国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/01/21


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成21年(2009年) 1月22日(木曜日)
        通巻第2462号 (1月21日発行)
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 インドでも大損害をだしていた米国ヘッジファンドの雄たち
  中国が30億ドル投資した「ブラックストーン」はインドで投資に失敗
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 07年に鳴り物入りで設立された中国の国家ファンド「CIC」(中国投資公司。資本金20兆円)は、最初の投資を米国ヘッジファンド「ブラックストーン」とした。
 30億ドルをポンと投資した。
半年も経ずに株価は80%下がって、「あれは詐欺だ」「アメリカに騙された」と奇妙な屁理屈を展開し、いまや「外国への投資を控える」とCIC最高経営責任者が言明する始末。中国人に「投資とは自己責任でおこなうものだ」という西側市場原理を説得するのは、難しい。

 そのブラックストーン(米国の有力ヘッジファンド)、じつは2006年にインドへ進出し、大胆な投資戦略を行使してきた。
合計7億3000万ドルを投資し、ライバルのヘッジファンド大手「KKR」(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)と競うようにインドのIT産業などへ積極的に巨額を投じた。
 
 インドの株式市場はムンバイ爆破テロなどもあって2008年一年間で52%落下した。
 ブラックストーンが投資した大手ゼネコン「ナガルジュナ建設」は71%株価が落ちた。運動大手企業「オール・カーゴ・グローバル・ロジェスチック」社へも1億5000万ドルを投じた。同社の株価は半値以下となった。
 ほかにもエンジニア企業など合計8件の投資が悉く惨敗に終わったが、インドの責任者は「われわれは長い目でインド経済の躍進を算定して長期的な投資をしている」と強気を崩さない。

 KKRはインド最大産業のIT、とりわけソフトウエア企業に9億ドルを投資した。当該の「フレクトロニクス・インタナショナル」社の株価は、爾来、80%の暴落を示している。
 (数字はいずれもロイター、1月20日)。

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 日本人が知らない日本は世界一の数々を羅列し
  独自の文明の矜恃を淡々と記している珍しい本だ

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田中英道・責任編集『日本史の中の世界一』(育鵬社)
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 前々から国内歴史家の議論を聞いていて、不思議でならなかったのは、世界で一番古い憲法は日本の十七条憲法。マグナカルタはそれから七世紀後である。メソポタミア文明のハンムラビ法典は商法であり、憲法の嚆矢とは言いにくい。
 つまり日本は世界史で一番古い民主国家ではなかったのか、という「疑問」だった。
『源氏物語』は世界初めての長編恋愛小説である。フランスの心理描写の小説は十七世紀、十八世紀である。それは文化大国の証拠である。
 いまでも世界中で『源氏物語』は読まれ続けている。
 ああそれなのに、なぜ日本の民主政治の成熟が遅れていて、文学はローカルで世界的ではないなんて欧米のやぶにらみをまともな批判と誤認し、多くの日本人は萎縮しているのか?
 これは明治文明開化いらいの悪しき文明的コンプレックスの後遺症か、それともGHQの占領政策の洗脳がまだ効き目をもっているからだろうか?

 評者(宮崎)は随分と前から、日本は世界最初の民主国家であり、世界でもっとも古い文明国であろうと考えてきた。
一時は夢中になったトインビーも読んだが、途中で「日本文明は中国の支流」と書いてあって失望、もっとも博士一人で全世界の歴史を閲覧したのだから、見落とし、誤解もあるのだろうが。

 本書は第一に日本人の自信回復への処方箋の役割を果たしている。
 (やはりそうか。そうだったのか)。
本書では体系的に時系列的に、縄文土器から仁徳天皇陵、源氏物語に奈良の大仏など、世界史の金メダルを50項目並べて、一挙に解説を加え、日本人を鼓舞する悠々たるたくらみである。
 世界最大級の木造建築だった出雲大社、世界最初のオーケストラは、雅楽。そして世界最古の国歌は君が代、世界最長の王朝は、もちろん万世一系の天皇。
 どの項目も簡潔な解説で、それぞれの専門家が分担して書いている(執筆総勢15名)。
 だが、半分以上は田中氏が担当し、淡々と日本のすごさを物語るのである。

 いつくも興味をそそられる記述があるが、たとえば仁徳天皇陵。
 http://www.city.sakai.osaka.jp/kofun/database/nintoku.html
 堺市にある。地元選出の西村真悟代議士は、よくここを散歩するそうである。うかつにも評者は、まだ見学したことがない(もっとも内部へは入れませんが。。。)。
 http://www.city.sakai.osaka.jp/hakubutu/ninhya.html
 (詳しいデータはここに ↑)
 つまり仁徳天皇陵は、ギザのピラミッドなど問題にしない広大な面積。秦の始皇帝陵墓よりも規模が大きい。
世界一の陵墓なのに、世界遺産になっていない不思議さ。

 奈良の大仏は中学の修学旅行で見てから、何回か、奈良へ行くたびに見に行った。
 三十五年ほど前に、作曲家の黛敏郎氏が、「奈良の大仏開眼は、当時の万博。世界から貴賓を招待しての一大イベントだった」と指摘され(黛『君が代はなせ歌われない』、浪漫刊、絶版。ちなみにこの本は小生が編集した)、それなら当時から日本は世界一の経済大国でもあり文化大国でもあったのか、と感動したのだった。
本書でも、大仏開眼の儀式が詳しく描かれているが世界各国から一万数千人が、奈良の都に集まったというではないか。
 西欧が古さを誇るパルテノンは“死んだ宮殿”である。タリバンが破壊したバーミャンの石窟は、岩崖をくりぬいた彫刻の古さはあるにせよ、奈良大仏のようにブロンズではない。
中国自慢の龍門石窟も石壁を掘ったに過ぎない。
ところが奈良の大仏はブロンズなのである。文明大国の証でもある。いまも年間数百万の参詣がある。
 世界最古の木造建築は法隆寺。世界最古のミュージアムは正倉院。
 世界最古にして最大の和歌集は『万葉集』。
 この本を読むとなんだかモリモリと元気が出てくる。不況のいま、この本を読んで日本人は自信を回復しなければならない。
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(読者の声1)オバマ就任式、あるアメリカの町の表情です。
 気晴らしにプールで泳いだ。8歳ぐらいの女の子も男の子も大勢来ていた。町へ出ると、驚いたことには、星条旗がどこにも掲げられていないのです。
わが家から湖へ続く道の両側には400軒(500坪くらいの敷地)あるが、たったの3軒が星条旗を出していた。明日、写真撮ります。
このルイジアナの町は99%が共和党・保守・白人キリスト教徒なのです。するとオバマ(5800万票で当選)はこの、保守5200万票と深い確執を作った。つまりアメリカは真っ二つですね。
ところでプーチンの野望は、NORD GAS PIPELINE(バルチック海からドイツへ直結)を2010年までに完成さえ、ウクライナを分断させ、セバストポル軍港を永久占拠する。
グルジアを分断し、トルコと仲良くする。イラクをロシアの版図に入れる。
(伊勢、ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)先に書かれましたか。プーチンの資源戦略の中味を!
ただしバルト海からドイツへいたる海域は海底パイプライン敷設の難工事なうえ、環境問題で反対が多い。この「ノルド・ストリーム」大プロジェクトの顧問が前のドイツ首相で容共ハト派のシュローダー。これもまた複雑怪奇。
 83年の世界資源戦争の状況は拙書『もうひとつの資源戦争』(講談社、絶版)、2007年までの世界資源戦争の状況は、拙著『世界新資源戦争』(阪急コミュニケーションズ)に詳しく書きました。2007年6月以降、こんにちまでの激変と変貌は、いずれ来年あたりまとめます。



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(読者の声2)オバマ大統領の就任演説は下記サイトに全文があります。
就任演説全文 : President Obama’s Inaugural Address、Bureau of International Information Programs, U.S. Department of State, January 20, 2009 
http://www.america.gov/st/usg-english/2009/January/20090120130302abretnuh0.2991602.html 


(宮崎正弘のコメント)米国政府のサイトですね。これをプリントすれば、演説集を求める必要がない、というわけです。
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  • 名無しさん2009/01/21

    とても良いです。

    大阪府堺市にある「仁徳天皇陵」が世界遺産になっていないんですね。私の意見ですが、「大阪城」も世界遺産に登録されていないですよ。あまりにも大都市のイメージがあり、世界には大阪に歴史観を感じないのではないでしょうか?

  • 名無しさん2009/01/21

    的確な問題指摘と対処方法、国会議員は全員このメールを読み且つ 行動を起こしてくれたら日本の将来は眩く輝くのでは!!

  • 名無しさん2009/01/21

    国内外の事象を解き明かすのに貴重な記事を重宝させていただいてます。

    オバマの支持率はITベンチャーのIPO銘柄の初値を彷彿させます。

    半年もたたないうちにバッシングの嵐でしょうね。

  • 名無しさん2009/01/21

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     いまでも世界中で『源氏物語』は読まれ続けている。 ああそれなのに、なぜ日本の民主政治の成熟が遅れていて、文学はローカルで世界的ではないなんて欧米のやぶにらみをまともな批判と誤認し、多くの日本人は萎縮しているのか?

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     ノーベル文学賞などは、白人が作った基準に過ぎません。



     白人から賞をもらっても嬉しくはないですね。



     こちらから白人にやる文化勲章の方が、格は上ではないでしょうか。



     白人から誉められるためにやったわけではないと、ノーベル賞を辞退するサムライはいないのだろうか。