣内、さらに大本営内ですら意思疎通を欠いていたような国です。しかも、大本営の方針は海上作戦はインド洋方面と決まっていたにもかかわらず、軍令部の反対を押し切って一実戦部隊にすぎない太平洋艦隊司令本部がかわずの面にしょんべんで暴走してしまうことが成り行きで許されてしまうような国です、まともな外交交渉などできうべきもありませんでした。その点、繆斌工作は、蒋介石政権の独裁者に近い存在であった蒋介石の了承の下に送られてきた密使でしたので、「日本からは講和を提案したが蒋介石は拒絶してきたと主張することは大いに無理なことと考えます。
繆斌工作に関しては展転社刊、横山銕三(よこやま てつぞう) 著「『繆斌工作』成ラズ」という本がでています。この本の内容が信頼できるか否か私は確答できませんが、朴訥に書かれていて真実味があります。事実とすればまさに瞠目すべき内容です。(ST生、神奈川)」(引用終わり)。

感想です。
1.日本の戦略:支那大陸で長期の戦争をするつもりは無く、蒋介石の主力を一撃して講和、撤退する戦略でした。
 なぜなら国力が無かったからです。これは毛沢東もエドガースノーに語っています。だから日本は何度も何度も講和を提案しました。米国のヘレン・ミアーズ女史は何故蒋介石が有利な条件なのに受諾しなかったのか不思議だと「米国の鏡日本」に書いています。それはしたくても出来なかったからです。

2.蒋介石の本音:蒋介石は日本と講和をしたかったと思います。なぜなら日本と戦うと主力軍を失い、共産軍に負けるからです。
 自殺行為です。事実そうなりました。国共内戦で敗戦が続くと蒋介石は、上海戦の緒戦で失った国民党最精鋭部隊24万を惜しんだといいます。自分で始めた戦争なのだから自業自得でしたが。

3.蒋介石は米ソの傀儡であり英ソではありません。これは米国が蒋介石に15億ドルもの援助を行い支那派遣軍を送っていたことで明らかです。英国は極東の国際騒乱は自国の香港など植民地権益に影響が出るので望まなかった。英国は第一次大戦で国力を大幅に弱めてしまったので、蒋介石を支配するような軍事援助は出来なかったのです。
しかし欧州大戦でドイツにかなわないので、米国に援助を求める必要があり、その都合で米国の極東戦略に追従したのです。大英帝国の栄光はすでに過去のものになっていたのです。

4.戦前の日本政府の誹謗中傷:日本人なら止めたいものです。

5.ミョウヒンは国民党南京政府の要人ですが裏で蒋介石の重慶政府とつながっていました。蒋介石は戦後の国共内戦のために、日本軍10万を借用しようとしたと言われています。
日本撤退後、蒋介石はミョウヒンを漢奸第一号として処刑します。これは自分の対日工作を知られたくなかったので口封じと言われています。なお彼の子息は現在南京に健在とのことです。

6.支那からの復員:これは帰還船を含めて米軍の支那派遣軍総司令官のウェデマイヤー将軍の手配によるもので、蒋介石の処置ではありません。
蒋介石は日本軍の武器が中共側に渡るのを恐れて、恩着せがましく、日本軍に報復しないなどと宣伝したのです。騙されて勘違いしないようにしたいものです。
   (MC生)


(宮崎正弘のコメント)「忘恩の徒」はどちらか。それにしても蒋介石に感謝する国民運動が昭和五十年代まで、日本に存在しました。旧帝国陸軍軍人が中心でしたが。。。。
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