国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/11/16


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成20年(2008年)11月16日(日曜日) 
         通巻第2389号  
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 WORDING(言葉遣い)の悪弊に落ちた金融サミット
  G20は立場の違いを乗り越えられず、合意は砂上の楼閣に近いのでは?
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 ワシントンで開催されたG20の金融サミットはIMFの監督強化、透明性の確保、迅速な連絡網、発展途上国の発言力拡大などと、外見上は恭しき、或いは端麗な言葉をならべて閉幕した。
 日本がせっかく1000億ドルものIMF増額拠金の用意を提示したのに、米欧は冷ややか、中国にいたって「積極的に協力」などと発言しながらも、具体的金額も行動予定も提示せず、要するに周囲の反応と意気込みの真偽を観察したに過ぎない。

 サルコジ仏大統領が「各国が立場の違いを乗り越えて合意したことが歴史的なのだ」と記者会見した。欧州特有の、キレイゴトを吠えただけの、空しい言葉の羅列である。

 新聞報道はどうであれ、結論はなにも決まらなかったのである。
 第一にドル基軸体制の維持は何となく、表明されただけ。米国は政権移行期にあって、オバマ次期政権は、おそらく原則さえも異なる政策に打って出る可能性が高く、となれば、今回の金融サミットの合意は、その実効性が疑われることになる。
 だから来春に、もう一度集まることだけが強く合意されたのだ。

 第二に規制強化に対して欧米で鮮明な対立があり、規制強化に懐疑的なブッシュ政権の立場が際立った。
 各国は財政出動のさらなる拡大とマクロ政策での協調を謳っているが、新興国途上国向けに緊急支援拡大」などと獅子吼しても、いかなる「緊急支援」なのか、具体的表現がない。

 所詮は、多くの国際会議の成果がそうであるように、WORDINGの弊害に陥った金融サミットとなった。
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(読者の声1)貴誌通巻第2387号(読者の声4)KI氏が「基本論的に小生は上記の3点の視点にほぼ賛同するものですが、この視点(あるいは史観)には、ふたつの大いなる歴史事実上のキズがあると考えます。
 その第一は、戦前の歴史のどこを捜してみても、「台湾、朝鮮半島の将来の独立」が日本の政策案としてほとんど俎上に上らなかったこと」
と書かれましたが、朝鮮に関して実態はかなり違います。

日韓併合当初から「併合」には伊藤博文等有力政治家を創め多くの異論がありました。反対の理由は、経済的負担の重さ、長い歴史と伝統がある国を併合することの問題等、論者によって異なりました。
この問題に対する議論はかなり自由に行なわれたようで、日本人だけでなく、韓国系の人たちも法律を犯さない限り、つまり暴力行為に及ばない限りかなり自由に議論することが許されてきました。
日本本土においても(1)韓国が独立してロシア等と対抗できるようになり、強国の支配化に陥って日本の脅威にならなくなったら独立させる、(2)連邦制に移行する、(3)日本に同化して完全に日本の一部とする、という案が議論されてきました。結局は、当分棚上げにするようになり、その結果、朝鮮半島には衆議院議員の選挙区を作らない、つまり、朝鮮に住んでいる人は韓国系、日本系の如何に関わらず、選挙権も被選挙権も与えないが、選挙区のある本土に住んでいれば、日本系でも韓国系でも法律上の要件を満たせば、選挙権も被選挙権も与えられました。
そこで本土の選挙区で衆議院に当選する韓国系の人もいました。
また、昭和19年には、十分韓国系の人たちも日本に同化し、選挙権を行使できるくらいに教育も普及したとの判断に基づき朝鮮半島にも衆議院議員の選挙区を設ける法律が成立し、新しい選挙区のもとでの選挙が昭和20年4月に予定されていましたが、戦争のため延期され実現に至りませんでした。

有名な大正8年3月1日の3・1事件も単なるデモ行進の間は許容されていましたが、それに暴徒が加わり50万人もの暴動になり鎮圧の必要が生じました。しかし、50万人もの韓国系の人たちが独立を求めて暴動を起こしたのではありません。
韓国では過去数世紀にわたって数十年に一度大きな暴動が起きていました。その参加者の殆どは、暴動にかこつけて一般民衆から略奪することを目的としていました。
このときも、多くの民間人、その殆どが韓国系でしたが、略奪され家に放火されました。朝鮮の警察は、日本軍に治安出動をもとめましたが、日本陸軍は「これは警察の職掌範囲のことである」として断りました。
また現場の警察は、東京の本部に拳銃の使用許可をもとめましたが、許可されませんでした。このことは当時の日本政府がこの運動をどう観ていたかを端的に示しています。
現地の警察官の中に住民が略奪され暴行されるのに見かね、後で処罰されることを覚悟で無許可で拳銃を使用しました。その結果約5百人が死にました。
韓国の教科書(1993年版高校国史国定教科書)に書いてある、「日本警察に殺されたものは、7509人、負傷者は15961人」というような嘘が韓国ではまかりとおっています。
当時の良識ある韓国系の人たちは事の真相を理解していました。閔妃皇后の血統を引く閔元植氏が三・一事件後に書き総合雑誌「太陽」大正9年新年号に掲載された「朝鮮騒擾善後策−鮮民の求むる所は斯くの如し」がいうように、「三・一事件は常識的に見れば狂気の沙汰」でありました。
最後に韓国独立論者である伊藤博文氏が韓国の閣僚に対して与えた訓示の一部を引用します。一国が独立することの意味を厳しく問うています。

「故に諸君は、反履表裏なく、専心一意、韓国のために謀らなければならない。日本は諸君を助けて、韓国を独立させるように尽力しつつある。然るに韓人は、日露戦争のような大激戦を目撃していながら、尚、覚醒しないのは、何事であろうか。。。。そうだ。韓国を滅ぼすものは日本人ではなくて、内外の形勢を察せず、無謀軽挙を事とする韓人である。。。。自分は韓国に絶望したことも屡々である。然しながら韓国の形勢に顧みて、忍耐して従来の方針を改めない。国は自ら立たなくてはならない。今日のようにして進むならば、韓国は、もはや、自滅の外ない。」

故名越二荒之助先生は、この伊藤氏の発言に対して、「『韓国』の所に『日本』を、『日本』の所に『アメリカ』を置き替えて読む」ことを提唱されています。
(ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)当時、韓国独立運動を積極的に支援したのもまた、日本の知識人、民族派の活動家だった。福沢諭吉も、そのひとりでした。



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(読者の声2)いつも「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 に心が癒されます。
 米国と心中ですか。ゼロ金利になって何年になるでしょう。本来なら日本国民に支払われるべき金利が米国へ、それでも10兆円なんですね。「日本人 預貯金やめましょう」
  野上参与は、韓国が流動性危機に直面しており、日銀と韓国中銀は金融支援に関する協議を加速させる必要があると指摘。
 先生 日本は何故ここまで韓半島にお金を貢ぐのでしょう。反日教育 前IMF通貨危機 野中半島銀行に3兆円供与 戦後保障はとっくの昔に済んでいますね。
もう 私は我慢なりません。
  秋葉原事件 日本の若者に仕事がないのに竹島 対馬もありますね。拉致もあります。
 日本国民の税金を使うのなら今後いっさい従軍慰安婦も植民地も云わない誓約をとって頂きたい。
日本は植民地にしたわけでもない幕僚長の論文に書かれている通りですよね。 韓半島と日本は何か裏があるのでしょうか疑問です。
庶民の気持ち2兆円バラマキはいりません。日本人には貰い根性はないですね。
(take)


(宮崎正弘のコメント)「反日」の前に「反・韓国」の韓国人。かれらの論理は支離滅裂なんですね。あの国の熱狂と「恨」という国民感情は到底理解できるものではないでしょう。



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(読者の声3)前号にある貴コメント。「一方『同盟国』の日本は、ただひたすら米国の通貨を守り抜くための犠牲を惜しまないと誓約して世界に、その主従関係を明らかにした。各国は日本の立場を『ドルと心中しかねない国』と認識することであろう」
「その主従関係を(世界に向って)明らかにした」という解説は、じつに「警世的であり、かつ啓蒙的」です。
的確な分析こそが、的確な政策の発見に寄与します。 
(KI生、尼崎市)


(宮崎正弘のコメント)2010年は日米安保条約の改定から半世紀。いよいよ、安保改訂論議がワシントンから本格化しそうです。1980年に『日米安保条約20周年記念、日米セミナー』をフォード大統領以下、上院議員ら数十名を日本に招いて行いました。
 日本安全保障研究センター(三好修所長、加瀬英明理事長、中曽根康弘最高顧問)と米国ヘリティジ財団が共催し、小生はそのとき事務局を預かってホテルに泊まり込んだものでした。
 2010年にも当然、50周年を祝う(呪う?)政府行事も行われるでしょう。



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(読者の声4)貴誌2388号(読者の声)で「W氏」が言われたことは慧眼です。
ただし一つ。私が貴誌に投書するときに気をつけていることがあります。
それは(1)もし英語等他の言語に訳されたものを人が読んだとき、あるいは、(2)現代人の共通理解である正式な用語の意味から離れて使われる慣用表現を知らない後世の人が読んだらどういう意味にとるか、そして(3)公的な場での論争の材料に使われた場合、誤解を招かないようにする、ということです。
そこで「ただし侵攻の不適に関してですが、挑発されたか、されなかったかは主観的な解釈にもよりますから、むしろこの際、侵出の大規模なものは侵攻とすれば、侵出も侵攻も、同じ感じで使えますし、すっきりします」
という意見には納得しかねます。

1.大きな侵出は、「大きな侵出」であって「侵攻」と表現するのは、不正確です。

2.挑発された結果、つまり自衛目的の侵出か、自発的な侵攻かの区別は国際法上明確です。より厳密にいえば、「曖昧さの程度」が明確です。
自衛か自衛でないかは、「autointepretation」によるとされています。
「auto」とは普通日本語では自動と訳されていますが、この場合は違います。「auto」とはギリシャ語で「自身」(self)という意味です。
それが自身→自律→自動と意味が転化してきたのですが、外交上、国際法上「autointepretation」の意味は、「自身」(self)が「(条約上定義がはっきりしないことに対して)当該国が自衛か自衛でないかを判断すること」つまり、自衛目的の侵出か、攻撃目的の侵出かは当該国の判断によるというものです。
ただし明らかに事前に準備して、武力を持って境界線を越えて軍事行動を行なった場合、たとえばノモンハン事件におけるモンゴル軍・ソ連軍連合軍が行なったのは侵攻でした。これにはautointerpretationの余地がありません。
また私には「日本軍擁護のお気持ち」はありません。公平、正確に見ることを旨としています。
その結果、日本軍が大部分の場合歴史上稀なくらい真っ正直な軍隊であったと判断しているだけです。
北部インドシナ進駐の時の富永恭次少将のような卑怯なだめ将軍も勿論いました。
   (ST生)

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  • 名無しさん2008/11/16

    オバマ次期政権は、おそらく原則さえも異なる政策に打って出る可能性が高く、となれば、今回の金融サミットの合意は、その実効性が疑われることになる。

    その一言に尽きます。ドルを切り下げてくるでしょう。

  • 名無しさん2008/11/16

    韓国は日本の国連常任理事国入りを阻止しようとしている。そんな国に資金援助??日本の政治家は朝鮮韓国に弱みを握られているのかと疑ってしまいます。