国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/08/17


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)8月18日(月曜日)
通巻第2293号  
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 華国鋒元国務院総理、元軍事委員会主席が危篤
  「共産党は腐りきっている」と批判し続けた骨の髄までの共産主義者
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 この人の名前を聞くと何故か懐かしい。
 華国鋒は毛沢東の庶子。1920年代、湖南省で農民運動を展開していた毛沢東が「桃」という女性に産ませた。
戸籍上は「蘇祷」と名乗った。
 革命成立後、華国鋒は湖南省書記に抜擢され、その後、同省公安部長を歴任後、中央政界へ。副首相、軍事委員会主席とトントン拍子に出世してゆく。
 周恩来病没直後には首相代行をつとめた。毛沢東の子供ゆえに、である。

 歴史的役割は、毛沢東がいまわの際に華を呼んで「君がやってくれるのなら安心だ」と遺言した(と言われるが、これは伝説になった)。
華国鋒は直ちに軍をおさえていた葉剣英、党をおさえていた李先念と計り、四人組を逮捕。
1976年、華政権が成立した。

 だが華国鋒政権には「これ」という特色がなかった。ヴィジョン欠落、戦略性が希薄な人物だからであろう。
 まじめな性格らしく謀略に疎く、やがて!)小平に巧妙に利用されて「使い捨て」られた。

 華は舌鋒鋭く共産党幹部を批判することで有名で、「中国共産党の正当な担い手は農民と労働者ではないか」と言い続けた。

 こうも言った。
 「権力を掌握した後、いったい中国共産党は何をしたのか。腐敗、利権、人民への圧政、司法の独断運用、人権無視、権力の乱用ぶりを目撃していると、嘗ての国民党を同じであり、現在の国民党のほうはもっと進歩しているではないのか」。

 2001年に華国鋒は中国共産党を脱党したと伝えられたが、昨年の第十七回党大会に人民服で出席し、白髪が注目された。
ヒナ壇中央最後列の右端に座ったのが印象的だった。

 この第十七回共産党大会で「次期総書記」と目される男が最終日に登場する。
 習近平である。それを事前に知っていたら華はなんと言っただろう?
 習はところで、七月初旬に香港を訪問したが、驚き桃の木は、香港政庁がこの人物を胡錦濤よりも上位に扱ったことだ。
香港ワンチャイの豪華ホテルを貸し切りとして一般客を閉め出したのだ。
警備も胡錦濤のときより厳重にして次期指導者にごまをすった。

  華国鋒は次の発言をしているという。 
「いまの共産党は腐れ切っている。利権をむさぼるだけの政党に成り下がって、その改革も出来ない胡錦濤よ、権力を手放して党から去れ、と書簡を送ったとされる」(博訊新聞網、8月17日付け)。

 重病説が14日から飛び交い、華国鋒は北京医院に入院。危篤という。
 懐かしき人物を思い出した。

 (註 桃は女偏。「蘇祷」の祷は「金」編です)
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<<<< 今週の書棚 >>>>

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石平『中国“悪魔の事典”』(小学館クリックシリーズ)
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 最初に装丁への苦言をひとこと。この本の内容と装丁がすこし乖離していて惜しい気がした。
 本書はコントブックのように洒落た体裁で組み直すと、あるいは爆発的に売れる要素を持っている。
内容はと言えば、中国批判の辛らつさを綴るが、ブラック・ユーモアを通り越した惨劇的な哀切が基調で、しかも初歩的な中国入門編の彩りがあり、題名も「悪魔の事典」ではなくて「チャイナの爆笑問題」とか(ま、それは次回に小生と対談集でもやりますか)。

さて、世の中を賑わす中国の反日学生運動の実態とは、天安門事件の再評価の動きに蓋をして封じ込め、共産党批判を回避させるために、
「『愛国主義教育』と『反日教育』を(北京が)極力すすめてきた中で、彼ら憤青たちが育てられた」(「憤青」とは怒れる若者たち)と石平さんは分析する。

それは「いびつな精神構造の持ち主だから、単細胞的な思考力と激しい気性と猪突猛進的な行動力」をともなう。
まさに「かつての紅衛兵たちが毛沢東に使い捨てにされたのと同じように、彼ら憤青も所詮、中国共産党政権にとって都合の良い『オバかさん』なのである」
とさっぱりと結論づけられている。斬られた方もこうまで言われては浮かぶ瀬もナシ。
以下、おもしろい定義がまだまだ続く
『幹部というのは、嘘をつくときに顔色一つ変えない異質な人種。自らの責任を絶対に認めないことを信念とする人々』を指す。 
共産党員とは「権力の囁きに心酔し、幹部候補生となるには嘘つきを常習として、人間性の半分くらいは捨てる覚悟は必要だ」と石さんは辛辣論調を続ける。
『人民日報』には真実は発行の日付けだけで、あとはみんな嘘。
庶民は江沢民を「役者」とよび、李鵬を「馬鹿」と読んだ。ちなみに李瑞環は「ならず者」、朱容基は「変人」と呼ばれた。
 こういう話が満載の書物である。
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(註 朱容基の「容」は金編)

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(読者の声1)下記ブログによれば、北京ではまったく英語が通じなくてタクシーにも乗れない外国人が多いとか、それじゃとても国際都市とは言えないのでは?
http://sankei.jp.msn.com/beijing2008/news/080817/gbh0808170757000-n1.htm
 北京から帰国したばかりの宮!)さん、如何ですか?
   (TY生、京都)


(宮崎正弘のコメント)なるほど。逆に北京で英語を使ったことがないので、そういえばそうですね。通じないようです。タクシーや町中では。ホテルは通じます。
 中国人はアメリカ人と同じで他の国の言葉を覚える意思は希薄です。中華思想の影響でしょうか。



   ♪
(読者の声2)北京五輪女子マラソン、やっぱり日本の選手は顔を見ていても気力を感じなかった。結果は惨敗でした。
中国の選手、地元だけあって予想外の健闘だったと思いました。米国よりメタルの数は多くなるだろう、といわれていますが、中国勢の活躍ぶり、どうですか。
    (HK生、横浜)
  

(宮崎正弘のコメント)勝敗に関心がないので、それでも女子マラソンの中継をみていました。なぜなら北京市内の主だった箇所、ほとんどの場所に行っておりますので、現在の情景をリアルタイムで確認しました。
 金メダルを誰が取るか、殆ど関心がありません。悪しからず。
 マラソンのコースですが、頤和園の端っこから清華大学の構内にはいるなんて知らなかった。
先月下旬にも清華大学に立ち寄りましたが、西門はバス停から、のどかな車道を右へ曲がると教職員マンション、食堂、キオスクがあります。日頃、あのあたり自家用を駐車しておりますが、テレビ中継を見る限り車の駐車がなかった。
 北京大学から中関村。ひごろは車がごった返すところですが、沿道の応援さえ少なかった。ボランティア以外に学生が居ませんでしたね。
あれも理由がありそうです。
 天壇から天安門広場へもどる道筋、前門商店街がマラソンコースに入っていたのも、吃驚でした。開会式前夜にあの商店街が再現されたのですから。
 西単は人通りが殆どない。あそこは北京の新宿。群衆がいないということはきっと自宅でテレビを見ていたのでしょうね。



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(読者の声3)貴誌にでたアメリカ政治に関しての書評ですが、あとどれくらい、アメリカの覇権が続くのか?
 西ローマ帝国は滅亡までに400余年、東ローマ帝国はその3倍かかりましたから、次の覇権国家登場までの過ごし方は多様です。
どちらも国防が異民族頼みとなってイカレていきます。
東ローマではアッティラとオノーリアが典型で、旧覇権国家は女性に象徴されます。
アメリカがマイノリティのマジョリティ化が統計的に半世紀から一世代に短縮されたので、その分、旧来の覇権の形は時間枠が狭まりましたね。
    (MO生、相模原)


(宮崎正弘のコメント)今度のグルジア紛争で、米国はライスを派遣してリップサービスで介入するだけで、軍事的にロシアに手も足も出ない。
かの覇権帝国はカフカスに於いてはふたたび「TRADING PLACE」(主役交代)です。
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高森明勅先生 講演会「終戦の真実」

とき   8月30日(土) 18時〜19時30分 (開場:17時45分)
ところ  文京シビック3F 第一会議室(文京シビックセンター内) 
         東京都文京区春日1-16-21  03-3812-7111
      (東京メトロ丸の内線・南北線「後楽園駅」。都営三田線・大江戸線「春日駅」徒歩1分)
 http://www.b-academy.jp/b-civichall/about/about02_04.html
【参加費】 500円

先の大戦より63年。日本において、戦後 語られてきた終戦とは何だったのだろうか?
既存のメディアや教科書を通じて流布されていた いわゆる「終戦」とは異なる「終戦の真実」を日本文化総合研究所代表の高森明勅先生が語ります。

高森明勅(たかもり あきのり)先生
 1957(昭和32)年 岡山県倉敷市生まれ。
 國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。國學院大學日本文化研究所研究員、拓殖大学客員教授などを歴任。現在、日本文化総合研究所代表、國學院大學神道文化学部と麗澤大学外国語学部講師を兼任するほか、防衛省統合幕僚学校で「国家観・歴史観」の講座を担当している。日本文化チャンネル桜キャスター、!)國神社崇敬奉賛会顧問、「新しい歴史教科書をつくる会」理事、『新しい歴史教科書』執筆者、神道宗教学会理事ほか。小林よしのり氏が責任編集する季刊誌『わしズム』に連載している。
著書に『日本の可能性―神話と歴史が語る「飛躍と持続」』(モラロジー研究所)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)、『天皇から読みとく日本』(扶桑社)、『この国の生いたち』(PHP研究所)、『はじめて読む「日本の神話」』(展転社)、『歴史から見た日本文明』(同)、『天皇と民の大嘗祭』(同)などがある。
 
メール:morale_meeting@yahoo.co.jp
【主 催】 士気の集い・青年部 TEL 090-3450-1951 FAX 050-3027-1486
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宮崎正弘の最新刊
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ)
   (全332ページ、写真多数、定価1680円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4484082187/
(上記サイトから申し込めます。送料無料)
 
『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 重版出来!
(↓下記アマゾンから申し込めます。送料無料)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4890632298/
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宮崎正弘・黄文雄共著
『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1575円)
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 宮崎正弘のロングセラー
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』(KKベストセラーズ、1680円)
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、1680円)
『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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