国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/07/17


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)7月17日(木曜日)
通巻第2261号  
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 四川省「豆腐ビル」で犠牲になった子供の両親十人を拘束
   一方で「10万元やるから政府を訴えるのはやめろ」と圧力
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 AP(7月16日付け)が伝える。
 四川省大地震は多くの「豆腐ビル」を倒壊させた。就中、小学校、中学校の犠牲が多く、親たちは地方政府の汚職、共産党の腐敗に断固立ち上がって抗議集会を開いてきた。『汚職が手抜き工事を生んだのだ。責任をとれ』と。

地方政府前でハンガースト、座り込み。謝罪と補償を地方政府に要求する。共産党を非難する記事、激しい書き込みもネットにあらわれ、外国マスコミが、かなり自由に取材していた。

現場から外国記者が一人去り、二人さり。
 以後、「地震対策、とくに行政の対応の悪さをネットに書き込んで批判した五十名ほどが当局に逮捕され、およそ2500のウェッブサイトが閉鎖された」(ヘラルドトリビューン、7月17日)。

 「奇妙な十日間」と後日、NYタイムズが「中国は報道の自由に向かうのか」という予測記事を訂正して名付けた。民衆の不満のガス抜きを巧妙に行わせながら、治安当局は抗議する人間たちを観察していたのである。
これは共産党独裁の常套手段だ。

 ワシントンポストの北京前支局長だったフィリップ・パンは新著『毛沢東の影を離れて』(本邦未訳、サイモン&シェスター刊)のなかで、「中国はいわゆる“国家”ではなく“党組織―国家”だ」と表現した。

 両親の抗議集会を取材中だった共同、朝日の記者らが数時間拘束され、取材を妨害された事件は記憶に新しい。
 外国記者がほぼ現場から去って、いま何が起きているのか?

 15日に徳陽市にちかい汁方(シーフェン)で1000名の両親が集まって抗議集会を開催した。
「ラジオ・フリーアジア」が伝えたところでは集会に参加した十人の夫婦(ともに綿州から参加)が拘束されたという。

 地方政府は「(手抜き工事で)政府を訴えないという約束に署名すれば8万元の現金と3・8万元の生命保険を供与する」と署名を迫り、徳陽市政府は、十万元を提示したという。
民衆はうっかり署名したら最後、約束のカネが払われないことを知っている。

 北京からの取材に、どの地方政府は「抗議行動? もう起きていませんよ」と嘯いているそうな。
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(註 汁方の「汁」はにんべん、方にはこざと。)
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(読者の声1)貴誌通巻第2258号で,西部遭氏の著書『妻と僕 寓話と化す我らの死』の評を拝読いたしました。
昔々、「朝まで生テレビ」その他で拝見し,何故かとても惹かれるものがありました。
正にご指摘の「レトリックの魔術師」とともに「それ以外の何か」に惹かれたのだと想います。他者から西部氏への批判はどうにも的を射ていないと何時も感じておりました。
何冊か繰り返し読みました。
自分なりの理解が明確にできておらず具体的な内容はあまり記憶に残っておりませんが,その後氏の様な思想家に出会えていないのは事実です。
そして,久しぶりにこの『妻と僕 寓話と化す我らの死』を読みたいと想いました。
初めて氏の内面に触れることが出来る様な気がしております。そして,何よりも奥様のことが大きく内在している本書に,私は家内をオーバーラップさせております。
それが購読したい最大の理由です。
家内は私にとって,妻であるとともに,最良の友(真の親友),師,我が子,の如き存在で,かつ「異次元の扉」でもあります。そして,基本的に「カカア天下」の世界であります。
西部氏がそうであるかは知りませんが,兎に角久しぶりに氏の厳粛なるレトリックに翻弄され,もっと目を見開きたいと切実に感じた次第です。
    (OW生、大阪)


(宮崎正弘のコメント)意外なことに、いや当然というべきか、多くの方々から「メルマガに感想を掲載はして欲しくないが、家内のことを考えながら読んでみたい」「読んで、へぇ西部さんが愛妻家だったとは!」とか、日頃の本誌の読者の反応とは異なる感想がいくつか寄せられました。



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(読者の声2)福田もブッシュもサルゴジも、支那に批判的であった人権国家とされる首脳も出席する北京五輪開会式。
石原知事も北京五輪開会式出席を、特別チャーター機を使用しての出席が明らかに。
東京五輪招致のパフォーマンスとしての行動かもしれないが、私個人としては固辞していただきたかった。
今年、台湾を訪問した際も「四川省は原爆のメッカ」と述べていたし、北京五輪にしても「ヒトラーのベルリン五輪と似ている」と是々非々の発言を展開していた石原氏の発言行動と明らかに矛盾している。
今年の芥川賞選考にも欠席していた石原知事の姿勢がオリンピックという政治の世界で変節したのかと奇異な目で見られる事はあれども好意的な視線はそんなにないはずだ。
日本側のレセプションに出るだけならいいが、偶然、国家主席にあったら?
温家宝首相とすれ違ったら?
今でも石原知事の日本の保守層の影響力は強い為に支那にどう情報が報じられるか少し不安であります。
 個人的には作家、政治家としての石原氏を尊敬する姿勢には変わりはないが複雑な思いである。これまでの強行発言が水泡に帰す可能性も多分に含んでいます。
 福田にしても副官房長官を出席させる、石原知事には副知事を代理にする等の措置を取って頂きたかったというのが、一応人権を重んじるとされる祖国日本を代表する二人に恐れながら申し上げたい言葉である。
            (DA生、多摩)


(宮崎正弘のコメント)特別機? 何様でしょうかねぇ。小生は個人的には五輪の東京招致は反対です。あきらかにスポーツの政治利用ですから。



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(読者の声3)いつも感銘を受けながら、読ませていただいています。
さて関西でも、講演会を企画されませんか?
最新の中国の情報など、大阪や京都で講演されたら嬉しいですが。私は地方公務員ではありますが、何かご協力が出来ることがあればと思っています。
(YT生、関西読者)


(宮崎正弘のコメント)関西は先月も京都石清水へ伺いました。前に和歌山と京都の正論懇話会にもお邪魔しました。バブルの頃は、経済団体の例会の講師で、毎月大阪へ行っておりましたっけ。
 ただ近年の講演会は会員制が多く、したがって非公開であり、企業・団体の研修会であるため外部への公開をしていません。一般の方も参加できる講演会は、東京は多いのですが、なぜか関西は少ないですね。
 機会がくれば、小誌でも告示します。
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(サイト情報)住宅公社へのテコ入れ問題。
(1)連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は7月15日、上院の銀行・住宅・都市問題委員会で金融政策に関して証言した。
http://banking.senate.gov/public/index.cfm?Fuseaction=Hearings.Detail&HearingID=11c248ed-cfc8-4ec1-9b60-5236e882a0d0 
(2)またポールソン財務長官と証券取引委員会のコックス委員長は金融市場と規制、ファニーメイやフレディマックへの支援策を証言した。
http://banking.senate.gov/public/index.cfm?Fuseaction=Hearings.Detail&HearingID=8f6a9350-3d39-43a0-bbfb-953403ab19cc 
(3) ブッシュ大統領はホワイトハウスで金融・住宅問題やエネルギー問題などに関する記者会見を行い、ファニーメイやフレディマックの支援策を議会が早急に立法化するよう求めた。
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2008/07/20080715-1.html 
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 宮崎正弘の新刊予告
   7月31日発売予定! 1680円!

 『トンデモ中国、路地裏の真実』(阪急コミュニケーションズ刊)
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中国全土をもれなく踏査、ガイドの指さす反対の裏町で何を見たか。宮!)中国見聞記の集大成です。七月下旬発売予定。    

        目次
プロローグ  本当の中国旅行の醍醐味

第一章いざ華北へ(河北省、北京、天津、山西、河南、山東省)
北京の上手な歩き方(五輪後のスポットは?)
河北省の穴場は秦皇島から保定
天津は日本人好みの穴場がたくさん
山西省は仏教の町、心が安らぐ場所が多い
山東省は軍人と孫子と孔子
     こころの故郷・洛陽から開封へ(農業大国 黄河の中心文明・河南省)

第二章旧満州(東北三省<黒龍江、吉林、遼寧+内蒙古省>はいま)
満鉄幹線の沿線をゆく(大連、瀋陽、長春、ハルピン)
満蒙開拓団の強者どもの夢の跡
激戦地(ソ連国境を歩く)ノモンハン
ロシア国境と朝鮮族自治区
内蒙古カラチン府

第三章華中(上海メガロポリス=上海、江蘇、浙江省、安徽、湖北、江西省)
上海の裏町を往く
江蘇省から浙江省まで(魯迅、蒋介石、鑑真)
胡錦濤の故郷(安徽省から革命発祥の江西省まで)
湖北省・武漢作戦の址はいま?

第四章 華南の地へ(広東、福建、広西チワン自治区、湖南、海南島)
商人の都・広州と華僑の故郷の歩き方
台湾の対岸・福建省と客家土楼
革命烈士を輩出した湖南省を巡回
ベトナム国境・広西チワン自治区
流民と流刑と少数山岳民族の海南島へ
     
第四章シルクロードの旅へ(新彊ウィグル自治区、峡西、甘粛、寧夏省)
延安は革命神話への物見遊山で人混み
敦煌とその周辺、砂漠の文化と蜃気楼
西夏文字の銀川、河西回廊
古都・西安の歩き方(イスラム、胡人文化と砂漠のオアシス)

第五章西南地区は辛い料理と山菜(貴州、雲南、四川省、重慶)
重慶は宇宙都市
貴州省は太陽がでると犬が吠える
雲南省は少数民族の坩堝
激辛・四川料理の食べ方

第六章チベットとその周辺(西蔵、青海省)
ポタラ宮で考えたこと
青蔵鉄道とチベット寺院

第七章香港、マカオ
国際金融都市・香港と人工都市急膨張の深せん
不夜城の博打場 マカオ

 エピローグ 中国旅行は危険がいっぱい
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(休刊のお知らせ)小誌は7月19日―23日を休刊します。
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宮崎正弘の新刊 
『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円) 重版出来!
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宮崎正弘・黄文雄共著
『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1575円)

 宮崎正弘のロングセラー
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『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』(KKベストセラーズ、1680円)
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、1680円)
『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『出身地でわかる中国人』増刷!(PHP新書)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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  • 名無しさん2008/07/18

    常に楽しんでしかも真剣に読んでいる。