国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/03/24


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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成21年(2009年)3月24日(火曜日)
       通巻第2536号  
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樋泉克夫のコラム


  ――これが、「中国――この怪物」の正体だ
   『賢人が見つめた中国』(桑原寿二 産経新聞社 平成十四年)



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 著者について多くを語る必要はないだろう。
我が国におけるチャイナウォッチャーの先駆であり、保守派対中論壇における重鎮として健筆を揮い続けたことで知られる。
激動止まない北京の政治動向に対する著者の冷徹な分析の底には、透徹した中国観・歴史観、《あるべき中国》への熱い念い、中国の正体を見極め尽くそうという執念が清冽な流れがあったように思う。
だから、この本は「中国――この怪物」に立ち向かい飽くことなく闘い続けた著者の壮大でロマン溢れる知的格闘の記録といってもよさそうだ。

 この本は、著者が発表した数多い論文の中から帝塚山大学名誉教授の伊原吉之助が選定・監修したもの。「統一戦線と中仏連合」(64年4月)から「『新中原の建設』という置き土産――李登輝氏から陳新総統へ」(2000年5月)までが納められている。

この間、中国では社会主義教育運動が起こり、突如として燃え盛った文革の業火が全土を焼き尽くし、劉少奇が惨殺され、毛の後継者と憲法で定められた林彪が不可解な死を遂げ、朱徳と周恩来が死に唐山で大地震が発生し、文革で猛威を振るった四人組が逮捕され、その死と共に国民を誑かしていた毛沢東のツキモノが落ち、ポスト毛の権力闘争が熾烈に戦わされ、その闘いに勝利した!)小平が毛沢東政治を全否定するかのように改革・開放政策に踏み出し、!)の院政が敷かれ、改革・開放10年で民主化を求める天安門事件が発生し、江沢民の権力が絶頂期を迎え、台湾では蒋介石・経国の死に伴って国民党独裁が終焉し、民主化に伴い李登輝から陳水扁へと本省人政権が続く。

このような激変にもかかわらず、日本は飽くことなく、性懲りもなく「対中追従外交」を続ける――であればこそ、「本書一冊読むだけでも、かなりの中国通になれること、疑いなし!」(「監修の言葉」)である。

 複雑極まりない政治動向を鋭く分析し判り易く説いているだけに、その時々の中国の動きがリアルに伝わってくる。
時系列順に並べられた論文を読み進むと、その後の展開への著者の見通しの確かさが伝わってくるだけでなく、いま読み返してみても新しい発見があって興味は尽きない。とはいうものの、どれか1つ論文を、といわれたら、躊躇なく「中国――この怪物」を挙げたい。「ある、ささやかな体験」との副題を持つ小編だが、中国と中国人に対する著者の基本的な姿勢が過不足なく語られているように思える。

 「昭和の初め、私は北京の一中国人の家庭で食客生活をしていた」。
その家の主を「たぶん運動政治家だ・・・・・・ぐらい」と思い過ごしていたが、遥か後年になって彼が「上海に燃え盛った日貨排斥運動の闘将」だったことを知る。
「排日運動のリーダーが、日本の一友人の紹介でワケの分からない東国の一書生を食客にする」という日中間の複雑微妙な政治のアヤの中で送られた食客生活から、著者は「あちらの人のものの考え方、客としての私への心配りの厚さ、その他いろんなことを知る」。

中国における「国家意識よりも地方主義性、同郷・同族意識による結びつきの強さ」を捉え、「中国の心性はアナーキズムだ」との確信を持ち、「儒教的権威支配に対する反抗としての道教的な虚無思想」という牢固たる伝統を知る。かくて著者は「所詮中国とは『巨大な復元力を持った怪物である』」と結ぶ。

 中国と中国人に対するこのような考えを根底に、著者は変転極まりない中国政治を縦横無尽に語り尽くす。覚めた頭と熱い心――著者の静かな闘志が行間に燃え滾る。
《QED》
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(編集部から)現在、宮崎は超多忙のため、国際ニュース解説が本号もありません。
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(読者の声)「何でも全部ユダヤ人の責任論」について。
<引用>(宮崎正弘のコメント)拙著『ユダヤにこだわると世界が見えなくなる』でユダヤ陰謀論のデタラメさを書き尽くしました。KGB原作と言うよりロシア皇帝時代の秘密警察が淵源でしょうね。<引用終わり>

意見:
1.繰り返す必要性:先生のご意見は正しいのですが、社会的に見るとこの問題の重要なポイントは世代交代と知識の消滅にあります。すなわち毎年何も知らない真っ白な若い人がこの歴史情報の世界に入ってくるのです。
先生や私たち多くのものには分かりきったことが、若い人には知られていない。
このため若い人が詐欺師に騙されるという現象が発生する。最近の「カニ工船本」が良い例です。ということで、毎年定番の基礎知識を繰り返すことは知識の継承という意味で大変重要な作業と思われます。
先生以下各位には、しんどいと思いますが、改めてご見識を繰り返し周知してください。よろしくお願いいたします。

2.ロシアの「ポグロム」:ちなみに、ユダヤ人迫害の「シオンの議定書」はユダヤ人迫害の本場、ロシアのオフラナ(秘密警察)の部長による創作といわれています。
ユダヤ人迫害ではドイツが悪名高いのですが、欧州各国、特にロシア帝国も悪名高い。ユダヤ人大虐殺の用語「ポグロム」はロシア語だと思います。ロシア人は定期的にユダヤ人ゲットーを襲い、金品、家財道具を略奪し、抵抗するユダヤ人は皆殺しにして、家屋を焼き払いました。「屋根の上のバイオリン弾き」です。

3.日本とユダヤ人の関係:これは日露戦争の時、戦費に困った日本政府が外債を募った時の話で「高橋是清自伝」に明らかです。高橋是清は渋沢栄一らの懇請で必死に米英を回りました。
日本敗北必至という状況で日本債権の引き受けてがないところに、ユダヤ人財閥シフが日本の債権を購入してくれたのです。これにより満洲の日本軍への補給が出来て、日本は勝利することができました。ということで戦前皇室はじめ政府、軍はユダヤ民族に深く感謝していました。
これが第二次大戦中、満洲の日本軍がナチス迫害下のユダヤ人をソ連経由で上海に救出した背景になっています。これは決して杉原領事の個人プレーではないのです。上海のユダヤ人居留区は2万五千人を数えたといいます。
杉原領事が発行したビザは6千通といいます。ということは差し引き1万9千のビザは欧州の他の日本領事館が発給していたのです。ドイツのハンブルグ領事館は八百通以上発
給しているといいます。

4.最強の商売人は:ユダヤ人が世界を支配しているなら、歴史上こんなユダヤ人迫害事件は起きていません。松本清張の「何でもCIA論」と同じレベルの妄想です。
ジョーク:「支那人は商売で有名だが、インド商人にはかなわない。そのインド商人もレバノン商人にはかなわない。そのレバノン商人もユダヤ商人にはかなわない。しかし最強のはずのユダヤ商人がいうには、自分たちがかなわない商人がいる。それは誰か。日本の商社です」
   (MC生)


(宮崎正弘のコメント)ご指摘の通り、改竄、でっち上げ宣伝を毎回反論しておくことは重要です。
さてちょっとニュアンスが違いますが、ユダヤ商人より巧妙なのが「レバ・シリ」(レバノンとシリア)、すなわちフェニキア人、カルタゴの末裔ですね。レバシリは印度華僑こと「印僑」よりも商売がうまく、しかもアルメニア商人を相手にしない。
 ジョークは80年代までの猛烈日本人ビジネスマンで、いまやこのジョークは通じないのではありませんか?
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☆宮崎正弘●宮崎正弘●宮崎正弘●宮崎正弘●宮崎正弘●宮崎正弘●宮崎正弘☆
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注目の勉強会です!
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 とくに学生さん歓迎、目黒区以外の人も大歓迎、どなたでも参加できます!

「目黒近現代史研究会 例会のご案内」

日時:平成21年3月28日(土)14:00から
場所:目黒区 向原住区センター 中央体育館隣接(交通:東急目黒線 西小山駅、武蔵小山駅下車徒歩7分位 事前地図確認のこと)。
案内ブログ:「闘論イン目黒」  http://megukenblog.blog57.fc2.com/
演題:日本近代史講座 第二回
講師:落合道夫氏(研究会会長、アパ論文で田母神氏につぐ優秀賞受賞,日本会議会員)
講演内容:近代史の捉え方、前回のおさらい、アジアの解放、泰緬鉄道事件の真相、日ソ戦争と日本民族虜囚の悲劇、米ソの日本占領の目的と破壊方針、破壊政策の分析、日本人の抵抗、軍事裁判の理解の仕方、日本人が奪われたものは何か、冷戦の発生、米国の対日政策の変化と狙い、ソ連の日本正常化妨害、日本独立と裏事情、未完の独立、ソ連崩壊の意味、21世紀の我ら日本人、今何をなすべきか。(講演後質疑応答)
会費:五百円、学生無料。
申込み方法:メール:tooron.in.meguro@gmail.com
電話:事務局、090−9326−7019まで。飛び入り歓迎。
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 「日本文化チャンネル桜」からお知らせ

タイトル:
 「闘論!倒論!討論!2009 日本よ、今...」 
  テーマ:「どうなる!? 日本と世界経済の行方・第4弾」

放送予定日:
前半 平成21年3月26日(木曜日)19:30〜20:30
後半 平成21年3月27日(金曜日)19:00〜20:30
日本文化チャンネル桜(スカパー!216チャンネル)
インターネッット放送So-TV(http://www.so-tv.jp/

パネリスト:(50音順敬称略)
田代秀敏(大和総研主任研究員)
藤井厳喜(国際問題アナリスト)
三橋貴明(経済評論家・作家)
宮崎正弘(作家・評論家)
森木 亮(白鴎大学客員教授・経済工学研究所所長)
司会:水島総(日本文化チャンネル桜 代表)
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○宮崎正弘●宮崎正弘○宮崎正弘●宮崎正弘○宮崎正弘●宮崎正弘○宮崎正弘●
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宮崎正弘の新刊  http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
  4月16日配本。20日には全国主要書店に並びます。
 宮崎正弘・石平『中国人論』(仮題。予価980円。新書版) 
       

宮崎正弘の近刊  絶賛発売中!
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 『北京五輪後、中国はどうなる』 (並木書房、1680円) 
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
 『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』(KKベストセラーズ、1680円)
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○宮崎正弘●宮崎正弘○宮崎正弘●宮崎正弘○宮崎正弘●宮崎正弘○宮崎正弘●
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
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  • 万葉至乃輔2009/03/24

    オバマ大統領がユダヤロビーを放逐しました。これには些か驚きです。オバマ大統領が就任後、真っ先に指名をしたのがユダヤ人のエマニュエル補佐官でした。私はこの人事に少し違和感を覚えました。大統領のミドルネーム「フセイン」にみられる、親イスラム、イスラム対話で行くのかと思っていたからです。



    しかし今回のこのユダヤロビーの措置ととも、先のガザ攻撃時におけるイスラエル軍の「犯罪」をICCに告発する動きに同調しようとする動きがオバマ大統領にあるといいます。



    この動きの少し前にイランではそのガザ攻撃時に起こったとされる「犯罪」にかかわった、イスラエル指導者を逮捕するように、イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師はインターポールに電話をし、イラン検事総長はICCに告訴したとのことです。



    アメリカがイスラエルに対してイランと同調するということは今までにないことでやはりバラク・フセイン・オバマ大統領のシンパシーはイスラムにあるということなのでしょうか。



    さらに今月20日(イラン暦の新年)にはビデオメッセージをイラン政府及び国民へ向けてインターネットに公開をしたようです。アメリカ大統領が特定国に対してこのようなメッセージを発信するのは極めて異例ということなので、今後アメリカの外交がドラスティックにかわるということのような気が致します。



    それともアフガン戦争を見据えた短期戦略で一時期にイランを抱き込もうというのでしょうか。宮崎先生の分析はいかがですか。



    日本とイスラエルの関係は過去から持ちつ持たれつで、歴史や祭祀についても多くの共通点を持っている国であると同時に、古代イスラエル滅亡時、おおくのユダヤ人が日本へも流れ着いているという研究にも同意できる部分もあり、アメリカのこの方針転換は日本にも少なからぬ影響があると分析しています。



    私はアメリカの戦略がユーラシア大陸の西のイギリス、東の日本の両島国と、その中心イスラエルと同盟しながら、リムランド諸国と友好関係を結び、ロシア、中国と対峙するという地政学的見解に大いに同意するものなので些か心配しています。(しかし考えればイランもリムランドです。時代とともに重要性が変異したということでしょうか。)

  • 名無しさん2009/03/24

    中国の歴史を知りたくなりました。