国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/03/14


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成20年(2008年)  3月14日(金曜日)  
通巻第2124号  
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 「国民投票」(公投)から「両岸共同市場」(一中市場)へ論点が移行
   台湾総統選、馬の独走態勢が崩れ、謝が猛追。16日に百万の「逆転勝利」行進
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 何が起きても不思議ではなく、必ずなにかが起きる。
 それが台湾の総統選挙である。

 16日日曜日午後3時14分に時計の反対回りで「逆転」を熱望する百万人が、台湾各地で行進する。三時十四分は、三年前の「反国家分裂法制定」の日。

 陳水扁政権が行政の末端まで浸透させた国連復帰キャンペーン。
台湾政府ビル、公共の建物には「台湾名義での国連加盟」の看板。殆ど主要な駅頭にも横断幕が掲げられている。
国民党は「中華民国名義での国連復帰」。両党はスローガンの中身を別として、国民投票で民意を問うことでは合意してきた。
 米国の猛烈な内政干渉がつづき、「台湾の国民投票を支持しない」とライス国務長官が言えば、(「住民投票」と日本のマスコミが書くのは間違い)、「明らかに錯誤」(ネグロポンテ国務副長官)。

 北京が反対を吠えるのは必然の政治プロパガンダであるにせよ、米国はイラクの泥沼、アフガン介入とイラン牽制で軍事的に手が一杯だから、台湾海峡でコトが起きれば、空母さえも派遣できないかもしれない。
だから台湾へ圧力をかけて「現状を変える、いかなる試みにも反対」と言い続けた。要するに「台湾よ、問題を起こしてくれるな」と懇願しているサインなのである。

 台湾が米国の圧力に折れた。
 李登輝前総統は「公投(国民投票)は別の日にずらしてもいい」と発言。これが契機となった観があるが、国民党も民進党も態度を変えて内部調整を始めた。
 国民党は「公投は実施するが民進党の呼びかけをボイコット」する方針を打ち出した。

 ともかく台湾側は米国を刺激せず、介入を回避しようとする方向へ流れ、陳水扁総統としては、メンツをうしなうかたちである。


 ▲「中台共通市場」なる幻像を突如訴え始める馬英九

 そして論点は経済に移行した。「独立? 統一? それは論点にしない、経済だ、諸君!」。
この呼びかけは92年のクリントン選挙に似てきた。「湾岸戦争勝利? 違う、経済だ」と選挙民に呼びかけて、無名だったクリントンが、90%もの支持を集めてパパ・ブッシュを打ち負かした戦術の踏襲である。

 二回目のテレビ討論(10日)および副総統候補同士のテレビ討論(11日)は、共同市場問題が論争の中心に浮上した。
 謝長廷(民進党総統候補)いわく。「共同市場は国共合作の変形。中国に台湾を売りわたす進行式だ」
 蘇副総統候補いわく。「危険な冒険、対等な談判を堅持せよ」

 防戦側の国民党は「両岸共同市場は台湾の発展に寄与する。花を木に植える作業だ」(粛萬長副総統候補)。「長い長い目標であり、結局は台湾経済の振興に役立つ」(馬英九・国民党総統候補)。

 EUは半世紀を経て、ようやく市場の統一にこぎ着けた。基盤となる社会は、全加盟国が民主主義、自由な情報空間が広がり、公平な選挙制度を持ち、宗教的文化的バックグラウンドも共通している。
だから半世紀かけてEU議会がもとまり、あまつさえ通貨「ユーロ」の統一まで実現できた。

 北京と台北が共通のマーケット? 通貨は? 市場をかけめぐる情報の自由度は?
 政治体制に共通の基盤がないのに、いかにして共同なるマーケットを実現するのか? 共通するのはコトバだけ、いやコトバの修飾サービスを国民党は展開しているのだとすれば、北京と国民党の思惑だけは「共通」である。
 
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((( お知らせ )))

 東中野教授と版元が不当な訴えをうけています! 支援の手を!

 ■日時   :3月17日(月) 午後1時15分開廷
 ■裁判所  :東京高等裁判所・第12民事部 824号法廷
 ■事件名  :損害賠償等反訴事件・平成19年(ネ)第6002号(夏淑琴さん裁判控訴審 第一回口頭弁論)
 ■傍聴券交付:午後12時40分 裁判所合同庁舎正門 2番交付所 
午後12時40分までに集まった方を対象に抽選を行うとのことですので、その数十分前から抽選券を配布し、12時40分で締め切りになるようです。
裁判所前が混雑する場合もありますので、なるべくお早めに起こし下さい。 
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(休刊のお知らせ)小誌、台湾総統選挙取材のため3月19日から25日を休刊します。
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((( 宮崎正弘の新刊予告 ))) 
黄文雄氏との共著
『世界が仰天した中国の野蛮』(徳間書店、三月28日発売予定、予価1600円)
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((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
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  『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
  http://www.7andy.jp/books/detail?accd=32009305

『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
   http://www.business-i.jp/news/book-page/debut/200710130007o.nwc
   (書評と申し込み方法 ↑)
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『2008年 世界大動乱』 (改訂最新版、1680円。並木書房)
『世界“新”資源戦争』 (阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『中国から日本企業は撤退せよ!』 (阪急コミュニケーションズ刊)
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
『三島由紀夫の現場』 (並木書房)
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宮崎正弘全著作一覧 (これまでの127冊の著作リストを閲覧できます)
http://miyazaki.xii.jp/tyosyo/index.html
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創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
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  • 名無しさん2008/03/16

    昨日からのチベットの動きは、台湾総統選挙にどう影響するでしょうかね?

    まあ、チベットの動きは日本にとっても他人事ではないわけであって、日本人全体が中国との付き合い方を真剣に考える契機にして貰いたいものです。

    、、、、、が、マスコミは大きくは取り上げないんでしょうね。毒ギョーザ報道でも、オリンピックの取材許可を材料にいろいろ圧力が掛かっているみたいですからね。