国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/02/26


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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成21年(2009年)2月27日(金曜日) 
         通巻第2508号  (2月26日発行)
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 ブラックストーン等への投資で60億ドルも損出をだしたはずなのに?
  CIC(中国投資公司)が5%の配当を発表する不可思議
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 上海証券新聞は2月24日、中国投資公司(CIC)が2008年度に100億ドルの利益を出した、と伝えた。配当は5%を確保できた、という。CICは中国初の国富ファンドで、外貨準備高から2000億ドルを回して07年に設立。

 「ん?」
 CICはブラックストーンに50億ドル、モルガンスタンレーに30億ドルを投資し、昨年リーマンショックで株暴落後、時価が20億ドルに減少、「もう海外投資はしない」と言っていたんじゃありませんか?

 英字紙『チャイナ・ディリー』(2月25日)によれば、同行は流動性の高い金融商品におよそ900億ドルを投資して配当を得たという。
主な投資商品はと言えば米国債、財務省証券などの配当が30億ドル。これにくわえて国内の中国銀行、中国建設銀行への出資分への株主配当が「相当」あった由。
 これって、日本で言う“タコ足配当”。

 その中国建設銀行は、58億ドルの社債(劣後債)を新たに発行すると言うから、これも摩訶不思議。同行は時価発行総額では世界第貳位。
 10年物の利息が3・2%、15年物が4%の配当を謳っている。中国建設銀行の劣後債を海外投資家が買うとは思えないので、中国国内の「投資家」が買わされるのだろうけれど、お笑いだったのは、中国国内の格付け機関、CICCがトリプルAを格付け。史上最悪の金融詐欺CDSを抱えていたファニーメー、フレディマックにAAAの格付けをした、どこかの国のそれと違って身内お手盛り、ってわけですね。

 さらに驚くべきニュースがある。
 中国は国内の国有銀行にこれまで禁じてきた株式購入を解禁したことだ。
 それもこれも中国政府は景気テコ入れとして四兆人民元(5850億ドル)もの景気刺激策を発表したが、実際に中央政府は30%しか負担せず、残りは地方政府が調達する。
となると行き着くのは銀行からの借り入れ。銀行には預金が増えていても貸し出せるカネがない。だから社債を出し、その銀行の株価を支えるために銀行が株式投資をするのを許可した(もっとも、これまでも内緒で銀行が株式投資をしていたのは中国では常識だけど)。

 旧正月は、ことしは1月26日だった。このため実際の一月ビジネス稼働日が少ないため、中国国家統計局は一月統計を発表していない。株式が30%上昇し、バルティック指数が二倍になり、鉄鋼が20%値上がりに動き、運輸人口が60%増えたとは言っても、それらは旧正月の小売り急増によるもので、通年の統計にはならない。
 
 中国人も預金がすきである。国有企業に働いた者には年金もつく。
 中国の年金基金は2007年に4397億元規模だった。08年は525億元に増え、当局は上限20%での投資を認めている。その裡の6%が海外投資にまわっているが、理事長の戴相龍は「もっと海外投資に力を入れる」と言明している(ウォールストリートジャーナル、2月26日)。

 08年の同年金の投資による増加は8・98%だったそうな。
 戴相龍は元中国人民銀行総裁、前の天津市長。経済幕僚のエリートとして世界的に有名。

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(読者の声1)宮崎氏のボイス掲載論文が、gooのニュースサイトにも25日転載されております。
 もし告知が未了でしたら、メルマガでこれを告知されてはいかかでしょう。
 記事の見出しは「失業者4250万人?ごまかしの中国」 Voice    2009年2月25日
http://news.goo.ne.jp/article/php/world/php-20090223-02.html
と明記されています。



(宮崎正弘のコメント)月刊誌『ボイス』は、毎月一本、注目記事をネットに公開する由で、編集部から今月号は拙論が選ばれたと連絡がありました。小生には異存ありませんが、そんなことをすると雑誌の売れ行きにマイナス効果では? ネット社会との兼ね合いが難しいところです。



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(読者の声2)貴誌通巻第2505号(読者の声1)で「今年、生誕200年のチャールズ・ダーウィン氏の妻エマ氏はウェジウッド創業家の出身です。同家は、奴隷廃止論者が多くいて、当時の英国での奴隷廃止運動に資金援助を行なっていたそうです」と書きましたが、ウェジウッド創業家の出身だったのは妻のエマ氏ではなく母のスザンナ氏でした。
生誕200年を記念して、「種の起源」を読みはじめたら、第六版の序文に書いてありました。
これはBBCラジオのニュースで聴いたのですが、ダーウィンは奴隷も一般人と同じ種から分かれたものであり、奴隷として主人に使われるべく神に創造されたものではないということを証明するために「種の起源」を書いたという説があります。
どうもダーウィンの説に反対する者たちが、反論するためにいったことのようです。
南米を探検したとき、少年奴隷の指に主人がスクリュー・ドライバーを押し突け、その少年奴隷が悲鳴をあげているのを聴いたことがありました。その叫び声が後年になっても時々頭の中で鳴り響き、苦しんでいたそうです。おそらくただ押し突けただけでなく、ゴリゴリと回転させていたのでしょう。
その苦しみの中でも理性を失わず感情と情念におぼれず、冷静に「種の起源」を書き上げたことは、驚嘆すべきことです。
彼の進化論を肯定するにしても否定するにしてもその点は、賞賛し、我々も自省せねばなりません。
いずれにしても、家族思い、そして、人間愛に満ちた世俗の富貴を求めなかった人だったようです。たくまずして大和魂をもったひとだったのでしょう。
  (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント) キリスト教ファンダメンタルズは、ダーウィンを認めません。猿から人間が生まれたなんて、聖書とは違う。絶対に認めない、というわけです。



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(読者の声3)貴誌2507号に貴見『ファクタ』という雑誌は、ときおりスクープがあるので目を通しています。月刊誌でスクープはむずかいですが、最近では安倍氏が首相に就任したらいの一番に訪中するとどこよりも早く記事にしていました。麻生内閣のミニ改造はたいしたネタではありませんが、自民党中枢にたしかな情報ルートを持っているようです。でも下野したらこれは使えなくなりますね。メルマガでご紹介のあった『ハルビン学院と満州国』(新潮選書)は手に取りました。
♪「楡のハルビン  緑の都 国際列車が  今日も出る  花の東京と  パリーの空へ 虹の懸け橋 中どころ」
(ハルビン小唄)


(宮崎正弘のコメント)もう十数年は前ですが、蘇州で偶然バスの隣が年配の日本人。いろいろと話し込んでいると、ハルビン外語学院OBということがわかり、驚きました。ロシア語のほかに、そのおジィサン、中国語も操りました。
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宮崎正弘の新刊 
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
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宮崎正弘のロングセラー
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫。980円)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書、861円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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  • 名無しさん2009/02/26

    勉強になりました。

  • りきまる2009/02/26

    いつも拝見しております。浅学につきご教示ください。

    米国に無心されるのは確実とのことですが、紙切れではなく金(gold)を売ってくれという訳にはいかないものなのでしょうか。