国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/04/10


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成21年(2009年)4月10日(金曜日)貳
         通巻第2559号 
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 四川省大地震跡地で放射能漏れを観測
    地下水の汚染が顕著に確認され始めている、と香港誌『開放』
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  昨日発売の香港誌『開放』四月号は、四川省都江堰市崇義鎭で地下水から水準を超える放射能漏れがあると報じた。
昨年五月の四川省大地震の直後に軍が派遣されて秘密核兵器基地一帯を封鎖した。
 北川市から文川市にかけて、核兵器基地をコンクリートで固めて応急措置を講じたものの、放射能漏れがはじまった。
 
 同誌はまた旧軍人の幹部告発事件に触れている。
 89年6月4日、天安門事件。鎮圧部隊にいた軍人、張世軍は無辜の学生を軍が殺すことが、はたして共産主義の大儀なのか、と胡錦涛に公開質問状をおくりつけ、92年に秘密裏に逮捕され労働改造所へ三年間、送られていた。

 「国民党独裁の台湾でも蒋経国時代には複数政党、反対媒体や団体を徐々に解除し、民主化へ向かった。台湾では民主選挙も実現した。いったい、この国はいつまで民衆の要求を暴力で踏みにじるのか」と書いた。

六四天安門の虐殺から二十年、警戒をつよめる当局によって張世軍はまた拘束された模様と報じている。
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(読者の声1)貴誌2558号。トルコ政治の特集。
一昨年のクリスマスにイスタンブールへ行った。
ニューヨークから飛んだアテネに三晩。イスタンブールはそこから、ほんの50分だった。エーゲ海の島々には木が生えてない。確かに、ギリシア人はトルコ人と犬猿どころか、心底から嫌いあっている。
アルメニアといえば100年前の大虐殺。モノクロ写真で見たが、ジプシーのような色とりどりの服装の死体がごろごろと、恐ろしい光景。それを米民主党の死んだラントスが取り上げた。米民主党の「人権派」という偽善者らのシリーズですね。
アルメニア人はユダヤ人よりも守銭奴だとされる。アメリカに移住したアルメニア人は分散せず、東部にかたまっている。トルコではボスフォラス海峡の高級地区を陣取っている。
この海峡の流れは時速14キロと、河のように速い。魚影も濃い。ラントスの動きを察知したエルドガンは、駐米大使を引き上げた。
ペロシ(下院議長)らは驚いた。慰安婦決議を通された安倍さんには出来ない芸当ですね。PKKだがブルーモスクの裏のホテルの従業員の半分がクルド人だった。「パカカ」と彼らは呼んでいた。ロビーのテレビで、トルコ空軍がイラク北部のクルド地区を爆撃するのを見て、泣き声をあげたのを想い出す。
よく聞くと、「イスタンブールのスーク(市場)の隣の貧民屈はクルド地区で、交通裁判所でも同等に扱われない」だった。
行ってみると何十頭もの茶色の羊を逆吊りにして喉を切っていた。腹を裂いて、腸を掻き出すと、あたりに湯煙が立った。ウチの家内(アメリカ女)が悲鳴を上げた。トルコ人マネージャーのロンドンの大学出は「いや、パカカはテロリストだから」と耳打ちしてくれた。「制圧するしかない」とぼくがいうと、うなずいたのです。
エルドガンの立場は繊細に感じた。警官も、軍人も、親切だった。拳銃まで見せてくれた。
だがこれは、ぼくが日本人だからか? やけに韓国製のヒュンダイ(現代)が走っていた。このトルコは、第二次大戦では中立国だった。
それとウイグル人が居住する地区があって、食い物は、焼き羊肉に胡椒で旨かったし安い。ウイグル人はおとなしいですね。
サルタン廟で中国人観光客が大声を張り上げ、つばを吐いていた。トルコ人は中国人が嫌いと見えた。
サルタン・ムフメット大橋を懸けた石川島播磨重工に感謝していた。ゴールデン・ホーンの魚料理をお奨めします。
(伊勢 ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)小生は十数年前にブルーモスクの裏町のホテルに泊まり、イスタンブール市内をあらかた見てからエフィソス、イズミール、パムッカレに行きました。ご指摘のウィグル街でビール片手に串刺しの焼き肉(シシカバブ)を食べたら、それだけでお腹が一杯になった記憶があります。
 それからアルメニア人。商才に長けてエルサレムのど真ん中にもアルメニア人居住区、テヘランにもあります。



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(読者の声2)貴誌2557号(読者の声1)での「戦前の蒋介石政権が関税の管理を英国に任せたのは、英国が「共同管理・共同経営」を「実績・資本にものを言わせいずれ独占し」たのではありません。
アヘン戦争での賠償金を清朝政府は、関税の徴税権を英国政府に渡すことで支払うことに同意し、清朝滅亡までに払いきらなかったので、清朝の後継者を自任する蒋介石政府
もその債務と義務を引き継がされたのです。」
とのご指摘、その通りでした。
長野朗氏の本はあまりに面白くあちこち付箋を付けて読んでいたのですが、関税と塩税の件は「中国人は不平等条約だのなんだの騒ぐが権利ばかり主張し義務を果たさないからいつまでたっても不平等条約のまま、さらに借りた金・支払うべき金を払わないという中国人の性格を熟知する英国は関税と塩税を差し押さえている。日本は借款をずいぶん踏み倒されているがなすすべも無い。」
というような文脈だったように思います。
西原借款などほとんど貸し倒れだったのでは?
   (PB生)


(宮崎正弘のコメント)西原借款も、満鉄も、いや満州国そのものも。



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(読者の声3)貴誌前号の「号外」【台湾の親日を歪曲して特集したNHK】を読んで思ったことです。NHKの破廉恥・非道は毎度のことなので、省略します。
私にとって非常に興味深く思えたのは、柯徳三氏の次の話です。
「日本に捨てられた台湾人の怨み言」であると解釈してほしい。黙って国民政府(蒋介石政府)に引き渡したときの怨みだ」。
もしかしたら、同じような感情を抱いた朝鮮(韓国)人や(日本が統治していた地域の)中国人もいたのではないでしょうか? 今は言いたくても言えない立場におかれている…という感じで…。
(T.T)


(宮崎正弘のコメント)そう通りです。しかし台湾から撤収したときも、蒋介石は「連合軍」としてやって来るが、まさか台湾を盗むとは日本は考えていなかった。
さて蒋介石軍がまっさきにやったことは台湾における日本の財産をすべて接収したことです。総督府、行政の建物、公共、鉄道、学校、病院、駅舎、官舎から、民間の企業、工場、住宅にいたるまで。国民党が世界一財閥な政党? 当然でしょ。すべて日本の残した台湾の財産を濡れ手に粟で手に入れたからじゃありませんか。他方、中国共産党も日本が満州と遼東半島に残した財産をすべて接収。北朝鮮もしかり。その前にソ連が満州のめぼしい機械、工場設備をもぎ取って行きましたが。。。
 さてこの行為を国際法に照らしますと、そうした財産はバランスシートで戦時賠償と相殺されます。だから蒋介石は対日賠償を放棄、72年国交回復時も周恩来は、賠償を言えず、すり替えて技術、経済支援、円借款、無償援助のパケッジが出来上がる。
 北朝鮮に関して言えば、バランスシート上、日本側が圧倒的にプラスです。従って理論的には、一銭たりとも賠償にたぐいする支払いは勘定の上からはありません。
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  • 万葉至乃輔2009/04/10

    本誌で世界情勢を分析、勉強しておりますと歴史と現代の織り成す九十九折がごく近い将来の一点に向かって収斂していく状況がよくわかります。



    イランはまさに古代ペルシャのごとく振る舞い、トルコは再び中東の覇者を標榜しているようにも感じます。EUはローマ帝国の版図に近づいています。ロシアは再びビザンチンの後裔としての意識がわきあがりソ連と同様の野望が再起動中であります。支那は陸のみならず、海上からもアジアに脅威を与えた明のごとくであります。もしかするとモンゴルなどという名前も登場するかもしれません。



    歴史上の帝国が次々と顔を出し始め、やがてどれかに収斂するのでしょう。そのオールスターそろい踏みのユーラシアと対峙しているのがまさしく新大陸のアメリカですが、南半分はその意思に従う気はなさそうな状況です。



    我国としてはユーラシア、特に東アジアが1色に染まることは即、国難となりますから退却路としてのハワイは重要となりそうです。その意味では半島の北と南は我々と同じ脅威を共有していますから、彼らも対馬を通じて我国に渡り、一緒に太平洋を退却しなければならないことになるかもしれません。



    さてユーラシアの穿った分析をしてみたいと思います。支那はロシアと国境を手打ちしています。北への脅威を軽減して本格的に南へ出るでしょう。一方ロシアも支那の脅威を絶ち再び中央アジアへ南下をはじめました。パキスタンが政情不安なのでイランが食指を伸ばしています。インドとすれば看過できない事態なのでパキスタンの政情に干渉するでしょう。



    またスーダンで武器を積んでいたとされるトラックをイスラエルが爆撃したとの情報があり、どうやらイランは紅海のアフリカ側を陸送でエジプトを経由してガザに武器を支援し、またイラクシーア派とレバノンのヘズブラとの関係を構築してシリアを経由して義勇軍をガザに送っているようです。するとアラビア半島は完全にイランに包囲されていることになります。



    このペルシャ帝国の状況に立ち向かい始めたのがトルコです。トルコはアタチュルク以来の近代化政策を完全に断ち切り、再びイスラムの盟主たらんとしているように思います。ギュル大統領のイラク訪問はクルド問題となっておりますが、弱体化するイラクと西をあきらめているトルコの位置関係はそのことを明確に示しているように思います。



    アラビア半島諸国はイスラエルと脅威を共有していると考えられますすので、イスラエルとサウジアラビアは政治的には難しいにしても安全保障でなんらかの同盟関係が現れるのではないでしょうか。そこにトルコがどうかかわるかで情勢は大きく変ってくると考えられます。私はイランと対立する方向を選択すると思っております。



    インドはパキスタンをめぐりイランと対立することもありますが、南下する支那との関係もありイランとの妥協も考えられなくはない状況です。



    一方ロシアの南下はイランやトルコとの接触を生みますが、アルメニア政策でトルコはロシアと手をつなぐ可能性があり一方的にロシアと対立するとは考えられません。



    カトリック・ローマ帝国の後裔EUは東進を続けますが、ウクライナ、ベラルーシ線でビザンティン帝国の後裔ロシアと対峙しており、この両国にバルト3国などを含め帰属がどちらになるかでトルコの態度は変化するでしょう。



    当然これらの動きすべてにアメリカはかかわってくるでしょうが、20世紀後半のような影響力を行使できるとは考えられませんので、ユーラシア内のアイデンティティで問題が解決されることになってくるでしょう。



    我国は支那の海洋膨張で安全保障は危機的状況に陥ります。国民が覚醒し憲法を変え、錬度を含め最低限の軍備を整えるまで最低10年とみても、支那の空母建設のスピードには間に合いません。(ミサイルを先にぶち込まれるかもしれません)ここで初めて日米安保が発動されるかどうかですが、アメリカは我国を見捨てるでしょう。(アメリカの世界戦略は我国とイギリスとイスラエルでユーラシアを押さえる戦略でしたが、大きく方向転換する可能性があります。)先にハワイといったのはそう言う意味です。



    いずれにしてもここ10年のうちにユーラシアでは大規模な集散離合が起こり、最悪3セグメント位に収斂する可能性が大きいと考えています。



    長文失礼致しました。