国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/12/15


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年) 12月15日(月曜日)
         通巻第2421号  
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 張学良を監禁した台湾新竹の故居が記念館となって公開
   西安事件72周年を記念して、旧日本家屋を復元し開館
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 中国の西安には「西安事件記念館」が開設されており、共産中国でも評価が高い。父親の張作霖は瀋陽へいくと「張氏府跡」が残り、豪華な屋敷が記念館となっている。
張作霖、張学良親子は抗日だったから、中国では評価が高いのだ。

 蒋介石によって湖南省の山奥の監禁場所から台湾へ連行され、半世紀の長きにわたって幽閉され続けた張学良は、蒋介石死後、ようやくハワイへ出国した。

 12月12日、新竹郊外(五峰郷)にある張学良幽閉の旧日本家屋が復元され、記念館としてオープンした。
西安事件から72年後で、音楽隊がでたりしての記念行事が行われた。地元の五峰村は、これを観光資源として活用したいからだ。

 張学良は、この地で1946年から1959年までを暮らし、近くの温泉(清泉温泉)に入るのが楽しみだったと伝えられている。
この山奥に通じる三つの道は憲兵隊が監視し、散歩するにも二十名の憲兵隊が警備にあたった(『自由時報』、08年12月13日)。
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(読者の声1) 宮崎さんの書評(貴誌2420号<川口マン恵美『証言フルトヴェングラーか、カラヤンか』)の中で信時潔に触れられていましたが、黛敏郎は戦時中の東京音楽学校で橋本國彦教授や信時潔教授に師事していました。
ともに戦後は戦争協力の故をもって追放されましたが、黛敏郎の後年の民族主義的DNAはこの時に植えつけられたものですね。
黛さんは鎌倉にあった橋本國彦教授の自宅に書生として住み込んでおられたそうですが、橋本教授のダンディ振りは有名で黛さんも大きな影響を受けたと何かに書かれています。
信時潔の傑作のひとつが昭和15年に作曲された、神武東征を題材にした「海道東征」ですが、戦後ずっと黙殺されてきたこの名曲を、かつて「題名のない音楽会」で黛さんが取り上げたことがありました。その録音は自分も持っています。
それから信時潔が数多く作った校歌の中でも、慶應塾歌は傑作ですね。早稲田の場合「都の西北」を歌うときは右手を振り上げて歌いますが、慶應塾歌は直立不動で歌いますし、酒席では決して歌わないのがマナ−です。さる11月8日に日吉で行われた慶應義塾150周年の式典で、臨席された天皇皇后両陛下の御前で参加者全員がこの塾歌を大合唱しましたが大変感動的でした。ちなみに私は高校の校歌も、また前の会社の社歌まで信時潔作曲という偶然の一致とはいえ幸せなめぐり合わせです。
(武蔵杉並住人)  


(宮崎正弘のコメント)神武東征を謳う交響曲、『海道東征』(北原白秋作詞、信時潔作曲)はキングレコードだったと思いますが、復刻がでてよく売れていると聞いております。二ヶ月ほど前に新保裕司氏の講演会で、この歌をはじめて聴きました。凄い迫力でした。
 いつか、この不遇の大作曲家・信時潔の代表作を聴く会を『公開講座』などでも持ちたいと思います。 
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<< 書評 >>
 
 △国際情勢は奇々怪々

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阿羅健一『日中戦争はドイツが仕組んだ』(小学館)
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近代史の意外な側面ばかり、まさか上海事変の背後に当時、日本の“同盟国”だったドイツの軍事顧問団が、あろうことか「反日」を蒋介石に煽っていたとは!
南京問題で労作が多い阿羅健一さん、今度は義和団事件から上海事変へと歴史のミステリー・ゾーンに挑む。
南京陥落の提灯行列の影で、当時、報じられなかった第二次上海事変における日本の戦死傷者は41942名(うち戦死は10076名)にものぼる。ちなみに中国側の戦死傷は333500名。
この数字が、どれほどの死闘であるかは旅順攻防戦での犠牲59408(戦死傷)と比べてみても分かる。
いやノモンハンの犠牲が18942,漢口作戦が31486と比較しても、ダントツの犠牲の夥しさだ。
この背後にドイツの新鋭武器とドイツ式の陸軍作戦をたたき込まれて蒋介石軍の精鋭部隊が存在し、指導していたのはドイツ人将校団だった。
ドイツは日独伊三国同盟を結びながら、他方ではシナ方面で蒋介石の背後で軍事指導をしていたのだ。ヒトラーのドイツは中国の市場に目がくらみ、とりわけドイツが欲しがったタングステンが狙いだった。

「1935年1月、フォルケンハウゼン中将は『中国国防基本方針』と題する対日戦略意見書を蒋介石に提出した。日本が攻撃したとしても、日本は、極東に戦略的地歩を求めるソ連に備えなければならず、中国に経済的関心を持っている英米と対立することになり、日本の財力はそういった全面的な国際戦争に耐えられない、とファルケンハウゼンは分析し、中国は長期戦に持ち込んで、できるだけ多くの外国を介入させる、という戦略を示した」(本書40p)。
そのため日本軍の予測される進路に要塞、トーチカを築かせた。揚子江沿岸には機雷を敷設し、砲台をおき、機関銃網を構築するよう進言した。これらトーチカ群は「ヒンデンンブルグ・ライン」と呼ばれた。
そのような敵情も知らずに日本軍は上海上陸作戦をおこなった。
しかも後方攪乱、陽動作戦のため「漢口と上海にある租界の日本軍を奇襲し」たのも、ドイツ人将校団の助言だったのだ。
実際に「中国軍は、大きな変身を遂げていた。彼らはドイツ製の鉄帽を被り、ドイツ製のモーゼルM98歩兵銃を手にしていた(中略)。チェコ製の軽機関銃も持っていた。火力においては日本軍をはるかに上回っていた。ドイツ軍事顧問団の指導をうけた第36師、第87師、第88師、教導総隊などは中国軍のなかでも屈指の精鋭部隊」だった(本書78p)。
それにしても、表紙の兵馬!)のごとき上海上陸作戦で犠牲となった兵士の立像の迫力も凄い! これらは上海事変の犠牲者を追悼するために当時石像で作られ、いま知多半島中之院に安置されている由だが、一度、現場を見たいものである。
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創刊日:2001-08-18  
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  • 名無しさん2008/12/15

    「日中戦争はドイツが仕組んだ」の書評を読み、チャーチルの言葉を思い出しました。 国際社会はお人好しでは生きていけませんね。 大変勉強になりました。

  • 名無しさん2008/12/15

    *有り難う御座います。*やはりドイツが絡んでたんですか、当時の支那軍がドイツ軍の鉄帽を被ってる写真が有ります。そんな裏切りドイツと同盟を結んでたとは、、ま、ソ連はもっと酷いですが、何と情報に無頓着だったのでしょう。(絶句)。でも今の日本も情報には疎いですよね、情報が国家の命運を決めるのですね。今の日本の指導者は何を考えてるのやら恐ろしく成ります。今後もお願いします。真田・K