国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/11/13


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成20年(2008年)11月13日(木曜日)弐
         通巻第2384号  
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 オバマ次期大統領、14日からのG20金融サミットを欠席へ
   日本は1000億ドルも拠金するのに、米マスコミは日本を無視
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 NYタイムズを開いて驚く一行がある。
 「重要国リーダーが金曜日、ワシントンに一堂に会する金融サミットにオバマ次期大統領は欠席の予定である。(米国をのぞく)19の国々には英・仏・独、ロシアそして中国が含まれる」。。。

 え、日本の名前がない。IMF増資に1000億ドルも拠金しようとする最重要な国名が、NYタイムズ記者の頭にはインプットされていないのだ!

 さてオバマ次期大統領はワシントンサミットに欠席し、シカゴにとどまるか、ワシントンの会場から離れた場所に移動し、メドべージェフ(ロシア大統領)とだけは会談するらしい。各国指導者と別個の会談も避けたい方針という。
 
 第一に世界金融危機はブッシュ政権下で起きたことであり、その処理のための国際会議にオバマがでて、次期政権を拘束するようなコースに嵌りたくないからだ。

 第二にブッシュと「共犯」というイメージを避けたい。最初の百日間で、オバマが前面に出す政策は「福祉、保険、倫理」であって金融危機と距離をおく。

 第三にいままだ政権委譲チームが発足したばかりの段階で、次期国務、国防、財務という枢要な長官指名も行われていないうちに、次の経済政策を拘束されてはかなわないという理由が「オバマが来ないサミットは意味がないではないか」という批判を避けさせているようだ。

 日本時間16日にG20の共同声明が出るが、17日の世界の株式相場、為替相場は大荒れになるだろう。
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(読者の声1)貴誌382号(読者の声5)MARU氏の帝国主義の提言から「もし日本が侵略なら米ソ英国支那みな侵略国家です。日本の戦争は自衛戦争でした。「侵略」は左翼の反日宣伝用語に過ぎません。]と書かれました。

戦時国際法の権威、佐藤和男・青山学院大学名誉教授の講演会できき、またご著書でも読ませていただきましたが、侵略という言葉の国際上の意味は以下のとおりです。
1.国際法の用語に侵略という言葉はない。
2.侵略に対応する英語の用語はない。
3.日本語の侵略と意味の近い国際法の用語には、以下の2つがあるが、全く同じ意味ではないので、紛らわしい。
(1)浸出(英語では、invasion): 境界を越えて進入すること。武力行使のあるなしにはかかわらない。
(2)侵攻(英語ではaggression):相手側からの挑発行為なしに、武力行使をともない境界を越えて進入すること。
4.中国語の「略」には、略奪という意味がある。したがって、中国人が侵略と聞くと、侵入しかつ略奪したという意味にとる。

以上を勘案すると、以下のことが言えます。
1.日本軍は中国で浸出は行ったが、侵略は行っていない。南京占領の時も、住民が逃げて空き家になっていた家から食料品を調達する場合は、何をどれだけ持って行ったかということと、あとで持参したら、市場価値の代価を支払う旨を書いた紙を家に張っておいた。
住民が、食物を置いて逃げたのも日本軍のこの方針を知っていたからなのでしょう。そうでなければ、毒の入った食物をおいていったはずです。
また国民党軍をはじめ中国の各軍閥は、各地で侵略を行いました。
2.中国は、チベットや東トルキスタンを侵略した。
3.ドイツ占領下のノルマンディーに連合軍が攻め込んだのは、浸出「invasion」である。なぜなら、境界(ドイツ軍の防衛線)を越えて侵入したから。
4.ノモンハでソ連軍は満州国領に侵攻したが、満州国軍及び日本軍は、侵攻したソ連軍を追い、モンゴル領に浸出した。しかし侵攻も侵略も行なっていない。
 なるべく「侵略」などという不明確かつ詐欺師の道具に使われやすい用語は使わないことです。
   (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)語感の呪縛。語彙の選択も宣伝戦争の大きな武器であり、洗脳の武器でもあります。「平和」も意味不明です。あれは『和平』という語彙に変えるべきだと思っています。



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(読者の声2)11月8日に行われた母校、慶應義塾の150周年記念式典に私も出席した。
畏くも天皇皇后両陛下の行幸啓を仰ぎ奉り、優渥なる勅語(おことば)を拝し、慶應の卒業生(塾員)として誠に感激と幸福に満ちた瞬間であった。式典には衆参両院議長(河野某と江田某)が参列したが、あくまで国権の最高機関の長としての礼儀であり、式辞は一切なし。来賓の式辞は早稲田の白井総長が最初に行う栄誉を与えられた。
かつて福沢諭吉の葬儀の際、慶應は一切の供物供花を辞退したが、ただ皇室からの供花と大隈重信公が自ら用意した花のみを受け取ったという。認める権威は皇室のみであり、そして早稲田との友情を第一に扱うところはさすがに慶應らしさを感じた。
ところで天皇陛下のご親閲をもっとも待ちわびているのは他ならぬ自衛隊であろう。
かつて三島由紀夫先生は「栄誉でつなげ菊と刀」という文章の中で天皇による自衛隊に対する栄誉大権を主張された。
航空幕僚長が全く真っ当な論文を発表したのに対し、あわてふためいた阿呆総理とハマコ−倅防衛相は田母神空自大将を解任するという挙に出た。しかも正面から懲戒免職にする度胸もなく、定年退職扱いにするという姑息な手段。
私は自衛隊の将兵がやがていつの日か国軍として天皇陛下に直接まみえ、そのご親閲を賜る時を熱望してやまない。昨日の夕刊フジで花田紀凱WILL編集長が田母神擁護論を展開していたが、まさに正論である。花田氏もたまにはいいことを言う。
     (武蔵国杉並住人)


(宮崎正弘のコメント)引用された三島由紀夫。じつは11日に小生は拓殖大学「新日本学」講座で、偶然かも知れませんが、この問題を話す機会がありました。
 田母神論争でも一等大事な論点が欠けているのです。
 それはなにか?
 まさに「栄誉の絆でつなげ、菊と刀」(三島由紀夫)です。この論文が最初に出たのは『日本及日本人』でした。昭和44年でしたか、初読したときの衝撃が記憶の中に残っています。



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(読者の声3)通巻第2383号  (11月12日発行) 拝読しまして 御連絡申し上げます
  宮崎先生のコメントに「アメリカの歴史教科書も甚だしい偏向ぶりを示しています。先住民のインディアン虐殺をさらりと数行で片付けて、ピューリタン革命、南北戦争です。その前は? なんと延々と恐竜時代の歴史が叙述されているのです。つまり恐竜時代から、いきなりピューリタン革命へと飛躍し、その間の長い長いインディアンの歴史に触れていない。ハワイもカメハメハ王朝をだまして盗み取ったのが、歴史の真実でしょう。ハワイ併合は住民の意思で、なんて。その前に本土からの移民が原住民の数を上回っていた。太平洋進出の海洋拠点として、アメリカは軍事戦略上どうしてもハワイを必要としたのです。オバマ? 彼のフルネームはバラク・フセイン・オバマです。父方系にイスラム教徒がいたのでしょう。」(引用止め)
 
 この最後の文節ですが、父親ケニアからの留学生:バラク・オバマ・シニア 母:アン・ダナム 中西部カンザス生まれの白人で、オバマが2歳の時に両親別居 その後母親はハワイ大学留学生 インドネシア人 ロロ・ソエトロ と再婚。
 いずれもイスラム教徒との再婚に対しまして、彼の宗教観に疑問を投げかける東部イスタブリッシュメント達や、イスラム教原理主義者が多いことも事実です。
それは父親がイスラム教であれば、母親アンは改宗し、モスリムとして生活する事が教義ですが、それが離婚と言う形で完全履行されずに至ってしまい、キリスト教徒になりますが、それはイスラム教義からすれば、絶対あってはならない事です。
従いまして、宗教空白が彼にはあります。
選挙中に一部のメディアが報じています。それを楯に、(内外から)攻撃される事は、彼も十分承知しておく事が必要でしょう。         
そして歴代大統領がキリスト教原理主義者に近く、それを踏襲して行く彼に、疑問(宗教闘争)が在るとしますと、人種差別問題と絡めてアメリカ合衆国に大きな障害が生じる事を懸念しています。    
   (AF、在マレーシア)


(宮崎正弘のコメント)WASP支配から雑多な多民族国家へと変貌したアメリカ。こんどマケインが勝った地域はキリスト教原理主義、草の根保守のベルト地帯でしたね。



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(読者の声4)11日、夕方のNHKラジオで多母神論文がテ−マに取り上げられ、案の定、解説の方はかなり強い口調で批判。
いつもだと、一般の方々の声(テ−マについての意見を電話録音)が番組中に挿入されるのですが、今回は一切なし。私の推測ですが、支持される方々の声がかなりあったのでは?だから入れない、聞かせたくない。又はあれこれとこの問題についてこれ以上語る場を与えたくない、か。
取り上げる声を操作する事で、逆に世論はこうである、とリスナーに印象操作する事も可能。
この頃はテレビもラジオも素直に見たり聞いたり出来なく、番組制作サイド側の意図を考えてしまう癖がつきました。
思えば、かつてお隣りのK元大統領の特番とC新聞の礼賛記事を素直に受け入れ、立派な方ではないかと信じていたのが、その後の事態のあまりの違い様に驚き。以来、私はマスコミに不信感を抱くように。特にテレビの(特にNHK)偏向ぶりは年々、益々顕著に。〇〇ダイエットやら民放で取り上げれば品切れするなど、いまだに扇動されている様子を見るにつけ、事が一度起こった時、ある方向へ強く扇動されるとどうなるか?・・・・とても怖い感じ。
多母神氏の証人喚問の映像も詳しくは見る事が出来ず。夜になり、ラジオの11時頃のニュースでは多母神論文のニュースの後、あの村山氏がソウルで行われた日韓の未来思考の〇〇会議で、又「村山談話」同様の発言をしたとか。
NHKのラジオ、テレビは放送する時間帯で微妙に放送内容を変えている。皇室に関するニュースの多くは夜7時のニュースでは外し、夕方か夜遅くの時間帯で、ほとんどの公務は放送されない事が多い。(プライベートな私的な事は興味本位に取り上げる→皇室に対する敬意を無くす為?)最近の一番酷い[例]NHKラジオ・・皇室のニュースの後、間髪いれず、一言、「ネパールで王室が廃止されました」(立憲君主制に移行。と言うべきでは)。一日本国民の一人として意図的な悪意を感じました。
以前であれば、このような事はなかったのでは?そのくらいこの頃のNHKは酷いのです。横道にそれてしまい申し訳ありません。
   (YK生)


(宮崎正弘のコメント)国民の良識に照らして、NHKに支払いを拒否している国民が30%前後いる。そうやって国民の直接行動がNHKを窮地に追いやっているという一方の現実があります。
 となれば、いまの偏向報道はNHKのなかに巣くう左派の断末魔?
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恒例「憂国忌」が近づきました
宮崎正弘の三島由紀夫論 三部作!
『三島由紀夫の現場』、『三島由紀夫“以後”』(ともに並木書房)
 『三島由紀夫はいかにして日本回帰したか』(清流出版)
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┃好┃評┃発┃売┃中┃!┃
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宮崎正弘の最新刊
 『中国がたくらむ台湾沖縄侵攻と日本支配』(KKベストセラーズ 1680円)

宮崎正弘のロングセラー
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ)
               (全332ページ、写真多数、定価1680円)
『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 
『世界が仰天する中国人の野蛮』(黄文雄氏との共著。徳間書店、1575円)
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』(KKベストセラーズ、1680円)
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  • 名無しさん2008/11/13

    2384号の「読者の声4」が後半でNHKの偏りを書かれていましたが,私も同感。番組への出演者,発言を求める人もバランスを欠いて左翼,左派が多く,公共放送失格。

  • 名無しさん2008/11/13

    今日も先生のメルマガを、読みまして国内の視点と、外国の観方等を読みながら、拝見をしました。何時も自分自身の無知識を思いながら拝見をしています。我が国の中に占領をした国の<軍隊が存在をしています此の事を誰もが?何も可笑しいと考えないような、気がして成りませんが?政治家総ての議員さん達に今後共に我国の防衛は此の侭永久にアメリカの軍隊を養っていく積りなのかを、お聞きしたいと考えますが?ド素人の素朴な疑問を書きましたが?

    筑後川の日本人。

  • 名無しさん2008/11/13

    記事は毎回素晴らしいのですが、読者の方のNHKの偏向報道に関するコメントに全くその通りと共感し、初めてコメント致しました。私が常日頃NHKに対して感じる違和感そのままを云ってくださいました。特にラジオ放送はひどいと思います。このような良質な記事を無料で読める事に感謝致します。有り難うございます。

  • 名無しさん2008/11/13

    田母神論文は「文民統制」にだけ照準を合わせて様な「慌て方」論文の内容など検証する気概もない奴等には腹立たしいの一言です、防衛省大臣も手前の腹も切れずに大臣職に執着やくざの世界でも排除される様な「親分」です、「みっともない」姿です。