国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/05/22


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
    平成20年(2008年)5月22日(木曜日)
     通巻第2196号  
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 ロシア、静かに着実に南オセチア併合へ動き始めている
  グルジアはNATO加盟の希望を捨てていないが欧米はレトリックの歓迎
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 欧州から見ればチベットや四川省地震より、目の前の地政学上の関心事はユーラシアの西側とカフカスの動きである。
 グルジア領内にありながらグルジアの統治が及ばない「国内国」が南オセチアとアブハジア。
このふたつの「地域」にロシア軍が駐留しており、これら「未承認国家」を「国家」クラスに格上げして、「正式の外交関係を結ぶ」とした大統領命令に、プーチンがサインしたのは4月16日だった。

 後継メドベージェフ政権になってロシアの領土的野心は、さらに露骨になった。
 「南オセチア」を「北オセチア」と合邦(合併)させて、その新国家の独立を直ちに承認し、続けて「ロシア連邦」に加盟させる。

 ロシアとアブハジア友好関係225周年を記念する式典に出席したラブロス(ロシア)外務大臣は、「南オセチア大統領」をなのるアムスロフと合意し、この方針を確認した(「ユーラシア・ディリー・モニター」、5月21日付け)。

 カフカスは昔から動乱と殺戮の大地である。
 いまもチェチェン問題はくすぶり続け、アブハジアやモルドバには「ドニエステル共和国」という未承認国家、アゼルバイジャンとアルメニアはナゴルノ&カラボフをめぐる対立をつづけ、軍事的緊張はすこしも解けていない。

オスマントルコ帝国とロシア帝国の対立時代から、少数民族の分割統治という、イギリスのグルカ優遇、米国のモン族優遇、改宗によって特定の少数民族や部族への差別的援助、特権供与と、反対の少数民族との対立を作り出し、宗主国は統治をやりやすくする常套手段だ。

 ロシアが南オセチアにしかけている分割統治の遣り方は、帝国主義時代のそれを彷彿とさせるのである。

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(読者の声1)雑誌『WiLL』で、渡部昇一先生が指摘しているように、石破防衛大臣の歴史認識はまさに自虐史観そのものです。
そこで一昨日(20日)、下記の質問状を石破大臣宛に出しました。
胡錦濤への公開質問状も同封し、これに答えられますか、ということで問いかけてみました。
返答ありやなしや、楽しみではあります。
 

平成20年5月20日            
防衛大臣 衆議院議員
石破 茂 先生

既に大臣のところには、<世界新聞報>に掲載された大臣のご発言に対しての抗議・苦情等が多々届いているものと推察いたします。
私もこの記事のことを読みまして、大きなショックを受けた一人です。
いろいろな問題について大変勉強されている大臣のご発言なので、愕然たる思いがいたしました。
いろいろなポイントがありますが、私は今回南京問題に絞って私見を申し上げ、ご質問したいと思います。
是非とも大臣のご見解をお伺いしたいと存じます。

《日本には南京大虐殺を否定する人がいる。30万人も殺されていないという。何人死んだかと大虐殺があったかは別問題だ》
これはよく言われることですが、南京問題につきましてそれなりに研究してきたものからしますと、とんでもない見当違いといわざるを得ません。
南京問題の研究は近年急速に進んでおりまして、もはやそのようなことは到底いえない状況になっております。

先日、胡錦濤主席が来日されましたが、「南京事件の真実を検証する会」(会長:加瀬英明、事務局長:藤岡信勝、小生もメンバーです)では、南京事件に関する5か条の公開質問状を提出しました。
これは昨年温家宝首相に提出した6か条の公開質問状に回答が無かったので、改めて提出したものです。
同封の質問状(実際に出したのは中国語版です)をご覧いただきたいと思いますが、5つのポイントはどれも南京大虐殺が大臣がおっしゃるように実際にあったとしたら、とても考えられないことを指摘しています。
これはいずれも確実な一次資料に基づいていますので、如何に中国共産党が一方的な言い分で言いくるめようとしましても、まず「絶対に」反論できないであろうとわれわれは考えております。

失礼な言い方かもしれませんが、大臣が胡錦濤主席に変わってこれに答えることができますか?
 われわれは、これに英文を加えた3カ国語版を用意しまして、5月8日に外国人特派員協会で記者発表しました。
産経新聞にはこのことが報じられましたのでコピーを添付します。(朝日新聞等がこれを報じなかったのは残念です。多分、虐殺論を自論のように主張してきたその論拠が崩れるのを恐れてのことでしょう。)

英文版をEmail で、海外に発信しましたところ、反論をしてきたアメリカの大学教授が何人かいましたが、われわれが、一つ一つポイントに答えられるかと反論すると結局誰も全く答えられませんでした。

ある教授は、Holocaust denier だと非難するので、冗談ではない、ホロコーストを否定しているのは、ポイント一に見るように、毛沢東であり、又ポイント2で見るように国民党(政府)自身であって、われわれはこの事実を指摘しているのだ、というとさすがにそれ以上答えられませんでした。

特に決定的なのは、国民党宣伝部国際宣伝処が外国人記者を招いて漢口で南京戦を挟む約一年間に300回も記者会見をして日本の暴虐を針小棒大に発表しているにもかかわらず、ただの一度も南京で市民虐殺があっただとか、捕虜の不法殺害があっただとか発表していないということです。
中国政府が当時から南京虐殺非難をしていたと誤解する方が多いですが、中国政府は一度も正式に南京虐殺非難をしたことは無かったのです。

ポイント3の南京の人口、そしてポイント4のただの一件も不法殺人が訴えられていないことは、南京市民全員が収容されていた安全区を管理した国際委員会の活動記録である、Documents of the Nanking Safety Zoneにはっきり載っていることです。
コピーが添付してありますので、お分かりかと思いますがこれは1939年に上海のKelly & Walsh 社が、国民政府の国際問題研究所(Council of International Affairs, Chungking=重慶)の監修の元で刊行したものです。
日本の資料ではありません。
こういう状況だったのですから国民党宣伝部が300回も記者会見を開きながら一度も南京虐殺などといわなかったのも当然のことでしょう。

すなわち、南京虐殺などというものはそもそもなかったのです。
南京戦はありました。日本軍も多くの死者を出しましたが、中国軍は途中で最高司令官である唐生智防衛司令官が部下に指示を出すことなく逃亡したこともあって、混乱し壊滅的な打撃を受けたというのが実際に起こったことです。

戦死者は大量に出ましたが、これは戦闘による死者であり、当然のことながらこれを虐殺などと非常識なことを言うものは蒋介石政府を含めて、誰も「当時」いなかったのです。

大臣に是非お願いします。
もしこの公開質問状と私の説明に疑問な点がございましたら、それをご指摘ください。どんなご疑問にもお答えするつもりでおります。
これは日本国家の名誉にかかわり、また外交そして国防上もきわめて重要な問題ですので、私的な問題ではないと考えます。
 日本国家の重職を担われております大臣のご見解を是非ともお伺いいたしたく、お願い申し上げます。ご返答を鶴首いたしております。
                               敬具

「南京事件の真実を検証する会」監事
「史実を世界に発信する会」事務局長 
    茂木 弘道 拝




   ♪
(読者の声2)昨日つけ貴誌「読者の声1」の「九州素浪人」氏の見解
> 隣から苦情が出たら「それは出版社の意志です、『日本国』では政府が教科書作成に介入することはできませんので」、と体面を繕うつもりでしょうか。いじましいですね。<

 よくぞ、指摘されました。
しかし宮澤官房長官時代だったか、「近隣条項」の拘束で、そうしなければならない法制になっているはず。
日本国家そのものが、貴意のように「いじましい」のです。
(SJ生)


(宮崎正弘のコメント)つまり、日本は国家ではないのです。主権行為を政府が出来ないのですから、半国家ならぬ反国家であるかも。



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(読者の声3)東京高等裁判所において、「夏淑琴裁判」控訴審の判決が出されました。
判決は「控訴棄却」、正直な表現をすれば「控訴審でも敗訴」となります。
この夏淑琴裁判は、李秀英裁判や百人斬り訴訟と同じく、所謂「南京事件」なる虚構と闘う、中共との思想戦争です。
「南京事件」の生存被害者と主張する夏淑琴なる女性について、亜細亜大学教授の東中野修道さんが展転社から出した『「南京虐殺」の徹底検証』の中で〈(マギー日記等で生存被害者とされる)「8歳の少女」と夏淑琴とは別人と判断される〉と記述しました。

それにより、彼女は「ニセモノ」扱いされ(生存被害者としての)名誉を毀損された…として、展転社らを訴えたものです。第1審の判決が平成19年11月2日、東京地方裁判所であり、裁判官は彼女の主張を認め、展転社らに350万円の支払を命ずる判決を出しております。
展転社および弁護団は上告する方針ですので、皆様の今後益々のご支援ご協力をお願い申し上げます。 
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 夏淑琴裁判を支援する会(会長・阿羅健一)
 〒102-0093 千代田区平河町2の16の5の302(高池法律事務所気付)
 電話090-2622-4242(三澤)
 郵便振替口座 00170-9-299530


(宮崎正弘のコメント)日本の司法権も教科書の検定と同様に北京に移行したのですか?
この判決は主権侵害です。
 ともかく不法な判決、それも日本の国内で外国に奉仕するような解釈が司法から飛びでる、この日本という国は司法制度まで腐ってしまったのですね。
不当判決の典型です。
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<<<< 今週の書棚 >>>>

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東中野修道編著『南京「事件」研究の最前線(平成20年版)』(展転社)
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 十年前、どれほどの確信に満ちて「南京大虐殺はなかった」と言っても、明確な証拠がやや不足していた。
 いまでは「完全になかった」と確信をもって断言できるようになった。「南京大虐殺は中国のでっち上げ、政治宣伝戦争のための架空の話だ」と。
 なぜ、こうした確信が生まれたか。それは東中野教授が会長を務める「南京学会」など多くの学究らの地道な、根気に満ちた研究成果にほかならない。
 緻密に克明に現場を検証し、あらゆる資料を世界に求めた。
 何一つ、南京虐殺を証明できる証拠がなかった。とくに中国側が「これが証拠じゃ」と提供した写真のすべてがデタラメ、ねつ造、合成、ほかの場所のもの、であることが満天下に明らかにされた。
中国からはグーの音も聞けなくなった。

それでも「あった」「あった」と言い張っているのは中国より、むしろアメリカとか、オランダである。
アメリカは東京裁判史観の手前、日本を悪者にしておかないと原爆や東京無差別爆撃の人道にもとる行為がばれるし、国民党がでっち上げた南京大虐殺をついだ中国共産党は、もし、なかったとなれば、対日交渉に、もはや手持ちのカードをなくしてしまう。
オランダは植民地を日本のために失った逆恨みでしかない。ドイツはナチスと同罪の国がなくては困るので対日攻撃に使用してくる。
「あった派」は、みんなそのような醜い利害関係で結ばれている。

本書は年度版で過去五冊、研究成果を世に問うてきたものの集大成、最終版にあたる。
本書には昨年師走に九段会館で生存兵士五名が証言した「南京参戦勇士の語る南京の真実」の国民集会の記録も収録されている。
貴重な記録である。

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<< 今月の拙論 >>

(1)「恐怖版 中国の歩き方」(『新潮45』六月号、発売中)
(2)「馬英九の台湾はどれほど変わるのか」(『自由』6月号。巻頭エッセイ。発売中)
(3)「シェンノート記念館にて」(『月刊日本』6月号、22日発売)
(4)「風化していた神話」(『共同ウィークリー』、5月19日号)
(5)「湖南省をぐるり一周の記」(『エルネオス』6月号、5月末発売)
(6)「四川省地震を奇貨とする中国」(『北国新聞』、6月2日付け。「北風抄」予定)。
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(休刊のお知らせ)小誌は地方講演旅行などのため5月29日から6月2日まで休刊です。
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< 宮崎正弘の新刊予告 >
『北京五輪後、中国はどうなる?』(6月10日発売。並木書房、1680円)。
  ――四川省大地震で共産党王朝の倒壊がみえてきたーー

  まもなく予約特典の募集をおこないます
(1)著者サイン入り、(2)送料無料、(3)振り込み手数料無料。(4)発売前日までに到着の四大特典。
応募要領は「並木書房」から本欄に月末に告示されます。
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(( 最新刊 ))
  宮崎正弘・黄文雄共著
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1500円プラス税)
  http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
    
((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
『世界“新”資源戦争』 阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
『三島由紀夫の現場』 (並木書房)
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 宮崎正弘 全著作一覧 (これまでの128冊の著作リストを閲覧できます)
 http://miyazaki.xii.jp/tyosyo/index.html
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  • 名無しさん2008/05/22

    本当に日本の歴史を世界に声を出して頂いている方には感謝申し上げたいと思います、今回の石破長官の歴史認識には大きなショックを受けました、殆ど勉強らしい勉強はしていない、チャイナと韓国の教科書丸写しの大臣の放言?日本の教科書も見て見ましたが始めて聞くと言う様な名前が出ている事、内容が滅茶苦茶なのにも驚きでした。

    一応拙い私の歴史観ですが間違いを正す事が必要と思いましたので防衛省大臣宛に抗議をしましたが・・・

    戦後のアメリカの教育が成功し、チャイナ・韓国の「反日」病が日本の大臣に迄及んで居る、日教組・共産党公認の教科書を使わしている文部科学省の役人の頭の中もこんな程度なのでしょうか?

    防衛大臣・防衛大学校長の言動を、居ていると防衛大学出身で役に立つのは留学組みだけだったりすると日本の将来も暗い気がします、聞くところでは防衛大学校長が福田首相のブレーンとか?口あんぐり。

  • 名無しさん2008/05/22

    南京事件の真実を検証する会が出した公開質免状を見たいのですが、どこで見られますか。もっと知りたいです。