国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/10/11


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)10月11日(土曜日)
         通巻第2346号 
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 G7に世界の金融財務指導者が雁首を揃え、市場は下落で反応した
  GMとクライスラーが合併へ。ウォール街は屍累々の戦場跡のごとし
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 10月10日、ワシントンにあつまったG7は金融対策の国際協調と政府の公的資金注入などを協議した。
 討議内容を「緊急且つ例外的な措置が必要」とする「行動計画」として発表した。

それは五つの骨子からなり、各国政府は金融破綻を防ぐためあらゆる措置をとり、公的資金の注入、また預金者保護のための保険機構の強化をはかり,G7各国が協調して世界経済の活性化に努力する等が謳われた。

 「安定的かつ健全なシステムの回復」(ポールソン財務長官とバーナンキFRB議長)「システマチック・リスクの顕在化を防ぐ」(白川日銀総裁)。

 だが公的資金注入などはすでに市場は織り込んでいたためウォール街の反応は逆で、またまた下落、ついにNYダウは8000ドルを割り込む最悪の事態を迎えた。
 ウォール街自らのシステム破綻が原因とはいえ、公的資金導入などモラルハザードではないか、とする見方が多い上、実行の伴わないリップサービスという認識が広がっているからだろう。

 来週、ウォール街は、おそらく最低値をつけそう。逆張りをする投資家は来週金曜日午後が買いだそうな。

 いまや秒読みといわれて久しいGMは、クライスラーと合併の協議をしていたことがNYタイムズにすっぱ抜かれた(現地10日付け)。
 また第三四半期に86億ドルの赤字をだしたフォードは保有してきたマツダの株式を売却し、1000億円を調達するという情報が流れ出した。

 ウォール街の失態による屍は累々と積み重なり、つぎに産業界に飛び火し、来週あたりから本格的に中国の経済を襲撃することになりそうだ。
 
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(休刊のおしらせ)小誌は10月12日―15日が休刊です。
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(読者の声1)貴誌通巻第2345号に「日米同盟が危殆に瀕する地獄のシナリオが見える」と書かれましたが、全くの同感です。
ただし、完全に破壊していても日本人がそれに気づかない可能性が高いと思います。女房が失踪するか離婚訴訟を起こすまで円満なおしどり夫婦と思っている男のようです。
「通過した金融安定化法案直後、ウォール街の株価はまだ下落したのだ」と書かれましたが、日本での株価の崩落率ははるかに大きく、つい数ヶ月前から4割下がりました。これは、米国株の崩落率よりはるかに大きな数字です。
不思議なことです。
米国のサブプライムローンの影響をわずかにしか受けていない日本の方が、はるかに大きく株価を下げるとは。
原因は明確です。9月度のハードレベルでの円の供給量は8月度に比べて0.6%しか増えていません。欧米の中央銀行が莫大な通過を金融市場に投じているにもかかわらずです。
しかも日銀は外資系金融機関向けに緊急の資金供給を行っています。
日銀の窓口規制はすでに廃止になりましたが、間接的に同様の効果のある他の方策で円の供給量を日銀が絞ったことは明白です。現物証拠を持っていませんが、私は、日銀はそのような金融施策をとるように欧米の中央銀行ないし政府から依頼されたのでしょう。そんな依頼に唯々諾々と従うのが現在のそしてここ100年来の日銀です。
今後ある時点で、日本株の外人買い超大規模に起きます。そうすると、株価が上がるだけでなく、円があがります。ドルベースで円が5割上がり(つまりドルが1/1.5=0.67)、日本の株価が5割上がれば、1.5x1.5=2.25倍になります。
しかも乱高下しながらあがるときに、機敏に鞘取りをすれば、うまくやれば元金の5倍くらいにはなることでしょう。
うまくいく可能性は100%です。市場にいる大多数が馬鹿ですから。30倍くらいのレヴェリッジを効かせてもリスクは殆どありません。日本国民の大多数が気つかなければ必ず成功します。
先日も書きましたように政府や中央銀行が破綻しかかっている金融機関に資金供給を行っても、単に有利子資金を供給するだけですから、その資金で他のところから稼がなければ、救済にはなりません。
欧米の金融機関が破綻を免れるためには、荒稼ぎをするためにの草刈場が必要です。それが、日本の金融市場です。
 「近未来のシナリオの一つとして考えられるのは、一種徳政令である。ドルは現在流通する通貨を無効とさせ、新札を発行する。或いは金にリンクしたドルの新紙幣を発行し、旧来のドルは「新ドル切り替え」で大幅な減価をおこなう(戦後、日本の新円切り替えのごとし)」とかかれました。
それもありうることとは思いますが、おそらく別の手を使うことでしょう。
金にリンクした新札を金1オンス10000ドルくらいので出すことです。そうすると米国財務省がフォートノックスに持っている金だけで6兆ドル相当になります。
M0でその2倍位はかなり安全に発行できます。M3がその5倍なら、60兆ドルまで
には膨らませます。1934年にまさに米国はそれを行いました。そのとき儲けた連中の後継者たちはそのことを知っています。
  (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)金にリンクした新ドル札は、すでに準備されて中央銀行の金庫に眠っているという噂までありますからね。
 現在流通しているドル紙幣は金兌換の変わりに「IN GOD WE TRUST」(神を信ずるのみ)と書かれています。ポールソン財務長官の署名があります。



   ♪
(読者の声2)現在広東省の深センに出張しております。
ここ数ヶ月で中小企業を中心に数多くの製造業が倒産したという話は聞きますが、街の状況を見る限り、金融不況の影も無く、普段とあまり変わりません。
バブル崩壊後の日本、今回の金融界崩壊のアメリカ、いずれも金融機関の実態は公表されている以外の多くの膿をはらんでいました。
私の経験では、中国の金融界には、はるかに大きな悪性腫瘍が潜在していると思います。私は中国の膿が破裂したときが、世界恐慌の引き金となり、とんでもないことになるのではないか、と恐れています。
その時は、日本も無事ではすまなくなり、それこそ徳政令ということになるのでしょうか。宮崎様のお考えを教えていただければ幸いです。 
(MT生)


(宮崎正弘のコメント)小生も先月末、上海と南京にいて、おなじ経験をしました。
 ちょうど89年から日本でバブル崩壊が始まっていたのに、92年頃まで「不景気?ありえないさ」と銀座で多くが飲んでいましたっけ。知覚するのにタイムラグがあった。あれと同じだなぁと感じたものでした。

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((( おしらせ )))

「チベット・モンゴル・ウイグル三民族連帯シンポジウム」
 
とき    10月18日(土曜日) 午後一時
ところ   拓殖大学文京キャンパスC館101教室(東京都文京区小日向3-4-14)
http://www.takushoku-u.ac.jp/map/acc_b.html

【パネラー】  セイット・トムトルコ(世界ウイグル会議副総裁)
        ペマ・ヨーコ(ジャーナリスト)(予定)
        オノホルド・ダイチン(モンゴル自由連盟党幹事長)
        宮崎正弘(評論家)
        藤井厳喜(国際政治学者)
【コーディネーター】 荒木和博(戦略情報研究所代表)
【総合司会】     小林秀英(チベット問題を考える会代表)
【資料代】      千円
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