国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/01/25


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成21年(2009年) 1月26日(月曜日)
       通巻第2468号   (1月25日発行)
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 オバマ就任演説は仏教徒を排除したが、無神論者をくわえた
   あれが名演説という分析報道は大事な点をひとつ見逃してませんか?
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 1月20日大統領就任式。日本時間21日午前貳時。テレビ中継でみていた人も多い。
 各紙が大きくあつかって解説した。
チェンジ、YES WE CANに替わって、「責任」が前面に出てきた。

 「米国は衰退するのが不可避的という恐れ」「恐れより希望を、争いや仲違いより目的を共有することを選んだ」「新しい責任」というのがキーワードだった。

 全文を読み返して奇妙なことに気がついた。
読み返す切っ掛けは佐藤優氏と藤井厳喜氏の指摘である。
「(アメリカ人の定義に)イスラム教徒にくわえてヒンズーを入れた。これでオバマはアフガン戦争に本気なことを示した」(佐藤氏)。
「無神論をキリスト教徒と並べるという無鉄砲」(藤井氏)。

 原文を読んだ(後節の始めの箇所)。
 こうである。
 「WE AER A NATION OF CHIRISTIANS AND MUSLIMS JEWS AND HINDUS AND NON BELIEVERS」
 (我々の国にはキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、無宗教の人がいる)。
 「米国は地球上のあらゆる場所から集まった言語と文化によって形つくられた」とオバマ演説は次の文節へ繋がるが、問題はここだ。

 プロテスタントが主流の国でありながら、カソリックを含めるので「クリスチャン」とよび、ユダヤ教徒を別途に分類する。くわえてムスリムを並べたのはテロリストとの戦争の連帯を意味し、ここへインド重視とばかりヒンズー教徒を加えたが、仏教徒は入れなかった。替わりに無神論者を入れて、これではキリスト教徒、ムスリム、ユダヤ教徒は怒り出すだろう。

 オバマ当人と周囲のスピーチライターには、まさか同盟国日本が仏教との国でもあることを知らないか、重視していない証左だろう。

 ブッシュ前大統領は01年の就任演説に「神」というキーワードを三十三回、つかった。GOD BLESS YOUで結んだ。
 オバマの演説に「神」は三回しか出てこなかった。それも最後の最後に二行だけ。この箇所に神が三回連続する。
以下の通りである。
 「『神』の慈悲を身に浴びて、我々は自由という偉大な贈り物を運び、将来の世代に安全を送り届けたい。有り難う、『神』の祝福が皆さんに、『神』の祝福が米国にあらんことを」
 
 オバマ支持率、就任式直前に83%もあった。就任式直後から三日間、ギャラップ調査では68%(25日報道)。
はやくも15%下落している。
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(読者の声1)「伊勢ルイジアナ」氏ほか貴誌への投稿者諸氏の意見を聞いていると、白人の大旦那どもが「汚れ仕事」、「憎まれ役」を有色人種の新人役者に押し付けながら、ww3を進めているのがえげつなく見えます。
いいえ、いいえ、、。あまりにも悲劇的なエッセンスが既に内包されていると言う事では、私たちは目前に最高のギリシア悲劇、シェイクスピア悲劇を見ているといってもいいかもしれません。
オバマは千年のちも文学の世界で生きて、人間社会の冷酷な本質を教えていることでしょうね。
   (KN生)



(宮崎正弘のコメント)ちょうど送られてきた福田恒存評論集第十二巻は「シェイクスピア」と演劇論。うぅーん。偶然にしては出来過ぎでしょうか?



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(読者の声2)24日拓殖大学日本文化研究所主催の「昭和維新再考」シンポジウムに参加、パネリストの先生方のお話を拝聴しました。記録は『新日本学』の次号に掲載される由、是非、その雑誌を購読したいと思います。
 シンポジウムは簡潔明瞭にして強い言葉を選ばれた井尻千男所長の名司会により進行し、若手論客、岩田温氏の基調報告とまとめに感心し、また桶谷秀昭氏の飄々とした話しぶりの中に潜む凄い土着的発想、佐藤優さんは独創的思想ともいえる、独特なタカマガハラと神皇正統記。
経済通でもある藤井巌喜さんの楽天的な不況分析とアメリカの未来図。対照的にビルピッタ教授は悲観的なイタリアの未来を語り、それぞれ持ち味が滲み出ていました。
 さて宮崎先生は、途中で「渇を入れる」と言われて、突如、祝詞のような散文、「日のもとの大和の国は鼓腹撃壌。。。。かかる日に、などてすめろぎは人となりたまいし」と三島由紀夫『英霊の声』の重要な一説を朗読され、これも感動的でした。
 簡単な印象記ですが、入場無料の御礼を籠めて。
   (YU生、千葉県)


(宮崎正弘のコメント)寒風のなか、多くの方々にご参加いただき、討論は熱がこもり、瞬く間の四時間半でした。残念なのはフロアからの質問をうける時間がなかったことでした。
 簡単なまとめを参加できなかった小誌読者のために、近日中に小誌でも略儀を掲載したいと思います。それから入場無料の措置ですが、この件の御礼は小生宛ではなく、拓殖大学日本文化研究所に。



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(読者の声3)24日、シンポジウム「昭和維新運動」再考を拝聴しました。この刺激的なテ−マで宮崎さん他いずれも立派なパネラ−の方々の内容の極めて濃い発言に感服しました。
また会場あふれんばかりの大勢の参加者の数にも驚きました。
これは「昭和維新」というテ−マが決して過去の出来事ではなく、実に今日的な、現在の状況にふさわしいテ−マであることの証左ではないでしょうか。
宮崎さんの日本の経済的主権の回復を、という主張は実に説得力がありました。飛躍かも知れませんがかつての昭和17年に「文学界」が主催した座談会「近代の超克」にも匹敵する画期的な催しではなかったでしょうか。(「近代の超克」は西田哲学と日本浪漫派が主体のいわば形而上学的性格の強いものでしたが。。。)。
できればこの4時間にわたるシンポジウムの内容が出版されることを願っております。
(武蔵杉並住人)


(宮崎正弘のコメント)単行本になるか、どうかはともかく季刊『新日本学』に全文を掲載予定です。
 ちなみに『新日本学』は拓殖大学日本文化研究所発行。発売は展転社。詳しくは26日発売『WILL』三月号の広告(59p)を参照してください。
 或いは展転社の電話は(03)3815―0721



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(読者の声4)貴誌2466号「読者の声2」に関してですが、そうですね。みなさんの一助になれたら、幸せです。
アメリカ人は「おおらか」なんですね。大同小異というか。アメリカ国民が狭量だったらと思うとゾッとする。今、テキサスの病院の会計(女性)から電話があったので、ついでに、聞いたのです。
How dou you think Obama? Will he fix our problems?

I don't know. But I like to give him a chance. He came to this point so
far.He will do better than average people. I mean Bush. Look what Bush has
done to us. We want peace. We must talk to nation like Pakistan,
Iran,, Obama seems to have good people around him. If he does well he can
have another 4 years as extension. Give him a chance.

テキサス人ですが、白人か、黒人か、ラティノか、電話だからわからないけどね。これが、一般的じゃないかな?

 WPのコラムニスト、Colbert Kingが、ビル・クリントンが口を挟むと警告。宣誓式の最後には、「祈祷」がある。
Washington National Cathedral(寺院)の最前列にオバマ、ミシェル、バイデン、ジル。。。。。。。その横になんと、ヒラリーとビルが並んだと。
ビル・クリントンが口を挟むことは明確なのだそうです。
ヒラリーと一緒に外国政府の要人に会ったりすることを、断固、停めなければいけないと書いている。
「オバマは対中強硬路線」と、ガイトナー次期財務長官が上院財政委員会で声明文を提出。中国のスポークス・ウーマンは早速、甲高い声を出した
(伊勢 ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)NYタイムズに載った漫画を思い出しました。
車を運転するオバマ、そのハンドルを助手席のヒラリーが奪おうとしている。後部座席の暗いシートに座ってぶつぶつと指図している男がいる。いうまでもなく影の司令塔はビル・クリントン。
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(おしらせ1)桜チャンネル特別番組
「闘論!倒論!討論!2009 日本よ、今...」 
テーマ:「オバマ新政権と世界の行方」

放送予定日:前半 平成21年1月29日(木曜日)19:30〜20:30
後半 平成21年1月30日(金曜日)19:30〜20:30
日本文化チャンネル桜(スカパー!216チャンネル)
インターネッット放送So-TV(http://www.so-tv.jp/

パネリスト:(50音順、敬称略)
潮匡人、日下公人、石平、西尾幹二、宮崎正弘、山村明義、司会:水島総。

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(おしらせ2)小誌、講演旅行のため1月29日―2月2日を休刊します。
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宮崎正弘の新刊  増刷出来
  一ドル=90円台を割り込み、ビジネスマン、投資家が深刻な関心事。
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫)
     定価980円<税込み>。
     http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
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宮崎正弘の近刊  絶賛発売中!
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 『北京五輪後、中国はどうなる』 (並木書房、1680円) 
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
 『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』(KKベストセラーズ、1680円)
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  • 名無しさん2009/01/25

    いつも楽しく読んでます

  • 若者2009/01/25

    あれだけブッシュが無茶やれば誰でも高支持率を獲得できる、との声もあります。

    今回のオバマ氏当選はマケイン氏との接戦だったようですが、いざとなればブッシュのように不正はいくらでもやれたはずです。

    ということは、既にオバマ氏とはブッシュ路線で話がついてるということでしょうか?

    裏切れば(?)やはりケネディ同様暗殺もあるのかなと見ていますが、ここまで信用と経済が崩壊しては暗殺の意味(必要)もないんじゃないかと思いますが…どうなんでしょう?

    イスラエルは国家存亡が掛かってるので必死だと思いますが(あと日本も…)。