国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2009/01/12

宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
(全100頁、随時更新しております)

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成21年(2009年) 1月13日(火曜日)
        通巻第2450号  (2450号記念特大号)
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 イランは核武装寸前の危機的状況にあるが。。。。
  イスラエルのイラン核施設奇襲計画はブッシュ政権が消極的だった
****************************************

 
 ▲オバマ次期政権はイラン政策が甘すぎるきらい

 ペリー元米国防長官は、イランの核武装疑惑に関して深刻な見通しを明らかにした(NEWSMAX.1月8日付け)。
 「イランが核保有する事態はもはや目の前、オバマ政権は最初の年にイランの核危機に直面することになるだろう。しかもイスラエルはイランの核武装という深刻な事態に耐えられまい」。

 「いまや世界的な核拡散の危機を防げるかどうかのポイントでもあり、もしイランと北朝鮮の核武装を米国が封殺出来ないとなると世界は深甚な危機状況に陥るだろう」。

 ワシントンポスト紙に拠れば、「イランの核兵器開発計画に必要とされる施設や部品の調達を、嘗ては米国のダミーを駆使してイランは入手してきたが、米国の制裁措置により、次にドバイに輸出入代理店を設立し、さらに最近はアジア各地に代理店を置いて入手している」。

 ロイズTSBは米国のイラン、スーダン制裁措置を逃れた送金の証拠を突きつけられ、3億5000万ドルの罰金を支払うと声明した。米国司法省の訴えによりロイズはNY地裁に訴訟を起こされていた。

 オバマ次期大統領は「イランには新しいアプローチで望む」と09年1月11日、ABCのインタビューに答えた。
「イランはたしかに米国に向けられた巨大な挑戦の一つであり、中東の武器レースの拡大に繋がる可能性が高いイランの核疑惑やハマス、ヒズボラへの支援に重大な関心を抱いている」。

そしてオバマはこう続けた。
「イランに新しい経済インセンティブを与え、その替わりに核兵器開発を中止させる。もし中止を拒否した場合、米国はタフな制裁をイランに科す、という従来の立場は変わらない」。
 要するに、何を言っているのか、何が新しい提案なのかさっぱり分からないのがオバマの外交方針の特徴である。

 こうした動きにイスラエルは静かなる秘密作戦にでていた。
 NYタイムズの花形記者ディビッド・サンガーによれば、イランの核兵器製造施設を空爆するために必要な武器などの供与を米国に密かに求めていたがブッシュ大統領は、これを断っていたというのだ(同紙、1月12日付け)。


 ▲たとえ新型バンカーズ爆弾と空中空輸機を米軍がイスラエルに提供しても。。

 第一にイスラエルが米国に密かに要求したのは、バンカーズ爆弾の新型と空中空輸機。米国は供与をしぶり、かわりに[Xバンド]と呼ばれる新型レーダー供与を示唆したらしい。

 第二に米国は隣国イラクを依然として占領中であり、イラク領空の制空権は、米軍がもっている。
奇襲をおこなう場合、イスラエル空軍機はイラク上空を通過してイランへ向かうため、米軍の協力なくしてイスラエルの奇襲は成り立たず、かりに米国が反対した場合、在イラク米軍は上空を通過するイスラエル空軍機を落とせるのかという問題が残る。

 第三にイランの核施設は、イラン南方のナタンズなど十数カ所に分散され、しかも地中深くにつくられている。
たとえバンカーズ爆弾の新型でも、数十メートルと推定されるコンクリートの壁を破壊する能力はないとされ、作戦は成功の確率が薄い。

 ブッシュ政権は、まず関係各国によびかけて経済制裁と金融における締め付けを行い、EU諸国にも強く要請した。
 ついでパキスタンやスイスなどの各情報提供者やエージェントを逆工作し、偽情報、おとり情報ならびにデタラメな部品を混ぜる秘密工作を行った。パキスタンのカーン博士の免責は、これと取引だったという説まである。

 こうした理由でブッシュ大統領がまごまごしているうちに事態は進み、いまや核兵器一個分(ヒロシマ型)のウラン濃縮作業をイランは終えている段階とサンガー記者はいう。

 これらは米軍インテリジェンス機関が、イランで開発に携わるモーセン・ファクリザデー博士や、その周辺の通信傍受によって把握したもので、イランの秘密核兵器計画は「プロジェクト110」、「プロジェクト111」と名付けられているという。
 イラン政府は「そんなプロジェクトは存在しない。米国のでっち上げだ」と反論しているが、それも説得力がない。

 かくて秘密工作もオバマ政権に受け継がれることになりそうである。
    ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
****************************************
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)貴誌通巻第2449号に、中国が欧米や日本への輸出が減るなか、人民元決済で“人民元経済圏”に組み込まれた近隣諸国への元での輸出が増えていくとのご指摘は誠に的を射たものですね。
『TIME』誌アジア版(1月12日号)に非常に小さな記述でしたが、オーストラリアから鉄鉱石の積み出しが増加しているとありました。
今の時期そんなことがあるとしたら、中国の内需拡大策による、地方での建設工事用での鉄鋼需要増大が起因しているのではないかと推察いたします。
つまり中国政府としても内需拡大に真剣にならざるを得ない事態に至っているということです。
内需拡大を目差して地方での土木工事を大規模に行なえば、インフレを招きます。そうすればコスト増大により輸出産品の競争力が落ちます。そこで無理に輸出しようとすれば、利幅を下げるか赤字輸出となります。
それがいやなら他の輸出国との競合の少ない、元経済圏への輸出拡大にいっそう向うことのなるのは自然の流れとおもいます。
 ところで恐ろしくもありますが、さもありなんという話を多くの中小企業経営者から相談を受ける立場にある人から聴きました。
地方銀行に融資するときの条件を厳しくするように日銀の各支店が指導しているため、融資を受けにくくなっているとのことです。
貸付の健全化のため金融機関を監督するのは本来、金融庁の役割ですが、人員が少なく地方都市にある地銀に対してまでは手が廻らないので、実際には日銀が代わって行なっているとのことです。
公式には窓口規制は廃止になりましたが、こんなやり方で姑息にやっていたのです。
これでは14日から日銀がCPの直接購入を始めてもマッチ・ポンプです。日銀マンはよほど日本経済を失速させるのがお好きなようです。
こんな中央銀行をもちながらいままでまがりなりのも経済が発展してきたとは、日本はすごい国ですね。
      (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)嘗ての日銀には凄い迫力ある人がいましたね。前川、三重野、澄田、速見あたりからリーダーシップが行方不明。それにしても、いまの日銀のトップ、名前が出てこないくらい印象が薄い。



   ♪
(読者の声2)貴メールマガジン、毎号拝見させて頂いております。
先日のプアール茶の話題、大変興味深いものでした。私もプアール茶が好きで良く飲んでおりますが、銀座のこのお店、飲み屋街の中に在って、台湾系の極めて良心的なお店で、良質なお茶をたくさん扱っておられます。
http://www.santokudo.jp/index.html

店頭でお茶を淹れてくださったり、ゆっくりと二階で味わったりと、あわただしい毎日の中、癒される時間が持てます。
忙しい中そんなヒマはないよと笑われてしまうかも知れませんが、一度足を運んで見てください。(お店の回し物でも何でもありません。ただのファンですので・・・)
 緊迫する国際政治情勢の中、アホな国内政局にとらわれているマスゴミや、オバマの登場を期待する哀れな一般国民との対話に疲れたら、是非・・・。
   (神奈川 憂国のバックパッカー)


(宮崎正弘のコメント)バブルがはじけて以来、銀座に出る人がめっきり減りました。このお店、存じませんでした。「疲れたら是非」という殺し文句と、その前段の比喩は良いですね。



   ♪
(読者の声3)『文藝春秋』2月号の秋篠宮云々の刷り物に目を通しました。これは秋篠宮にハイライトして皇太子以上の国民的人気に同宮を高めようとの紀尾井坂版元の遠謀を秘めたものかも知れません。
同書の別の刷り物に、昭和天皇の心臓がこう去の一週間前の大晦日、一時停まったとあります。そこにはその時手を尽くして蘇生されたとありますが、前年中にこう去していたとの説が巷間に流布してもいます。
アメリカと調整をするために政治的な配慮で死期が翌年初めまで延ばされたというのですがどうなんでしょう・・。
 秋篠宮云々のこの刷り物は、昨年末の陛下の発言とも相俟って物議を醸し、江戸期に新井白石が具申し幕府と朝廷が動いて光格天皇に皇統を繋いだ時以来の緊張をはらんだ騒動に転化するかも知れません。
日本国民の関心が皇統に集まり、皇統についての意識が高まるならプラスの効果が生まれるでしょう。
 昨年末陛下は、雅子妃の病状や「新しい公務」の中身をいつまでも明らかにしない皇太子をたしなめるメッセージを発しました。畏れ多くも東宮からの反論がありました。千代田と東宮の対立はデッドロックの状態にまで行き着いてしまいました。
陛下の年末メッセージに皇太子の廃嫡を望む意志が含まれているのなら、『文藝春秋』の刷り物は絶妙のタイミングです。
陛下の意を体した、あるいはそれを忖度した宮内庁の謀りことに連動した紀尾井坂の策動との穿った見方もあります。
 明治期伊藤博文たちが帝国憲法制定時、皇統についても成文典を編んでしまった勇み足が、平成の今、枷になっています。ここは超法規的な対処が求められることになるでしょうが、例えば皇統を継ぎたくないと皇太子ご本人が表明すれば、日本国民はそのご意志を尊重して受け入れ、第126代の皇位は秋篠宮に継がれることでしょう。
 皇統を繋ぐことに、古代以来、中世の時も、近世になってからも、叡知ある日本人たちは腐心して知恵を絞り、謀をめぐらし、その時々前例のないウルトラCを発案し、叡力を発揮してきました。
 皇統とは血を繋ぐことです。
血には生腥さ、窺い知れない闇がありです。西洋世界から日本に持ち込まれた明晰な哲学や、近代に生まれた急進的進歩思想たちとは相容れない、日本人固有の思念に由来する、幽玄たゆたう独自のラディカル(根源的)な観念部分に接し、あるいは直結しているのが皇統そのものです。
多くの日本人がそれを意識していなくても、皇統を巡り、立ち沸く議論の高まりと広がりが、そのラディカルさをおのずと証することになるでしょう。
   (しなの六文銭)


(宮崎正弘のコメント)おそれおおくも大内山の奥深くの出来事は、われら臣民のあずかり知らぬこととはいえ、国民の心配は高まっています。正月二日、皇居に一般参賀にうかがいましたが、ご一家は大変安寧平穏に見えました。
  △
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(おしらせ1)16日(金曜日)午後一時から「ラジオ日本」。ミッキー安川の「ズバリ勝負」に宮崎正弘が生出演します。(午後二時四十分まで)。

   ♪
(おしらせ2)小誌、地方講演のため1月18日―20日が休刊となります。

   ♪
(おしらせ3)三島由紀夫研究会からの御案内です。
1月14日(三島由紀夫 生誕83年)。三島由紀夫氏の誕生日に同会メンバー有志のお墓参りがあります。1月14日午後1時30分 武蔵境駅の西武線改札外に集合し多磨霊園の墓前に詣でます。
詳しくは下記へお問い合わせ下さい。
 担当 井上喜美子 y.k.kazuki@ezweb.ne.jp
    〜〜〜〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ◎INFORMATION ◎INFORMATION ◎INFORMATION◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ♪
<< 今月から来月にかけての拙論 >>

(1)「イスラエル、ガザ侵攻 表の目的、裏の目標」(『月刊日本』2月号、22日発売)
(2)「朝日新聞が廃れる日」(『WILL』三月号、26日発売。予定)
(3)「中国経済の数字は本当か?」(『ボイス』三月号、2月10日発売)
(4)「いま台湾で何が起きているのか」(『正論』二月号、発売中)
(5)「出版界の保守化を論ず」(『自由』2月号。発売中)
(6)「ルポ台湾経済も不況入り」(『エルネオス』正月号。発売中)
(7)「連戦という政治家は何者だろう」(『共同ウィークリー』、2月5日号。予定)
(8)「シンポジウム記録 米中に挟撃される日本」(『新日本学』09年冬号。発売中)
(なお『新日本学』は季刊、拓殖大学日本文化研究所発行、展転社発売)
         ▲
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
****************************************
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    △
宮崎正弘の新刊  増刷出来“ 絶賛発売中
『やはり、ドルは暴落する! 日本と世界はこうなる』(ワック文庫)
     定価980円<税込み>。
     http://miyazaki.xii.jp:80/saisinkan/index.html
         

宮崎正弘の近刊  絶賛発売中!
『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ、1680円)
 『北京五輪後、中国はどうなる』 (並木書房、1680円) 
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
 『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』(KKベストセラーズ、1680円)
     ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
 ◎小誌の購読(無料)登録は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
 http://www.melma.com/backnumber_45206/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2009 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 名無しさん2009/01/13

    中国の侵攻(侵略)のプライオリティーは、台湾、日本より地理上も地続でもある、

    朝鮮半島のほうが高いのでは?(国際政治素人の空想ですが・・・)

    第一ステップ:北朝鮮の金正日の後継者問題の乗じて、完全な管理下(傀儡政権)におき、

    第二ステップ:物資、インフラ整備、産業活性化支援等を行えば、少なくとも現在の生活は改善され、民衆の支持は得られることになるのではないかと思います。

    第三ステップ:民衆の支持を得たところで、傀儡政権をコントロールして、南下政策を進める。

    後は、段階的にウイグル地区やチベット地区と同様、人の交流・移住を推し進め、独立した国から、自治区、州へと組込んでいくような戦略です。

    まずは国際的にも問題児の北朝鮮を完全なコントロールに置くとすれば、国際世論もそれほど騒がず、逆にウエルカムかもしれません。(北朝鮮の核も中国の管理下の核になるわけだし・・・)



    八事裏山の空想家

  • 名無しさん2009/01/13

     とても有意義な内容でした。

  • 名無しさん2009/01/12

    毎日、毎回のメルマガは、私の日々の心の糧となり、充実した人生を送らせて貰ってます。有り難うございます。団塊の一人より。