国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/02/12


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
     平成21年(2009年)2月12日(木曜日)
        通巻第2489号 
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 クリントン国務長官の訪日(16日)には何も期待しない方が良い
  米国外交は北京訪問が主眼、ヒル国務次官補(次期イラク大使)が同行
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 ブッシュ大統領は、対中政策を発足時の「戦略的競合者」という冷淡な関係から、9・11以後は「戦略的パートナー」、さらに「ステーク・ホルダー」(ゼーリック世銀総裁)にシフトさせた。
 劇的な変化はテロリスト対策と、後年は経済協力、とくに北京の保有する外貨の魅力に惹かれ、スタンスを変えたのだった。

 ポールソン財務長官(当時)は、同盟国ニッポンの頭を越えて、五回も経済閣僚からFED議長を伴って北京を訪問し、「米中戦略的経済対話」を展開してきた。
チベット、人権、民主化その他の議題を付随的マターとしてしか扱わなかった。

 民主党は人権抑圧の中国で五輪が開催されることは不愉快であり、ブッシュ大統領の臨席に反対したが、ブッシュは「政治とスポーツは別です」と行って、五輪開会式に出席した。

 オバマ政権は準備段階から、[G2]関係に米中関係を格上げするかのように動いてきた。
 しかしオバマ政権の支持基盤である民主党は、「人権」「民主」ダライラマ、ウィグル問題などで、先鋭的であり、経済重視外交姿勢に批判的だ。

 ヒラリー・クリントン国務長官は、16日からアジア歴訪の旅にでる。
だが、最初の訪問国が日本だからといって「日米同盟重視」と考えない方が良いのではないか。

というのも、米国のメディアは「ヒラリー訪中」が主眼であり、記事中で「ついでに」、日本と韓国とインドネシアに「立ち寄る」というニュアンスで報道しているからだ。


 ▲ひょっとしてヒラリーは対日重視の腹が座っていないのでは?

 しかもヒラリーに同行するのはクリストファー・ヒル国務次官補(ブッシュ政権で北朝鮮担当。“キム・ジョンヒル”と呼ばれた)。次期イラク大使に濃厚だが、バグダッド赴任前にヒラリーに同行する。旅行中、かれがヒラリーにレクチャーするらしい。

 次期日本大使としてマスコミ辞令がでたジョセフ・ナイは、まだ大使を受けるかどうか、態度不鮮明。本人はインド大使を希望しており、となると対日問題でヒラリーに進言できる高官は不在である。

 「オバマ外交の前政権の経済重視政策との再調整は環境、エネルギー問題とのバランスになり、チベットなど人権問題は触れるだけであろう」(IHI,2月12日付け)。

 ヒラリーはところで、2005年に訪中した折にジェンダー・フリーで中国を猛烈に批判しており、その対中批判の過激なトーンを急にダウンさせることも考えにくく、中国はこの点を警戒しているという。

 ステファン・ボスワース(現タフツ大学フレッシャー・ロウスクール学長)が次期国務次官補(北朝鮮担当)に任命される模様。米国は中国に北朝鮮問題での連携をつよく模索する現れ、と言われる。
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(読者の声1)貴誌で北京CCTVの新築ビル全焼の記事中に、「このビルはお台場のフジテレビよりも奇形、中華の伝統からみると偉容なデザインで、しかし北京っ子の自慢となる筈だった」
と書かれております。
小生は北京の人間ですが、あの形が恥だと思われます。因みに北京の人間がこの中央テレビの建物が「大庫叉」と呼ばれていて、日本語で訳しますと「大きなパンツ」だという意味です。
尚、中国語ではパンツは汚いものだと恥ずかしく見せるものではない(当然、見るべきものではない)という意味です。小生の見方は日本の皆様に伝えて頂ければ幸いです。何故かと言いますと、中国人の中に恥が知らない人間と違う人間も居るということが判って頂きたいと思うということです。(中国を除いて世界のどこの国がこんな変な建物が建てられるか)。
  (北京読者)


(宮崎正弘のコメント)醜悪なモノを見せる。見せびらかす。これもまた中国人の特質ですか。CCTV新築ビルにせよ、五輪村にできた七つ星がふれこみの巨大ホテルにせよ、天安門広場の隣、人民大会堂の横に立ったオペラ座にせよ、あれは非中華。要は都市設計における美の喪失ですね。



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(読者の声2)W・POSTの、MICHAEL GARSON, KATHERINE PARKERが「オバマのプラグマチズムは空っぽ」。「オバマは未経験で、ド素人。民主党は税金を払う気がない」と集中砲火を浴びせている。
他の記事では「竜頭蛇尾の典型」と。ブルームバーグは「まだまだ、市場にドボンが来ると」です。トヨタ株を売ってしまおうかなと思った。
(伊勢、ルイジアナ) 


(宮崎正弘のコメント)ワシントンポストより過激に「オバマノミックスでは次に株式市場大暴落」というNEWSMAXの記事は下記です。
http://w3.newsmax.com/a/jun08/?s=al&promo_code=79DF-1
 ディック・モリスの「オバマはヒラリーの閣内影響力を最小化し、国務省内での孤立化をたくらむ」という記事もあります。下記に。 
http://www.newsmax.com/morris/?s=al&promo_code=79E2-1



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(読者の声3)「日本領と区分-ロシア・プーチン首相公式サイト」とありました。
狡猾、獰猛な北方の熊、わが国のアマチャン外交とトップ政治家の確固たる歴史観の乏しさが-このある種のシグナルかも知れない事実をどのように受け止めるべきか。
誠に興味深いものがあります。
”外交は秘を以って第一”この国の有像無像のマスゴミの手で、弄り回わす事は願い下げにしたい。麻生首相が祖父に習って歴史に名を残す絶妙な時機にあると観測していますが・・・・。
先生のご高見をお伺いしたいものです。
(元大陸素浪人) 


(宮崎正弘のコメント)ご質問は婉曲ですが、麻生首相の樺太訪問を指しているのでしょうか。サハリン2の稼働開始式典にのこのこでかけてゆく首相は、北方領土の帰属問題でロシアに誤解を与える恐れがありますから。
 小生は十五年ほど前に樺太を一周したことがあります。王子製紙の工場や社宅が半世紀を経てもそのまま残っていたのには驚かされました。
 南樺太はロシア領土ではない。日本はサンフランシスコ講和で放棄させられたとはいえ、潜在的には依然、日本領でもあるのですからね。



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(読者の声4)貴誌2488号に関連し、日本のマスコミ業界はどうなるのか?
最新情報を読者に伝え、なんとか雑誌等購買力をキープする大手雑誌は良いが、多くはすぐに廃刊になることが多い。厳しい世界。圧倒的な広告の多い紙面。アナログ「新聞」も衰退は近い。
私はちなみに地方紙を購読せず、少し偏りがちなお堅い「朝日新聞」を購読。記事以上に広告欄チェック!に走ります。・・・そういう時代。 
   (A生)


(宮崎正弘のコメント)小誌が米国のマスコミ事情をときおり、その動静を分析しているのも理由があります。
 今日の米国マスコミの姿が明日の日本のマスコミの運命でもありますから。
小生は1996年に先駆けて米国CNNなどを取材し、『インターネット情報学』を上梓して、次の時代の報道、マスコミのあり方を予想したこともあります。
インターネットという語彙の登場は1996年でした。
やや時期尚早で、拙著は売れなかった(苦笑)。ですが、いまや「ビジネスモデルの破綻」という観点から日本のマスコミの明日のゆくえを探ることは重要だと思います。
 『論座』も『現代』も休刊、つぎは大手マスコミの倒産、そして大手新聞の倒産劇が起きるでしょう。これは時間の問題です。
 五月頃に、『朝日新聞が廃れる日』(仮題)を書き下ろす予定です。ご期待(?)下さい。

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宮崎正弘の新刊 
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宮崎正弘のロングセラー
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫。980円)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書、861円)
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
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  • 名無しさん2009/02/22

    1.日本ほど外準の比率に占める米国債の比率が高い国はないのでは?円がこれから弱くなるならば、円高水準でドル建債を持つ意味がなくはないので、円建て米国債が一概に良い案とは言えないかも。通貨建てポートフォリオ割合とともに、そもそも一国の国債にこれほど比重を置いても良いのか、という議論が少なすぎることが問題では。



    2.サンフランシスコ講和条約批准を拒否したロシアは南樺太を実効支配しているに過ぎない。日本が、南樺太領有を認めるのは、北方領土4島の返還が実現した時で十分。 この面での宮崎先生の一層の情報発信の強化を切に願います。

  • 名無しさん2009/02/12

    祝「朝日新聞倒産」一日でも早く

    こんなメッセージを出したいと期待しています。

  • 名無しさん2009/02/12

    日本の政治なんとかならんものでしょうか?と思うのですが日本人が政治家を選んでいるのですから?どうしたものでしょう。

  • 名無しさん2009/02/12

    貴メルマガ、第2989号「読者の声第4」から。

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    このメルマガ読者に朝日愛読者がいるとは驚きでした。