国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/12/11


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年) 12月11日(木曜日)
        通巻第2418号
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

台湾の民主主義が危機に
            宮崎正弘

 △
 台湾で国民党が権力に返り咲いて以来、親日ムードが消えかけ「従軍慰安婦決議」で対日強硬路線に転換する恐れがでている。馬英九総統は中華思想を信奉する外省人のため日台間系が混迷を深めつつある。
 十一月初頭、巨大津波が台湾政界を揺らした。地殻変動のような騒ぎは中国との統一路線を突っ走る現政権に対して、台湾本省人の反発が原因だった。

 北京から陳雲林(台湾担当)が訪台したため桃園空港から台北までの高速道路は対向車線も封鎖、宿舎の園山大飯店は厳重な警備でネズミ一匹は入れない。大陸との交流を深めようとする馬政権の「三通」を具体化するための協議で、チャーター便乗り入れの定期化などが議題だった。

 この特使を台湾が「歓迎」するに当たって、台湾の指導者らは海峡基金会の江丙伸理事長も国民党の呉伯雄主席も、驚くなかれ、自分の国の元首を「馬さん」と呼んで卑下し、「中華民国総統」と言わなかった(ちなみに中国の新聞は「台湾総統」の『総統』を括弧付きでさえ書かず、単に「台湾の指導者」と表現している)。

 各地で激しい抗議行動が起こり、会見場の昌華飯店周辺は何万という抗議の民衆で埋まった。ホテルの窓からは垂れ幕が下がった。『台湾を売り渡すのか』『馬政権は売国奴』と叫ぶ抗議の波は自由広場へも押し寄せ、徹夜の集会が開かれた。
 他方、北京特使歓迎の宴が開催されたホテルの会場は前方にちらほらと数十人の参加者しかないという寂しさだった。

 ところが抗議の民衆を警察は物理的に排除したため夥しい流血がおきた。血の弾圧に衝撃を受けた台湾の民衆はさらに抗議の輪を拡げた。
 そんな状況下、検察が陳水扁前総統を公金横領の罪で起訴する方針を固め、逮捕に踏み切った。陳水扁前総統は「わたしは無罪。すべての機密費は公のために使った」と叫びながら縛に付いたが、怒りが収まらないのか、拘置所内でハンガー・ストライキにはいった。
 中華社会の伝統は「水に落ちた犬は打て」である。

 陳水扁逮捕の瞬間の写真をみると、うれしそうに笑いをかみしめて陳総統に手錠をかける外省人の末裔、国民党強硬派の残党たちの顔は歴代王朝の傭兵の風貌と重なった。
 馬英九にとって陳水扁逮捕は「国民党の復讐劇」として台湾南部の怒りをもろにかぶることになり、ただでさえ支持率が急低下している惨状があるため政権の基盤が崩落する危険性を勘案すると歓迎する心境にはない。
 どうやら国民党も馬英九総統も検察と司法の独走をコントロール出来ないようだ。

 そして台湾の各地で学生と知識人が連帯する「野草苺」運動が起きた。流血を憂慮し民主主義のルールの尊重と「人権」を訴えてすでに一ヶ月も静かに座り込みを続けている。市民がカンパを食料を持ち寄って支援している。
 これは民主主義の大切さを訴える自然発生的な若者たちの行動だが、フィリピンで、タイでこうした運動が政権の打倒へ繋がった。民主主義の成熟が見られた台湾ですら明日、何がおきるか分からないのである。
 △

(この文章は『北国新聞』、12月8日付けコラムより転載です)
         △
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◇◆み◇◆や◇◆ざ◇◆き◇◆宮◇◆崎◇◆ま◇◆さ◇◆ひ◇◆ろ◇◆◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(読者の声1)このたびの田母神空幕長(当時)の義挙は、政府は隠蔽に走っていますが、このまま終わらず後世から見ると日本正常化の始まりになると思います。また奏しなければなりません。
そのためにも国民は歴史の評価にあたり価値観を日常生活の価値観から冷厳な生存の価値観に切り替える必要があります。人間の価値観はひとつではありません。
そこで「俺たち(日本人)は天使じゃない」といいたい。

1.日本軍人非難に反論する方法:シナ事変では蒋介石軍は捕らえた日本兵を虐殺しています。それこそ目をくりぬき内臓を取り出すという悲惨な手口です。
南京では立ち木に縛りつけガソリンを浴びせていきながら焼き殺しています。
それなのに自軍が被害を受けると一方的に虐殺されたと言い募ります。
これに対して、日本軍の軍規厳正さで反論するのは日本人には良いのですが、外人向けの反論としては有効ではないように思われます。それより戦場ではイコールであり、おあいこだということです。戦闘という非常時に日本軍人だけに一方的に寛大さを要求されても困るということです。
もちろん日本人は歴史を見ても民族性から肉食のシナ民族のように残虐ではありません。残虐非難は日本軍の勇敢さを非難できないために残虐と言い換えて非難しているのです。したがって日本非難には、同じレベルで「日本兵も沢山虐殺された」と反論したい。そうなると次は被害人数の問題になってしまいこの反日宣伝はいっぺんに崩壊します。

2.挑戦併合に反論する方法:国際政治では生き残ったものが勝ちです。その方法は不問です。
ですから日本が朝鮮を併合したのも北から強大なソ連が圧迫してきたからです。
朝鮮人が元寇の時のようにソ連侵略軍の手先となるなら滅ぼさなければなりません。本来弱い国は強国に抵抗できないので命令に従い悪いことをするのです。
日本の朝鮮統治で朝鮮人の人口は二倍になりました。出生率は変わらないので食料、医療など環境が改善されたからです。しかしだからといって朝鮮併合を正当化するのはちょっと違うと思います。当時の厳しい環境にあった日本にとり安全保障上その必要性があったから併合したのです。
これは「かわいそうだ」とか「気の毒」という生活レベルの問題ではありません。日本の生存がかかっていたのです。逆に言うと同じ状況なら朝鮮人も日本を併合していたでしょう。
したがって日本の朝鮮併合非難には「逆の立場ならお前たちだってやっていただろう」と切り返せばよいと思います。朝鮮人は「なるほどそうだ」と反論できないでしょう。
 国際社会ではこうした同じレベルに立つ反論のほうが日本の立場を浸透させることができるように思われます。
  (MC生)


(宮崎正弘のコメント)田母神さんの談話にせよ、論文にせよ、おかしな主張はひとつも有りません。台湾で知識人と会話をしてきましたが、誰もが田母神論文を肯定しておりました。



   ♪
(読者の声2) 12月9日の日経新聞によると以下のように、日本の通貨供給量は11月も厳しい状況にあるようです。これでは、倒産が増えるはずです。
 [日銀が8日発表した11月のマネーストック統計(旧マネーサプライ・通貨供給量)で、現預金に国債や投資信託を加えた「広義流動性」の残高が1421兆3000億円となり、前年同月比で0.4%減少した。減少幅は5年7カ月ぶりの大きさ。金融不安や景気減速を背景に、投信などから安全資産である定期預金などへ資金がシフトしているもようだ。 
 広義流動性は10月に特殊要因を除いて1981年の統計開始以来初の減少となったが、11月はさらに0.3ポイント減少幅を広げた。投信が3.9%増と3年7カ月ぶりの低い伸びとなったほか、金融機関が発行するコマーシャルペーパー(CP)が41.7%減と昨年3月以来の減少幅となった。「CP金利が上昇したため発行の見送りが増えた可能性がある」(日銀)という。] 

いかに日本銀行でも11月末に資金供給が増えるように誘導す旨発表せざるを得ない状況だったのでしょう。発表どおりになることを祈念いたします。あまり当てにはできませんが。
ここで、通貨供給量が大きく増えないと、2009年初に大幅な円高となります。2008年は、野村のリーマン銀行買収等日本企業による海外での大型M&Aが相次ぎ、さらに石油等の資源の価格が上昇したため、外貨が日本から流出しました。
これが、円高圧力を緩和していましたが、2009年になると状況は一変します。これに加え、金融危機にもかかわらずこれまで対ユーロ、対ポンドで高騰してきたドルが下がり始めると、結果として円の独歩高となります。平成7年の円相場急上昇にもまさる事態が発生しかねません。
凶とでるか吉とでるか、見守りましょう。
     (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)日本経済は氷河期に突入した気配濃厚です。ソニー、日興と昨日のレイオフや早期退職への大量応募などを見ても、氷河期関連ニュースばかり!

     ◎ △ ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
((((( 編集後記 )))))●というわけで、昨晩遅く台北から帰国しました。かなりハード・スケジュールだったので、くわえて初夏のような暖かさ。旧知のひとびととの会話も弾み、酒量のすこしあがったかも。「老台北」こと、蔡昆燦先生は大変お元気でした。
 台湾経済も「氷河期」ですが、日本人と違って元気が良いですよ。この点で心の持ち方、精神力の有りようが違いますね。メンタルタフネスがいまの日本人に欠けています。
  ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
 12月25日に田母神前空幕長を招いて緊急講演会
   「日本は侵略国家だったことは一度もない」
***************************************

 爆弾発言とマスコミが揶揄し、国会での参考人招致も行われながら、その訴えの本質をなに一つ論議されなかった田母神論文。
この事件はいみじくも「保守」と思われていた防衛大学校長やら外務省OBからも批判の矢が飛んだ。元防衛相からも。
 いや、これで偽物と本物の区別ができて、かえって好かったのかも知れない。
国防の本質とは何か?
我々は何を何から守るべきなのか。本人からすべてを聴きましょう。会場では質問用紙をお配りします。また田母神さんの著作頒布会も予定。
 いわば三島事件のごとき、静かな精神的クーデタを言えるかも知れないのです。

           記
 とき         12月25日(木曜日) 午後六時半
 ところ        内幸町ホール
            http://www.uchisaiwai-hall.jp/data/koutsu.html
 講師と演題      田母神俊雄(前航空幕僚長)
           「自ら身を顧みず」(仮題)
来賓挨拶       国会議員多数が応援に駆けつける予定です
会場分担金      おひとり2000円(学生1000円)
 主催         国防問題研究会(後援 三島由紀夫研究会)
どなたでも予約なく、ご自由に参加できます
◎ ◎ ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 ◆
宮崎正弘の新刊予告
『やはり、ドルは暴落する! 世界と日本はこうなる』(ワック文庫)
(予価933円。12月26日発売予定!)

┏━┳━┳━┳━┳━┳━┓ 
┃好┃評┃発┃売┃中┃!┃
┗━┻━┻━┻━┻━┻━┛
宮崎正弘の最新刊
 『中国がたくらむ台湾沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ)
               (全332ページ、写真多数、定価1680円)
 『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
 『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』(KKベストセラーズ、1680円)
     ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
 ◎小誌の購読(無料)登録は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
 http://www.melma.com/backnumber_45206/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2008 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 名無しさん2008/12/11

    宮崎さんの云われた日本人にはタフさが足らない、その通りだと思います。

    田母神論文を当たりまじゃないかと防衛大臣が云えない「**玉」付けているのか、やくざにも劣るぞ!と電話してやったのですが親父さんに相談して居るでしょうwww