国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/10/22


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)10月22日(水曜日)弐
         通巻第2357号 
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 世界同時不況は中央アジアにも大津波をもたらしている
   日本では等閑視されているカザフスタンとその周辺の不況入り
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 金融危機は中央アジアの経済にもかなり大規模な地殻変動をもたらした。
 この地域の経済的覇者は、オイルリッチのカザフスタンである。もともとソ連の衛生国家だったので、日本人にはなじみが薄いが、91年に独立以来、この国を統治しているのはナゼルバエフ大統領とその一家。

 独立直後は日本に資金と技術の提供をよびかけ、ナゼルバエフは何回か日本へ来た。
日本とはウラン鉱脈の開発を原発技術提供とバーターで行うため、二年前から日本の政治家、商社マンもさかんにカザフスタンを訪問しているが、ロシアにはかなわない。メドべージェフ大統領は就任直後、初めての外国訪問をカザフスタンとした。
 従来の原油買い上げばかりか、将来はカザフのウラン鉱脈開発を狙っているからである。

 カザフスタンは石油とガスの天然資源に恵まれ、いきなり大発展を遂げた。
原油の高騰が原因である。

 カザフスタンはまず南の隣国キルギスへ果敢に投資し、セメント工場などを開いた。麺類の工場や、観光地として世界的に有名なイシク・クル湖湖畔のホテル開発などに5億ドル近くを投じたが、それはキルギスに投下された投資の四割をしめる。実際に筆者もカザフスタンとキルギス両国を取材して、その主従関係的な経済の対比を目撃した。カザフスタンの前首都アルマトゥには豪華ホテル、ルイビュトン専門店。レストランも豪華で、人々は繁栄に酔っていた。

 カザフスタンは西の隣国ウズベキスタンへも14億ドルを投資したほか、注目はグルジアへの投資なのである。

ロシアと軍事的に対立するグルジアへ電信テレコム企業への出資を皮切りに港湾施設改良、穀物ターミナル建設、首都トビリシには豪華なラディソン・ホテル建設など合計20億ドルをカザフスタンが投資したのだ。


▲ロシアの権益圏をかき荒らすかのように

 さらにウクライナへ12億5千万ドル,トルコへ10億ドル。
遠くルーマニアの精油所建設へ27億ドル、リトアニア、チェコのガソリン・スタンド・チェーンにも果敢に投資を繰り返したが、これを目撃したフランスは首相を派遣してナゼルバエフ大統領とその一家にフランスへの投資も呼びかけるほどになった。

 そして旧宗主国ロシアへは新都市コンスタンチノーボ建設のために、実に50億ドルをカザフBTA銀行を経由して投資を敢行した。
建設業者もカザフ系が多い。

 最大の注目はカザフスタンの国家ファンドである。
いまやその規模は276億ドル。これが原油一バーレル=70ドル台が維持されれば次の五年間に1000億ドル規模への躍進し、この財力をなんと中国のCITIC(中国国際投資信託公司=国務院直営企業)と組んで、カナダ、豪州の鉱区開発へ投下しようとしているのである。

そして金融危機と原油の暴落がおきた。中央アジア経済にも冷風が吹きすさむ。
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(読者の声1)世界恐慌についての先生の一連のご分析は実に冴えていると思います。まさに暗黒の混乱を照らす一つの灯台です。
 さて、以下のご意見に賛成ですが、一言。
貴誌2356号(読者の声1)チベット・モンゴル・ウイグル三民族連帯シンポジウムおよびデモhttp://3natioco.web.fc2.com/
 世界でも初めての試みであった「3民族連帯シンポジウムおよびデモ」は予定通り執り行うことができました。10月18日のシンポジウムには200人を超える方々が参加くださいました。他人の国を侵略した中国政府が、現地でどのような支配をしているのか、チベット、モンゴル、ウイグルの代表によって詳しく説明されました。中国政府による残酷な支配をやめさせるためには3民族が連帯していかなければならない、ということを確認しました。またアジアの民主主義の先進国である日本は、彼らを助けていく道義的義務があることを確認しました。19日のデモには250人の参加者がありました。<引用終わり>

意見:「アジアの民主主義の先進国」というご意見は、「アジア諸民族の自由と独立」に代えて頂きたいと思います。というのは、日本の大東亜戦争がアジアの植民地の独立支援であり、大きな成果を挙げたからです。
また「民主主義」と言うのは意味不明の用語で共産主義の独裁者も民主主義者を自称しています。日本が欧州における英国のような立場が取れるように早く核武装したいものです。
    (MARU)


(宮崎正弘のコメント)胡錦涛の言う「先進的文明」「科学的文明観」という語彙には、かならず「共産党の指導」という前置詞があり、習近平のいう「三真主義」は「愛民」が第一義などと獅子吼していますが、これは「三嘘主義」。



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(読者の声2)今回の金融事件が大規模になった原因の一つは、金融活動が世界的に連結されていたことがあると思います。
この結果米国のトラブルが印度にまで及んだわけです。
これは、「一つの籠に全部の卵を盛るな」というリスク分散の原則に反していたと思います。
したがって今までの世界規模の経済活動は地域とか結局、国家ごとの経済管理が可能な規模とシステムに縮小・分散されるのではないかと思いました。
   (MO生)


(宮崎正弘のコメント)理論的にはそうですが、飛行機の発達した現代の地政学は、ブロック化や鎖国化を一方においては不可能にしている。縮小方向には行かないのではありませんか?

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創刊日:2001-08-18  
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