国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/08/17


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)8月17日(日曜日)
通巻第2292号  (日曜版 その2)
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 上海でまたバスに爆弾テロか
   浦東地区のバスが突如、大音響とともに炎上
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 8月15日午前11時32分、上海の金融街浦西から大橋へ向かっていた公共バスが、突如大音響と共に爆発し、火災が発生、乗客30数名は逃げ延びたらしい。死者はいない模様。

 上海では五月五日にも公共バスが爆破し、十五名が死傷した。
 五輪サッカー会場の上海体育館付近は異常な警戒がつづき、2010年の上海万博会場も、まだ土地基盤整備工事の段階だが、ガードマンが見張っている。
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(((((((((( 樋泉克夫のコラム )))))))))

【知道中国】
   ――中華思想は溺れる者が掴んだ藁だった
               『大清帝国』(増井経夫 講談社学術文庫 2002年)

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北京五輪開会式典の口パク美少女、夜空を彩るニセ花火、漢族の子供による少数民族衣装ショー、各会場を揺るがす「加油(ガンバレ)」の絶叫――これらは凡て中華思想がなせるワザということだろうが、肝心の要の中華思想なるものが解ったようで判らない。

そこで謹厳実直な歴史学者で知られる著者に見解を求めると、いわく「おしよせてくる近代の洪水に溺れるものがつかんだ藁、それが中華思想だった」ということになる。
清代を「過去の中国の集積」と考える著者は、「旧中国の終末を、政治では官僚組織を皇帝への奉仕に統一した強力な体制と、経済では銀を主軸とした商品流通の盛大とに焦点をあわせ、その一つの極限を描写し、これを崩すものとしての外国の軍事と経済の進出、自国の農民の抵抗、市民の優勢の三者を取り上げ」て、270年におよぶ清朝の歴史を過不足なく描きだし、「過去の中国の集積」は必然的に「おしよせてくる近代の洪水に溺れ」ようとしていた。
だから中華思想という「藁」を捉まざるをえなかった、と解き明かす。

女真族の一部族にすぎなかった満州族は明末の混乱期に長城を越えて北京に押し寄せる。
北京占領によって彼らの栄華の時代が幕を開け、やがて敵対勢力や不満分子を一掃し、チベットから新疆までも併合し、現在の中国の原型ともいえる広大な版図を押さえ、盛況・絢爛の時代がはじまった。
有史以来の中国の伝統がものの見事に凝縮され結実した清朝の出現である。
だが、やがて西方から怒涛のように押し寄せる西欧列強(=近代)の前になすすべもなく屈し、黄昏の時を迎えざるをえない。
そして、漢民族による漢民族のための国家を目指し「種族革命」を掲げる革命勢力によって、辛亥の年に当たる1911年には「過去の中国の集積」としての清朝の命運は尽きたのだ。どうやら中華思想とは、漢民族が漢民族の絶対優位を守りながら満州族をも含む少数民族を従え清朝の版図をそのまま継承することの正統性をうちだすために“発明”された考えということになりそうだ。

本書で清朝の勃興から栄華を経て落日へと向う歴史の歩みを知ることができるが、著者は「案外に日本の読者を安心させるものらしい」公式論を「つとめて避けたので」、内容が「さらに歯切れの悪さをましたようである」と危惧する。
だが、さりげない表現ながら、過去から現在へと貫かれる中国社会のカラクリをズバリと解き明かしてくれる。
「(異民族王朝の清朝成立は)たんに軍事力が強大になったというだけでは説明がつかない。これに対応する中国人の社会にも、その統治を拡大する要素が含まれていただろうし、民族間の噛み合せにも工夫がこらされていただろう」
「実は、政府はこれ(=歴代の中華帝国を支えてきた農村の秩序維持を担ってきた「村落連合」)と癒着することでその政権を維持したので、郷党の父老という共同体の指導者こそ専制支配の柱だった」
「国家は直接の支配よりも組織を通じての間接支配に自信を強め、商工業はその自主性によっていっそうの発達をもたらしたのである」
――以上の分析に接すると、清朝の支配システムを踏襲しているがゆえに共産党政権が命脈を永らえている理由が浮かんでくる。
それにしても「おしよせてくる近代の洪水に溺れるものがつかんだ藁、それが中華思想だった」の意味するところは重い。
   《QED》

(ひいずみかつお氏は愛知県立大学教授。京劇と華僑の研究では第一人者として知られる。このコラムは氏が特別に小誌のために毎回、書き下ろしです)。

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(読者の声1)貴誌通巻第2290号で日本へやってきた中国人留学生のなかで、卒業後も、日本で就職した人の数の多い職種として情報処理業界を挙げ、「。。。情報処理は、逆に中国人のコンピュータ・スキルを求め、しかも安く雇えるからという企業のニーズにマッチしているからだ」とありますが、これは不正確です。
日本への留学生で卒業後日本の情報処理業界に就職した場合、同等の学歴の日本人との間で賃金差別は私の知る限りありません。
給与体系が確立していて自由の利かない大企業が、ともかく中小の情報処理会社に就職した場合、数年後には逆に中国人の方が給与が良くなります。
中国人従業員の場合、ほんの少し給料が良いだけで、気軽に転職するので、技術を身に付け使い物になるようになってやめられてはこまるからです。
事実は詳細に潜むといいますが、怖いですね
   (ST生、神奈川)


(宮!)正弘のコメント)こういう現場の声をもっと聞きたいですね。いかに使い物にならないか、を。



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(読者の声2)何時もワクワクしてメールマガジンを拝読しております。
 8年もアメリカに行かれてないと記されておりましたが、心配です。アメリカは影でコソコソ、表でザワザワ動くのが得意な国です。
コソコソ部分を見出して我々に教えていただきたいと思います。
アメリカは世界で一番自国を正当化することがうまいイギリス系の国ですから、なにを企んでいるのか多くの日本国民はしらないのです。
        (VY生)
  

(宮!)正弘のコメント)アメリカにいて、却って見えないものもあれば、日本から静かに観察しているとみえてくるものもあります。
 アンテナはつねに立てておりますが。。。。



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(読者の声3)先生が米国によく行っておられたとは知りませんでした。
世界は国際経済の広がりと資源問題、核拡散、民族主義の勃興で米国の影響力は相対的に落ちていると思います。
今後、南米に核が持ち込まれると、米国は巨大ではあっても世界を管理したのは遠い昔という地域国家になるのではないかと心配です。その前に日本は核自衛しなければ。
以下意見です。

貴誌前の号の(読者の声2)に、
「少子高齢化、日本民族は衰退する。米国でもPh.D取得者の半分以上は外国生まれで、米国のハイテク力を維持するために優秀な海外からの人財に優先して労働ビザを与えている。我が国も能力低下、人財不足、国力増強のためもっと多く優秀な外国人を入れるべきである」
とありました。

意見:日本が少子化だから、外国人を入れるという意見には反対だ。というのは彼らの目的と役割は、日本の富を本国に送ることだからだ。
帰化してもその理由は金のためである。
母国を捨てる人間は日本の金がなくなれば簡単に日本を捨てるだろう。日本の国防義務など真っ平御免である。要するに頼りにならない旅ガラスなのだ。
   (MC生)


(宮!)正弘のコメント)ドイツが不況に陥ったときトルコ移民の何割かにかえってもらった。東西統一のときに北朝鮮やベトナムなどから東ドイツへきていた労働者の帰国問題も浮上した。前者は70万人ほどのトルコ人(大半がクルド族だったらしい)。帰国保証そのほかで、巨額をだして帰国させて、何年かしたらまた舞い戻っていた。
 ドイツはいまや二割が外国人です。ゲルマン主義はどこかに消えて、ドイツのアイデンティティは失われるに至った。



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(読者の声4)日本にすでに中国共産党の支部が10以上あることを確信。
日本での中国共産党の支部づくりは、着々と進んでいる。確実なのは、中国共産党規約(第九章)党グループにより、中国大使館党グループ、中国大使館勤務員支部、大阪中国領事館党グループ、大阪中国領事館勤務員支部、名古屋中国・・・と組織があることだ。
日本共産党にも、中国支部(赤旗特派員、在中国日本共産党代表)、ヨーロッパ支部(赤旗特派員、在ヨーロッパ日本共産党代表)などの支部があるのだから、中国共産党も中国共産党規約に則り、支部が絶対にある。
日本の中国共産党の支部は、毎週、支部会議を開催し、人民日報などに掲載される、幹部の論文を学習する。
民主集中制などで、無条件に従わなければならない。
日本の自民党や民主党が方針を打ち出すのとは違う。世界中の中国共産党員が、基本的に、党の中央の文書を一週間以内に学習するのである。
たとえば、中国共産党の本部が、法輪功を五輪会場に入れるなと指示を出せば、一週間以内に、世界中の中国共産党員がその趣旨などを学習する。党員は、人民日報の購読が義務なのだから、徹底は早い。
私の予想では、現在の日本に、中国共産党の支部は百以上ある。
いつの日か、日本に中国共産党の事務所が公然と登場するであろう。現在の日本には、アメリカ民主党と共和党の事務所が公然とあるが、彼らは、政治活動はしない。日本の民主党員と共和党員の面倒を見るだけである。
それに対して、中国共産党は、政治活動を行う恐ろしい組織である。早いうちに中国共産党に崩壊してもらわなければならない。
      (KA生) 


(宮!)正弘のコメント)重要な情報でした。
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日本保守主義研究会から講演会のお知らせ
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8月30日(土曜日)に岩田温の新刊本『チベット大虐殺と朝日新聞』の発売記念講演会を行います。
 今年三月に起こったチベット蜂起は世界に大きな衝撃を与えた。自らの民族の独立と信仰のために立ちあがったチベット人の姿に、世界中の注目が集まった。日本国内でも中国の人権弾圧に対して大きな批判の声が上がった。
しかしここで一つの疑問が沸いてくる。日頃「人権」を声高に叫ぶ朝日新聞は、中国のチベットに対する人権弾圧をいかに報じてきたのか、と。
 本書は戦後に朝日新聞がチベットについて報じた記事約6000件を徹底検証。そこから明らかになったのは、朝日新聞のチベットに対する冷酷な眼差しと、一貫した中国礼賛の提灯記事の実態であった。
戦後日本は何故チベットに無関心であったのか。その原因は中共に媚び諂い、真実を隠し続けた朝日新聞にあったのだ。今こそ、朝日新聞の呪縛から自由にならなければならない。

●日本保守主義研究会講演会「チベット大虐殺と朝日新聞」
 講師:岩田温(拓殖大学客員研究員)
 日程:8月30日(土曜日) 14時開会(13時半開場)
 場所:神宮前穏田区民会館(渋谷区神宮前 6‐31‐5)
(アクセス:JR山手線原宿駅より徒歩6分。地下鉄千代田線明治神宮前駅四番出口より徒歩2分)
会場分担金:2000円(学生無料)
 
参加申し込み、お問い合わせは事務局まで。当日直接お越しいただいてもかまいません。
※尚、当日は会場にて新刊『チベット大虐殺と朝日新聞』(税込1575円)を特別価格1200円にて販売いたします。
 TEL&FAX 03(3204)2535
        090(4740)7489(担当:山田)
メール  info@wadachi.jp

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宮崎正弘の最新刊
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宮崎正弘・黄文雄共著
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『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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  • 名無しさん2008/08/17

    日本人が日本の良い面を語ると「ナショナリズム」と言われる、平和の祭典?で各国が自国の衣装を誇り、国旗の下に参加するこれも「ナショナル」が有っての祭典、日本のマスコミは「日本人」が日本を褒めると「歪なナショナリズム」「軍靴の足音」定番言語で批難、中国・韓国・北朝鮮の本物の「歪なナショナリズム」には一言もない、公平が売り物のマスコミ「公平」にモノを見る癖をつけなきゃダメでしょう。(子供を諭す様に言わなきゃならないのがつらいですね)。