国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/01/13


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成21年(2009年) 1月14日(水曜日)
        通巻第2452号  
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 中国農村部の失業率は20%を超えている、とワシントン・ポスト
  日本のエコノミストの眼は節穴だらけ。現実より観念が先走っているのでは?
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 『ワシントン・ポスト』が書いた。
 「中国農村部の失業は20%」(1月13日付け)。
 日頃から小生が口を酸っぱくして、こういう本物の数字を指摘してきたが、日本のエコノミストや北京贔屓の中国専門家はせせら笑ってきた。筆者は孤立を余儀なくされた。
しかし米国のもっとも権威ある、とされるメディアが書いちゃったのだから、是非とも中国擁護派の反論を聞きたいものである。

 「小康社会」(安定的な社会)を目指し「保八」(成長率8%死守)を絶対的条件とする胡錦涛政権は、直面する不況対策に57兆円の景気刺激策をぶち挙げた。
 だが「失業は増大一途、抗議行動も嘗てない大胆さを見せ始めた。もっとも脅威的なのは今後も新たに生まれる失業であり、現在の失業率は共産党政権成立以来もっとも高いレベル。雇用創出が中国指導部の政策優先順位のトップである」(同ワシントンポスト)。

 景気刺激策の中味は前にも書いたように道路、橋梁、鉄道の建設。
 みたび同紙から批判を拾うと、
 「華南製造業地帯の東莞、広州、深センを繋ぐ交通網には既に4本の鉄道網があるが、さらに30億ドルかけて、地下鉄線をつくる。現存4本の鉄道の大半がガラガラ状態というのに?
 四川省では45億ドルかけて成都から自貢、濾州を結ぶハイウェイを建設する。しかし成都(CHENGDO)から自貢(ZIGONG)と、自貢から濾州(LUZHOU)へは、とうにハイウェイが走っているのに?

 重複しようが近未来の無駄な投資に終わろうが、当面の雇用を生み出すための泥縄プロジェクト。
 熊のほうが車の交通量より多いハイウェイをつくった、どこかの国と似ていますねぇ。
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樋泉克夫のコラム
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  いまなお跳梁跋扈する《ヤツラの亡霊》に注意せよ
        『人民公社は拡がり深まる』(A.L.ストロング 岩波新書 1960年)


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この本が出版されたのは大躍進が華々しく展開され、その“赫々たる成果”に世界中が驚愕していた1960年だ。
著者は1958年にはじまった大躍進は飽くまでも「民衆のなかから発生した」運動であり、民衆の創意工夫によって新しい社会革命の渦が巻き起きている。
その中核として全国に瞬く間に広がった人民公社運動は大増産という大きな成果を挙げ、農村に根強く残る封建社会のカスを取り除き、人民公社の食堂では誰もがタダで腹いっぱい食べられるような無償の食料制を打ちたて、大洪水や大干ばつなどの自然災害を克服する道筋をつけた。それらはすべて「自力更生」、つまり立ち上がった人民の土俗伝統的な智慧と自己犠牲を厭わない気高い精神がもたらしたものだ――と手放しで大絶賛している。 
       
たとえば59年当時に内外に示された統計では、52年の総生産を100とするなら、57年は386とほぼ4倍。さらに58年は774。つまり58年のそれは52年から6年で約8倍、57年からはわずか1年で約2倍ということ。
「おいマジかよ!」と思わず突っ込みを入れたくなるような数字だ。
これが真実なら人類史上の快挙で壮挙。世界が腰を抜かしたとしても無理からぬこと。著者共々に大躍進を“熱烈に大絶賛”したい。だが、真実は大違いだ。

この本が出版された前年の59年7月には江西省の景勝地・廬山で共産党拡大政治局会議が開かれ、大躍進をめぐって激しい論争が展開されていたのである。
人民公社を軸とする大躍進こそ富強の社会主義中国を築く唯一の道だと力説する毛沢東に対し、!)現実を無視した高すぎる目標が経済のバランスを狂わせ、大きな損失をもたらした。!)「一平二調(労働に対する分配を無視した一律平等主義=悪平等)」が農民のヤル気を殺ぎ生産性を極端に劣化・鈍化させた。!)強制的命令、上司を喜ばせるだけのデタラメな報告が党と国家の名誉を著しく傷つけた――との考えが提示される。

その代表が毛沢東の“ポチ”であった国防部長の彭徳懐である。飼い犬に手を咬まれたと思ったのだろう。
この真っ当な“忠言”を自らの権威に対する挑戦であると見做した毛沢東は烈火のごとく怒り狂い、彭を反党・右翼日和見主義集団の頭目と攻撃し国防部長から解任してしまう。その後釜が林彪だった。

以後、大躍進の熱狂のみが虚しく中国全土を覆った。
その結果、後に中国政府すら「非正常な死」と認めざるを得なかった餓死者を3,4千万人も数えることとなる。
かくして大躍進を「人災」と糾弾する劉少奇が政治の実権を握り、62年から中国は大躍進の後遺症克服に努めるのだが、一定の自由化を認める劉の政治路線が成功した途端、毛沢東の嫉妬心・権力欲に火が点き、文革の業火となって中国全土を焼き尽くしたのだ。

であればこそ著者のA.L.ストロングはもちろんのこと、著者を「すばらしい新聞記者的センスをもっている。
彼女はつねに、その時の中心問題の核心を的確につかみ、それによって敏速に動き、すぐれた報道を世界におくる」(訳者あとがき)と持ち上げる訳者の西園寺公一も、共に愚かだった。
いや、あるいは彼らは「閉着眼蔵人、装着不見(見てみぬふり)」をしていたとも考えられる。ならば確信犯的極悪人だった、ということになる。

 半世紀前の「虚飾と歪曲」に満ち溢れたタメにする提灯レポートと思わずに、この本を虚心坦懐に読み進むなら、21世紀の現在にもA.L.ストロングや西園寺の亡霊どもが大手を
振って歩いていることに、必ずや気がつくはずだ・・・ヤツラの亡霊に注意せよ。
《QED》          

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(読者の声1)貴誌第2450号の(読者の声3)に、「同書の別の刷り物に、昭和天皇の心臓がこう去の一週間前の大晦日、一時停まった…云々」
とありました。
内容ではなく、言葉遣いに疑問を感じましたので一言。
「こう去」とは「薨去」のことだと思われますが、天皇陛下・皇后陛下(および太皇太后・皇太后)のご他界については「崩御(ほうぎょ)」というのが正しい日本語です。
「薨去」は両陛下以外の皇族(および三位以上の貴族)について用います。決して両陛下については用いません。失礼にあたります。
ついでに言えば、「卒去(そっきょ)」は四位・五位の貴族について用いますが、その他身分のある人の死去についても用いることがあります。しかし、近年はほとんど遣われなくなりました。
卒去はともかく、少なくとも崩御と薨去は、日本に天皇と皇族がおわすかぎり、きちんと使い分けるべき言葉でしょう。
 かの「朝日新聞」は昭和天皇崩御に際して「逝去」という一般人用の言葉を一面に大きく掲載しました。明らかに底意のある表現です。
つい最近もテレビで(TBSかテレビ朝日かは忘れましたが)20年前の出来事として昭和天皇崩御に触れていましたが、その時、字幕に出たのは「昭和天皇逝去」でした。
こういうマスコミは若者の言葉の乱れを云々する資格はありません。
   (Ikki)


(宮崎正弘のコメント)崩御の語彙も知らないマスゴミは崩壊。



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(読者の声2)ブレジンスキーほど、同盟国の日本を売って平気な人間はこの世にいない。ポーランド人にはこの手の人間が多い。79年、キッシンジャーに会ったことがあるが、こんな人間を、読売新聞などは崇拝(または、相互利用)している。
カーターには二度会ったし、著書も頂いた。だがキリスト教徒特有のPACIFISTに過ぎない。オバマの性格がカーターに似ていると感じますね。
   (伊勢ルイジアナ)


(宮崎正弘のコメント)ストレートは批判ですね。『読売新聞』はワタツネと大勲位・中曽根――キッシンジャーのラインでしょう。
カーター元大統領はド素人の農夫が大統領になってしまったので、外交力ゼロ。本気で在韓米軍の撤退を訴え、観念的平和を推進し、さらに外向的失敗を重ねて朋友だった台湾を捨てました。
ニクソンは北京を訪問したけど外交関係は維持した。それでも北京がニクソンに頼らざるを得なかった。カーターというひとは外交と人の善悪と国益という区別が出来にくかったのでしょう。
そのカーター政権下、ブレジンスキー元大統領補佐官は、『ひよわな花、日本』(サイマル出版会、絶版)なんて前に書いていて、たいそう知日派ぶっていたのに、ふぅっと北京に籠絡されてしまった。
 ところが79年12月25日、ソ連がアフガニスタンを侵略すると、カーターは突然、タカ派に変身し、日本に防衛圧力をかけ、イランの砂漠に特殊部隊を送った。周章狼狽ぶりを示したカーターは大統領官邸からあれこれとイランの砂漠にいる特殊部隊に指図し、それゆえに砂嵐に祟れて人質救済に失敗した。
まさに大統領は軍隊に作戦を「やれ」というだけで、作戦の細部は軍のプロに任せればいいのに。
それがシビリアンコントロースの本義なのだが。。
ともかく指導力不足甚だしく未熟を露呈したカーターは、レーガンに惨敗しました。
 近代史最低の大統領としていまも保守派のアメリカ人の語り草になっています。
 ところが、1980年に、このカーターが再選されると勝手に思いこんで民主党に賭けていたのが、当時の宮沢官房長官で、レーガンが当選すると、数時間口がきけなかった。米国の二流政治家よりも劣悪の政治家が、どこかの国にごろごろといましたし、いまもいますね。
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  • 名無しさん2009/01/14

    2452号ですが、誤字が多かったようです。

    ささいなこと(助詞とか横文字の一部)ですが、さらっと読んだだけで2箇所はありました。

  • 名無しさん2009/01/14

    大筋はよい。しかし,最後の高速道路。日本の田舎でも必要です。鉄道も空港もないような田舎は地域の中心地まで時間がかかるのです。1人1台の車所有率なのだから,道路の整備が1番必要です。高速をもっと安くしてほしい。高すぎるから誰も使わないのです。時刻表を見なくても電車が来るような都会に住んでいる人にはわからないかもしれません。

  • 名無しさん2009/01/14

    今のマスメディアにおかしいな、と常に思っている者にとって、心地よい読み物。

  • 名無しさん2009/01/14

    日本に読売と朝日が無かりせば日本は普通の国として再生は早く出来たでしょう。

    この二つに釣られる人間も悪いのですが選挙権もGHQに与えられたもの、自分で勝ち取って居ない自由主義は哀れです。



    戦前の日本には民主主義も大正デモクラシーも人マネとは云え立派な日本で有ったのですが「やくざ」なマスコミが「マトモ」な人間を使うように成ってからおかしく成り出しました。

  • 名無しさん2009/01/14

    勉強になります。

  • 名無しさん2009/01/14

    貴誌を通じて、感性や価値観を共有出来るコメントに巡り合えた事を嬉しく思っております。

    今後も参考にさせていただきたいと思います。

  • 名無しさん2009/01/13

    中国の民主化どこまで進むのか?共産党政権崩壊万歳?

    初の民主党黒人大統領オバマ氏・・・暗殺されることは・・・?

  • 名無しさん2009/01/13

     支那中共の実態を知ると、早晩、あの国は崩壊するような気がして嬉しくなります♪



     でも、私の好きなモーニング娘。に、支那娘のメンバーがいるので、ちょっと複雑な心境です(苦笑)



    1月13日

    岩淵 順(尊野ジョーイ)



    P.S.



     その後、体調を崩しておりまして、せっかくお誘いいただいた日露戦争記念の集会にも参加できませんでした。



     日本保守主義研究会主幹の岩田氏と交流のある人間です。



     もう少し体調がよくなったら、講演会などにも参加したいと思いますので、ヨロシクお願いします。



     ちなみに、早稲田大学の大学院は、今は休学しています。