国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/02/13


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)2月13日(金曜日)貳
        通巻第2491号  増大号
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(今号はニュース解説がありません)
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◎●BOOKREVIEW ●◎BOOKREVIEW●◎BOOKREVIEW●◎
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幕末維新の舞台裏を人物中心に世界史の視野から冷静冷徹冷淡に論評
  水戸天狗党の悲劇、西郷隆盛の陰謀、「一会桑」の悲喜劇など一気に読ませる
                              宮崎正弘・評
(書評)

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中村彰彦・山内昌之『黒船以降 政治家と官僚の条件』(中公文庫)
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 あまりに面白いので休日に半日を費やして読了した。
単に幕末維新の歴史の知識だけなら、百科事典講釈師のような物知りも沢山いるが、この対談は人物評が現代的で、政治家として官僚としての力量を問う通信簿的な作業でもあり、ことごとくがリアリスティックなのである。
 しかも幕末維新を、本筋を外さないで不思議な逸話で溢れさせ、しかし歴史観の骨髄をしっかり守っている。
 経済の視野から薩長と会津を比較してみると、京都守護職を越前の松平春嶽から押しつけられた会津の松平容保は、財政的艱難辛苦に耐えなければならず、藩士1000名の京と駐留経費の捻出は並大抵ではなかった。京都は島原の遊郭で遊ぶカネがなく、だから会津武士は京都人から嫌われ、薩長はすかれた。
なぜか。長州は竹島経由で、薩摩は沖縄を梃子に「密輸」をやっていて資金が潤沢、最新鋭の軍艦も鉄砲も買えた。中村彰彦によれば加賀前田藩も日本海の北と密貿易を展開した銭屋五兵衛を黙認した形跡があるという。
密輸で設けた諸藩の志士らは、経費をちょろまかして島原で遊興もできた。

 本書で両人からコテンパンな酷評を受ける一つは御三家のなかでもイデオロギーの強い水戸藩、天下の副将軍と勝手に僭称した水戸光圀は、伝説では「名君」だが、じつはとんでもない御仁だった。
水戸学が、やがて水戸藩を分裂させ、悲惨な内訌が天狗党の悲劇を生んだが、じつはその後も明治三年まで復讐劇が続き、難を逃れて群馬や栃木あたりに逃げ、その末裔が現在もいるという後日談も、なんだか、西南戦争に負けた西郷軍のうちの1500名ほどが台湾へ逃れ、現地民に同化したという歴史の裏面の話に通じる。
結局、水戸藩の“正義”の史観が徳川幕府を毀した。
 
本書は、薩摩が長州と歴史意識も政治構造も科学・天文学への心構え、軍事思想など似ているようで全く異なることを、これまた目から鱗のように別の視点からえぐり出している。
たとえば坂本龍馬が斡旋した薩長同盟の基軸の発想は公武合体の実現だった。
山内教授は「オーストリア・ハンガリー二重帝国」の例があるように、天皇を頂き、徳川と薩長が二分するアイディアの存在を告げる。
イギリスのオールコックなどの歴史観や世界の情勢から、倒幕に踏み切っていくプロセスで西郷、大久保は坂本が邪魔になったという闇の部分にも光を当てる。これは中村がまだ直木賞受賞前にかいた『龍馬伝説を追う』(世界文化社)にも詳しい。
また榎本武陽の「蝦夷共和国」構想も、じつはハプスブルグ家の「オーストリア・ハンガリー二重帝国」が発想にあった、と示唆する。
 脱線ながら、評者(宮崎)が鹿児島は指宿の「伝承館」でみたパリ万博の記録展示の或る部分に驚いた。パリ万博は薩摩と徳川幕府が出展した。薩摩焼など、パリジャンの度肝を抜いた。ともにそれぞれの勲章をつくった。
 薩摩は「薩摩・琉球国」として勲章をだした。つまり独立国として、国際社会にアピールしていたわけである。

 もう一人、こっぴどく批判されているのは福沢諭吉だ。
福沢が欧米派遣のおりに経費を誤魔化して図書を買いあげたが、それは小学生程度の英語の本が多く、小栗上野介は「あの男の選択眼は節穴、語学能力はその程度だ」と評した逸話は有名だろう。
福沢は本来なら切腹ものだが、ばれて詮議にかかろうとしたとき徳川幕府が瓦解した。
他方では講釈やら近年の小説の裁き方や世評はともかくも、食えなくなった旧幕臣らの面倒をよくみた勝海舟と榎本武陽への評価が高い。
 
 さて表題も示唆する「黒船来航以後」の話であるが、アメリカとロシアが日本にとって最初の接触だったのは、幕末の混乱期における日本にとって僥倖であり、もし英仏のような『ならず者国家』が日本に先に乗り込んできたらどうなっていたか。
 シナにしかけたアヘン戦争のような略奪と、国内分裂は防げなかったのではないか。幕府はフランスに薩摩は英国に頼ったが、本気で内戦にのめり込んでいったら、日本は良いように利用されたあげくに英仏の植民地化されていた恐れがあった。
 しかし幕末に徳川幕府をさしおいて薩長が最新鋭の武器を大量に買えたのも、その先見性や薩英戦争、馬関戦争敗北の体験から軍事知識と実践があり、おりしも南北戦争が終わって大量の武器をもてあましたアメリカから大量に買い付ける。

 市場開拓を狙うドイツ人の武器商人だったスネル兄弟は河井継之助の長岡藩にガットリング銃を売りつけたが、会津に強力にテコ入れし、最後は榎本軍に従って函館戦争をともに戦った。
 ドイツはむろん、英仏米露の隙間を狙って日本での武器外交が主眼だった。
 しかし幕府敗戦により、スネルは代金を回収できず、兄はやがて会津武士団の食い詰め組を率いてカリフォルニアに移住したり、弟は御維新後、浅草で落語を聞いていたとか。脱線する逸話もまた本質に付随した、人間の描写なのである。
 それにしても幕末維新を縦横に語る中村彰彦は歴史作家だから回天の内幕に詳しいのは当然にしても、なぜイスラム中世の専門家である山内昌之が、ときに中村を唸らせるほど幕末日本に精通しているのだろう。

 もう一つ不思議に思ってきたことがある。山内昌之教授は、『世界』と『諸君』の両方に論文を書く器用な論客でもあり、保守なのか旧左翼なのか、いまもよく分からないところがある。
 山内がいみじくも「後書き」に書いている。
国際会議で、オスマントルコ帝国の解体過程やイスラム政治の歴史と、日本の近世・近代との比較をよく問われる。国際的要請でもある。まして日本史を知らずして世界史を語れる筈があろうか、と。
 最後節あたりの日露戦争から大東亜戦争に至る山内の歴史講釈には、ちょっと首肯できない史観部分があるが、山内教授の主観だから、その部分は聞かないことにする。
  (終わり)
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 下記の書籍を寄贈されております。読了後、書評の機会があるかと存じますが、とりあえず一覧し御礼に代えます。

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山口秀範『殉職・宮本警部が伝えたかったこと』(中経出版)
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チャールズ・コケル、大蔵雄之助訳『不都合な生命』(麗澤大学出版会)
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(読者の声1)西木正明氏の『ウェルカム・トゥ・パールハーバー』という上下二冊本を手に取りました。『オホーツク諜報船』は世評が高いようですが今までこれも含めて西木本に目を通していませんでした。
つまり初めて手に取った西木本が『ウェルカム・トゥ・パールハーバー』。これは千百頁の小説仕立てのノンフィクション、かなり真実に近接したファクションです。
ルーズベルトは日本をおいでおいでと誘い込んで、したいならどうぞと真珠湾攻撃に踏み切らせた。つまり開戦の実相はウェルカム・トゥ・パールハーバー、真珠湾にようこそだったというブラックな含意のタイトルです。
筋立ての縦糸に据えられているのは仮想らしい文書諜報のエキスパート陸軍大佐天城と、部下の陸軍中尉江崎の二人です。
それを取り巻いて周りに登場する政治家、軍人、インテリジェンス、官僚、宗教関係者たちは実在の人物です。天城と江崎は元ハルビン特務機関に所属し、江崎はノモンハン戦争で肩に負傷し、恋人を巡り天城からは心の傷を負わされます。描かれるハルビンの街の佇まいはノスタルジックで味わい深いものがあります。辻政信がソ連軍の捕虜となり帰還した江崎を自決から救うシーンがあり、伝えられる辻像と違うなと思ったら、最後に種明かしされていました。

作品のモチーフは、日米が開戦したのはルーズベルトが狡猾に推し進めた日本を対米戦に誘い込む計略にあった、というものです。ルーズベルトたちが日本の真珠湾攻撃計画を事前に察知していたことには触れていません。
それに関して興味があれば著者が巻末の「謝辞」に掲げたスティネットの『真珠湾の真実』(田母神氏も講演で取り上げています)などの資料が参考になります。
1940〜41年にかけての歴史的事実の推移がよく整理され平明に書かれていて読み易い作品です。副奏曲として英独休戦交渉の模様が添えられます。これはイギリスが時間稼ぎ目的で仕掛けた茶番でした。イギリスは独ソ戦の始まるまで、米日戦が始まるまで、ドイツの自国への矛先を緩めたかったのです。
主奏曲の日米不戦交渉も茶番で、英独休戦交渉に関わっているMI6つまりイギリス情報部の在米諜報部員がアメリカに持ちかけ(当然こちらの背後にもチャーチルがいるわけです)、大英帝国を救おうと日本に仕掛けたという筋立てになっています。
落としどころを秘匿して進められた日米交渉の行く末に中国の蒋介石とソ連のスターリンは最もやきもきします。
決裂を前提としてルーズベルトが始めた民間人を交えた米日交渉の真相を日本もなかなか察知出来ません。

この深相を掴む密命を日本外務省情報部から杉山参謀総長経由帯びたのが天城でした。天城はドイツ外交官夫人との、江崎は米各界のVIPの集うニューヨークのストーククラブで働くロシア女性とのハニートラップにまみれながら、ニューヨーク市内やワシントンを動き回りインテリジェンス活動に励みます。
この高級クラブについては豪気なエピソードが添えられています。
『誰がために鐘は鳴る』がベストセラーになり、すぐ映画化されて大金を手にしたヘミングウェイがイングリット・バーグマンを連れ立ってストーククラブに現れ、それまでのツケを含め十万ドルの小切手で支払おうとしたら、店側は九万ドル余りの釣りを当時流通していた一万ドル札や五千ドル札を交えキャッシュでポンと渡したというのです。
外交官や諜報活動家が、本人が気付かないうちに二重スパイ、ダブル・エージェント化してゆくさまも巧みに描かれています。主要登場人物で実名や仮名でなくエコノミストというコードネームを冠せられるのは外交官としてソ連、スイス、イタリアに駐在し外務次官に登り詰めた天羽英二だけです。彼がイギリス外交官夫人の蜜に誘われソ連に絡め取られる発端からダブルな振る舞いざまが丹念に描かれています。なぜ彼だけが実名を伏されているのでしょう。書かれた事実の中に何か差し障りがあるのでしょうか。

作品中、近衛文麿は「現実主義者であることはまちがいないが、若いときにマルキシズムに傾倒した反動もあって、理性的にはかなり強固な反共だ。感覚的には親英米だと言ってもいい」とされ、松岡洋右は「近衛と対極にある性格だ、強固な理念に凝り固まった国粋主義者と思われがちだが、アメリカで高等教育を受けたことで、徹底した現実主義者になった。
日和見主義者と言ってもいい。場合によってはスターリンとも妥協する、マルキストと手を結ぶ」と評されています。
松岡は日米交渉に謀略の焦げ臭を直感的に感じ取ります。それを察知した米側は松岡が交渉に関わることを忌避し、第二次近衛内閣の総辞職でついに松岡は更迭されてしまいます。
作品の掉尾に、次のようにあります。
「(引用開始)
この(日米開戦の)出発点となった日米交渉については、後に国連大使となった加瀬俊一が、「交渉の発端は、いまなお秘密のベールに包まれている。(中略)日米交渉は発端において呪われていた」と、回想録に書いた。
(引用止め)

日米交渉に従事したゆえに外務省関係者は真珠湾攻撃で日米開戦に至った実相を握っていたのです。
開戦時在米日本大使館にいて宣戦布告の通告遅延の責めを負うべき奥村勝蔵、井口貞夫らが戦後外務次官まで登り詰めたのも吉田茂はじめ外務官僚が事の真相を掴んでいたからでしょう。
最後通告文をタイプで清書する奥村に井口がこう声を掛けるくだりがあります。「奥村さん、結局われわれは戦争阻止に失敗したけど、このままおめおめと開戦したら、命がけで謀略をあばいた天城さんの御霊に申し開きがたたない。せめてアメリカ側の反撃を最小限に抑えるため、この通告を手渡すのは、攻撃がはじまってからにしようじゃないか」

井口貞夫の子息(元外交官)は本省と軍部にこそ遅延の原因があったと彼らに責任を擦り付ける主張を近年展開していますが、真相は奈辺に在りや。
文藝春秋3月号に「東郷外相は日米開戦を阻止できた」という記事があります。甲案、乙案に関する日米間の交渉経緯を新発掘資料で明らかにしたという内容です。
発掘したというのは開戦後帰国した野村吉三郎大使から昭和天皇への御進講を記した「野村大使言上書」で、そこから判明した新事実とは、強硬なハル・ノート発出の背景に日本軍のタイへの進駐計画が大きく関わっていたというものです。東郷は交渉をあまりに複雑化した、野村や栗栖に対し縛りを掛けすぎた、もし東郷が辞任し東條内閣が総辞職していたらとか、批判しています。日本側の手の内はすべてアメリカ側に傍受されていましたから、ここまで責められては獄中死し、今さら反論できない東郷は救われないでしょう。
開戦の真相からかけ離れた些末事に拡大鏡を当て新資料発掘を誇りたい的外れな記事です。
保坂正康、秦郁彦、半藤一利、五百旗部真たちに連なる「昭和」しか見ないミクロ眼の「昭和史」学者の論です。

昭和史の核心部分にあるのが日米開戦の真相です。
昭和史をひとつの回り舞台と見立てますとそれが裏舞台の物陰に長らく隠ぺいされてきました。しかし真に「歴史」を解する歴史家、真相に迫ろうとする真摯なノンフィクション作家、ジャーナリストの手により、その回り舞台は軋みながら動き始め、その真実の相貌を表し始めています。
近年公開された日米外交機密文書に対する歴史家、ジャーナリストの熱心な渉猟により、一般の日本人にようよう知れ渡るようになりました。
これまで左はもちろん右からも歪められていた「昭和史」はその様相を着実に変え、歪みが外されつつあります。
しかしそれが真実であるとほとんどの日本人は信られないでいるのです。あるいは今さらどうしたと無関心なのです。これへの処方箋を編み出すこともシリアスな課題かも知れません。
    (しなの六分銭)




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(読者の声2)貴見の「(ヒラリーの)最初の訪問国が日本だからといって「日米同盟重視」と考えない方が良いのではないか」
 その通りです。
「米ドルの終焉」と書くと、「狼少年の叫び」と受け取るか不感症の反応がある。
クリスマスにメキシコのジフアタネホで会ったNYの弁護士(元検事)は、さすがはユダヤ人だった。その意味をよく理解していた。ほとんどの日本人も、アメリカ人も、「世界恐慌一歩手前です」と書くと、「ヱッ、そんなことないでしょ」と、DENIALの心理状態にいる。
ヒラリーは、オツムの軽い女です。日本で嫌われている、キム・ジョン・ヒルを同伴するとは、もはや失敗の道を歩き出している。
ナイ駐日大使は未定ですね。STAR・BUILD・UP手法で、ぽっと出てきたオバマは、名画「ブラック・ビューテイ」というよりも、イリノイの草競馬なら良かったのでしょう。
今日のニュースは
1)ネタンヤフ(クリントンをキリキリ舞させたシオニスト極右)の復活はオバマ中東政策に逆風、
2)タリバンがカブール法務省爆破、
3)経済刺激策(STIMULUS)が大幅に削られた(共和党下院議員261議席全員がオバマのオリジナル提案に反対して妥協したが、リベラルがヒステリーを起こしている、
4)その他オバマは「二股をかけている」と酷評が続いた。
これらの記事はオバマを熱烈に支援したジャーナリスたちです。つまり、警鐘をガンガンと鳴らし始めている。
米国史上初めて辞任する大統領かな?
 
ところで米国債VSオバマのファイナンスを考察していました。
米国債のチャートも見た。原田武夫さんの論文も読んだ。バーナンキの国債買い付けをどう理解すればよいのかわからなかった。金融商品マーケットから蒸発してしまったんだから、先生の仰言るようになるのでしょう。
BAD/BANK(不良債権整理)には1兆ドルは要る。それにせよ、米国内にそんな隠れた資金が眠っているのでしょうか? ロシアの社債がシャットアウトされた。これと同じ運命ではないか?
(伊勢・ルイジアナ)


(宮崎正弘コメント)ですから小誌前号にエコノミストの足立誠之氏がいみじくも指摘されたように、オバマの「チャンジ」は、このファイナンス方面で最初に起きますね。短期フェデラル・レートをあげても、国内に国債をまき散らし消化させる。金利は上昇せざるを得なくなるでしょう。



   ♪
(読者の声3)『九鬼と天心』という本を手に取っておりましたら、明治時代の一大政界スキャンダル「北海道開拓使官有物払下げ事件」の件がありました。 
これはまさに現在起きている「オリックス・かんぽの宿払下げ事件」に酷似しています。 開拓使官有物払下げは、1881年(明治14)開拓使が、10年間に1400万円を投じた官有物を関西貿易商会にわずか38万円で払い下げようとした事件でした。
同じ薩摩藩出身の開拓使長官黒田清隆と同商会の五代友厚との癒着があるとして世論の猛反撃をうけ、政府は払下げを中止したのです。 ことはそれで収まらず大隈重信は政界から追放され、黒田清隆は更迭され、「明治十四年の政変」というクウデタを引き起こしました。
「かんぽの宿」が1万円で売却され、わずか半年後に6000万円で転売された事実、2400億円投入された施設と時価47億円の首都圏社宅不動産が合計で109億円で売却され(かけ)た事実、はじめは一般競争入札と説明しておきながら実際は不透明極まりない落札経過、欺瞞に満ちた郵政公社の説明、そして世間の非難を浴びてのオリックスへの売却中止に至る「オリックス・かんぽの宿払下げ事件」は、まさに平成版「北海道開拓使官有物払下げ事件」です。
小泉元首相、竹中平蔵、西川善文、それらと癒着していると喧伝されるオリックス宮内義彦が引き起こしたこの払下げ中止事件は「平成二十一年の政変」というクウデタまで発展するのでしょうか?
どんな帰結を見るか注目されますが、マスコミはなぜか積極的に報道しようとしません。
   (X生)



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(読者の声4)北京CCTV新築ビル全焼の件ですが、燃えたのはあの奇っ怪なビルでは無く、そこに隣接して建築中のホテルです。
CCTVの持ち物で、 かつ火事の原因はCCTVが打った花火のようなので、自業自得 
というところですが。
北京には変なビルが多いですが、その多くは建築基準法の規制が甘いのを良いことに、自分のアイディアを試したい欧米の建築家の作品だとの話もあります。
(北京読者 その2)
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(編集部より)本日午後、小誌増刊号を配信予定。
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宮崎正弘の新刊 
 http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
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宮崎正弘のロングセラー
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫。980円)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書、861円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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  • 名無しさん2009/02/13

    読み応えありました。堪能しました。満腹。

  • 名無しさん2009/02/13

    Exellent!

    経済には余り詳しくない私も改めて腰を据えて経済の勉強までしたくなります。

  • 名無しさん2009/02/13

    楽しみにしてます。

  • 名無しさん2009/02/13

    とても良い情報源です。

    日本の国益のために

    今後もよろしくお願いします。