国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/06/05


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)6月6日(金曜日) 
通巻第2212号 (6月5日発行)
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 中国、メディア管制を強化。外国プレスを遺族取材から疎外
  シャロン・ストーンの失言を犠牲のヤギに方針を静かに転換
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 ロスアンジェルス・タイムズ(6月5日付け)がようやく冷静な分析を始めた。
 中国のメディア管制の戦術が転換しており、小学校の倒壊現場で遺族を取材する外国マスコミを規制し、さらに遺族の抗議集会を無理矢理に解散させた。

小学校の倒壊と遺族の訴訟問題を、共産党の腐敗と結びつける分析を完全に封じ込め、さらには核施設の被災は一切報道させないでいる。

書き込みも規制を強化し、党への批判や物資の横流し、つまり党と軍への不満や批判は許さない方向へ切り替え、統制に乗り出したのだ。
これで地震以前のマスコミ管制と同じレベルに静かに転換しているわけだが、それをシャロン・ストーンの失言を梃子に利用したのである。
 百八十度の変更と前向きに評価したNYタイムズも、フライングでしたね。

ハリウッドの本場で有力メディアの「ロスアンジェルス・タイムズ」は、中国共産党のメディア統制は、きわめて洗練された戦術をつかうようになった、と分析している。
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(お知らせ1)6月6日(金曜日)1300−1440 ラジオ日本「ミッキー安川のずばり勝負」に宮崎正弘が生出演します。関西方面のリスナーは午後二時まで。 

(お知らせ2)6月11日(水曜日)2300−2400 チャンネル桜「防人の道 こんにちの自衛隊」(キャスター井上和彦)に宮崎正弘が出演します。あいだの30分ほど。
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(読者の声1)貴誌2211号にあった、日高氏とキッシンジャーの関係。
「○○レポート」と銘打って月に一度放映されておりますが、いつからかは、はっきり記憶有りませんが、この所、毎年正月にキッシンジャーが出演まるでキッシンジャーの年頭教書という趣旨で放送されております。
近年特に記憶に有るのは北朝鮮の核が表沙汰になる前のキシンジャーの日本の核武装についての発言でした、日本には核武装の権利がありいつ核を持っても驚かないと繰り返していました。
今年の発言は日本が核武装するのは見たくないと、しかしこれは日本の選択することで我々には関係ないとの意味か?
これが以前からの本心だったのでしょう、日本政府の動きに対していったのかは、わかりませんが?
      (秋月抱えの大筒)



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(読者の声2)“品格ある国家”と聞くとそんな風なタイトルの本が最近あったなあと思います。しかし実は今から十七年前に村松剛氏が 【「品格ある国家」とは何か】 と題した論文を発表していました。
つまり最近出た或る本のタイトルは、当時エネルギッシュに飛び跳ねていた野田秀樹の戯曲の科白の一節‘ルノアールの薄い紅茶’、つまり“二番煎じ”だったのです。
 村松氏は1991年夏のソ連のクゥ・デタの時南アにいて同地のソ連大使館から、あんなクゥ・デタは数日で瓦解してゴルバチョフは一週間以内にモスクワに戻る、と聞きその通りとなったので驚いたとその中に書いています。
村松氏が驚いたのはソ連の官僚機構がすでにひび割れKGBでさえクーデターを支持していないと判ったからでした。
ソ連はその年末に崩壊しますがその直前に書かれた同論の中で、「日米間には共通の価値観や、それにもとづく太い感情的な絆がない。冷戦が終われば不沈空母など(大勲位首相がその当時日本をそう喩えました)、スクラップにされる運命かも知れない」と警鐘的に述べています。

マッカーサー大将の甥で駐日大使を務めた外交官は村松氏に1960年の日米安保条約改訂案を米議会で通すのは苦労したと語ったそうです。
当時のアメリカは48ヶ国と同盟条約を結んでいましたが片務条約は日米間の条約だけだったのです。
米議会はソ連の脅威に対する保塁として日本列島を観ておりこの“逆不平等条約”を通したのでした。しかしアメリカの“厚遇”は日本を「保護領」にしてしまったと村松氏は嘆きます。
村松氏は「保護領」としての枠を脱して日本がアメリカに協力し、自衛隊を海外に派遣すれば、それは集団的自衛行動になり、集団的自衛行動や集団的安全保障を日本の現行憲法は禁じておらず、昭和26年のサンフランシスコ条約は日本が主権国として「個別的又は集団自衛の権力を有すること」「集団的安全保障取極を自発的に締結することができること」を第五条でみとめている、と論展しています。
しかし日本政府は野党やマスコミに騒がれることを嫌って集団自衛行動や集団安全保障を否定する憲法解釈を変えようとしませんでした。
村松氏は「(日本は)アメリカの保護領的国家としての地位に甘んじてとどまって来た」と難じます。

福田赳夫首相がソ連が東欧と極東に配備した中距離ミサイルSS20を知らなくて西ドイツのシュミット首相を仰天させたエピソードを村松氏は引いて、「保護領国家ではSS20を知らなくても首相の役はつとまる」と痛罵するのです。当時福田赳夫首相の秘書だった康夫氏はその時の‘赤っ恥’を覚えているでしょうか? 

村松氏は日米間の歪(いびつ)な片務条約を成り立たせた米ソ二極間の冷戦構造が崩壊したら日本は憲法解釈を変えて「品格ある国家」に変身することを期待しました。
日本は体質的に孤立しやすくそれだけに機敏な政治的対応が孤立をふせぐために必要だと案じ心配しました。
しかし日本はいまだに保護領のままサミット会議に加わり恬として恥じていないのです。
村松氏はこれを「世界史上の珍事」と表現しました。
福田康夫氏は親子二代に亘り首相となりましたが、父赳夫氏とともにかいた‘赤っ恥’を忘れて、サミット会議の議長を務めることを父の宿願と固執しているとは「世界史上の珍事」を遥か通り越し「宇宙史上の珍事」と呼称すべきでしょう。村松氏は泉下で目を剥いていることでしょう。。。。
   (有楽生)


(宮崎正弘のコメント)宇宙史上の珍事ですか、その赳夫総理、虐められると喜ぶという意味でも、顔ばかりではなく、「のびた」に似ていますね。
 SS20の脅威をシュミットが来日して大平首相に説明したところ、大平は「ああ、ううぅー」と意味不明に唸った。それで、大平無能論が出てきたのですが、真相は藪の中でしょう。



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(読者の声3)チベットの騒乱が孤立した現象で終るはずはありません.次はやはり東トルキスタンでせう。
ここはイスラム過激派も入り込んでゐるでせうから,単なる抗議行動だけではなくテロも計画されてゐると思ひます.最も効果的な時と場所を選んでゐるのでは。
チベット,東トルキスタン,内モンゴルなど,所謂自治区に漢民族が軍事力を背景に大量に移り住むと言ふのは,明白は侵略であり,乗っ取りです。
これに対する民族の恨みは深く強いものがあると思ひます。当然、機会があれば復讐しようとするでせう。
支那が経済発展し,五輪や万博などと言ふ大きなイベントを主催するやうになると、それだけVulnerability が増します。中共政府も大変ですが,かう言ふのを自業自得と言ふのでせう。
(NN 生,横浜市)


(宮崎正弘のコメント)世界的規模でシャロン・ストーンの人気が巻き返しています。ヒラリーも土壇場でチベット支援を明言すれば、オバマごときに負けることもなかったのでは? ですからヒラリーも「自業自得」。宇宙のカルマの仕業、ですか。
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(三島研究会、国防研究会合同「公開講座」のご案内)
6月17日、高山正之氏の公開講座は下記。
http://mishima.xii.jp/koza/index.html
 (あと数席、余裕があります。予約はお早めに)
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宮崎正弘の新刊
『北京五輪後、中国はどうなる』(並木書房、1680円)
 6月15日全国一斉発売。都内主要書店は10日に並びます。
 サイン本予約は締め切りました。宮崎いわく。「三百冊の署名は疲れて、読めないような字も書いてしまった」。

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(( 発売中の新刊 ))
 宮崎正弘・黄文雄共著『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1500円プラス税)
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(((( 宮崎正弘のロングセラーズ ))))
 http://www.amazon.co.jp/s/?ie=UTF8&keywords=%E5%AE%AE%E5%B4%8E+%E6%AD%A3%E5%BC%98&tag=yahhyd-22&index=stripbooks&field-adult-product=0&hvadid=10385707041&ref=pd_sl_2hw8hjkvl8_e
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』五刷!(KKベストセラーズ、1680円)
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、1680円)
『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『出身地でわかる中国人』増刷!(PHP新書)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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(休刊のお知らせ)地方講演旅行のため、小誌は6月8日―10日が休刊です。
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2008 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
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  • 名無しさん2008/06/06

    ヒラリーさんがチベット問題に言及していたら、ですか。おもしろい視点ですね。ヒラリー女史敗退と民主、共和対決についてぜひまたご意見をお伺いしたいと期待しています。

  • 名無しさん2008/06/06

    ヒラリーとシャロン・ストーン比較、面白です。ヒラリと身を交わせないほど深入りしているんでしょうね。

  • 日本人2008/06/06

    欧米での報道あるいはブログに見られる鋭い切り口で現地報道をする記者が日本に見られず残念です。避難民は気の毒ではあるが、核問題、ミサイル発射実験等日本に対する危機感が薄いとしか思えない。倒壊した校舎の砂利に首まで埋もれた高校生3人の遺体の写真等、監視の目をくぐって鋭い切り口の海外現場報道を見るにつけ枝葉末節に終止する日本の報道に物足りなさを感じる。

  • 名無しさん2008/06/05

    関西方面の放送は随分前から終了しました。宮崎さんのお話が聞けなくて残念です。メルマガが唯一の楽しみです。

  • 名無しさん2008/06/05

    中国共産党に対する私の見方は、中国共産党は虐待・虐殺の恐怖政治を継続し、中国共産党一党独裁の継続を計る。言論・結社の自由は中国共産党一党独裁政権が崩壊しない限り訪れないでしょう。



    また、キッシンジャーについては、中国共産党政権を代弁するロビイスト。日本にとってはペテン師です。日中の利害が相反することで、中国の利になる言動はしても、日本の利になる言動は決して行わないと確信します。その根拠は、小生のホームページ、http://higejihchan.my.coocan.jpの書評と本の紹介ページの中国に関する本とキッシンジャーに関する本の書評で明らかにしています。