国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/03/11


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成20年(2008年)  3月11日(火曜日) 弐
通巻第2119号  
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 中国第二の巨大ダム「三門峡ダム」の農民暴動の原因は党幹部の土地転がし
   「あれはもっとも愚かな選択だった」と安啓元・元峡西省政協委主席が公言
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 世界最大の三峡ダムに関しては、胡北省など下流住民四百万の立ち退き計画があることを既報した。
 上流の重慶では地割れ、地滑りが頻発し、地震が数百回、記録されている。
 もし三峡ダムが決壊すれば、下流域は深刻な、おそらく歴史上かってない災害に襲われるだろう。

 峡西省の関中平原に建設された三門峡ダムも、ソ連式ハイドロダイナミックス技術で十三年の歳月をかけた。
ところが近年、農民暴動が頻発し、不穏な空気に包まれている。
立ち退かされた農民の「土地返せ」運動、直訴、地方幹部の弾圧、補償費のごまかしなどが原因であることが分かった。

 三門峡ダムは1955年、毛沢東の命令で建設が決まり1985年に15万人の移転計画が立てられた。
 「黄河の安定。農地の豊饒化」が謳われた。
それまで当該地区の農民は豊饒肥沃な土地に恵まれ農作物収穫は安定しており、全国平均でみると「良い生活」をしていたのだった。
計画では31万ムーの農地が水没予定となるため、強制立ち退きが執行された。

 しかし「結果は31万ムーを必要とせず、7・4万から15万ムーが水没したが、少なくとも10万ムーが無人の土地となって、農民は返還を求めた。しかし時すでに遅し。当局による『土地転がし』の“商品”と化していた。」(フィナンシャルタイムズ、08年2月27日)
 「詳述記録のある『謂南地区移民誌』に依ると、実際の立ち退きは最終的に73965人だった」(博訊新聞、3月10日付け)。

 「あれはなんら科学的裏付けのない、愚かな選択だった。愚かすぎた」と元峡西省の党幹部(02年当時、省の政治協商会議主席。現在中央の政治協商会議常務委員)の安拝啓元が明言した(前掲フィナンシャルタイムズ)。

 (注 峡西省の「峡」はこざとへん)

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(読者の声1)日頃、感謝してメルマガを拝見しております。
3月7日(金)朝6時のNHKラジオニュースで、「シナ 四川省で、オーストラリア団体観光客のバスが、シナ人のテロリストに乗っ取られた。テロリストはその後、射殺された」と聞きました。以降、オンライン、新聞、テレビなどに関連ニュースが流れていません。
 何か、お聞きになっていますでしょうか。
    (KY生、兵庫県)


(宮崎正弘のコメント)その程度の事件は日常茶飯なので、日本のメディアは伝えないでしょうね。またテロは中国は報道を管制しています。中国語メディアでも現段階で詳報がありません。過去一週間での四川省の事件は紡績工場で数千人がストライキというニュースくらいです(3月11日午前五時現在)。



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(読者の声2)貴誌でペハリン抗凝結剤の災禍をしり愕然としておりました。
 ようやく今朝から日本の各誌が報じ始めています。たとえば読売は下記のようです。

 「人工透析などの際に血液が固まるのを防ぐために使われる「ヘパリンナトリウム製剤」について、厚生労働省は10日、国内の製薬3社が17製品を自主回収すると発表した。
 
 米国のバクスター社が製造販売した同製剤で死者21人を含む副作用被害が相次いで確認されたことを受けた措置。3社が製造販売する製剤は、バクスター社と同様に中国産の原材料を使い、米国SPL社が加工した原薬を輸入して製造されていた。
 厚労省によると、自主回収されるのは扶桑薬品工業(大阪市)、テルモ(東京都渋谷区)、大塚製薬工場(徳島県鳴門市)の3社の製剤。いずれもSPL社製の原薬を使い、自社で注射液、透析用などの製剤に加工、3社で月間約400万本を医療機関向けに出荷している。
 国内の透析患者約27万人の7〜8割はヘパリンナトリウム製剤を使用。扶桑薬品工業と大塚製薬工場の製品だけで半分を占めているため、自主回収による治療への影響が懸念される。
 米国では昨年12月15日以降、バクスター社製の製剤で448人のアレルギー反応などの副作用報告があり、うち21人が死亡した。同社製は中国産の豚の腸を原材料にし、SPL社と中国にある同社の関連会社が加工した原薬から作られていた。米食品医薬品局(FDA)の調査で、バクスター社の製剤に使われた原薬には異物の混入が確認されているが、副作用との因果関係は不明で、原因は特定されていない。
 国内3社は今月8日に自主回収を始めており、今のところ、3社の製剤から異物は検出されていない。
 厚労省は「国内では同製剤による被害の報告や異物が検出された例はなく、自主回収は予防的措置」としており、医療機関に対し、他社製品で代替できない場合は、患者に了解を得たうえで使用を認めている。(2008年3月11日01時38分  読売新聞)

 で、この事件ですが日本国内の発展や、いかに?
   (YU生、茨城)


(宮崎正弘のコメント)実害のなかった『白い恋人』や『赤福』で日本のマスコミは、あれだけ騒いだのですから、もっと大騒ぎになるでしょう。
餃子につづいての中国製批判キャンペーンが続くと思います。冷凍餃子はさいわい死者が出ていません。全人代報告では昨年、中国での食中毒死者が280名余。
中国製ヘバリンでの死者が40名を超えました。それも米国だけで。

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((((((( 資料 ))))))))

      テロ国家リスト解除?
                 平成20年 3月10日(月)
                 衆議院議員  西 村 眞 悟

 去る三月六日、衆議院議員会議室に、アメリカ議会調査局のアジア問題専門官であるラリー・ニクシュ氏が来て、平沼赳夫拉致議連会長を始め我々議連役員と話し合った。畏友の島田洋一福井県立大学教授が通訳をした。このニクシュ氏の最近のレポートに「テロ国家リスト解除?」がある。

 昨年の十一月に拉致議連役員がワシントンDCに出向いたとき、私は議会調査局の建物内にあるニクシュ氏の部屋を訪ねて話を聞いたことがある。
 その時彼は、アメリカのブッシュ政権は、北朝鮮に対するテロ国家リスト解除の方向に動いている、そして、日本政府は、ブッシュ政権のこの動きを知っているはずなのに、何も手を打ってこなかった、と述べた。
 彼の部屋の壁にはイギリスの首相チャーチルの写真がかけられていたので、私はその写真を指さして、アメリカのブッシュ大統領が、あのチャーチルのように独裁者と妥協しないことを願う、ブッシュ大統領が北朝鮮の独裁者と融和すれば、彼はチャーチルの前任者のチェンバレンになってしまう、と述べて退出した。
 そこで、六日に彼に再会したときに、チャーチルの写真は今も部屋に掛けてあるかと問うと、彼は笑って、掛けてあると答えて、イギリスでその写真を手に入れたいきさつを説明した。
 このラリー・ニクシュのアメリカ議会への報告は、アメリカのアジア政策に大きな影響を与える。そして、彼は北朝鮮をテロ国家リストから外そうとするアメリカ国務省のライスとヒルの路線に警告を発している。従って、彼は我が国の拉致被害者救出という国是にとって貴重な人材であるといえる。

 さて、ラリー・ニクシュが六日に議員会館で話す際に、オフレコつまり「ここだけの話」にしてほしいと言い、我々も了解したので、ここで彼の話の内容そのものを報告することはできないが、骨子の概略は、以下の通りである。
1,ブッシュ政権の対北朝鮮政策は変更されていない。つまり、アメリカは北朝鮮をテロ国家リストから解除する政策を変更していない。
 ヒルがシナリオを書き、ライスが承認し、ライスはブッシュのOKを得ている。
2,ライスとヒルを理解するには中国を看なければならない。中国は、ライスとヒルの獲得に成功した。
3,テロ国家リスト解除に関して、アメリカは日本に説明してこなかった。ブッシュ政権には、アメリカの国益のために、日本を無視しても日米関係は大丈夫との考えがある。
 これも日本無視(パッシング)の例である。

 さて、拉致議連は、昨年十一月にワシントンDCを訪問して、アメリカ議会人を中心に、北朝鮮のテロ国家リスト解除の動きに反対の意向を伝えた。またアメリカの上下両院においても議員のテロ国家リスト解除の動きが表面化して、昨年内のリスト解除は見送られ現在に至っている。
 昨年十一月の訪問時には、インド洋における海上自衛隊の洋上補給活動は中止されたところで、もちろん再開されていなかったが、本年に入って補給活動が再開されてからは、「日本は我々(アメリカ)に貢献してくれている。我々も日本に貢献しよう」という趣旨の発言をして、テロ国家リスト解除反対の論拠とした議員も現れた。
 このように、拉致議連のアメリカ議会に対する行動は確かにアメリカの反応を生み出している。また、アメリカ議会のラリー・ニクシュアジア問題専門調査官の報告もアメリカ議会に大きな影響を与えてきた。
 そのニクシュ氏がわざわざ日本に来たのであるから、我々の発言が彼のレポートに反映してアメリカ議会に影響を与えるようにと、議連は次の通り彼に伝えた。
 以下、平沼議連会長の発言骨子。
1,アメリカ政府の日本パッシングは、日本を無視して対中接近をしたキッシンジャーまで遡るが、テロ国家リスト解除に関して日本は決してその時のように同意はできない。
 この問題でアメリカが日本を無視して突っ走るならば、大切な日米関係にひびが入る。日米関係を重視する日本の真の親米派は憂慮している(反米派や親北朝鮮派は喜ぶ)。
2,北朝鮮による拉致は現在進行中のテロである。
3,北朝鮮に対する制裁継続は必要である。

 先の時事通信で、アメリカ国務省のハルとヒルについて書いた。
ハルは一九四一年の日米開戦時のアメリカ国務長官、ヒルは現在のアメリカ国務次官補。
 このハルが、ソビエトと中共を束ねるコミンテルンの影響下にあったことは今や周知の事実である。これは、アメリカ人が触れたがらないフランクリン・ルーズベルト政権の暗部だ。
 この暗部の存在によってアメリカは国策を誤り、我が国は日米開戦に向かい、コミンテルンの思惑通りにソビエトは勝利し中共は権力を獲得した。そして、その二つの共産権力の下の人民は二〇世紀後半に未曾有の苦しみを味わった。
 そこで、現在のアメリカ国務省のヒル(ライス・ヒルとコンビで呼んでもよいだろう)であるが、かつてのハルと同じように、国際反日勢力のコントロール下にあるのかもしれない。
 この度の、ラリー・ニクシュ氏との懇談で、アメリカ国務省の路線は日米双方にとって、やはり要注意だと改めて思った次第である。 

 (西村真悟・衆議院議員のメルマガから転載)。
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  • kanagawa2008/03/12

    今一番大事なのわ、無国籍人間を作り出した教育内要にある、仲良く、可愛い、こんな言葉を使用している、40才以下の半数は馬鹿である、教育は10年有れば訂正出来るのである、

    日本人としての、自覚を持つた、人間教育が火急をようする、マスメディアの責任わ大きい、

  • 名無しさん2008/03/11

    日本の政治家も国内で自分達の「頭の虱」を取ってるような「セコイ」事をやる前に「日本」の独立を考えて欲しいものです、独立国と言う「体」を成していると考えているのでしょうか?実に情けない状況です。

    相手が「日本」を「コケ」にするよと堂々と大声を張り上げているのに聞こえないのか?聞きたくないのか?日光の3猿ではないのですから「何」かを言動で見せて欲しいものです。