国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/02/22


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成21年(2009年)2月23日(月曜日)
     通巻第2502号  <2500号突破記念増大号 その2>
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英国の老舗名門紙「インデペンデント」が迎えた経営危機 
 マードックも買収を断念、ネットの脅威がペーパー・メディアを襲う
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 英国新聞界の名門「インデペンデント」紙は、1904年ダブリンで産声をあげた。
 ウィリアム・マーチン・マーフィが創刊し、半世紀ほどはアイルランド最大の新聞として育った。
 1960年代に多角化経営を始め、1973年にアンソニー・オライリーが筆頭株主、編集並びに経営権を掌握し、さらなる多角化経営を実践、オーストラリア、ニュージーランド、南ア、インドへと進出を果たし、出版事業、通信、広告、ネット部門にも拡大してゆく。
 経営母体は「インデペンデント・ニュース&メディア」(通称INM)。

 2001年にオライリーには女王陛下からナイト(爵位)が贈与され「サー・アンソニー・オライリー」と呼ばれる。

 現在、オライリーは73歳、嘗てはラグビー選手、国民的アイドル、同時に彼は名門窯業企業ウォーターフォルド・ウェッジウッドの会長でもある。「ウェッジウッド」というブランドはドイツのマイセン、ハンガリーのヘレンド、日本で言えば九谷か、伊万里、有田、薩摩にならぶ高級品である。

 サー・アンソニー・オライリーは1979年から98年迄「ハインツ」の会長も務め、米国でも有名経営者として知られた。当時の年収は7500万ドル推定。
 2001年から07年までにINMは売り上げを75%伸ばし、インド、インドネシアへも進出した。

 2008年、インデペンデント紙はロンドンで14%の購読者減に直面した。
 ちなみに全米七大新聞は、同期にどれほどの部数減に見舞われていたか?
 
 媒体名             部数減少       ネットビジターの増加率
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USAトディ          かわらず        15%増
ウォールストリートジャーナル  々           34
ニューヨークタイムズ      ▲3・6%        6
ロスアンジェルスタイムズ    ▲5・2%       73
ディリーニューズ        ▲7・2        99
ニューヨークポスト       ▲6・3%       60%増加
ワシントンポスト        ▲1・9        12

 ネットへのビジターが増えても購読料は無料、ほぼ全額を広告で補うのがネットへのニュース配信である。たしかにビジターは増えている。しかし広告収入は増えず、一方で紙媒体の読者は激減し、広告収入は劇的に下がる。


▲アジアでは新聞購読者が増加

 新聞界の広告収入は紙媒体がマイナス19・3%、ネットも落ち込んでおり、マイナス3%(おそらくこれは金融不況で銀行証券の広告が激減したためと見られる。数字はいずれもTIME、2009年3月2日号より)。

 借入金が14億ユーロ(邦貨換算1700億円弱)。ロンドン金融界もウォール街より深刻な資金難に陥っており、救援には動けない、INMは、まず世界の新聞王マードックに持ち株を打診するが断わられた。

 世界を見渡すと、しかしながら紙媒体の新聞が昇竜のように伸びているアジアの国々がある。
ダントツの新聞興隆はインドだ。
全インドで64998もの新聞が流通しており、インドネシアでも800の新聞がある。いずれも中間層が急激に増加したからで、中国でも識字率の向上と収入の上昇により、新聞は検閲があっても部数が伸びている。
アジアでは世界最大発行部数をほこる読売新聞と朝日新聞があるが、部数は減少していることは周知の事実。さて明日の新聞、どうなる?
    ◎
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(読者の声1)貴誌2500号のTK生氏の政府紙幣論にまつわる情報収集力と知見には端倪すべからざるものがあります。
しかし今ごろ、なぜ与党や政府内からも政府紙幣発行を是とする論が出てきているか注意してみることが大切だと思います。
日本がデフレ不況に苦しんでいた十余年の間、政府紙幣発行論は丹羽春喜氏を中心に限られた在野の有識者だけに熱く支持されるに留まっていました。
今、なぜ政府紙幣発行論がにわかに霞が関、永田町、有力な学者ら日本のエスタブリッシュの支持を集め出したのでしょう。数年前、昨年ノーベル賞を受賞したアメリカの経済学者らから与えられたお墨付きに勇気付けられたのかも知れませんが、彼らがお墨付きを日本に与えた背景をよく考えてみるべきでしょう。
サブブライム問題から米国が大不況に陥った今になって日本で政府紙幣発行論がにわかに持て囃され出しました。
元財務官僚の高橋某は誰の提灯持ちをしているか、菅義偉はどこの国の要望、もしくは圧力を受けて政府紙幣を是とする発言をしているのか、彼らが何を意図しているのかが問題です。
政府紙幣を発行して得た日本の財のかなりの部分が海外の或る国の国債買いに向かうような雰囲気が感じられるなら日本国民は政府紙幣発行の惑動を阻止すべきです。
米ドルは世界の基軸通貨ですから政府紙幣を発行しようが、やろうと思えば何でもし放題です。その軒先を借りて賄っている日本円は慎み深くあるべきでしょう。
二等国の悲哀ですが、政府紙幣を今発行したら三等、四等国に落ちてゆくリスクを抱え込むだけでしょう。
   (しなの六文銭)


(宮崎正弘のコメント)米国はバンカメとシティが「国有化」する? たぶん??
 その議論が、類似発想で日本の官界に広がっているのです。独自の経済発想が出来ない頭脳のまずしさ、霞ヶ関を覆っているのはアメリカの助け舟ですか。
 ところでヒラリーが真っ先に日本に来た目的は「お金を貸しなさい」(断固命令形で)。しとやかに明治神宮を参詣したりして、親日の演技かと思いきや、皇后陛下に厚かましくも(外務大臣の身分で)拝謁し、いやそればかりか皇后の肩に手をやるという不敬。
 日本国民の静かな怒りが広がっています。



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(読者の声2)貴誌通巻第2501号MI氏が(読者の声1)で書かれた衷情あふれる文章に感動しました。
これは乃木将軍を尊敬する人たちにまま見られるのですが、乃木将軍は素晴らしい方であったが、軍略の面ではかならずしも優れた将軍ではなく、将軍を敬愛する部下たちの献身的努力だけによって203高地を攻略したと誤解していられる人たちがいます。
これは、全くの誤りです。
この間の事情は、故桑原嶽氏著名著「名将乃木稀典」(中央乃木会刊)に詳しく書かれています。乃木神社(電話03-3478-3001)で手に入ります。一部500円です。
乃木将軍が海軍からのとんでもない手前勝手な要求を陸軍が飲んだため、本来の作戦を大幅に修整させられて、非常に困難な中で勝利をおさめたことに関しては、最近、旧海軍将校でも本に書く人がでてきました。
また、「普通であれば、自分の息子達を含めての多大な犠牲を強いられた戦いのすぐ後であれば、はっきりと勝者と敗者とを分ける処遇に出てもおかしくないし、乃木大将が普通の人だったらそうしたと思います」とあるのは事実ではありません。
旅順のロシア軍が降伏したとの報に接した明治天皇陛下は、陸軍参謀総長に降伏したロシア軍を尊敬をもって丁寧に扱うよう乃木将軍に電報させました。たとえ乃木将軍でなくても、たとえ陛下からの電報がなくても、大和魂からの当然の発露としてロシアの将兵に敬意をもって丁重に扱ったと確信します。
しかし乃木将軍の人格と陛下のお言葉がいやがうえにもロシアの将兵への扱いを丁重なものにしたことでしょう。
君臣民一体のこの行動こそ、日本の国体の発露です。
    (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)203高地の軍事作戦はみごとなもの、という意見は昔から多い。乃木さんを貶める評価も随分とありますが、曲学阿世の論法が多いようですね。



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(読者の声3)最近一連の『派遣切り』騒動について、金儲けのためなら命ある労働者を血の通った人間として扱うのではなく、 無機質の単なる部品としか観ていない「経済評論家とか、財界人、エコノミストらの出版物は絶対に手にしないぞと、息巻いて「ネットカフェ」入りました。
名前は聞いていても実態は知りませんでした。「ネットカフェ」とはコ−ヒ−を啜りながらインタ−ネットを使って知識を吸収する場所、と誤認していました。
 偶々仕事の都合で内部に立ち入って数千冊は有ろうかと想われる本の多さに驚きました。今の若い人達はよく勉強するもんだ、と感心しながら本棚を覗いて“何だ此は”と仰天しました。
 数千冊は有ろうかと想われる本棚の本は全て『漫画本』でした。又、半畳程の小部屋はビデオ観賞室でした。何だ此奴ら、「ネットカフェ」とは怠け者達の避難場所か、と怒りさえ覚えました。
 これでは血の通わないロボットとして扱われても文句は言えないな、一度しかない人生を随分と無駄にするものだ、と嘆かわしを感じたのです。
  (北九州素浪人)


(宮崎正弘のコメント)漫画ばかりのネット・カフェ。そのうち漫画もよめない世代が登場し、デジタル式の発想しかできない。現に若者の一部で「時計回り」と言っても、アナログ時計の発想が出来ないのが輩出していますね。
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桜チャンネルよりお知らせ
タイトル:「闘論!倒論!討論!2009 日本よ、今...」 

テーマ:「北京五輪後の中国と少数民族問題」(仮題)
放送予定日:前半 平成21年2月26日(木曜日)19:30〜20:30
      後半 平成21年2月27日(金曜日)19:30〜20:30
日本文化チャンネル桜(スカパー!216チャンネル)
インターネット放送:So-TV http://www.so-tv.jp/
パネリスト:(50音順敬称略)
イリハム・マハムティ(日本ウイグル協会会長)
黄 文雄(作家・評論家)
石 平 (評論家)
宮脇淳子(モンゴル史家・学術博士)
宮崎正弘(作家・評論家)
鳴 霞 (月刊「中国」編集長)
司 会:水島 総(日本文化チャンネル桜 代表)
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宮崎正弘の新刊 
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
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宮崎正弘のロングセラー
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫。980円)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書、861円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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