国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/01/17

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成21年(2009年) 1月17日(土曜日)
          通巻第2457号  増大号
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(本号ではニュース解説はありません)。

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(読者の声1)昨夜(15日)、オバマは、ジョージ・ウイルの自宅へ行き、クリストル、クラウツハマー、ケーガンらと飯を食ったとCNN。
アメリカの保守論客のうち、ケーガンとウイルは、こちらのレベル高しと見れば、高慢をやめますね。
つまり、「話し」になる。クラウツハマーの文体も主張もシンプルです。連中に共通しているのが、「大統領は愛されてはいけない〜尊敬される人が相応しい」です。ぼくは、「恐がられるほうが良い」と信じている。どうでしょう?
(伊勢、ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)次期大統領はリベラル派と目されているのですが、天敵にもあたる保守論客と話し合った、というわけですね。本心はどこにあるか定かではないにしても、日本に当てはめれば次期首相有力(?)のオザワとかオカダが、渡部昇一、西尾幹二、田久保忠衛、日下公人、櫻井よしこの各氏と食事をしたという構図ですか。呵々大笑。



   ♪
(読者の声2)講演会「日本人が知らない国際社会の危険 −虐殺、資源争奪から米中対決まで」があります。

日時: 1月24日(土) 18時30分〜20時45分(開場18時)
会場: アカデミー文京 学習室(文京シビックセンター地下1F)
   (東京都文京区春日1-16-21、03-5803-1100
    http://www.b-civichall.com/access/main.html
    東京メトロ丸ノ内線後楽園駅4bまたは5番出口徒歩3分
    東京メトロ南北線後楽園駅5番出口徒歩3分
    都営地下鉄三田線/大江戸線春日駅連絡通路徒歩3分
    JR中央・総武線水道橋駅徒歩8分)
内容 : 基調講演
     講師: 大津 司郎 氏(ジャーナリスト、アフリカ紛争地域の第一人者)
     質疑応答 & 全体討論(会後、講師を交え懇親会)
参加費: 1,000円(事前参加申し込みの学生500円)
主催 :  戦略・情報研究会
      http://www.kunojun.com/strategy-intelligence/
お問合せ・お申込: 久野 潤(代表、大阪国際大学講師)
       kunojun@amethyst.broba.cc
       <当日> 090-2933-8598、kunojun@ezweb.ne.jp
      (メールでお申し込みの場合は御名前・御通勤/御通学先をお伝え下さい、        
「@」マークは小文字にして下さい)



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(読者の声3)読者の声の神奈川ST様のメールに深く感銘を受けました。日本人の誇りとはそういう事なのですね。
先生のメルマガの「読者の声」も、ぜんぶ読ませていただき本当に勉強になります。
読者の皆様が先生のお話に真摯に耳を傾けられ、深い洞察の元にご意見を返信されていて、読ませていただくのが楽しみです。
普通なら私のような者は絶対にお聞きする事ができない内容ばかりです。先生のお話、そして読者の方々のお話と、私は二倍も得をしています。ありがとうございます。
    (YK子)


(宮崎正弘のコメント)「ST生」さんも、「しなの六文銭」「MC生」「JS生」「有楽生」の各氏も、小誌の長きにわたっての常連寄稿者ですが、それぞれが高い知識と教養をお持ちで、寄稿をよむのも楽しみのひとつです。



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(読者の声4)「引用<(読者の声4))これを証明する歴史的事実を一つ記しましょう。世界情勢は奇々怪々。平沼首相は日独伊三国同盟の成立に力をいれたが急展開する国際情勢に対応しきれず、日独防共協定の裏で突如ドイツが独ソ不可侵条約を締結したため『欧州情勢は複雑怪奇』との声明をだして同年総辞職した」とあります]。昭和16年(1941年)7月の関東特別演習(関特演)。この中止された演習は、実は、攻撃準備の実戦配備であり、ヒットラー・大島駐独大使・松岡外務大臣の間には密約がありました。平和条約をドイツがソ連と結ぶが、ドイツは条約を廃棄してソ連を攻撃し、日本も東方からソ連を挟撃してソ連を撃滅する。そうすれば、米国の参戦などに行き着く前にヨーロッパ戦線は終結し、日本も本来の軍事的脅威であり、かつ蒋介石政権へ最大の軍事援助を行なっていたソ連の息の根を止め、大東亜戦争を行なう必要性を消滅させえたのです。「神武」という観点から観て、誰はばかることなくソ連を攻撃し、スターリン主義のくびきから人類を救いかつ日本の安全保障に資する道は無かったのでしょうか。
それはありました。ソ連の衛星国であったモンゴル人民共和国に密偵を放ち、建国にあたっての虐殺を調べ上げ公表し、抑圧されたモンゴル人と連帯してモンゴル人民共和国を打倒することでした。(ST生、神奈川)」
(引用止め)。

感想:
年表を見ると1941年までにいろいろなことがおきています。
スターリンはナチスの攻撃に備えて1936年から国際戦略を発動していました。
その一つは東西挟撃の予防としての東部国境の安全化、すなわち反共勢力の蒋介石軍閥と日本軍の無力化、すなわち支那事変です。これは西安事件の謀略により成功し、日本は3年越しの大陸の全面戦争に引きずり込まれ苦しんでいました。
戦前の日本の常備軍は20万、ソ連は190万であり、動員すれば即700万といわれ、日本は軍事力で劣り、ソ連と戦争する力は到底ありませんでした。
シベリヤ出兵でも広大なシベリヤで大変な苦労しています。
他方、ソ連は米国ルーズベルト政権の取り込みに大成功をおさめていました。
米国は1938年から莫大な蒋介石援助を開始しています。これは蒋介石を傀儡につかった実質米国の対日戦争の開始です。
ソ連のスターリンは先の先を読んで工作していました。
また戦前の日本の軍事力は世界のCクラスであったことを確認したいと思います。だから列強は日本を圧迫し、攻撃したのです。
あのオランダさえ日本に真珠j湾直後に対日宣戦布告しています。白人優越主義で馬鹿にし切っていたのです。日本は海軍力はありましたが、ユーラシア大陸の奥地である外モンゴルに島国の日本陸軍が出兵するのは、軍事補給能力からいっても如何なものか、と思います。
補給を絶たれれば、即スターリングラードの二の舞ですから。
   (MC生)


(宮崎正弘のコメント)もう一度、「世界情勢は複雑怪奇」(平沼騏一郎)



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(読者の声5)貴誌2456号の「読者の声4」(ST氏)の、日本はイスラエルなどに学ぶべきではないという考え方には同感です。
また日本の天敵ソ連の討伐論には、そのスケールの大きさと緻密な論理に思わず心を動かされる思いでした。
ただ日本の戦略論を語る前提には、日本の近代化の体質の是非が問われると思います。
日本のように外圧で鎖国を解かれて始まった急速な近代化は、欧米に追いつき追い越せというための、富国強兵政策が基本だったと思います。
そして、自由民権運動の影響による軍人の政治的関与を恐れて、軍部の統帥権を政治から切り離した近代化政策が、日清、日露の勝利による軍事的実績を経て、逆に、その光輝ある伝統に守られることになった統帥権が独立して一人歩きし、やがて文民政治を無視する、近代民主主義の流れと逆行する昭和軍国主義と呼ばれる日本の先軍政治の流れを切り開いたようです。

日清、日露の勝利は、軍部の政治的関与や影響力の増大という軍部の内圧を高める契機となって、いつか政治が、軍部の力で形骸化するという極めて危険な副作用に繋がるようになる成り行きは、日本の近代化の流れにとって極めて憂慮すべき事態だったのですが、欧米先進国に追い付くための軍事的成果や軍事力が至上命題である日本の近代化にとって、その矛盾に一定の歯止めを掛けておく余裕はなかったのでしょう。

逆に、政治家の方から統帥権干犯問題が政争の具にされるという有様で、政党政治が終焉していった流れは、残念な結果でした。
結局、日本の近代化がこのような大きな矛盾を抱えその矛盾を解決する方向に進むことが出来なかったことは、日本近代の受動性という本質にあると結論付けられるでしょう。
日本における近代は、内発的な契機は高まっていたとはいえ、幕末の尊王も攘夷によって加速された面があり、外圧がなければ、近代日本とその新政府誕生は大幅に遅れたかもしれません。
 そのような流れを思うにつけ、すべては、日本の近代の運命だったと思われます。

ただ、日米戦争は、西洋の代表であるアメリカ合衆国と東洋の代表である日本との東西文化による代理戦争であったことを思えば、戦争の勝利者は敗者から、敗者は勝者から、それぞれ学ぶ必要があるのです。それが、近代という歴史の孕む論理の正則性だからです。 
すなわち、勝ちは負けに通じ、負けは勝ちに通じます。日本はアメリカから学びました。 
しかし、アメリカは日本から学んだでしょうか。
少なくとも、日本ほどには、他国の良さを学んでいないように思います。
死よ驕るなかれという、アメリカ人親子の癌との闘いを描いた実話のタイトルに倣って言えば、アメリカよ、驕るなかれ、と日本は忠告してあげねばならなかったのでしょうが、現在はともかく、以前は、聞く耳を持ったかどうか。
 また、日本の軍国主義と批判しましたが、日本のあるべき軍人像には武士の面影が切り離せません。武士には、戦いのための死の美学があるからです。だから、近代の国際戦争を戦うような国柄ではなかったと思います。
ある意味で、古風で高貴な美意識があるゆえに、近代戦争という苛烈な現場の実際の戦略や戦闘には、日本の軍人は本質的には向いていなかったのではないでしょうか。
(W生、武蔵野)


(宮崎正弘のコメント)井尻千男先生の最新の連作のモチーフは「武士道の哀しみ」。
 ついでながら小生が夏頃にだす論文は「三島由紀夫『英霊の声』をめぐって」です。



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(読者の声6)『僕はパパを殺すことに決めた』の著者<草薙厚子>が少年問題の専門家(?)としての立場から、精神医(少年の鑑定医)の保存していた詳しい資料(少年審判の供述調書)から、刑法上の秘密漏示にあたる資料内容を、精神医の了解を得て閲覧した。
しかし、資料の閲覧とその内容の手書きの書き写しまでは精神医の了解を得ていたが、資料内容のコピーや写真は拒否されていた。
そうであったにも拘らず、その資料内容を写真に写し撮り、更に、事前の了解も得ないまま、写し撮った資料から拾い出した詳しい内容を記述した著書を、『僕はパパを殺すことに決めた』と題して出版した。
その著書から供述内容(調書)の取材源が問題となり、当然に精神医が漏えいの犯人として厳しく追及された事は言うまでもない。
著者の<草薙厚子>は、家宅捜査を受けながらも捜査段階では取材源については秘匿し続けた。この点は、当然のことだが、評価されるだろう。
しかし、裁判の段階で証人として出廷し、その取材源が精神医であることを明白に証言した。

<草薙厚子>は、取材源を明かした理由を、資料内容を閲覧(漏えい)させたことを取材源の精神医自身が自ら証言したからと、その理由を述べている。
また、精神医の弁護士から”筆を折れ”と詰め寄られても・・・”筆は折りません”と答えている。
法学者の間では、取材源を明かしたことについて、賛否両論があるようです。
これらことについて、尊敬する宮崎先生のお考えをお聞かせください。
私はここ数年の青少年少女たちの荒み行く精神構造に非常に危機感を抱いています。青少年の育成問題に熱心な学者の間では「発達障害」などと、言葉だけは尤もらしい病名の呼称をつけながら、その実態については、殆んど理解できていないのではないかと、筆者は受け止めています。

筆者の思いは、今回の騒動を引き起こした張本人こそ「発達障害」ではないのか、それでも「元東京少年鑑別所法務教官」かと謂わざるを得ません。何故ならば、著書に「僕はパパを殺すことに決めた」と言う題名をつけた、その精神構造にこそ、明らかな「発達障害」の兆候が感じられるからです。
新聞やテレビの取上げ方は、ジャーナリストとしての取材源の秘匿だけを問題にしているますが、市民の立場から考えるならば、著書の題名こそが問題であり、青少年少女に及ぼす影響の度合いは計り知れないものがあると考えるからです。<草薙厚子>の名を見聞きする度に怒りを覚えます。
第一線で御活躍されている宮崎正弘先生は、ジャーナリストのお立場から、この問題をどのように受け止めておられますか?
是非とも御意見を承りたいとお尋ねする次第であります。少々長くなりましたが、私の考え方が歪なのか、難しく考えすぎなのかと、日本の将来を支える青少年少女たちの行く末を考えながら、不安に駆られています。
   (K―1)


(宮崎正弘のコメント)正論を承りました。飛躍したことを申し上げますが、日本では「ジャーナリスト」という概念が、過剰に評価されているきらいがあります。元をただせば瓦版屋。
 小生は著述業(行政の区分けで)ですが、ジャーナリストではありませんので、コメントは控えます。
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(休刊のおしらせ)小誌は地方講演などのため明日(1月18日)から20日が休刊です。
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(アンディ・チャン氏のコラム)

『国家の罠』という真実を暴けた佐藤優氏には「自分の国」があるが、
同胞が粛清されても戦う意思すら持てない台湾人は哀れである。
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●漢民族はアイマイな混血民族

民族は国家を形成する要素だが民族だけが最重要ではない。アメリカのようにいろいろな民族が作った国家もあるし、日本のように一つの民族が国家を形成しているのもある。
中国には58の民族があり漢民族が最大というがこれはウソである。
もともと漢民族とは種々雑多な人種が混血したもので、漢民族とは他民族を征服するた
めの便宜で使用する名称に過ぎない。
「漢民族」と「中国」とは二つとも便宜上の名称である。中国人が他国を侵略するときは「中国は一つである」と言って大中華思想を宣伝する。漢民族は曖昧な民族の名称で、誰でも漢民族になれるし、誰でも否定出来る。中華民族と言ったほうが事実に合致する。
 台湾には中国から渡来してきた漢族(ホーロー)と客家族、それに15種ほどの原住民族がいる。これら民族間の混血はかなり進んでいるが、これを綜合して「台湾民族」と呼ぶ。中華民族とは違うのである。

● 大中華思想の害毒

中国人の「大中華意識」の中では国家とはヤクザの集合体みたいなもので、漢民族を親分とし、その他の弱小民族を征服して縄張りを拡張する。これが四千年も続いてきたのである。
蒙古族が中国全土を占領して大帝国を作っても、彼らは蒙古族が一時的に中国で元帝国を作り、蒙古族が親分になっただけであり、満州族が中国大陸を制覇して清朝を作っても満州族が親分になっただけであると言う。
このような言い訳が「大中華」のウソとして「中国の歴史」に組み込まれる。
中国は一つしかない、万世一系である、といったウソを平気で中国の歴史に書いてしまう。中国は一つの国ではない、四千年も続いている乱世である。

●陳水扁の逮捕は民族の対決である

蒋介石は毛沢東との戦いに敗れ、中国全土を逃げ回って最後に台湾まで落ち延びた。彼は有名な「賊漢不両立」、つまり中華民国は漢であり毛沢東の中華人民共和国は賊である、二つは決して両立しないと宣言した。
馬英九が中華民国の総統に就任すると、蒋系中国人は嘗ての蒋介石の言葉を忘れて全速力で中国接近を始めた。しかも陳雲林を台北に迎えて商業協定を締結したが、協定の詳細は台湾人に知らせていない。中華民国の旗を撤去し、七千人の警察を動員して台湾人の抗議デモを抑えたのである。
これは明白な降参だが、蒋介石の時代から一転して中国に接近するのはなぜかというと、いま台湾で起きているすべての政治事件は中国人と台湾人の対決だからである。
 蒋系中国人が毛系中国人と合作するのは、彼らが台湾人とは違う民族であるという証拠である。
それだから台湾人と対決するために毛系中国人の力を借りることも平気、つまり大中華思想である。中国接近を始めた立役者の連戦を「呉三桂」と呼ぶことでもわかるだろう。台湾人の連戦が中国に接近して中国人を台湾に導入した事実は、呉三桂が満州族を中国大陸に導入して漢民族の明王朝を滅ぼした事実とソックリである。
 更に陳雲林が帰ると直ちに元総統・陳水扁の逮捕と、大量の陳政権の閣僚を逮捕して人質裁判を行い、マスコミ操作で台湾人の制圧に踏み切った。つまり中国人が台湾人の精鋭を一網打尽し、中国の武力の脅威を利用して台湾人の抵抗を抑えたのである。
 これを見ると陳雲林の訪台と馬英九政権が中国と合作を始めた真意が明らかになる。
つまり中華民国と中華人民共和国の「両方の中国人」が合作して「台湾人」を制圧する、二つの民族の対決なのである。
漢民族のもつ大中華思想は、チベット民族、ウイグル民族、台湾民族を漢民族の統制下におく策略であり、馬英九政権の発足から台湾人が直面している民族の戦いなのである。

●国家の罠は官僚の堕落

台湾人が大多数で中国人は15%しかないのにこのような恐ろしい台湾人の粛清が起きるのだろうか。その答えは佐藤優の名著、『国家の罠』(新潮文庫)の中で詳しく解明している。つまり、国家権力に追従して働く官僚に正義感はない。
彼らの関心は個人の保身と栄達、省益や個人の利益で、「国家捜査」という名義さえあれば、国益に尽力した功労者でも総力を挙げて断罪し、些かも恥じるところがないのである。
 佐藤優氏がこの本の第五章で書いている、国家捜査とはつまり「時代のけじめ」をつけるために必要だということ、それはつまり、「当初から断罪する人間を決めている」、だからいくらでも罪の基準を変えることが出来るし、「万一無罪になってもこっちは組織のメンツにかけて上に上げる。最終的に無罪になっても被告人が失うものが大きすぎる」と言う。これは実に的確であるし、恐ろしいことである。

佐藤氏は西村検事が立派な人格者で尊敬を持って対峙した、と書いている。しかし私にはいくつか疑問が残る。西村氏には正義感があるのだろうか? 検事として国家国益のためにやったことは本当に国益に値するものだろうか? 佐藤氏の言うように、西村氏は誠実で優れた尊敬に値する「敵」であったが、果たして彼は尊敬に値する人間、日本国民だったか?

●官僚に正義感はない

馬英九の中国接近のために動員された警察が台湾人のデモ民衆を暴力で駆除し逮捕する不合理と、検察官が陳水扁断罪のため嘘八百で特権を使って陳水扁を拘留し、関係者も拘留して人質裁判にかける。
こんなことをやって手柄を上げたと得意になる台湾の公務員は、自分の行いが台湾の国益に背く、台湾の滅亡に手を貸しているという犯罪意識はまったくない。同胞を傷つける暴力行使を恥じる感覚は完全に麻痺しているのである。
 連戦、呉伯雄、王金平などの台湾人国民党員が台湾を中国に売り渡す急先鋒となって、台湾の奴隷化に尽力しているのは常識では説明できない。彼らは既に正義感、廉恥の感覚を喪失しているのだ。

●人民は国家権力に対抗できない

佐藤優氏は国家の罠にはまり、国家と言う組織に断罪されたが、彼は組織と最後まで戦う意思を捨てず、『国家の罠』と言う本を出して国民の良心に問うことにした。佐藤氏にはまだ日本国という「自分の国」がある。台湾人には自分の国と呼べるものがない。
 陳水扁を断罪した組織は中華民国で、台湾人の敵である。蒋系中国人は陳水扁を始めとする台湾人の粛清を行っているのである。
馬英九政権は共産党の中国人まで味方にして台湾人を下等国民から中国人の奴隷階級に引き下げるつもりである。台湾人民は実情を知らされないし、マスコミに踊らされて陳水扁の断罪を喜ぶ者さえ居る。
「国家の罠」という真実を暴くことの出来る日本にはまだ救いがある。民族の対決で、同胞が粛清されても戦う意思すら持てない台湾人は哀れである。

(アンディ・チャン氏は在米評論家。この文章はAC通信より転載しました)
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  • 名無しさん2009/01/18

     ドルが大暴落するということですね。



     私の母は、よりによって退職金をドル建ての生命保険で持っています。



     円高で、どんどん目減りしているのですが、保険屋のアドヴァイスで、今は動かさない方が良いと言われて、そのままにしています。



     早晩、すべての財産を失うことにならなければいいのですが、いくら危ないと言っても危機意識がありません。



     ここは、多少の損をしてもいいので、早急に解約するべきだと思うのですが、宮崎先生のご意見を伺いたいと思います。

  • 名無しさん2009/01/17

    日本は「人種のるつぼ」である米国に戦争で完敗した。当時の「軍国主義政策」だったお神=天皇の存在は絶大であった。

    現在、「皇族」は必要と思われますか?

    あまりにも存在感がない。

    ・・・読者の声より日本は米国に見習っていないような文面がありましたが、私はそうは思いません。

    米国の高い能力+日本の地道な研究能力

    良いバランス関係だと思われますが・・・