国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/09/21

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)9月22日(月曜日)
         通巻第2327号  (9月21日発行)
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 はやくも倒産続出、中国広東省の繊維メーカー
  ベトナムの労賃は30%安、国内の江西省は20%安、広東省は動揺の最中
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 米国が不況入りすると真っ先に困るのは対米輸出で経済が成り立ってきた中国。それも製造業が集中している広東省である。広東省だけで対米輸出の全中国における三割の比率を誇り、繊維産業はとくに東莞に集中してきた。
 
 世論調査によれば、広東での製造業が向こう三年以内に成立が困難と極めることになると予想する向きが大半で、その理由として(複数回答)、−
 (1)通貨人民元の切り上げで競争力をなくす    70・3%
 (2)インフレによる電力、材料費などコスト高   70・3%
 (3)賃金上昇                  51・8%
 (4)労働者の質                 33・3%
                  (数字はTIME、08年9月29日号)

 すでに価格競争力のない繊維産業(台湾企業が多い)はベトナムへ津波のように脱出し、或いは中国のメーカーは賃金が国内でもまだ安い奥地のひとつ江西省へ工場移転を続けている。

 現在も操業を続けている六万社の輸出企業のうちの三分の一、つまり二万社が三年以内に倒産するだろうと同タイム誌はいう。
 ――ということは生き残るのは四万社だけ?

 労働賃金の上昇は広東省深せんで月給最低賃金が千元、広州市が890元。くわえて、労働法が改正されて、十年以上連続勤務の従業員には終身雇用を保障しなければならなく、あげくに全企業に労働組合の結成が義務づけられた。

 外国企業の中国撤退は、これからが本番である。
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ニューヨークタイムズに早くも不良債権買い上げへの懐疑論

 21日付けNYタイムズは、財務省が発表した7000億ドルの政府緊急支出による不良債権買い取りに関して強い懐疑論を報じている。

 「ベアスターンズ救済に米国政府が介入したことで金庫はそこをついたが、AIG救済に290億ドルを支出すると言い、ファニーメイの危機に250億ドル、そして今回は5000−7000億ドル、場合によっては一兆ドルの政府支出となるが、この財源を赤字国債で埋めようと言っても、それを誰が買うのか?議会は簡単に承知するのか」と。
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(読者の声1)このところ中国評論からやや遠ざかって、貴誌にはかつての国際エコノミストとしての宮崎正弘先生の経済論が連日ですね。
バブルの頃に先生の書かれた『恐慌はこない』、そしてバブル破裂直前に上梓された『賢者は最悪に備える』など、経済畑のお仕事に注目してきた一人として、大不況を根源的に論じる御本を期待しております。
 あまたある雑音のなかで、先生の警世の声をもっと聞きたい。
     (IY生、京都)


(宮崎正弘のコメント)グリーンスパン前FRB議長がいみじくも言ったように“百年に一度の不況”がやってくる恐れが大きい。分析を急ぎたいと思いますが、単行本になるか、どうかは別問題です。
 「信用の収縮」が劇的に起こった。中国と米國とロシアで同時におこったところが“想定外”でした。
 それにしても書店に怪しげな本が並んでいますね。驚きです。



   ♪
(読者の声2)設問への早速の応答、感謝です。
貴台のコメントに、「ドルの紙くず化を防ぐ方法は二つ。第一は金とリンクするドルの新札をだすこと。世界に流通している旧ドル紙幣は、ある日、突然、米国自らが無効を宣言する訳です。第二はもっと大がかりな戦争をおっぱじめて勝利すること、でしょう。いずれも『考えられないことを考える』(ハーマンカーン)という立場に立てば、あり得るかもしれず、次期政権に持ち越されるアポリアでしょう」。
<引用終わり>
さすが。兌換ドルの新札発行は気づきませんでした。
目から鱗が落ちるということか。すると日本では、丹羽春喜教授の提唱する「打ち出の小槌」による国債の一挙消去策と連動すれば、米国の劇薬に対処できるわけですね。
(SJ生)


(宮崎正弘のコメント)金にリンクした新札発行論はすでに四半世紀前にヨォロッパの経済学者の一部が唱え、英紙『エコノミスト』なども追随、米国でもロバート・マンデラ教授らが主唱し、81年には金委員会がレーガン政権のなかで設置され(メリルリンチ出身のリーガン財務長官が座長でした)、さかんに議論されてきたもので、空想論ではなく、現実味はあります。
丹羽先生の説は「政府紙幣」の発行ですが、太政官紙幣いらいのことになりますから、国会議員でも理解できる人が二十人ほどしかいません。議論に通用性を持たせるためには、まずは啓蒙活動からでしょうね。
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創刊日:2001-08-18  
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  • 賭神2008/09/23

    何時も大変興味をもって拝読しております。引用『ドルの紙くず化を防ぐ方法は二つ。第一は金とリンクするドルの新札をだすこと。世界に流通している旧ドル紙幣は、ある日、突然、米国自らが無効を宣言する訳です。』引用終わり*これは出回っているドル紙幣が無効になるということでしょうか?現在米ドル紙幣(現金)の流通量は数千億ドルと訊いた事があります。日本の外貨準備金(USドル)はNY連銀の金庫に収まっているそうで、恐らく中国、香港、台湾、独等も同様と思われます。持ち主が政府、民間に関わらず、既に銀行に収まっているドルは預金の引き出し要求に際して新ドルでの対応になるということでしょうか?

  • 名無しさん2008/09/21

    毎回「うんうんなるほど」と楽しみにしていますが、

    改行が悪いため左右にスクロールしないと読めません。

    一考ください。