国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/02/19


●小誌創刊2500号を迎えました。読者のご支援のおかげです!

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)2月19日(木曜日)
       通巻第2500号  ((2500号記念特大号))
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 ニューヨークタイムズの大株主=カルロス・スリムって誰?
  メキシコの通信王が、なぜアメリカの活字媒体に将来性を見るのか
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 カルロス・スリム・ヘルーはメキシコの通信王にして、億万長者(推定資産440億ドル)。
 そのスリムが先頃、経営不振、赤字を抱えて悲鳴をあげるNYタイムズに、ポンと2億6000万ドルを貸し付けたから世界のマスコミ業界は驚いた。
その度胸に? いや、その高利に、である。年率14%もの利息をNYタイムズは「配当」としてスリムが所有することになる転換社債のために支払う。


▲旧来のセンスでマスコミをみていないか?

スリムはメキシコ最大財閥にして、中南米での影響力は、メキシコだけにとどまらずエル・サルバドルで彼を批判する記事を載せたスペイン語の媒体には翌日から広告が激減した。背後にスリムの差し金があったと言われている。

かれの通信企業はメキシコの固定電話市場で70%、携帯電話市場で90%のシェアを誇る。
スリムはマスコミを経営しながら、マスコミに露呈することをいやがり、NYタイムズ筆頭株主におさまった(17%弱)。しかしなぜ「新聞や雑誌への三行広告(求人広告など)が激減し、これからiポッドやiフォンなどの電子出版にビジネスが流れようという時代なのに」(英誌『エコノミスト』、2月14日号)、カルロス・スリムはなぜ、ペーパー媒体にこだわるのだろう。

げんに世界最大のマスコミ王といわれるルパート・マードック経営の「ニューズ社」は2008年第四四半期に64億1700万ドルの最終赤字に転落。主因はFOXテレビの広告減収とダウ・ジョーンズなど新聞媒体の大幅な減収による。

マードックは2007年にウォール・ストリートジャーナルを発行するダウ・ジョーンズを56億ドルで買収し、タブロイド版に切り替え、編集方針に反対するエディターをばっさり首にしていた。

スリムは「2007年までの成功者」=マードックにあやかろうと計算違いをしたのか。
かれはNYタイムズが1300名の社員を抱えることを知らなかった。そのうえ、「スリムはメキシコ政府から独占禁止法で訴えられている」(IHI,2月17日付け)ほど、悪名も又高い。
メキシコにおけるビジネスの闇と関係があるのか、ないのか。

おりしも米国ではカジノ経営のドナルド・トランプが三回目の会社更生法。ラスベガスは閑古鳥で、どの国際会議場も人影がまばら。ヘッジ・ファンドもカジノ経営者も、マスコミ・ビジネスは「破綻したビジネスモデル」として捉えている。


 ▲ニュースの卸売業=通信社もお先真っ暗

 「ニュースの商人」=ロイターが持てはやされた時代は終わった。ニュースの卸売りだって、小売りのラジオ、テレビ、新聞が不景気になれば売り上げが激減するに決まってますからね。

 第一は既存のメディアが不況のため、通信社からの配信ニュースを買わない、買えない社が出てきた。
全米に2000あるローカル紙の統合、整理、倒産、廃刊が急ピッチで進んでいる。そのうち1300社は独自のウェッブサイトでニュースを配信している。

 第二にCNNやダウ・ジョーンズなどが反対に、自分たちの支局を駆使してロイターやAP並みに通信社業務に殴り込んできた。
 これは中東産油国、インドなどで収益をあげているという。

 第三にこれまでは金融の世界、とくに銀行と証券に特化された経済ニュースを売り込んできた、収益の高いブルームバーグとて、顧客が倒産、廃業、被合併、縮小、支店整理など金融危機による大不況に遭遇した。

 ブルームバーグとロイターは情報の卸売業と平行して情報の小売り業務も始めることにした。ウェブにニュースを掲載して読者とのアクセスを直結すれば、広告料がたくさん取れると読んでのことである。
実際に、両社のウェッブには無料で繋がる。

 さらに小売りをiポッドにも流通させ、行動料金を取る新ビジネス。
 「着メロにカネを支払う人が多い世の中、どうしてニュース配信を希望する個人が、情報は重要であり、カネを支払わないことがあろうか」というわけで強気の近未来をよむ業界アナリストもいるという。

 世界のマスコミ、地殻変動中。日本の大手マスコミも、いつまで胡座をかいて居られるだろうか?
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(読者の声1)南モンゴルにおける中共の政策による砂漠化の実態をgoogle地図で確認できます。
http://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&ie=UTF8&ll=44.494546,116.370621&spn=0.254203,0.439453&t=h&z=11
古墳のように方形に見えるのは、全部、土地を囲んだ柵だそうです。中共による牧民(モンゴル人)への土地の分配政策の結果です。
土地を与えられた牧民は自分の土地を柵で囲み、飼っている動物はその中の草を根こそぎ食べてしまう。そうするとその土地はたちまちのうちに砂漠化してしまう。
それをとってつけたかのように、南モンゴルの砂漠化は牧民の責任と言って生態移民と禁牧に持ち込むのです。

中共の政策はこんな衛星写真でも確認できてしまうのです。
場所はシリンゴル盟シリンホト市北部です。酪農学園大学 星野仏方(ブホーオーツル:内モンゴル自治区出身、日本に帰化)先生にご教示いただきました。
星野先生は酪農学園大学で実地調査と人工衛星を使用した研究をされており、南モンゴル砂漠化の原因が中共の政策であることを証明され、自然の遊牧に戻すべきと主張されています。
酪農学園大学 環境リモートセンシング研究室HP
http://www.rakuno.ac.jp/dep06/staff/hoshino/index.html
       (PN生)


(宮崎正弘のコメント)南モンゴル、中国の行政区分でいう「内蒙古自治区」のフフホトへ行ったおり、星々が輝き、手に取るような近さ、空気が澄んでいて、市内からちょっと離れると多くのゲル(テント住宅=中国語はパオ)がありました。
 漢族が夥しく移住してきて、自然環境は破壊されました。



   ♪
(読者の声2)貴誌2498号「読者の声1」へのコメントとして司馬遼太郎を批判されながら、「胡散臭い、「乱世史観」の持ち主。乃木大将を犬死にと言った歪曲と思慮不足など。『空海の風景』では精神世界のことがまったく分からない作家を露呈しました」
とありました。
乃木さん、正当に評価される日が来ると思います。乃木さんのことは、家族に、物心ついてからずーと聴かされてきて、ある日、突然違う評価を聴かされた時は凄く哀しかったけれど、宮崎先生が「それは間違い」と指摘されて、嬉しかった。
空海さんも、映画を見て司馬作品に違和感。少しづつでも、しかし一日も速く司馬さんの歴史観を払拭してください。
  (TF子、小平)


(宮崎正弘のコメント)司馬さんの作品は世俗的な通説に従った初期の作品(『太閤記』など)や、忍者作家と言われていた頃の『梟の城』とか『国盗り物語』あたりまでは浪漫があって、面白いのですが、勝手な講釈が入る後期の小説(たとえば『覇王の家』とか)はじつにつまらない。
 それよりもなによりも「日清・日露戦争までは良くて、太平洋戦争は悪い」という、個人的私怨に基づく史観が胡散臭いのです。あの「大東亜戦争」をGHQの洗脳にそまって「太平洋戦争」と呼び替えるのも左翼の流れですしね。



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(読者の声3)貴誌で展開されている「政府紙幣」発行論と丹羽先生/高橋洋一氏の関係ですが、高橋氏は丹羽理論を勉強して、それに賛同して、今回打ち出したというものではない(特許侵害とか剽窃とか横取りと言ったものではないと思います。
その雑感を・・・・・・。
 高橋氏ははじめから政府紙幣の理論的可能性になんらの疑いを持っていなかったと思います。
貨幣論、経済学を素直に学べば政府紙幣の理論そのものには疑いを挟む余地がないと信じていたと思われます。プリンストンでのノーベル級学者との日常的付き合いの中で財政・金融理論は滑らかに形成されていったものと思われます。
  日本の経済学者たちは、政府紙幣を丹羽理論を異形の理論として生理的に避けてきました。
日本の学界の空気になじみにくい丹羽理論に、学会は距離を置いてきました。
今回の喧騒の前に政府紙幣に触れた学者、エコノミストはきわめて限定されています。
学会の柵(シガラミ)も仲間や組織の空気を読むというような日本的なものへの配慮や思惑はまったくない高橋洋一氏という人物が登場してきました。だから『さらば財務省』を書くことが出来たのでしょう。
 
高橋氏は東大法学部出身の大蔵キャリヤー官僚たちの数学の素養の不足を批判というより、明らかに蔑視すらしています。
  プリンストンでのノーベル級学者との付き合いには高度の数学の素養が必要です。それをこなしてきた自信が 彼の言動にはじみ出ています。
 数学と言えば佐藤隆三先生を思い出します。NYで食事をした際に「どうして先生はサミュエルソンなどの高名の学者とこんなに親しくなれたのですか?」ときいたことがあります。
答えは「わたしは数学が大好きで 抜群に出来たからだと思う。数学ですよ」ということでした。たいへん印象に残っています(ちなみに佐藤隆三先生は政府紙幣の発行には反対の立場と理解しています。反・丹羽理論です。「政府紙幣」と「無利子国債」の発行提言を「有権者を愚弄する奇策にすぎぬ」とこき下ろしていた。『静岡新聞』)。
佐藤隆三先生と高橋洋一氏を重ね合わせれば、高橋氏にとって東大法学部出身の数学に無知な大蔵官僚などは論外で、こと数学能力に関しては、いわゆる経済学者たちを躊躇・忖度することなく軽視(?)するにふさわしい満々の自信、・・・これは推測に難くありません。

高橋洋一氏は日本の経済学界など眼中にありません。  
政府紙幣の推進も丹羽理論の学習からではなく、貨幣論の根幹にふれて、率直にそして天真爛漫に、さらに言えばアッケラカンと政策提言をしたものと思います。
政府紙幣の前にすでに国家財政の細部にまで精通した大蔵官僚としての高橋氏は省のタブーである「埋蔵金」パンドラの蓋に手をつけました。 
官僚構造に風穴を開けました。大蔵省は内部秘密を暴露(?)し、省益を損ねるKYな高橋氏を、不倶戴天の省賊として追放しました。もったいない話です。
高橋氏は「暴露」とか「内部告発」などという意識はまったくなかったと思われます。
国家財政の諸相を数学的精緻さで追っていけば自明のもので、隠す、隠さないというような下世話な次元の問題ではないという認識だったと推測されます。
  こういう人が突然、政府紙幣25兆円を言い出したのですから、たいへんです。
不況の深まりもあって、メディアも含め、世の中は聞いてみようと言うことになります強烈なインパクトです。25兆円程度ならインフレ惹起の心配はないと精緻な数学に基づく提言したのですから迫力も抜群です。 

丹羽先生は長年持論を展開してきたものの新しい時代の情報空間においては一般性、普遍性を持つ説得力にはなりえていませんでした。
丹羽理論の支持者は熱狂的でありましたが、きわめて限定的であったのみならず、心の中で賛同しても、その意思を表明するリスクをおかす経済学者は ほとんど見当たりませんでした。そこへ突然出てきた高橋洋一氏が関心を集めることになったというのですから、学士院会員の丹羽先生が複雑な感情を持ったとしても不思議ではありません。同情したいくらいです。
高橋氏は提言に当たって嘗ての上司・竹中平蔵氏に相談などしていないと思われます。
丹羽先生は高橋洋一氏が提言してきたような(25兆円程度の)レベルよりも、はるかにスケールの大きな(たとえば、500〜600兆円)高次元の財政政策・経済政策システムを構想し、それを実現すべきだと提言してきたわけだ、と高橋氏を強く批判しています。
それからも分かるように丹羽理論そのものは高橋氏とは異質の考え方です。
  丹羽理論は金本位制 ⇒ 管理通貨制度 ⇒ 政府紙幣制度  高次元システム構築
の方向性と道筋を有するものと理解されますが、高橋氏の理論は管理通貨型管理の下に、政府貨幣(コイン)の規模の拡大とコインの紙幣化を図ることで、財政規律を毀損する
ことなく財政出動を容易にするといったものでしょう。
  高橋洋一氏は反「官」において、外務省の天木直人氏と類似していますが、天木直人のような屈折感もイデオロギー的な臭気もまったくありません。<数学能力とプリンストン体験>の開放・外延感覚と自信に満ち満ちています。
高橋氏の開放感は爽快でもあります。
 
  政府紙幣については、<そもそも政府紙幣なんて出すこと自体がゆるされるの?><出せたとしてもインフレなどの心配はないの?> そして<具体的に どういう手続きで発行されるの?> の3要素が錯綜し特に素人には「なんとなく・・・」 なじめないものになっています。
 また日本銀行とアメリカのFRB(連邦準備銀行)の比較などネット空間には味ある情報が充満していますが、連邦準備銀行の独特にして複雑なイルミナティ的性格からアメリカではなかなか政府紙幣の話は出にくいでしょう。
 スティグリツツは政府紙幣には肯定的のようですが、露骨には言えにくい雰囲気があるということのようです。これもFRB のイルミナティ的性格を理解するとことから来ているのかも・・・。
これも邪推ですが、アメリカでも触れられないタブーなのかもしれません。若ければ FRB の研究もしたいところですが、too late です。
 マネーの不思議は貧乏人にも尽きない興味を呼び起こします。
  高橋洋一氏の発想は丹羽理論の借用ではなく、独自のものであるという独断的推測の論拠を書いてみました。
(TK生、世田谷)


(編集部から)ほかに明治維新政府の『太政官札』と今日の政府紙幣議論との共通性と相違性に関しての質問がありました。いずれ機会をみて。。。。



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(読者の声4) 此の不況はマスゴミが演出した不況であると思います。やたらと不況、不況と「勝った、勝った」のように連呼するマスゴミ上が不気味で違和感がありました。
でも何故か?
マスゴミが願い、隣国が願う民主党の政権掌握のためです。
是が非でもある事無い事捏ち上げて麻生政権を徹底的に叩きまくり追い込み、不況は米国のせいなのにいかにも麻生政権のせいだと刷り込み、宣伝して、政府自民党の内部崩壊を惹起し、国民世論を嘘で動かし、選挙を意地でも前倒しさせて今の勢いで民主党に政権与党についてもらいたい為に、です。
碩学で、世界情報、支那情報、政界情報に精通された宮崎様にはもっと様々な情報をお持ちである筈なので、もっと深い、詳細な情報、事情をお知りとは思います。
中川大臣辞任の件も、どうも一服盛られたと言う話が裏でささやかれ、麻生総理の漢字力不足なるどうでも良い事をマスゴミが徹底的に報道して情報ソースの少ない国民に刷り込ませ、それと連動して民主党議員が漢字の読み方で総理を徹底的に貶し、叩き、嘲笑し、貶める・・・。
前にも述べましたが、福田康夫政権の時にこういう酷い政権&総理バッシングがありましたか?
それも非常にあからさまで徹頭徹尾叩きまくる苛めそのもの。日本的ではない首相叩きの情景、風景に正に隣国半島人の影がはっきりと確認できます。
 しかも叩かれる人物は決まっています。麻生、中川、鳩山(邦)・・・。
 此の国はチャイナの侵略を待たず、最早、在日朝鮮人と朝鮮半島に飲み込まれるのを座して待っているのでしょうか・・・。
      (ID生、新潟)


(宮崎正弘のコメント)安倍晋三さんの時も、「盛られた」という前後関係は酷似していますが。下記のような意見も寄せられました。
 「都内の或るところで中川大臣の辞任について、気鋭のジャーナリストの方が、もう日本の保守勢力は総崩れぇ、と言っている声が聞こえてきました。某週刊誌は中川大臣が服用したのと同じ薬を自分のところの記者に呑ませ、どんな状態になるか記事にしようとしています。夕刊タブロイド紙は、財務省のハニートラップ陰謀説を報じています。大衆ジャーナリズムの報じている中に、事の真相が存在しているかも知れません。中川大臣がいなくなって誰が一番得するかを考えたら、スキャンダルを仕組んだ犯人が見えてくるものです。財務省なのか?アメリカなのか?」(HN生)。ほか同様な意見がネットで飛び交っていますね。




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(読者の声5) 前号「(読者の声4)自由主義経済の異端児「資本主義市場(至上?)経済」犯人説が渦巻き、計画主義者の靴音が響いています。中谷巌教授が早くも変異し(グルーグマン教授程ではありませんが)
とあります。
経済不況が起きたので管理経済を主張するというのは、お手軽であり、間違いであると思います。人間の経済活動の制御は巨大な需給関係によります。これを「神の手」と呼びました。
この規模は、信用取引などの投機が許されているので、実需の数百倍に上るということでしょう。ですから、今回のようなトラブルを減らすには、投機ビジネスを減らせばよいのであって、実需経済に手をつける必要はありません。
またほかに方法はありません。需給の計画化は出来ません。
やれば巨大な無駄を生むだけであり、ソ連の失敗で実験済みです。
投機を減らすには、高い証拠金制度、あるいは精算期間の短縮などいくらでも知恵はあるでしょう。とにかく需給の情報は市場にしかないのです。これを離れると即無駄と非効率が発生します。
 マルクスを持ち出すのは見当違いです。マルクスは革命の扇動のために、資本主義の崩壊が必要なので、それを誤った労働価値説と、未完の資本論で主張しただけです。共産主義社会の将来図には意図的に言及していません。
(不可能だからですが)まして計画経済など主張していません。だから現在の経済学とはまったく関係がありません。研究家によれば、マルクスは労働価値説の誤りと、市場需給原則の正しさを知っており、意図的に隠蔽したという意見もあります。
彼は事実を認めると彼の終末論的革命論が成り立たなくなってしまうことを恐れたのでしょう。マルクスの「経済学」は素人騙しで本末転倒です。
 ということで市場経済が混乱したのは、投機をさせすぎたのであって市場経済自体が誤っているわけではありません。
二者択一的な短絡的な主張はいかがなものか、と思います。
   (MC生)


(宮崎正弘のコメント)桶谷秀昭先生が「マルクス」を書かれています。いずれ単行本化されるでしょうが、極貧マルクスの生活の面倒を見たのはエンゲルス、マルクスの資本論は最初だけが、実際のマルクスの著作。あとはエンゲルスが補遺をなしたか、或いは弟子筋が書き上げたか、いずれにしても、いまの世の中にいう「マルクス主義」とは縁もゆかりもない学説です。
 そもそも「マルクス・レーニン主義」って、いったい何でしょうか? レーニンが都合の良い部分だけ剽窃したのでは?
 日本の場合は意図的に誤訳されたところが多く、『資本論の誤訳』という大著が嘗て広西元信先生がドイツ語の原文にあたって逐一そのいい加減な、あるいはご都合主義的な誤訳を一覧されたこともありました。



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(読者の声6) メルマガ2500号おめでとうございます。
休みなしに働く原動力は、新聞配達時代に鍛えられた精神力(メンタルヘルス)の賜では、と勝手に推測しております。先生が新聞配達をされていた時代には、今のように新聞休刊日が年に何日もなかったのではないでしょうか。
最新ニュースや貴重な分析、そして知性豊かな読者の皆さんとのハイレベルなやり取りを拝読し、毎日大変勉強になっています。
昨日の経済成長率マイナス12.7%のインチキ、私も当日勤務先の朝礼でネタに使わせていただきました。
極端にわかりやすくするために、開幕試合でホームランを2本打ったからといって、その選手がシーズン140試合で280本のホームランを打てる保証はなく、誰もそんな計算もしない。
GDPの報道は、これと同じ単純計算をして、過去3ヶ月間の実績がこのまま持続するという根拠のない仮定の基に、意味のない年率換算を算出しているだけだ、と話したら半分くらいは納得したような顔をしていました。
マスコミ全体がスポーツ新聞化、タブロイド紙化している中、先生の存在は我が国にとってとても重要なものだと思います。真のクオリティー・ペーパーとして、これからも読者を啓蒙し、真実を知らせて戴けることを願っております。
   (MA生、中野)


(宮崎正弘のコメント)その「開幕試合でホームランを2本打ったからといって、その選手がシーズン140試合で280本のホームランを打てる保証はなく、誰もそんな計算もしない」というたとえ話、極めつきに分かりやすかった。
逆に講演で使わせていただきます。



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(読者の声7)貴誌2498号の「日本のGDPマイナス12・7%?しかしこの12・7%という数字は08年第四四半期のGDPのマイナス3・3%を通年に直して、こうなるだろうと予測した数字であり、あまりにもおどろおどろしい。英紙ファイナンシャルタイムズはちなみに『日本、GDP3・3%ダウン』と報じているだけで、通年予測の数字を行間に小さくしか用いていない。ウォール・ストリートジャーナルもこれに同じ。日本のマスコミだけが、なぜか意図的にトップの見出しに深刻な数字を用いているように見える。市場はところで、まったく反応せず2月16日の株価は28円下がっただけである。」
 (引用止め)。
という先生の御指摘に、「えっ?」という感じでした。これを疑わなければいけないのか!
――いやぁ、宮崎先生の様に疑い深く(注意深く)なるのには道が遠いな(笑)。
(doraQ)
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適菜収『いたこ ニーチェ』(飛鳥新社)
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 不思議な本、ニーチェを論じた思想論と思いきや小説である。
 いや小説に託したニーチェ論と言い換えるべきかも知れない。
 主人公・吉田武昭は、いつもモヤモヤ、人生の含み損を抱えるサラリーマンだ。
 そんな武昭の目の前に、ある日突然、大哲学者ニーチェが高校時代の同級生・三木の身体を借りて降臨する。「今の歪んだ世界を正すため、お前を殺す!」と息巻くニーチェ先生。
 よく聞くと主人公の武昭は、世界に未曾有の危機をもたらしている元凶、プラトン、パウロ、カントといった哲人の末裔らしい。
 ニーチェ曰く。「このバカどもが 間違ったキリスト教の世界観を広めてしまったために、現代がメチャクチャになりかけている。よってお前の代で、この負の連鎖を断ち切れ」。
 かくして武昭は世界を救うために「改心」すべく、ニーチェ先生にありがたいプライベート・レッスンを授かるという仕立てになっている。
 「ニーチェがわかって面白い、新感覚哲学小説」というのが謳い文句。
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3月1日(日)、黄文雄、宮崎正弘、城仲模氏を講師に台湾2・28時局講演会

●日 時:2009年3月1日(日)18:00〜20:30(17:30開場)
●会 場:アルカディア市ヶ谷 5階 穂高
     東京都千代田区九段北4-2-25 Tel:03-3261-9921
     [交通]JR/地下鉄「市ヶ谷」駅より徒歩3分
http://www.jps.gr.jp/news/20020411map.htm
●参加費:1,000円

講演1  18:00〜18:40
 テーマ  「台湾が直面する三大危機」
 講 師  黄 文雄(拓殖大学日本文化研究所客員教授)
      http://kobunyu.jp/

講演2  18:45〜19:25
 テーマ  「台湾と中国の一中市場は可能なのか」
 講 師  宮崎正弘(評論家・作家)
      http://miyazaki.xii.jp/

講演3 19:30〜20:10
 テーマ 「台湾の現在と未来、日本との関係」
 講 師  城 仲模(台湾李登輝之友会全国総会総会長)
      1938年(昭和13年)、台湾・台南市生まれ。東呉大学卒業後、早稲田大学大学院、東京大学大学院などに留学。法学博士。李登輝総統時代に法務部長(法務大臣)や司法院副院長(最高裁副長官)を歴任。昨年6月、李登輝之友会全国総会の総会長に就任。台湾行政法学会理事長、(財)台湾法治曁政策研究基金会会長。
■主 催:台湾独立建国聯盟日本本部
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『反日記念館』出版記念の集会 ― 中国の抗日記念館から不当写真を撤去せよ! 
 
「シンポジウム・中国の抗日記念館から不当な写真の撤去せよ!」の記録を活字化し、あらたに中国全土の抗日記念館の一覧などを付した単行本『反日記念館』が、平沼赳夫衆議院議員監修のもと、刊行されました(展転社刊/1000円+税)。
これを記念した集会を開催いたします。各位の積極的なご参加をお待ち申し上げております。
 
☆日時  3月4日(水)午後6時30分開会
☆会場  文京シビックセンター・小ホール(文京区役所内/電話03-5803-1100)
     東京メトロ南北線・丸の内線「後楽園」。都営三田線・大江戸線「春日」
 
☆会費  2000円(新著進呈)
☆登壇(予定/敬称略)[中国の抗日記念館から不当な写真の撤去を求める国会議員の会]
平沼赳夫・島村宜伸・亀井郁夫・西村真悟・松原仁・稲田朋美ほか多数
[中国の抗日記念館から不当な写真の撤去を求める国民の会]
      阿羅健一・宮崎正弘・富岡幸一郎ほか
 ☆主催 「中国の抗日記念館から不当な写真の撤去を求める国民の会」(会長・阿羅健一)
     連絡先 高池法律事務所気付  電話03-3263-6041
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3月20日 日本保守主義研究会 講演会
        記
日時:3月20日(春分の日)  14〜16時
 場所:杉並区産業商工会館(中央線「阿佐ヶ谷」駅より徒歩5分)
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/map/detail.asp?home=H04880
講師  宮崎正弘 
演題 「激動の世界情勢を読み解く 〜中国・アメリカ、そして日本」

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宮崎正弘の新刊 
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
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宮崎正弘のロングセラー
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫。980円)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書、861円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 転送自由、但し転載は出典明示のこと。
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  • 名無しさん2009/02/19

    創刊2500号おめでとうございます

  • 名無しさん2009/02/19

    気になるニュースがありましたので宮崎先生にお伺いしたく存じます。



    http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCQN6669.html

    『モンサント、中国にゲノム研究センター設立へ=幹部

    シンガポール(ダウ・ジョーンズ)除草剤・農業バイオ技術大手の米モンサント(NYSE:MON)は、中国にゲノム研究センターを設立する。執行副社長のジェラルド・スタイナー氏が17日、ダウ・ジョーンズ経済通信に明らかにした。

    同氏は「現在、作業を進めている」と語った。

    同氏はまた、中国政府は国内の大学や機関によるバイオ技術研究へのきわめて大がかりな投資計画を発表しており、遺伝子組み換え(GMO)作物には反対していない、と述べた。』

    この記事はシナでの大規模な遺伝子組み換え(GMO)作物の今後の出荷の可能性を即意味するとまで直結的に考えても良いものなのでしょうか?

  • 名無しさん2009/02/19

    私も何時もグーグルで楽しんで居ますが面白いです。

    しかし砂漠化しているのか以前の事が判らないので迷う時が有りますが今回の写真で良く判りました。