国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/12/20


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年) 12月20日(土曜日) 
         通巻第2429号  
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 「保八」(成長率8%を維持せよ)はかけ声倒れ
   すでに中国のGDP成長率は5%台に落ち込んでいる
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 ジェット・コースターが失速したのが米国経済であると比喩すれば、中国経済はさしずめタイタニックの沈没寸前の様相。

 IMF最新下方修正予測は、2008年度の世界経済平均成長率は3・7%、来年は2・2%に落ち込むが、従来7・5%としていた中国のそれを5%に落ち込むだろうと、さらに劇的に下方修正した。

 12月15日、ゼーリック世銀総裁は「中国経済にとって、もっとも困難な情勢を迎えている」と記者会見した。同時に世界銀行は中国の09年GDP成長率を4・5%台へおちこむ可能性も示唆した。

 一番強気で親中派のゴールドマンサックスも、2009年度の中国GDP成長率を6%と予測している。

 新華社ですら、最近の報道で「世界不況の波をかぶって失業が650万人におよび、この列に610万人の大学新卒組(09年卒業見込み。ちなみに08年新卒は590万人だった。現在260万人が就職未決定)が加わる。都会で失業して農村へ帰る『逆流民工』は、650万人に上るだろう」とした。
 
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(読者の声1)中国海軍、ソマリア沖へ派遣。国際貢献の大義あり。さらに、つまりは、海上自衛隊が給油補給をしているインド洋を通っていくわけですね。
(SJ生)


(宮崎正弘のコメント)このニュース、日本の新聞は各紙ゴミ記事か外信ネタのくずかごのようなスペースの扱いでした。
英字メディアほかは、異例の大きさで報じ、そのなかではソマリア沖の被害件数や船名、国籍別などが詳報されていました。
日本だけは、あのシーレーンにも裨益しながらも、日本人船員がおらず、日本船籍が少ない所為か、まるで他人事。
 それでいて「国際貢献」が口癖、まことに日本のマスコミは噴飯ものです。



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(読者の声2)貴誌2426号「(読者の声1)「 MC」さんの貴誌への12月17日号の投稿について、MCさんに誤解があるようなので、以下簡単に記します」云々とあります。

1.私は阿羅健一先生の当該書籍を読んでいませんので内容に誤解がある可能性があります。その場合はお詫びします。

2.阿羅先生が、南京事件や百人斬り事件で日本のために発言されている立派な方であることはよく存じております。

3.問題は本のタイトルです。『日中戦争はドイツが仕組んだ』(小学館)。これでカチンときたわけです。
版元に踊らされたのかもしれませんが。

4.書き忘れていましたが、蒋介石が雇ったドイツ国防軍の高級軍人は、ヒトラーの指示と許可で派遣されていました。
退役した元ドイツ国防軍の浪人が蒋介石に拾われたわけではないのです。これはヒトラーのアジア戦略の道具として派遣されたのです。
国防軍の一流の将軍が派遣されたということは、ヒトラーが東部国境の反共勢力である蒋介石軍閥の軍事力強化をいかに重視していたかを示しています。これと同様に、スターリンが蒋介石に送り込んだ赤軍軍事顧問団には後のスターリングラード戦で勝利した猛将チュイコフがいます。
ドイツもソ連も一流の軍人を蒋介石軍に送り込んでいました。それほど独ソ戦を控えたヒトラーとスターリンにとって東部国境は戦略的に重大な意味を持っていたのです。ただしスターリンが蒋介石軍に送り込んだ軍事顧問団は4千名以上といわれるのに対して、ヒトラーが送った軍事顧問団は50名位で問題になりませんでした。 

5.ソ連崩壊後に出ている欧米の歴史資料から見て、独ソ戦を控えたスターリンの極東戦略なしでは支那事変は分析できないということです。 
     (MC生)


(宮崎正弘のコメント)当該書籍、産経新聞(12月20日)にも書評が出ております。



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(読者の声3)『月刊現代』一月号はその表紙に“最終号”と銘打っています。休刊ではなかったのですね。
“最終号”は読み物満載です。普段もこれくらいのボルテージでやっていたらまだ続いていただろうに・・とどこかの新聞に書かれていました。 
さて同号掲載の徳本栄一郎氏の論文に目を通しました。
論文のテーマは大日本帝国海軍が真珠湾攻撃をしようとしていた情報を、昭和四十一年春先の段階で、米政府はペルー大使他の複数ルートで入手していた。下からあがってきたその情報を米国務省は取り上げて調べようとせず無視した。
そして真珠湾の米海軍基地を攻撃された直後、米国務省は極秘プロジェクトチームを編成して、真珠湾攻撃の可能性について論じている電文や公文書など内部のやり取りをすべて滅却、改ざんする作業を行っていたという衝撃的な内容です。
親日家と評されるグルー駐日米大使も回想録を書き直して日本の攻撃を自分たちが事前に察知していた事実の隠滅を謀っていたのです。徳本論文は米国公文書館の資料を渉猟して集めた証拠、関係者へのインタビュー取材で得た証言に拠る実証に基づくものです。
この米政府の卑劣な隠ぺい工作の事実を欧米の雑誌や新聞が報じたら大きな波紋を呼ぶことでしょう。
米国務省のカウンター・パートにあたる日本の害務省は、公文書公開の義務を負わず、自分たちに不都合な外交文書を何十年経っても公開しようとしません。害交官田中某などは、北朝鮮のミスターXとの交渉内容一切を文書に残さない横道な不作為を冒しました。
 米政府は、日本海軍による真珠湾攻撃を事前に察知していた事実を後から組織的に隠ぺいし、自国民まで騙していました。ずいぶん浅ましく恥ずかしい謀略的工作をルーズベルトは国務省に命じたものです。国務省はそれが省益に叶うからと唯々諾々と従ったのです。

日米共々外交に携わる官僚たちの何という体たらくでしょう。そもそも外交官とは斯様な存在なのでしょうか?
この論文ではっきり分かるのは、米も中華帝国同様、「歴史は改ざんできる」との立ち場をとる国だということです。米中互いの親和性が高いのも頷けます。
 こんなアメリカに無邪気に追随している国があるとしたら、その国はとんでもない目に遭うでしょう。その国が、アメリカのせいですでに失ったもの、奪われたものは取り返せません。その国の政治家や害交官たちはアメリカに騙され国益が奪われ続けても政権党の党利、外務省の省益になるなら構わないのでしょうが、国民は堪りません。
 アメリカが先の大戦に突っ込んでいったのは大恐慌発生から十年以上経ってもなかなか不況から抜け出せないので、景気浮揚の突破口を戦争に求めた。その餌食に日本はされたとも云われています。
つまり非戦を選挙公約したルーズベルトがナチ独逸の攻撃から英国を救う名目で欧州戦線に加わるには、ナチの同盟国となった日本に対米戦の火蓋を切らせるしかなかったのです。

サブプライムに端を発する今回の金融恐慌はオバマ政権にルーズベルトと同じ選択と餌食を求めないと云えるでしょうか。日本(日本民族)は世界において常に奪われる存在です。
他国の財を惜しみなく奪おうとする本性を持つ国々の間にあって、日本は奪われない努力をするしかありません。
他国から奪おうとする本性のない日本は奪われる以上の財を築き生み出すしかありません。日本はそういう役回りになっているのです。

今、永田町で党利党略のレベルの低い内訌ばかりしている間に日本は更なる新たな敗戦の道を歩み始めているのです。
現在の政権与党、そして政権奪取を狙う野党も国益を担うパワーも能力もありません。国益を(≒でも)党是とする新党が顕れないことには日本は救われません。
国民を平気で裏切る害務省や害交官に国運を任せてはおけません。日本はいつまで大海を浮遊するくらげ国家を続けるのでしょう。
   (しなの六文銭)


(宮崎正弘のコメント)『月刊現代』最終号は売り切れの由です。ところで、昨晩、或る会合で偶然にも、その当該人物に会いました。
 徳本栄一郎さんは、現代史の謎に挑むため、世界中のアーカイブに通い詰め、特ダネとなるドキュメントを探し当てる名人。次のテーマを伺いました。が、これは徳本氏の企業機密につき、公表された論文のあとで披露することにしましょう(苦笑)。
 『現代』の休刊は、ところで出版業界においては他人事ではありません。『月刊プレィボーイ』(日本語版)も、『THIS IS読売』も。
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(訂正)小誌2428号「ソマリアへ中国が軍艦を派遣」の記事中でJIN INAN中将(音訳不明)とした箇所は「金一男・少将」でした。また役職は国防大学戦略研究部副主任、戦略研究所長。訂正します。
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<< 今月の拙論 >>

(1)「台湾よ、馬に乗って何処へ行く」(『週刊朝日』1月2日―9日合併号、12月24日発売)
(2)「やっぱりヒラリーのアメリカ」(『月刊日本』1月号、12月22日発売)
(3)「いま台湾で何が起きているのか」(『正論』二月号、12月25日発売)
(4)「ルポ台湾経済も不況入り」(『エルネオス』正月号、12月下旬発行)
(5)「出版界の保守化を論ず」(『自由』2月号、1月8日発売予定)
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     http://mishima.xii.jp/koza/index.html
・日時 12月25日(木) 18時30分から20時30分
・会場 内幸町ホール(千代田区内幸町1-5-1 TEL: 03-3500-5578)
     http://www.uchisaiwai-hall.jp/data/koutsu.html
・会場分担金 おひとり2000円、学生1000円
・主催 国防問題研究会 共催 三島由紀夫研究会
・問い合わせ先  daihonei2div@hotmail.co.jp   
         携帯090−3201−1740
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