国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/08/16


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)8月17日(日曜日)
通巻第2291号  <日曜版> 
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

<<< 今週の書棚 >>>


 アメリカをめぐる対照的な二冊
      ブッシュを前向きにみるか、退嬰的とみるか

   ♪
越智道雄『なぜアメリカ大統領は戦争をしたがるのか?』(アスキー新書)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

 いつもながらの精緻な分析とユニークな見解で本書はなっている。
でも米国大統領って、なぜあれほど戦争をしたがるんでしょうかね。世界一の軍事力を背景に、米国大統領の仕事の、もっとも魅力的なポイントだから?
 本書では「王様」への憧れが心理の基底にあるのではないかと説く。
 越智教授、明治大学を定年退職されてから、またまた文章に迫力がでた。歴代大統領批判、辛口である。
 曰く。「ワシントン、ニクソン、クリントンの違いを述べよ」
 「ワシントンは嘘がつけず、ニクソンは真実を語れず、クリントンは嘘と真実の区別がつかなかった」。
 とくに本書は予備選でのオバマvsヒラリーの対立構造、支持基盤の思想的背景、支援する団体やグループの主張や人脈をほりさげてゆく。

 ところで評者(宮崎)がアメリカに行かなくなった理由は、アメリカにちっとも魅力を感じなくなったからだ。
2000年の秋にNYに行ったのが最後で、爾来、八年の歳月が流れた。
 この国に学ぶことは、もうないような気がした。
 ちょうどクリントンが大統領に選ばれたときで、この程度の人物が世界一の軍事大国を引っ張るのかと思うとぞっとしたことも思い出す。
 アメリカに最初に行ったのは建国二百年祭を控えて、燃えていたアメリカで、ベトナム反戦の後遺症からも立ち直ろうとしていた。活気があった。
 全50州とは行かないが、随分と奥深い南部も、ケネディ暗殺現場も、いっときはレーガン政権のプログラムに招かれてクレアモント研究所に一ヶ月滞在した。
議論がエネルギッシュで、学説も新しく、日本人の発想にない斬新さ、戦略性に惹かれた。随分と議論をして周り、著名なひとびとにインタビューに出かけたり、帰りにはどっさりと書籍を買い込んできたものだった。
ネオコンもリベラルも、議論が白熱すると我を忘れた。
 爾来、年に何回も、大統領選挙、中間選挙の度にも地方をのぞき、民主・共和両党の集会やパーティにもでた。
 ふぅと憑きものがおちたかのように、そうしたアメリカ的なものが遠い世界に見えた。新しい摩天楼も美術館も町並みやボランティア風景も、見慣れてしまったのか新鮮味が急速に色褪せ、評者の視界から遠ざかったのだ。
代わりにわが視界に原色の風景と活気とで忽然と飛び込んできたのが、改革開放で「人間のかお」をし始めた中国だった。



   ♪
高山正之『ジョージ・ブッシュが日本を救った』(新潮社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
 
 この本は大評判『週刊新潮』の巻末激辛コラム「変見自在」をまとめた第三集。
 『サダムフセインは偉かった』、『スーチー女史は善人か』と前二作が日本の保守論壇、読書人に喝采と共に受け入れられ、本書が第三弾。そのあと来年二月には四冊目もでる(らしい)。
 高山さんの読者ならすでにおわかりのように、基本はかなりの反米論調で、しかもアメリカの押しつけた歴史観、東京裁判史観断固拒否。イラク戦争は間違い、スーチー女史を英雄視するのも間違いと声高に主張してきた高山氏。ところがなぜ今度の題名は「ジョージ・ブッシュが日本を救った」ことになるの?
 その答えを書いてしまったら本書を繙かないひとも出るだろうが、要するにクリントン批判が前段にあって、悪徳弁護士たちのマッチ・ポンプという社会の歪んだ構造を理解しないと、この方程式は解きにくい。
アメリカに進出した日本企業に難癖をつけろと司法当局にクリントンが命じ、日本から絞るだけカネをしぼったのがクリントン政権の隠れた対日戦略だった。
 そうそう、あの閣僚名簿を思い出したが、95%が弁護士だったっけ。
 訴訟慣れしていないトヨタ、旭光学、ミノルタ、三菱自動車。片っ端から難癖を付けられての敗訴。クリントン系列のアメリカ人悪徳弁護士らはデタラメな論法で日本を攻めに攻めた。
 そして驚くなかれ、朝日新聞は日本企業が困惑し困窮していても不法な裁判を論評しなかった。
 結局、朝日新聞批判が基調なのである。
 そして、ブッシュはまるで百八十度姿勢を転換し、以後日本企業への悪質は裁判沙汰がピタリと止んだ。その経緯がいくつかのページに述べられている。だから本書の表題がでてくる。

 ところで高山ファンの皆様へ。
 10月6日、この新刊を祝って高山正之氏の出版記念会が都内で行われます。詳しくは後日、小誌でも告示する予定です。
     ◎ ◎ ◎ ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
<<<<<<<<<<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1)中共人の日本大量移住の記事に脅威を感じました。中川(秀直)議員が一千万移住で応援していますが、恐ろしいことです。
支那人の生殖能力はしたたかで古代黄河流域にいたのが、次第に周辺の民族を駆逐して居住地域を広げ現在の13億という巨大な民族に成長しました。
これに対して諸民族が抵抗していますがチベット人やウイグル人のように飲み込まれているのが現状です。
満洲人はほぼ消滅したといいます。
こうした中共の日本侵略に対する日本の対策は家制度の再開でしょう。そうすれば人口が増え社会が組織化されるので日本全体が強化されます。要するに放し飼いの放牧社会では外敵に滅ぼされるということです。
蟻や蜂が固体では弱いのに全体では強いのは、彼らが組織されているからです。人間も同じです。
だからこそ占領軍は日本独自の家制度を破壊したのです。
        (MC生)


(宮!)正弘のコメント)満州族のことですが、そもそも清朝は自らが漢化したわけで、清朝末期にいた満州八旗は、戦争中に分断され、日本に協力した粛親王など粛清された満族もあれば、毛沢東によってウィグルへ強制移住させられた組も居ます。
 旧満州に残った満族は、じつは可成りの数が戸籍申請で「漢族」としました。
 ですから表面的に満州族は消えてしまったかに見えるのです。
 吉林省から黒龍江省、内蒙古省へ行くと、かなりの数の満族がいますよ。



   ♪
(読者の声2)少子高齢化、日本民族は衰退する。米国でもPh.D取得者の半分以上は外国生まれで、米国のハイテク力を維持するために優秀な海外からの人財に優先して労働ビザを与えている。
我が国も能力低下、人財不足、国力増強のためもっと多く優秀な外国人を入れるべきである。
日本人の仕事が取られると言う短絡的な考えを持つべきではない。私の友人でそれぞれ東工大、名大、東大のPh.Dを持つ中国人達は日本のために貢献しているし、私の娘は米国のバイオ研究所で米国に貢献している。中国やインドを空っぽにしても精華大学、IIT, 北京大学の理工系学生を買い取った方が世界を制することになる。
   (OB生)
  

(宮!)正弘のコメント)異次元の議論ですね。日本文化の独自性を保つ話をしているわけで、外国人が表面上の帰化ではなく、本当に日本化したとき、朝青龍も某某も日本人ですから問題はない。
 頭脳は日本から流出を続け、日本帰りは某財務大臣のように頭の中がアメリカ化されてしまった。日本人なら靖国神社へ行く。そういう人材が欲しいですね。
 もうひとつ言えば東大に巣くう左翼既得権益組。カンとか、上野千鶴子とか、ああいう馬鹿を追い出して、それで日本がすきな外国人をいれるというのなら話は弾むでしょうが。。。
     ▽
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
((( 編集後記 )))
 せっかくの旧盆休暇のシーズンでしたが、雑誌の緊急企画やら新刊の追い込み作業に加えて休暇を返上した印刷所と雑誌があってゲラ校正などが重なり、ほかの人は軽井沢へ行っているのに小生は都内で仕事でした。
 例年の多摩川花火大会にもいけず、月末に三日ほど旅行することにしました。
  ◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
宮崎正弘の最新刊
 『トンデモ中国、真実は路地裏にあり』(阪急コミュニケーションズ)
   (全332ページ、写真多数、定価1680円)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4484082187/
(上記サイトから申し込めます。送料無料)
 
『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 重版出来!
(↓下記アマゾンから申し込めます。送料無料)
 http://www.amazon.co.jp/dp/4890632298/
  ♪♪
宮崎正弘・黄文雄共著
『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1575円)
  ♪
 宮崎正弘のロングセラー
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』(KKベストセラーズ、1680円)
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、1680円)
『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
    ◇
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
 ◎小誌の購読(無料)登録は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
 http://www.melma.com/backnumber_45206/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2008 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 名無しさん2008/08/17

    注目。日本人なら靖国へ行く。その一言です。天皇が行ける靖国であること。曖昧にしていいことと、はっきりさせなければならないことがある。物言わぬ戦時体験者の、生きている限りつづくこの悲しみ。その一言にかかっています。

  • 名無しさん2008/08/17

    日本は優秀な人材を入れなければダメと言う人が居ますが本当の日本の教育を受けていないから言える言葉でしょう、日本文化がいかなるものかを教える教育を出来れば日本には外国にない可能性を持っている。

    何もアメリカの学校で研究しているから日本の役に立つ?日本の為に成る勉強をしていないと日本のためでなくアメリカの為に働く事が国際人と言う「異様」な人間を作るのみ。

    次元が異なる正に「正論」でしょう。