国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/11/15


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成20年(2008年)11月15日(土曜日)
         通巻第2387号  
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 GMは救済するより倒産させた方が効率的ではないか
  オバマ政権、シカゴ労働組合に屈してGMを無駄に救済するだろうけれど。。
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 GM倒産は秒読みである。
 2009年一月、ちょうど大統領就任式あたりがタイム・リミット。それまでに繋ぎ融資を決めるのはブッシュ政権である。

財務省の担当者はカシュカリ財務次官補。
 かれは13日の議会公聴会で徹底的に議員から吊し上げられた。議会人の関心は選挙区と政治資金、企業城下町代表はその地域産業であり、民主党でウォール街擁護者はNY州選出のシューマー上院議員くらいだろう。
 だから税金をつかって「ウォール街の高給取り」を救済する必要はないという強い批判にまだ答え続けるのだ。産業の基幹血脈である銀行をつぶしたら産業そのものも壊滅する、と。

 さて米国経済界でもう一つの真剣な議論がある。
 GMはいっそ倒産させた方が良いのではないか、というのだ。
 要点をかいつまむと、GMは労組と退職社員への年金負担、非能率な設備がガンである。一方で広大な福利施設がある。
 生産システムはどっぷりと石油燃料対応のクルマしか作れず、電気自動車やエタノールへの対応は職能制度と労組の反対で、日本のようなフレキシビリティがない。つまり電気カーは電気工しかタッチできないからだ。

 もし倒産となると、下請けを入れた直接の関係者は130万人。家族や関連企業を入れると、600万人ほどが路頭に迷うことになる。
 
 日本への悪影響も巨大である。
 嫉妬に火が付き米国進出のトヨタ、日産、ホンダなど怨嗟の的になる。嫌がらせも続くだろう。
同時にGMの下請けで部品を造っている多くに日本企業がある。一例がブレーキを殆ど造っている曙ブレーキだ。

 したがって米国産業界の顔を代表するGMを、次期オバマ政権は倒産させるわけにはいかない。まして労働組合は民主党の選挙基盤、シカゴはその本丸。
 日本への風当たり、オバマ政権は保護主義に急傾斜することも目に見えている。

 だが、GMのような巨大組織、肥大化した企業は、もはや次期エコカー開発でさえ遅れをとったマンモスであり、その巨体を維持させても、競争力のある次期エコカー開発は、体質的に(それが労働組合の存在だ)不可能。
 マンモスは環境の変化に適応できずに死んだ。GMはその二の舞に、いずれなる。

 ならば法律的に倒産させて、新生GMを立ち上げ、非能率部門を片っ端から売却し、人員も大幅に削減して、小型カーと次期エコカー開発に専念した方が効率が上がるという議論が浮上しているが、この方に説得力がある。
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小誌愛読者に特典!
先着20組の皆さんに「憂国忌」招待券をお送りします!(お申し込みは16日24時で締め切ります)。

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三島由紀夫氏、没後三十八年『憂国忌』の御案内
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今年も憂国忌の季節がめぐって参りました。
 三島由紀夫氏が憂国の諫死を遂げる直前に開催された、氏自らの企画「三島由紀夫展」は「小説の河」「演劇の河」「肉体の河」「行動の河」と四つに展示が分けられていました。そこで憂国忌でも過去三回は、「肉体」をテーマに細江英公氏の『薔薇刑』、「演劇」で村松英子さんに『薔薇と海賊』の予告上演、昨年は「行動」をテーマには井尻千男氏に「武士道の悲しみ」という講演をいただきました。
 ことしは「小説の河」に焦点をあてて下記の要領で開催します。万障お繰り合わせの上、ご光臨頂ければ幸いです。
  
◎なお憂国忌はどなたでも当日、予約なしで御参加いただけます
                                
           記
とき    11月25日 午後六時(五時半開場)
ところ   九段会館 三階「真珠の間」(地下鉄「九段下」)
記念講演  評論家 西尾幹二氏
演題    「三島由紀夫の死と私 ――限界を超えた『芸術と実行』の分離の理念」  
       ほかに発起人の追悼挨拶。松本徹、井尻千男、富岡幸一郎の各氏を予定。

代表発起人  井尻千男、入江隆則、桶谷秀昭、嘉悦康人、小室直樹、佐伯彰一、
       篠沢秀夫、竹本忠雄、中村彰彦、細江英公、松本徹、村松英子
              (当日、一般入場者の会場分担金はおひとり千円。学生500円)

   ♪
招待券ご希望の方は「宮崎メルマガで見た」と書かれ、〒番号、ご住所、お名前だけを下記へメールして下さい。先着20組の皆さんに憂国忌実行委員会事務局から招待券が郵送されます。
 yukokuki@hotmail.com
 (16日24時で締め切ります)
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(読者の声1)貴誌2386号での台湾政局混迷という記事。
「この人物(陳雲林)を『歓迎』するに当たって、台湾の指導者らは、海峡基金会の江丙伸理事長も、国民党の呉伯雄主席も、驚くなかれ、自分の国の元首を『馬さん』と読んで卑下し、『中華民国総統』とは言わなかったことだ(ちなみに中国の新聞は『台湾総統』の『総統』を括弧付きでさえ書かずに、「台湾の指導者」と表現している)」
「あまつさえ台湾国会は国民党が権力に返り咲いたため、親日ムードは消えた。「従軍慰安婦決議」で対日強硬路線に転換しようとするのが、反日路線まっしぐらの馬英九政権だ。 法務部長(法務大臣)は過去にも従軍慰安婦問題で騒いだ曰く付きの女性弁護士出身である。日台間系も混迷度をますます深めつつある」。
 (引用止め)
前段は貴誌ならではの情報です。これほど卑屈になっているとは!
後段は台湾立法院での「従軍慰安婦決議」について、産経が報道しなかったことが不思議です。
      (SJ生)


(宮崎正弘のコメント)決議ですからたとえ台湾の国会にあたる立法院で決議されても法的拘束力がないからでしょうか。



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(読者の声2)中国通の宮崎正弘先生にお尋ねします。最近、中国で「閃離族」という言葉があるそうですが、どういう意味でしょうか? 
以前、先生のなにかの著作で「傍老族」(自分が老けているのに何もしないでボォーとしているニート)を教わりましたから。
       (TH生、福島)


(宮崎正弘のコメント)北京五輪の08年8月8日に、めでたい数字にあやかろうと急いで結婚届をだしたカップルが数万組、北京だけでも8000組ほどいて、役所は結婚届受理の予約を取ったほどでした。そして北京五輪が終わらない裡に離婚した数百のカップル。嘗て日本が騒いだ「成田離婚」より早い。
 というわけで、すぐに離婚する新人類を中国では「閃離族」と言います。最新の造語ですね。



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(読者の声3)貴誌通巻第2385号(読者の声1)でW氏が、[また語彙と宣伝に関して「浸出」は、ノルマンディーは「侵入」とすべきでしょう。一般的に言って「浸出」より「侵入」の方が、分かりやすいと思います。浸出なら「進出」の方がイメージが湧きやすいですし。それから「浸出」は「侵出」の誤字ではありませんか。「浸出」は液体に関することでしょう。侵略の「略」が、中国人に「略奪」を印象させるなら、「侵略」は「侵攻」に改めるべきでしょう。たとえば南京アトロシティなるものは、南京侵攻事件として、以前、小生は論文を書いたことがあります。その点で私の表現はご指摘された内容とも一致していると思いました]
と書かれました。
通巻第2384号(読者の声1)で私が書いたものに対してのご意見と思います。誠に的を射たご指摘です。私のコメントを書かせていただきます。
1.「浸出」は「侵出」の入力ミスです。お詫び申しあげます。

2.国際法の分野での法律用語として、「invasion」に対応する語が「侵出」です。日常語として違和感があってもいたし方がありません。法律上の「善意」、「悪意」は日常語とは全く違います。また、「位相」(phase)という語が物理学と数学では全く違う意味(topology)に使われています。
以前ある著名な物理学者が物理学の方が先に位相という言葉を使い始めた。数学者は別の言葉を使えと書いたのを読みましたが、既に時遅しです。

3.「進出」には境界線を越えるという意味が明確にはありません。この点が、「invasion」という概念の根本的に重要な点です。また、「侵入」は、侵入される側から観ての表現です。
侵出する側のみならず、外から観ている第三者からも、「侵出」の方が的確に状況を表しています。

4.日本軍の南京占領は「侵攻」ではありません。北京の蘆溝橋において日本軍に国民党軍を擬して発砲したのは中国共産党員であり、その後、停戦の機会がありながら、敢えて戦争を長引かせたのは、長引けば勝てると観た国民党軍幹部および発行部数増加を目的として好戦記事で国民をあおった日本の新聞紙各紙でありました。
また停戦を求めず、南京城攻防戦に持ち込んだのは、上海での抵抗戦で善戦したことに自信を得た国民党軍が挑発誘導したものであり、日本軍が侵攻(挑発されないのに武力を持って侵出)したのではありません。停戦の機会をつかむためやむなく侵出したのでした。
日本軍は南京城に侵出しました。これは、明確な事実であり、絶対に譲歩して別の解釈をしてはなりません。
昭和2年の第一次南京事件で国民党軍は、南京市内の外国人居住地帯に侵攻し侵略しました。これも明確な事実です。
なお国際法上の用語の詳細は佐藤和男先生やその他のその分野の専門家の著書にあたってください。
私は大学理学部で代数的整数論を専攻した法律音痴です。
    (ST生、神奈川)



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(読者の声4)このメルマガは議論の場ではないことは十分承知しておりますが、本日付け、(読者の声2)田母神氏に批判的なコメントも散見されますが、私の見解は以下です。 
 ●1000年単位の歴史の真実/占領軍による洗脳とは:あの時、我々が戦った敵は何であったか。欧米(白人)による人種差別、一極支配体制ではなかったか。「あの時、世界は白人の支配下にあり、有色人種は奴隷的立場にあった。」「これに抗する能力のある有色人種の国は日本だけであった。」「大いなる犠牲の結果、多くの植民地が独立を果たした。」
 異論もあるでしょうが、1000年経っても争いなく残る歴史的事実はこの3点だけです。
基本論的に小生は上記の3点の視点にほぼ賛同するものですが、この視点(あるいは史観)には、ふたつの大いなる歴史事実上のキズがあると考えます。
その第一は、戦前の歴史のどこを捜してみても、「台湾、朝鮮半島の将来の独立」が日本の政策案としてほとんど俎上に上らなかったこと。 
第二は、大東亜戦争(対英米戦争)の開戦の「詔書」には、アジアの被圧迫民族を白人宗主国から開放するということへの直接的言及がなされておらず、「国家の自存自衛のために敢然起つ」ということが直接的な開戦事由になっていることです。
このアジア民族解放の理念は戦前に民間では相当広く共有されていたようですが、詔書を草した陸軍参謀本部員はこの重要な論点を見落としたようです。 
それゆえに、開戦直後の12月10日ころから連続して2週間ほど、大川周明がNHKラジオ放送で全国民に「大東亜開戦の真の事由」について連夜講話しました。
ご参考:大東亜戦争 開戦の詔書  http://homepage1.nifty.com/sira/war/
(KI生、尼崎市)

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 『三島由紀夫はいかにして日本回帰したか』(清流出版)

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  • 名無しさん2008/11/15

    米国民主党の政策は社会民主主義の観があります。