国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/05/09


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
   平成20年(2008年)5月9日(金曜日)
      通巻第2178号  
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 王丙章博士(中国民主党主席)、獄中の容体が悪化
  面会した実姉が世界世論に「監獄の外から医者を!」と訴え
**************************************

 5月7日、香港で記者会見に臨んだ王玉環女史は王丙章博士の実姉。カナダから面会にやってきた。
昨年は実弟がカナダから飛んできて、やはり収監されている広東省の昭関監獄で王博士と面会したのち、相当に体力が落ち込み、中風を患っている、と記者会見した。

 実姉は毎回三十分しか面会が許されないため、数度に亘って面会した。
 王博士は長い時間の会話が出来ず、ときおり放心状態で中風症状がひどいうえに不眠症と頭痛に悩まされ、鼻水を垂らし続けていた、という。
 「人道的理由からも、監獄のほかから医者を呼んで欲しい」と当局に訴えたが、聞き入れられず国際社会に訴えるために香港で記者会見を開いたのだ。

 王丙章博士とは誰か?
 優秀な医者として中国から80年に出国し、国費留学生としてカナダへ留学、そこで医学博士を取得した。胡耀邦総書記の時代である。

82年にNYへ出て反体制理論誌「中国之春」を立ち上げた。
反政府を公然と標榜し、「自由、人権、法治、民主」の旗を高々と掲げた、おそらく革命後初めての中国人留学生による民主団体の誕生となって世界の注目を集めた。

王博士の行為に感動して立ち上がった海外留学生が急増し、民主の炬火は燎原の火のごとく、たちまち賛同の輪が世界中に広がり、カナダから豪州、欧州各国、香港、シンガポール、そして日本にも支部が出来た。
 中国政府最大の脅威となった。

 

 ▲民主活動家を救出せよ、と欧米、香港では運動が起きている

翌83年8月、筆者はNYに王博士を訪ねて三時間ほどインタビューを試みたが、「日本から初めてきたジャーナリスト」と言われた。
 この年の暮れに「中国民主党」を結成、NYの結成大会には世界34ヶ国から代表が集まり、自由民主人権法治の中国への改変を誓い合った(詳しい経過は拙著『中国の悲劇』を参照)。

 84年にはNYとワシントンで二回あって追加のインタビューをした。

 89年の天安門事件直後には北京へ乗り込もうとしたが経由地の成田空港で搭乗を拒否され、東京に宿泊した。
東京では博士を「現代の孫文」として歓迎する集会も開かれた。

 2004年、王丙章博士は中国国内での「中国民主党」組織拡大のため、ベトナムから、密かに広西省へ入国したが、スパイ網とおとり捜査に引っかかって拘束される。
 その後、「無期懲役」の判決がでて、広東の監獄に収監され、どのような待遇を受けているのか、連日拷問されているのか、家族が過去に数回の面会しか許されておらず音信は途絶えてきた。

 カナダ政府や多くの人権団体は、王博士の釈放を要求しており、香港では時折デモや集会もおこなわれている。
しかしブッシュ政権は、王博士の釈放要求を北京に要求しておらず、釈放が長引く裡に体力ならびに神経の消耗が激しいという。

わが日本政府は「人権」を唱いながら、この問題には一度たりとも容喙したことはない。

(注 王丙章の「丙」には「火」扁がつきます。読み方はワン・ピンザン)

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  ♪
(読者の声1)貴誌コメントに「中国全土に展開されている反日記念館の撤去を日本側は要求さえしていない。「チベット」「北朝鮮」に関しては木で鼻をくくったようにおざなり。
 福田首相は、会談の最後に、合意文書には盛り込まれなかったものの、自ら「遺棄兵器問題」に言及した。しかしながら、この「遺棄」という語彙に問題が多く、日本側の失点である(日本側の武装解除によりソ連と中国に引き渡した兵器の管理責任は日本側にはない。したがって「遺棄」を用いるのは不穏当である)」
とありました。

 宮中晩餐会における陛下の格調の高さに比して、国務を担当している宰相のお粗末さ。
反日記念館を視野に入れない狭さを高等政治と思っているのか? また不学から来る「遺棄」という表現の使用。今更に落差を感じた次第でした。
(SJ生)


(宮崎正弘のコメント)外務省が場当たり主義で、そういうアドバイスをしたのでしょうね。



   ♪
(読者の声2)貴誌通巻2177号にて、「日本側マスコミは、産経を除いて、前向きな評価である」
と宮崎先生は記述されていますが、私の産経新聞(8日付け朝刊)を読んだ印象は少し違います。
まず見出しで追いますと、「日中首脳会談 胡主席、日本の常任理入りに肯定的」が一面上段にあります。2面には「ガス田 不完全な合意 具体策はまだ」、3面の社説では「互恵を実行で証明せよ」とあり、共同声明の具体化を促す一方、「共同声明には評価できる面もある」と述べ、中国が「日本の戦後の平和国家としての歩みを積極的に評価」し、「日本の国連における地位と役割を重視」したことを評価しています。
「声明は実行しなければ意味がない」と釘を指しながらも、全体の(1−2−3面)の印象は、「産経は、今回の首脳会談と共同声明を、冷静に、やや好意的に評価している」という印象を私は受けました。
(KI生、尼崎市)


(宮崎正弘のコメント)産経も苦労の跡が透視できるようです。
 それよりもなによりも、胡錦濤の行くところ、チベット旗などが林立し、凄い「歓迎」デモや集会が行われているのに日本のマスコミは産経いがい、まともに報道しない。これも、問題です。
 昨日(8日)、胡錦濤主席は、早稲田大学で講演しました。チベット問題、餃子、人権など数千の抗議の隊列は、紅旗を掲げてバス動員された中国人の数倍。大隈講堂に機動隊が遮って近寄らせなかった。
 さて偶然ながら拙宅は、新目白通りに面しており、所用から帰宅した五時25分頃、胡錦濤を乗せたクルマが、パトカー十数台、白バイ数台に囲まれ、眼下をさっと通り過ぎました。マンションの八階ですから見下ろせるのです。
 クリントンのときも江沢民のときも同じ情景で、眼下に見下ろすという特権<?>を味わいましたが。。。。。
 機動隊(3機と4機)の装甲車が、わが町会だけで六台駐車、信号ごとに警官数名が配備され、とくに辻辻から対抗路線に飛び出すクルマを警戒していました。上空にはヘリコプターが二機。うるさくてしばし、仕事にならない有様でした。



   ♪
(読者の声3)貴誌第2176号 (読者の声5)でPB氏の「トヨタのランドクルーザーや日産のサファリなども荷台に機関銃を据えればれっきとした軍用車輌となり」とのご指摘まったく同感で、正しい論理展開です。
私が懸念しているのは全く現実的な以下の点です。
(1)ランクルを軍用車に改造するのは、何万台に一台の例外であるのに対して、高級日本製猟銃はその高信頼性により高い確率で好んで武器として使われています。
しかも、正規の武器を手に入れられない武装集団の手で。
そして、需要に合わせた製品開発をするのが営利企業の常ですから、知らず知らずのうちに武器として使われやすい猟銃を製造元が作ることになります。
これは大和魂に反するものです。
(2)輸出されている日本製猟銃に金額が、100万円とかの小額ではありません。それなら、個人のやったことといえます。その数十万倍ではそんな言い訳は通用いたしません。
(3)米国のテレビや雑誌の記事を見ますと、殺人事件に使われた自動車やテロリリストが使った自動車が日本製の場合は、toyotaとかhondaと呼ぶにもかかわらず、米国製の場合は通常単にcarとかtruckと呼んでいます。
既に日本は標的にされているのです。
こういった現実の事態を冷静に観て、近い将来の動きまで見据えて行動することが肝要と考えます。
衒学的な理論では現実社会で役に立ちません。
諸外国と同じレベルの倫理規定で行動するのでは日本国民に値しません。
  (ST生、神奈川)
  □
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
  *:☆.:*:★':*.:*:☆.:*:'☆.:*:'★':*.:*:☆.:*:☆.:*:★':*.:*:☆.:*:'☆.:*:'★':*.:*:☆
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
< 宮崎正弘の新刊予告 >
『北京五輪のあと 中国はどうなる』(仮題、五月下旬刊行。並木書房、予価1600円)。
   ♪
(( 最新刊 ))
  宮崎正弘・黄文雄共著
 『世界が仰天する中国人の野蛮』(徳間書店、1500円プラス税)
  http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
    ♪
((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
『世界“新”資源戦争』 阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
『三島由紀夫の現場』 (並木書房)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 宮崎正弘 全著作一覧 (これまでの128冊の著作リストを閲覧できます)
 http://miyazaki.xii.jp/tyosyo/index.html
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
 ◎小誌の購読(無料)登録は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
 http://www.melma.com/backnumber_45206/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2008 ◎転送自由。ただし転載は出典明示。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 名無しさん2008/05/09

    それにしても小学生並みの我が国の首相は情けない限りです。

    それにしても宗教家を辞任する大作の卑屈な姿が世界にばら撒かれる、フランスが創価を宗教と認めるなんて事もあり得ますね、ホントに危ない国に成りました。