国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/03/18

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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成21年(2009年)3月18日(水曜日)
       通巻第2531号  
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「朝日新聞」が、消える日は近いのではないか
  全米で新聞社の廃刊続出、名門NYタイムズは本社ビルを売却
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 シアトルの有力視「シアトル・ポスト・インテリジェンサー」紙は紙媒体の新聞を廃刊として、ウッブだけのニュース業務に絞り込む。最終号は17日付けだった。

 新聞王ハースト家の系列である同紙だけに、西海岸のメディア関係者ばかりか、全米に衝撃を運んだ。
 以後はネット中心でコラムやブログ論戦を基軸にする。同紙に働く145名のうち、20名ほどを残し、全員は解雇される。


全米マスコミの名門老舗、「アメリカの朝日新聞」とも言われる「 ニューヨーク・タイムズ」がマンハッタンの本社ビルを売却した。

 ニューヨーク・タイムズの52階建ての本社ビルのうち同社保有は21フロア、これを投資会社に2億2500万ドルで売却し、同時に同投資会社と15年間の賃貸契約を結び、10年以内に2億5000万ドルで買い戻す権利をもつ契約を行った。
 
 「マイアミ・ヘラルド」等を発行する業界3位「マクラッチー」社も、大規模なリストラを断行、そして、NYタイムズは「共同でウェブサイトを有料に切り替えよう」と各新聞社の共同戦線を提言した。
マクラッチーは「歴史上、これほどの収益悪化はないが、改善の兆しもない」とコメントし、全社員の15%に当たる1600人を解雇する。
 ニューヨーク・タイムズは「新聞社は読者や広告主に対し“談合”も辞さない覚悟であたるべきであり、ネットの記事を無料にしたことが、今日の経営悪化の元凶だ」と決めつけ、新聞を守るためにも、全ニュースペーパーは、ネットの読者から購読料を徴収しようと提唱した。
同時にネット検索最大手のグーグルが米国版で広告掲載を始めたため、そこにニュースを配信しえちるメディアにも収益を分配するよう協調して動こうとも提唱した。
つまりグーグルはニュースを取材し配信した新聞社にも分け前をよこせ、と言っているわけだ。
これは一種断末魔の叫び?
 

 ▲広告収入は日本のマスコミも顕著に激減

 日本のマスコミは全米の惨状に酷似している。
 電通によれば2008年の広告費は4.7%のマイナスに転じたそうな。

マスコミ4媒体(新聞、テレビ、ラジオ、雑誌)はすべて営業成績が落下、全体で7.6%のマイナスであり、とくに新聞と雑誌が2桁のマイナス成長となった。テレビも4.4%の後退となった。

 一方、インターネットへの広告出稿は16.3%増加を記録した。広告全体のシェアでネット広告は10.4%である。

2007年        2008年        対前年比

総広告費            70兆191億円  6兆6926億円    ▲4.7%

マスコミ4媒体      3兆5,699億円   3兆,2995億円     ▲7.6%

 新聞                 9,462    8,276億円     ▲12.5%

 雑誌                 4,585     4,078億円   ▲11.1%

 ラジオ               1,671    1,549億円      ▲7.3%

 テレビ             1兆9,981   1兆 9,092億円    ▲4.4%

インターネット          6,003     6,983億円    +16.3%



 ▲明日の日本のマスコミの運命がみえてきた

 朝日新聞の秋山社長は「年頭所感」で給与体系の見直し、リストラ1000人、東京大阪二本社制、経費削減を唱えたという。
 
しかし朝日新聞の膿みとは、仕事をしない管理職である。
朝日の給与体系を見ると、
 
読売新聞        1500万 に比較する
1 朝日新聞社      1358万  42.3歳 
2 日本経済新聞社    1282万  41.0歳 
3 西日本新聞社      1038万  42.8歳 
4 日本農業新聞       872万  42.9歳 
5 毎日新聞社        870万  44.0歳
 
 部数世界一の読売の給与体系に及ばないとはいえ、42歳で1400万円近い年収があるとは! 驚き以外のなにものでもない。世界のマスコミビジネスの趨勢にまったく取り残されている。

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(読者の声1)第2530号を読んで心配になったことです。
それは、最後の『反中国感情は、こうしたビジネスの遣り方への不満が爆発して蓄積されている。』という部分です。そのとばっちり、日本(人)に来ることはないでしょうか?
同じ黄色人種(北東アジア人)ということで…。少し古い欧米の映画やテレビ番組などを見ると、よく、日本が中国やその他のアジアの国々とゴッチャにされていますよね。
そういう作品を見て育った世代としては、どうしても不安になります。
   (T.T)


(宮崎正弘のコメント)同じ東洋人ということで中国人と日本人が同一視されるケースは起こりうるでしょう。つい三十年前まで、パリで「シーノ?」、ローマで「チーノか?」と訊かれたのは日常の風景でした。てっきりシナ人と日本人は同じと思っていたのでしょう。フランスの文化人類学者が京都大学で記念講演にやってきて、いきなり北京語でやりだし、誰も分からないと言うと「えっ。日本って中国語が通じないんですかっ!」と答えたのは有名な逸話。
我々日本人が、フランス人とイタリア人とドイツ人を区別できないように、ましてや外国人が稀なアフリカですからね。
 四半世紀前、NYのチャイナタウンに近い地下鉄の駅で若い中国系女性から、いきなり広東語で道を聞かれ驚きました。「わたしは日本人です。広東語は分かりません」と北京語で答えると、えっ、なぜ中国人とそっくりなの、って顔をされましたっけ。
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アンディ・チャン氏のコラム
 
覚醒とは知ること、覚悟とは行動することである。「知易行難」、知るは易く、行なうは難しというが、少なくとも「知行合一」が欲しい。

 [AC論説] No. 271 覚醒から覚悟までの行程
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政権を取られた台湾人は萎縮している。馬英九の急速な中国接近と、急劇な経済悪化で、過去一年の間に国民党独裁を批判する言論が増えたがいずれも政権批判であり、実効のある行動を促す言論は少ない。
これに反して馬英九は無能、学歴詐称、同性愛などと言われてもどんどん中国化を実行に移している。

台湾人の抗議やテレビ対談の国民党批判は多いが行動計画はない。たまに起すデモンストレーションはそれが終われば沈静する。人民の覚醒を促す論文は多いが、行動を促す論文がない。

覚醒とは知ること、覚悟とは行動することである。「知易行難」、知るは易く、行なうは難しというが、少なくとも「知行合一」が欲しい。

●目標は打倒中華民国である

台湾人の萎縮は目標が定まらないからである。国家とは人民が作るものであり、国民が国家の主人公である。馬英九がもともと敵だったとわかっているのに、みすみす政権を取られてしまった。それから国民党政権が民意に背く行動を取り始め、抗議は無視されるようになった。
台湾が中国から併呑される危機に瀕しているのに人民は苦情を言うだけで行動がない。行動目標が定まらないのである。

目標が定まらないから計画がない。政権を敵に取られ、一歩一歩と中国接近をしている。それでも敵に対してどうすればよいのか具体論がない。目標は打倒中華民国である、それでも一部の人は中華民国制度を維持するつもりである。
 民進党は台湾人の政党と言われている。しかし民進党は選挙で政権を取り戻すことばかり主張している。政権を取り戻すには人民が民進党に投票しなければならないが、民進党の支持率は13%内外で、馬英九の19%よりはるかに低い。人民は民進党の選挙優先を支持しない。選挙で国民党に勝てると思っていないし、たとえ民進党が勝っても中華民国政権である。

国民党が中国共産党と一緒に中台統一、つまり「中華民国の滅亡」を企画しているのに、台湾人政党の民進党が「中華民国を維持」すると主張している。何たるバカな話。

●言論は覚醒、覚悟してから行動

蒋系中国人は中台経済合作協定(ECFA)という、台湾を中国に売り渡す協定を進めているが、9割の台湾人は反対である。国民党は人民の関心を逸らすため陳水扁を汚職で断罪して、メディアが毎日陳水扁の悪口を報道している。国民党の策略とメディアに踊らされているのが民進党員で、国民党と一緒に陳水扁を攻撃しているのだから、バカにシンニュウをかけたようなものだ。

言論人が台湾の危機を書いたものは多い。この頃は台湾に住む外国人記者もかなり中華民国の独裁に抗議する記事を書くようになって、結論はいつも「台湾人よ目覚めよ」、「台湾人は何時になったら目が醒めるのか」と書いている。外国人が覚醒を呼びかけると大勢の「識者」が舞い上がって同調する。「一犬吠日。萬犬和之」、犬の遠吠えだ。

しかし言論が台湾民衆に呼びかけるのもここまで、覚醒してどうすればよいのか次の方針が立っていない。覚醒の呼びかけはもうたくさん、覚醒した後で「台湾人が行動するにはこうすべきだ」という方針が大切でないだろうか。

●国づくりの初歩は意見の統一

三月十五日に日本を訪問した民進党の党首・蔡英文は東京私學會館で「現今の台湾情勢と台日関係」と言う題で講演を行い、300名ほどの参加者に対し、民進党は必ず2012年に政権を取り戻しますと決心をしめした。でもなぁ………
「どの国の政権ですか英文さん」

民進党が独立を放棄して選挙に熱中しているので、台湾人の独立意識が分散して中華民国打倒を忘れている。つまり、民進党が独立の大きな阻害となっている。年末の地方選挙で民進党が負けたら覚醒するかもしれない。覚醒しても民進党と台湾人民が中華民国打倒の行動を討論するまでどれだけ時間がかかるだろうか。そして打倒中華民国に意見の一致を見るのはいつだろうか。
台湾人の独立運動はいくつも派閥がある。
まず、体制内改革派には民進党、台聯党、そして台湾独立運動連盟。体制外独立派には建国党、無党派グループと林志昇グループ、それに新しい野草苺学連運動など。
実際に行動を起してアメリカを告訴したのは林志昇グループで、林志昇は既に台湾平民政府を成立させたが、他のグループは林志昇をボイコットしている。

一致行動するには、民進党の改革と台聯党との合作を進めることが最初ではないか。しかし民進党が体制外運動に参加して中華民国を倒すことに同意する気配はすこしもない。

●具体的行動

中華民国を倒さなければ台湾の独立は見込みがないことを悟らせるのが先決である。中華民国の体制内で政権を取ったところで中華民国政権では中国の圧力がかかる。中国は中華民国よりもはるかに強い圧力と残忍な手口で台湾を締め上げる、或いは武力行使に踏み切る可能性もある。
台湾人の自主独立ならアメリカが支持してくれる。アメリカは中華民国を支持しないことを明確にしている。

陳水扁が中華民国総統だったとき、中華民国を台湾に変更する、台湾名義で国連加盟をすると言明したがアメリカが反対した。アメリカは中華民国を認めないから改名に反対で、台湾の安全を保護しても中華民国を保護しない。このことを理解しなければ具体的行動はできない。
アメリカの援助は期待しない、台湾人が自力で独立を果たすべきだと主張する人も多い。しかし自力独立を主張する人たちでさえ体制内と体制外に別れているのだ。自力独立でもアメリカの援助に反対する事はないはずだ。

政権を倒すには言論やデモ行進だけでは効果がない。最も効果のある行動はストライキである。政府の機能を麻痺させるにはストライキしかない。公然とストライキを実行するのもよいし、不意を狙って行動を起してもよい。ストライキの対象はタクシーやバス、地下鉄や鉄道、高速鉄道など。その次に地方や中央の公務員、軍隊警察などである。ストのほかにも方法はいろいろあるが討論したことがない。

●優柔不断とスパイ

民進党が年末の選挙に失敗した時と、馬英九政権が中国との経済合作協定にサインすると決めた時、この二つのチャンスがある。台湾人は優柔不断だから馬英九の経済合作を絶対に止める決心がついていない。
陳雲林の訪問前に反対デモをせず、実際に台北へ来てから抗議したが警察に鎮圧されて沈静化した。馬英九政権がECFAにサインした後で抗議しても同じ結果になる。優柔不断は大敵である。

ここに書いたことを今の台湾でやれるだろうか。台湾人は決断力に欠けているだけでなく、スパイがたくさん内部にいる。中華民国打倒が失敗すれば台湾は徐々に中国化されるだろう。
知行合一論はあらゆる階段で困難度が高く、反対や揶揄が出るだろう。しかし私は率先して理論はもうたくさんだと言いたい。これからは民衆行動、行動の方法、理論を示す論文が増えるよう願っている。

(アンディ・チャン氏は在米評論家)。
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宮崎正弘の新刊  http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
  四月初旬刊行決定
 宮崎正弘・石平『中国人論』(ワック。仮題) 
       

宮崎正弘の近刊  絶賛発売中!
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫、980円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 『北京五輪後、中国はどうなる』 (並木書房、1680円) 
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 『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』(KKベストセラーズ、1680円)
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  • 名無しさん2009/03/18

    いつも貴重な情報をありがとうございます。

    今日のマスコミ凋落についての記事もたいへんに参考になりました。日本のメディア広告費の増減についても新聞の大幅減と

    インターネットの大幅増の数字を見ると

    今年は新聞とインターネットの広告費の順位が逆転しそうですね。

    反日左翼思想に偏った新聞論調に不快感を

    感じている心ある日本人にとっては朗報です。ただ、産経新聞だけは生き残ってほしいのですが。(陽山)