国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/05/24


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)5月24日(土曜日)
     通巻第2199号  
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やっぱり核弾頭ではないのか?
 瓦礫の下に核物質がまだ十五個、不明
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 まずは日本経済新聞の記事(5月24日付け)。
 【北京=佐藤賢】中国環境保護省は23日、四川大地震による核関連施設の倒壊などで50個の放射性物質に安全上の問題が起き、35個を回収したものの、15個が倒壊ビルなどの下に埋もれて未回収の状態にあることを明らかにした。記者会見した呉暁青次官は「放射能漏れ事故は発生していない」と強調したが、被災地では核汚染への懸念が広がりそうだ。

 環境保護省は20日にがれきなどに埋もれた放射性物質32個を発見したと発表したが、22日昼までに専門チームが調査を続けた結果、放射性物質の数は50個に増えた。未回収の15個のうち12個は倒壊の恐れのある建物の中にあるため近づけず、3個はがれきの下に埋もれているという。同省では回収を急ぐとともに、四川省以外での調査を続ける」。 

 同日付けの朝日新聞。
 「15個のうち3個はがれきに埋まって回収不能というが、これらが具体的に何を指すのかは明かさなかった」。
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(読者の声1)貴誌2197号の「読者の声3」への貴台のコメント
>日本の国際政治学は、永井陽之助あたりから変質しているのではありませんか?<

 貴見に全面的に共感。
 それを実証的・論理的に暴く国際政治学者の居ないところに、日本の当該分野の学の貧困さを思います。因みに永井さんは丸山真男門下でしたね。
 アカデミックな世界がこんなていたらくだから、あのダメ親父の発想を後生大事に現在に持ち出した、福田首相のノーテンキな「太平洋内海論」が出てくるのでしょう。
(SJ生)


(宮崎正弘のコメント)おりもおり、メドベージェフが北京を訪問し、中ロ新時代を謳っているというのに。現状分析に於いて、我が国政府の考え方は、素晴らしいほどのパラノイア楽観論です。

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((((((( 資料 ))))))

台湾人はこれから国民党の弾圧と中国の恫喝に怯えながら生きていかね
ばならない。これが民主選挙で人民が選んだ道なのである。


[AC通信:No.234] (2008/05/21)より転載。
[AC論説]No. 234 国民党の復讐と粛清が始まった

馬英九の就任式が昨日のことだが、一時間後には既に台湾人に対する弾
圧と粛清が始まっている。一党独裁のもとで行政、立法、司法、軍部警
察を抑えてしまった新しい国民党政権は、民進党だけでなく台湾人全体
を抑えこみ、国内はもちろん、中国政策でも民間の意思を無視できると
意気込んでいる。第二次の白色恐怖が始まったと言う人もいるが、独裁
だから勝手に人を裁き、剥奪できる。

台湾人はこれから国民党の弾圧と中国の恫喝に怯えながら生きていかね
ばならない。これが民主選挙で人民が選んだ道なのである。

●馬英九就任演説の裏を読む

馬英九が当選したあとすぐに「馬英九の神格化」が始まった。あるもの
は彼を英明な領袖と言い、クリーンで正直で、台湾を愛する総統という。
彼の就任式の講演を台湾を愛する民主的な演説と持ち上げ、7割の人民
は彼の政策に賛成であると報道している。愚民政策が始まったのである。
馬英九の講演を好意的に報道したものが多いが事実は大いに違う。彼の
講演には陰険なメッセージが含まれている。馬英九の講演はすでに公表
されているが、以下は私の解釈した講演の含意である。

【民主の意義】人民はメディアの宣伝を信じて陳水扁は無能と思い、民
進党を信頼せず、経済は衰退したと信じた。人民はクリーンな政治と経
済開放を求めた。私の経済開放では、台湾が再び国民党の選り取りみど
りとなった。これが台湾人が民主選挙で私を選らんだ結果である。国民
党独裁が民主政治の結果なのである。ザマァミロ。

【新しい社会】台湾解放が私の政策である。規制緩和で台湾の優位性を
発揮させる。野党に成り下がった民進党と奴隷になった人民は大人しく
独裁与党に従うべきだ。与党の政治は「クリーンで清廉」だ、だれにも
異議は許さない。民進党政治では蒋系中国人は賄賂がとれなかったが、
新社会になれば蒋系中国人の独裁であり、次はわれわれの番だ。

【中台関係】民進党の武器購入は蒋系中国人に利するところがなかった
からボイコットしたが、これからは国会で国防予算を通してやり放題に
搾取できる。しかし中国は別である。中国が介入すれば蒋系中国人の利
得が減るから反対である。「現状維持」とは、われわれ蒋系中国人が台
湾における利得を得ることで、中国人と分け合うつもりがない。

【台湾と中華民国】蒋系中国人は台湾人ではない。独裁だから昔のよう
な搾取も可能だから、蒋系中国人は台湾を棄てない。アメリカが守って
くれる、台湾人が中華民国を擁護するかぎり独裁は安泰である。

●一時間後に陳水扁を調査?

馬英九の就任式から一時間後に、台湾の検察当局は20日、総統府の機
密費を不正流用した疑いで、陳水扁前総統の本格的捜査を始めると発表、
総統府にある証拠書類などの提出を新政府に求めた。さっそく復讐と粛
清がはじまったのである。

検察は陳氏が総統府を出た約一時間後に捜査開始を公表した。近く陳氏
の事情聴取を行うとしており、陳氏の海外渡航を禁じる手続きも取って、
顔写真などを空港や各地の港にも配布した。すでに犯罪者扱いである。

総統には国防機密費が付与されているが、多くの支出は機密に関するも
ので用途を帳簿に記入できない。それで機密費の用途には別途の支払い
を帳簿に記入するが、これが調査の対象となったのである。陳水扁は機
密の支出は記入できないし、過去の国民党政権の時代も同様であったと
弁解したが、これを不正流用として調査するのだ。

大掛かりな8人の検察官チームが調査に当たると発表したが、呉文忠と
いう検察官は記者に対し、「銃殺にすべきだ」と述べた。記者がビックリ
すると呉文忠検察官は冗談だよと打ち消したが、陳水扁を「必ず有罪に
する」意図が明白である。

似たようなケースで馬英九が台北市の経費を自分の銀行口座に振り込ん
だが、司法部は「宋代の官吏が公金を私有化できた」ので無罪、最終的に
「馬英九には犯意がなかった」から無罪という判決を下している。

馬英九は公金を自分の口座に振り込んでも犯意がなかった、陳水扁は公
金を公用に使っても機密を説明できないから有罪と言うのである。

●陳肇敏の変節

新しく国防部長に任命された元空軍総司令官の陳肇敏は、国会の質問で
2004年の暗殺未遂事件について、陳水扁が腹部に銃撃を受けたことにつ
いて、「陳水扁の銃創は現場で受けたのではない」と発言して国会議員は
騒然となった。

陳水扁の狙撃事件で国民党は自作自演の濡れ衣を着せて4年も調査を続
け、アメリカから専門家を招聘して現場や銃創、銃弾などの調査を行っ
たが、結論として狙撃は自作自演ではなかったことが判明している。し
かし、馬英九が就任したとたんに自作自演をぶり返して、銃撃は暗殺現
場ではなかった、これまでの調査や証拠を完全否定したのである。

更に陳肇敏は「私は陳水扁総統に忠誠を誓ったのではない。軍人として
中華民国に忠誠を尽しただけだ」と陳水扁の総統の肩書きを否定する発
言をした。残忍な中国人とはこれ、台湾人と違う人種の発露である。

●許昭栄氏の焼身自殺

国民党政府に徴用されて中国戦線に投入され、苦難の道を辿った台湾人
で、さらに国民党から反乱罪で10年の刑をうけた許昭栄さんは、釈放
された後に独自で戦地に倒れた無名兵士の記念碑を建てた。その許昭栄
さんが20日夜、台湾高雄市旗津(きしん)の「戦争と平和公園」内に
ある「台湾無名戦士慰霊碑」の前で焼身自決された。享年80歳。

許昭栄さんは元日本海軍の水兵で、終戦になるとすぐ国民党に徴用され
て蒋介石軍の撤退を手伝い、そのために多くの台湾人の兵士が共産軍に
捕らえられて投獄された。許さんが台湾に戻ってくると国民党の反乱事
件に巻き込まれて10年の刑期を緑島で過ごした。その後いくつもの困難
を経て中国で逮捕され中国にに残された同志を探し出す。更に高雄の海
岸に打ち寄せられたバシー海峡で戦没した兵士たちの遺骨を収集してこ
の海峡を望む旗津に無名兵士の記念碑を建てたのである。

自殺の主な原因は高雄市政府がこの土地の名前を、「戦争と平和紀念公
園」から「八二三砲戦勝利記念公園」勝手に変更すると決議し、その上
でさらに許さんの造った「台湾無名戦士記念碑」を勝手に「八二三戦士
記念碑」と変更すると提議したので、許昭栄さんは当然この提案に反対
した。しかし高雄の議会では新党や親民党、国民党ならまだしも、民進
党、陳菊の高雄市政府までがこれに賛成したのである。

許昭栄さんの焼身自殺は中国人の勝手な名義変更が台湾人戦没者を含む、
全ての無名戦士の碑ではなく、単に八二三戦没者の碑となってしまうこ
とに対する抗議である。 

八二三砲戦とは1958年に中国共産党が金門を砲撃した事件であるが、も
ともと無名戦士記念碑だったのに、勝手な文句をつけて、戦争と平和記
念公園を八二三砲戦記念公園に変更し、そのうえに無名戦士を八二三砲
戦で中国に砲撃された記念碑にするなど、もってのほかである。最終的
には八二三砲戦の戦死者の名前を刻むという案もある。

筆者はアメリカに住んでいるが、このニュースを聞いたあとさっそく無
名戦士記念碑の横に許昭栄さんの銅像を建てる計画を発起して友人たち
と相談した。いずれ台湾で企画委員会を作るつもりでいる。

●台湾人はどうするか

馬英九は新時代が来たことを台湾人に押し付け、独裁に反対できない体
制を整えている。台湾は民主国で馬英九が選出されたから制度に従うべ
きだと強要しているが、多くの台湾人も粛清を受け入れるつもりでいる。

メディアは馬英九のソフトな演説を過大評価して彼が反日ではなくなっ
たとか、馬英九は台湾人と称していると宣伝する。多くの人も国民党の
陰険さに注意していない。国民党の搾取が進み、中国資本や中国人の観
光客が大量に「失踪」して台湾に永住し、やがて民衆が騙されたと気が
付いたときはすでに中国に同化されたあとだろう。

陳水扁は国民党に対し無為無策だった。殊に2004年の暗殺未遂で九死に
一生を得たあと、自作自演の濡れ衣を着せられても弁解せず、汚職腐敗
と罵られても無為、家族が起訴され嘲笑されても沈黙したままだった。
そのような完全服従の態度をとっても退任と同時に起訴され投獄される。

民進党は妥協政策で完敗しても妥協、降伏の政策を取り続け最後に人民
に見捨てられて政権を失った。民進党の無能無策の主因が国民党の陰謀
であっても人民は選挙で国民党の独裁を許したのである。その結果とし
て、馬英九が就任した日からさっそく粛清と復讐が始まったのだ。

政権を失った陳水扁や謝長廷の責任はまことに重大だが、後難を見抜け
ず国民党に投票した人民にも責任がある。

独裁体制がこれほど強固になっても、多くの台湾人、民進党の政治家は
次回の選挙で政権を取りもどすつもりである。しかし小選挙区制度が憲
法で定められ、独裁のもとで憲法改正が不可能となったいまは、中華民
国体制の選挙で政権は取りかえせない。

馬英九の演説では台湾が独立国家だとも、台湾の将来は人民が決めると
も言わなかった。馬英九に投票したことを後悔するより、これからどの
ように戦っていくのかを真剣に検討すべきだと思う。

それには陳水扁、謝長廷などが政権を奪回された責任を厳しく反省し、
台湾人民に謝罪して、過去の過ちと将来の方針を明確に示すべきである。

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