国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/02/16


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)2月16日(月曜日)
        通巻第2496号
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政府紙幣発行をめぐって日本の政・財・官界の右往左往
 ケインズ学派から「構造改革」派が議論を横取り? 不況政局に利用
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 学問的議論が政局に横取りされた格好である。
それが政府紙幣発行をめぐる賛否両論、とくに自民党内に議員研究会が設立されると、こんどは旧小泉スクールにも飛び火し、竹中ブレーンの一人と言われた高橋洋一(東洋大学教授)が、突如、政府紙幣発行の旗振り役を演じだした。
 丹羽春喜論文の換骨奪胎だと酷評する向きもある。

 米国の動きが拍車をかけた。
 もともと丹羽理論を応用するかのようにノーベル経済学賞の二人が新政府発行論を揚言した。スティグリッツとクルーグマンだ。とくに後者は政局の変動にカメレオンのごとく説を曲げる、変える、豹変する。ところがクルーグマン信者が日本のエコノミストに多いから始末に負えないのだ。

 日銀の08年末の資金供給量は101兆2610億円。3年ぶりに100兆円の大台を超えている。これは金融機関などの資金繰りを支える目的で、とくに年末資金を供給した。量的緩和政策である。
 具体的には金融機関の日銀当座預金の残高と、紙幣や貨幣の残高の合計が通貨供給量。 日銀は2008年11月から当座預金の一部に0.1%の金利を付けている。当座預金に金利がつくというのは異常事態である。(或る意味で、この措置は政府紙幣発行が別のかたちの国債発行であるとすれば、同様な効果がある)

 そもそもの政府紙幣発行とは、太政官札による幕末維新の藩札の統一が近代日本では嚆矢であり、江戸の金銀小判の流通がやんで、紙幣経済が日本に落ち着いた。日銀はまだ無かった。

 丹羽説は総需要喚起、あまっている生産体制を稼働させ、実効需要を増やせとするケインズ理論の延長にあり、純粋に学問的仮説なのである。
 

 ▲米国の議論をみて、飛び出した軽率エコノミストら

 ところが、これまで顧みられなかったこの議論、クルーグマンのインフレ目標値などの珍説とともに米国内の議論をみて、あわてて飛びついてきた経済学者、エコノミスト、ジャーナリストらの大合唱が巻き起こり、状況が激変したのだ。

政府紙幣発行議論は自民党内で白熱し、細田博之幹事長は記者会見で「そんなことができるなら毎年30兆円ずつ発行し、(国・地方の)800兆円の借金を全額返したらどうか。空理空論で意味がない」と否定的態度を表す(2月2日)。
 一方、前向きなのは菅義偉・選挙対策副委員長ら。「これだけの危機の中、政治主導でいろんなことがあってもいい」と含みを持たせた。

 こうした政府紙幣発行議論に対して日銀の白川方明総裁は否定的。
「通貨に対する信認が害される恐れがある」と強調したうえ、「政府の債務返済能力への疑念から「長期金利の上昇を招く」とむしろ副作用の危険性を指摘した。

 
▲日銀は当惑どころか明らかに反対

白川総裁は政府紙幣が市中で流通した後、日銀に戻ってきた紙幣を(1)政府が回収する場合、(2)そのまま日銀が引き受ける場合があり、それぞれ問題があるとした。

 現在、10円、50円、100円、500円などの硬貨はまぎれもなく「政府紙幣」であり、日銀に還流してきた硬貨の一部は政府が日銀から回収している。
政府が日銀に回収分と同額の財源を渡しているが、政府紙幣も同じ仕組みになると、「(発行額に見合った)資金調達が必要になるという意味で国債の発行と実体的に変わらない」(白川総裁)

財務省の杉本和行次官は「政府紙幣は財政規律との関係から慎重な検討が必要。発行には法改正もいる」と官僚らしく面倒臭そう。また財政法に抵触する可能性があり、貨幣法の改正が必要だろうと手続きが輻輳する可能性にも言及した。

私見を述べれば、アカデミックな議論が、突如、政局に利用されている感じが否めない。もともと丹羽春樹教授の「政府貨幣発行による打ち出の小槌」は、学説であり、政治のレベルに降りるときは必ずしも学説通りに実行されない。与野党の妥協の結果、かえって中途半端な実行がなされると(まさに高橋洋一説は丹羽説の歪曲)、景気回復に繋がらない可能性も出る。

丹羽春喜教授の仮説は、そのまま実施される可能性がないゆえに、かえって危ない。
ちょうどドル円固定相場の復活論に似ている。つまり固定相場制というのは、理論的に正しく、しかし運用されると猛烈な投機がおこる。人民元相場がまさしく、その犠牲であり、固定の枠内で投機筋は通貨を商品と変える“商機”をそこに見いだすからである。
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(読者の声1)毎日、「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」を拝読しています。
私は地方都市の中心街で家族的な小料理屋を足掛け25年営んでいました。
バブル崩壊後の景気低迷で企業はリストラの嵐に見舞われ、商店街は客足が遠のき、シャッター街の中でしぶとく生き残るパチンコ屋、そこに追い討ちの性風俗店が進出、曾っては地域で最も繁栄していた商店街もゴーストタウンの様相を呈し、昔の繁華街は見る影もない有様です。
女の細腕で孤軍奮闘しましても、店の前を客引きが暗躍し通しでは客足はぱったり、いろいろ工夫しても客を呼び戻すことは出来ませんでした。
そこで店の前に「性風俗店追放」の看板を掲げて、商店街に協力を仰ぐも、彼ら(性風俗店の経営者)の後ろに控える勢力を恐れてか、商店街連合会の理事長以下全組合員が完全にそっぽを向く情けなさ。
所轄の警察署の生活安全課に相談しても、“彼らにも商売の自由と生活権があるからなとのたまう。
貴女が、<あら、○○さん、お久しぶり、寄っていきませんか>と言うのと何ら変わらないよ。看板を揚げて反対するのは止めた方が良い”と客引きを容認し、彼らを擁護する様に反対する始末でありました。
八方塞りの状態に陥りながら、それでも看板を揚げて丸々一年間、彼らと睨み合いの暗闘を続けました。
四面楚歌の中で、自営業者は行政に見放され、銀行にはそっぽを向かれ、税務署には目を剥かれ、多勢に無勢では勝負は初めから決まっている様なもの、女の頑張りも最早これまでと廃業に踏み切り、女の細腕繁盛記はむかし語りとなりました。
 火が消えた商店街にはゴミも落ちていない。そんな商店街に火事だけは多い。閉店した店も焼け落ちてしまいました。

日本の為政者(政治家、お役人)は、お世辞にも千慮の一失とは言えない大失策で日本経済をガタガタにしてしても平気な顔である。
「こりゃ、おっさんたちよ、どうしてくれるんだい」と、怨みの一つも言いたくなります。
小泉改革を提唱した経済学者を名乗る大学教授(?)のN氏が・・・、「竹中平蔵君、僕は間違えたよ」と、今頃になって述懐している。
「今頃、何を言ってんのさ・・・」と金切り声をあげたくなります。
昭和は遠くなりにけり、小泉改革も失敗の歴史の仲間入りでしょう。己の失敗に気付かぬ政治家ほど、始末に負えぬものはないですね!
宮崎先生、小泉政治をどう評価しておられますか。
(戦中・戦後の昭和を生き延びた一老婆より)
 

(宮崎正弘のコメント)拝読しながら涙腺が熱くなりました。深く同情と敬意を表したいと思います。
小泉政治、小生の評価はマイナス100点です。とくに郵政改悪へ暴挙でしょう。農村や僻地のコミュニケーション拠点を破壊してしまった。 
しかし、プラス100点があります。独裁国家の横暴におもねらず、堂々と靖国神社を参拝したことです。ですからプラス・マイナス零点ですが。。
 中谷さんへの「なにを今更」も同意見です。



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(読者の声2)《『反日記念館』出版記念集会ご案内》
    ― 中国の抗日記念館から不当写真を撤去せよ! ―
 
昨年の「シンポジウム・中国の抗日記念館から不当な写真の撤去せよ!」を活字化し、あらたに中国全土の抗日記念館の一覧などを付した『反日記念館』が、平沼赳夫衆議院議員監修のもと今般刊行されました(展転社刊/1000円+税)。これを記念し、集会を開催いたします。各位の積極的なご参加をお待ち申し上げております。
 
☆日時  3月4日(水)午後6時30分開会
☆会場  文京シビックセンター・小ホール(文京区役所内/電話03-5803-1100)
     東京メトロ南北線・丸の内線「後楽園」。都営三田線・大江戸線「春日」
 
☆会費  2000円(新著進呈)
☆登壇(予定/敬称略)[中国の抗日記念館から不当な写真の撤去を求める国会議員の会]
平沼赳夫・島村宜伸・亀井郁夫・西村真悟・松原仁・稲田朋美ほか多数
[中国の抗日記念館から不当な写真の撤去を求める国民の会]
      阿羅健一・宮崎正弘・富岡幸一郎ほか
 
☆主催  中国の抗日記念館から不当な写真の撤去を求める国民の会(会長・阿羅健一)
     高池法律事務所気付  電話03-3263-6041

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  ご案内 INFORMATION ご案内 INFORMATION
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3月1日(日)、黄文雄、宮崎正弘、城仲模氏を講師に台湾2・28時局講演会

●日 時:2009年3月1日(日)18:00〜20:30(17:30開場)
●会 場:アルカディア市ヶ谷 5階 穂高
     東京都千代田区九段北4-2-25 Tel:03-3261-9921
     [交通]JR/地下鉄「市ヶ谷」駅より徒歩3分
http://www.jps.gr.jp/news/20020411map.htm
●参加費:1,000円

講演1  18:00〜18:40
 テーマ  「台湾が直面する三大危機」
 講 師  黄 文雄(拓殖大学日本文化研究所客員教授)
      http://kobunyu.jp/

講演2  18:45〜19:25
 テーマ  「台湾と中国の一中市場は可能なのか」
 講 師  宮崎正弘(評論家・作家)
      http://miyazaki.xii.jp/

講演3 19:30〜20:10
 テーマ 「台湾の現在と未来、日本との関係」
 講 師  城 仲模(台湾李登輝之友会全国総会総会長)
      1938年(昭和13年)、台湾・台南市生まれ。東呉大学卒業後、早稲田大学大学院、東京大学大学院などに留学。法学博士。李登輝総統時代に法務部長(法務大臣)や司法院副院長(最高裁副長官)を歴任。昨年6月、李登輝之友会全国総会の総会長に就任。台湾行政法学会理事長、(財)台湾法治曁政策研究基金会会長。
■主 催:台湾独立建国聯盟日本本部
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3月20日 日本保守主義研究会 講演会
        記
日時:3月20日(春分の日)  14〜16時
 場所:杉並区産業商工会館(中央線「阿佐ヶ谷」駅より徒歩5分)
http://www2.city.suginami.tokyo.jp/map/detail.asp?home=H04880
講師  宮崎正弘 
演題 「激動の世界情勢を読み解く 〜中国・アメリカ、そして日本」
 (詳細は追って小誌で告示します)
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宮崎正弘の新刊 
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
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宮崎正弘のロングセラー
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫。980円)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書、861円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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  • much2009/02/16

    毎回楽しみに拝読しております。

    今回の政府紙幣発行ですが、確かこの政府紙幣発行は、藤井厳喜氏も主張していたように思います。

    又、高橋洋一氏は突如言ったわけでもないような気がします。

    私は、何よりも日銀の愚策が一番の問題だと思いますが。



    ところで、(戦中・戦後の昭和を生き延びた一老婆より)さんの、宮崎先生、小泉政治をどう評価しておられますか?という質問に対して、「小生の評価はマイナス100点です。とくに郵政改悪へ暴挙でしょう。農村や僻地のコミュニケーション拠点を破壊してしまった。」とありますが、それは誤解或いは認識不足じゃないでしょうか。農村のコミにケーション拠点とは郵便局のことを指すと思われますが、これは過疎地の設置基準を設けておりますし、現に無くなったという郵便局はあるでしょうか?何を持って破壊してしまったというのか理解に苦しみます。一老婆さんの商店街の現状はわかりますが、これは何も小泉−竹中改革のせいじゃないでしょう。大体、洋服屋だって呉服屋に取って代わって呉服屋が廃れる、写真屋だってデジタルカメラが出来て廃れるというように、時代が変われば新しい形態にならざるをえないでしょう。それを、小泉改革のせいにするというのは、お門違いも甚だしいと思います。

  • 万葉至乃輔2009/02/16

    自由主義経済の異端児「資本主義市場(至上?)経済」犯人説が渦巻き、計画主義者の靴音が響いています。中谷巌教授が早くも変異し(グルーグマン教授程ではありませんが)高橋洋一氏は丹羽学説を掠め取り、大々的に「ケインズ回帰論」を吹聴しています。そもそも丹羽教授の学説は貴誌が最初に取り上げた高論でありますので、高橋洋一氏は貴誌の読者ではないかとかんぐりたくなります。



    先に紹介しました、丹羽教授が論説を寄稿しました「甦れ美しい日本」第270号に元民社党書記長塚本三郎先生が連載されている「塚本三郎の「今を斬る」」で



    >私が畏敬する丹羽春喜氏は、熱心なケインズ経済学の信奉者である。氏は、不況にはまず公共事業を、その為に「政府紙幣」を発行せよと、懸命に説く。既に明治元年に新政府は、由利公正に命じて「太政官札」を発行している。何の裏付けも財産もない明治政府にとっては、これが新日本の船出であった。<



    といっておられますが、「神の見えざる手」に対する「国が人を集めて穴を掘って、また埋めればよい」的、対立構図のみで語られる、経済論では現在の状況を把握はおろか、将来のビジョンを提示することはできないのではないでしょうか?(補足:塚本先生を私は大変畏敬しております。宗教論や国防論はおそらく現在最高の論客であると尊敬しております)塚本先生をして経済を計画できると論説されることに驚愕を覚えるとともに、丹羽教授学説が全体主義者へ悪用されないことを祈るばかりです。



    ハイエク教授は自論を「ケインズは分かってくれているだろうが、それを言うことはできないだろう」というような発言をしているように、官僚としてのケインズは業務遂行上それを言うことが出来なかったので、その胸のうちを密かにハイエクに語っていたのではと想像しています。



    また私は丹羽教授の「政府紙幣発行論」を読んでおりませんので、内容について正確にわかりませんが、想像するに、周辺論説、学説に「ケインズ的」なものを使いながらも最終的には防衛権や警察権と同様に経済権は国家が握っているよという、メッセージを市場に与えることが重要であることを説いているのではないかと思います。



    「まかせることは任せるけど、ルールを守ってくれよ。その限りでは最終的に政府は助けるよ」ということです。



    私は民主国家においてグランドデザイン(国民的コンセンサス)なしにむやみやたらに中央政府が民間に対し政策を実行しても、残るのは膨大な借金のみではないかと思っています。参議院などでその「グランドデザイン」を議論してみるのも大変有効かと思いますが、そのためには参議院議員は政党に所属しない無所属議員のみで組織されて、それぞれが思想家のごとくグランドデザインを議論できるようにしなければならないと考えています。



    ちなみに私の「グランドデザイン」は経済的には江戸時代の江戸市中における民間経済を一つの理想として(この辺り石川英輔氏の著書が示唆的です)、思想的には万葉歌人の惟神(かむながら)の精神を支柱に置くような神と人、君と臣を相分かつ国家、社会をボーっと考えています。(科学的かつ民主的では無いのかもしれません)



    右も左も集まって、知恵出し合って、考えるしかないでしょうから。石油が枯渇するまでの40年間。

  • 名無しさん2009/02/16

    勉強になりました。

  • 名無しさん2009/02/16

    政府紙幣に関して、クルーグマンに対する批判とも言えないような批判を軸に論を展開しているのは非常に残念でした。学者の理論ではなく本人への印象操作的なレッテル貼りによって、一見反論したかのように見せかけるのはいかがなものかと思います。