国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/09/04


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)9月4日(木曜日)
通巻第2309号 
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 馬脚をあらわし始めた馬英九政権は危険な綱渡り
   アモイと金門に橋を架けるプロジェクトへ急傾斜、自主ミサイル開発を凍結
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 中国時報(9月1日)は馬英九総統が、台湾で自主開発中の巡航ミサイル「雄風2E型」を凍結すると決定したと報じた。
このミサイルは上海を射程内とする中距離巡航ミサイル(蛇足ながら、台湾はかつて自主開発の「経国号」(ジェット戦闘機)を推進していたが、途中で開発をうやむやにした。数機が実戦配備されたが、役に立つ代物ではなく、李登輝政権になって米国からF16ジェット戦闘機,フランスから「ミラージュ」戦闘機を輸入する防空体制に切り替えた)。

 馬はミサイル開発凍結を、「中台関係改善を進めるための『善意』の表現」と比喩したそうな。
(そこまでして北京に媚びる外省人政権というのはいったい何なのだろう?)。
 野党・民進党は直ちに抗議声明を出し、「(中台間の)軍事バランスを台湾側から崩し、これでは北京との交渉カードを失うではないか」と馬英九の軍事方針変更を批判した。

 (ただし一言だけ私見をのべると台湾の『自主開発』なるものは金ばかり食って、軍と政治家の汚職の温床とされるうえ、機密が北京へ漏れるので、率直に言って米国製を買う方が効果的ではありますが)。

 馬脚が現れたのは、そればかりではなかった。
 9月3日、馬はメキシコのメディアと会見し、「台湾と中国は“二つの中国”関係ではない」とし、明確に李登輝路線を否定した。馬の計算は、これで北京を安心されるのではなく、ワシントン向けの発言であろう。

 馬総統は、「両岸(中台)は一種の特別な関係で、国と国の関係ではない。この点が大変重要だ」とメキシコ紙に語り、「1992年に(中台)双方は一つの中国の原則を受け入れた。ただし『一つの中国』の解釈は異なるが」と付け加えた。

両岸関係基金会の江丙伸理事長は先月(8月下旬)に来日し、読売新聞などと会見したおりに「馬英九政権の外交政策について「対中傾斜と言われるのは心外。日本との関係も強化したい」と述べた」(読売新聞)。


▲金門島から対岸のアモイへ架橋します

これらの伏線があって馬英九は金門島を訪問した際に「金門からアモイへ橋を架ける夢のプロジェクトを実現したい」と述べ、金門島経済の活性化のみならず、台湾本島と中国大陸との直接的なアクセスを前向きにみていることが判明した(これも蛇足ながら金門―アモイへの架橋は、金門島の李知事(新党)が数年前から本気で取り組んできたプロジェクト。小生が金門知事とインタビューした際に『相手がミサイルでねらっているのに。何故?』と糺すと、『我々はおなじ中国人、相手はそんなことをしないさ』と歯牙にもかけていない様子で驚かされた)。

(金門とアモイをつなげば人民解放軍は侵略軍を、台湾の費用でかけて橋を渡って攻め込んでくるのに?)

こうした動きに対して台湾庶民は抗議の姿勢を見せており、先月30日には台北市内で「馬英九政権を批判するデモ」が行われた。
大規模なデモは30万人が参加した。多くは馬脚を現した馬政権への失望で、とくに「台湾経済の再生を公約して当選したが、ガソリン、食品のインフレがすさまじく生活を圧迫しているからである。
馬政権の支持率は迅速に低下しており、国民党系のメディアの世論調査でも50%を切っている。

ところで、台湾の世論は、次期「麻生政権」を歓迎している。麻生は馬英九や台湾国会議長の王金平とも会見している。
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(読者の声1)貴誌の投書欄にでた、阿南前駐在大使ですが、中共と交渉すれば物凄いストレスを感じていたと思います。
それでも媚中姿勢を取っていたのは外務省の中国派の利権を考えての行いだったんでしょうね。
やっぱり外務省は解体すべきだと思います。
      (AA生)


(宮崎正弘のコメント)外務省職員全員を六ヶ月前後、自衛隊に順次体験入隊させ、国防とは何かを体得して、それから外交をやっていただきたいモノです。



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(読者の声2)毎日配信して下さる先生のメール内容、読者の方々の感想、全てが素晴らしい教科書(刻々と変化する政治状況に即答)です。
どなたかも言われていましたが、日によっては数回も配信して下さる先生のメールは私の唯一の楽しみになりました。
又、読者の方々の非常に貴重な情報には、マスコミの情報だけで狭い視野になりがちな私のような者には、何よりの生きた教科書です。
ただ先生のご著書を始め、読者の方がご紹介下さった本の数々など、読みたい本が多過ぎて、読むのに追い付かないのが目下の悩みです。
そしてこんなに貴重なメールを配信して下さる先生のご健康を心配しています。愛する日本の為にお体に充分にご留意されてこれからも長く長くメールを配信して下さる事を切にお願いいたします。
(H生、愛知)


(宮崎正弘のコメント)激励のメッセージをいただきました。ありがとう御座います。
 
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<<<<<<<<<< サイト情報 >>>>>>>>>>>
米国による外国証券保有に関する年次報告書の暫定版が8月29日に財務省から発表された。最終版は10月31日に発表予定。
(1)プレスリリース 
 http://www.ustreas.gov/press/releases/hp1125.htm 
(2)報告書(暫定版) ;Preliminary Annual Report on U.S. Portfolio Holdings of Foreign Securities at End-December、U.S. Department of the Treasury.  
http://www.treas.gov/tic/shcprelim.html 
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(休刊のお知らせ)小誌は明日9月5日が休刊です。桑名へ講演旅行のため。
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  • 名無しさん2008/09/04

    日々、質の高いメルマガの配信を持続されていることに、大変驚いております。



    残暑厳しき折、くれぐれもご自愛下さいます様、お祈り申し上げます。

  • 名無しさん2008/09/04

    先日、高森明勅氏の「終戦の真実」講演で終戦の詔書(玉音放送)について、新たな知識を得ることができ、有意義な時間を過ごせました。



    ところで、詔書の中に注目すべき一節があります。

    「敵は新たなる爆弾を使用して、しきりに婿を殺傷し、、(中略)、、而も尚交戦を継続せんか、終にはわが民族の滅亡を招来するのみならず、ひいて人類の文明をも滅亡破局すべし」



    核兵器が持つ人類滅亡への可能性を原爆投下後、たった一週間で調査分析し、詔書に取り入れたのは、当時のどのような人物だったと思われますか?

  • 名無しさん2008/09/04

    配信を楽しみにしています。新聞を始めマスコミでは絶対に教えてくれません。日本の政治に失望感を覚えつつも、しっかり世情を知って見据えて行きたいと思っています。いつもありがとうございます。

  • 名無しさん2008/09/04

    外交官の自衛隊研修も良いと思います、江田島に放り込み「五省」「教育勅語」「国家とは何か」をぶち込む必要があります、防衛大学出の外交官でも言論を統制された様な日本マスコミでは「本音」を語れない世界最悪の「ボウフラマスコミ」が正常に成らないとこの国は立ち直れないでしょう、それと一度「国会議員」に「日本が好きか嫌いか?」理由もつけた全議員にアンケートを取って欲しいものです。

    「国家」の意味を知る議員が多くないようなので見てみたい。