宮崎正弘の国際ニュース・早読み
発行日:3/7
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成20年(2008年) 3月7日(金曜日) 弐
通巻第2116号 臨時増刊号
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中国産原料のへプリン注射で46名が死亡している
偽物混入の可能性大、米国で大騒ぎに発展
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毒入り餃子は幸いなことに日本では死者がでていない。
ところが。。
中国産原料を使用したへパリン薬を注射され、死亡する患者が米国で続出している。
ヘパリンは抗凝固剤として使われ、原材料は豚の小腸。これを不衛生に扱かうと薬品の役目をなさないばかりか、副作用で低血圧などに陥る。ヘパリンを使用した注射は、人工透析や手術のあとで、血液が固まるのを防ぐ。
現在、世界市場にでまわるヘパリン薬品は大半が中国製である。
NYタイムズは3月1日に初めて事件を報道して以来、たびたびこの事件を報じているが、3月7日付けヘラルドトリビューン転載記事に依れば、全米で785件の被害報告があり(2月末現在)、死者は46人、このうち19名が明らかにバクスター社製品による副作用と判断されたという。
顕著な副作用として呼吸困難、悪心、嘔吐、発汗過多、血圧の急下降など。
元凶のヘパリンは中国の家畜加工業者が豚の小腸から粗製品を作り、米企業が保有する常洲(上海近郊)のSPL工場で加工した後、バクスター社が輸入して最終製品にし、病院ルートで販売してきた。SPLとはSCEINTIFIC PROTEIN LAB<中国企業名は常洲凱普生物化学有限公司>の略)。SPL社は米国ウィスコンシン州に最終工場があり、バクスター社は、この米国企業から製品を購入してきた。
FDAは、中国の工場に不衛生な点があったことや手続きミスでFDAが工場の検査をしなかった事実などを認めた。
このため米バクスター社は二月末から製品の自主回収を始めている。FDA(米食品医薬品局)も中国に調査官を派遣して原因の特定を急いでいる。
日本の厚生労働省の医薬食品局は、日本にはバクスター社のヘパリン製品が輸入されていないと発表している。
ところが、3月5日にバクスター社の血液抗凝固剤から主成分のヘパリンに酷似した偽の成分が検出されたことをFDAが発表したため、事態は極めて深刻となった。
NYタイムズは3月7日付けで「当該薬品投与で、およそ20%が死亡に結びつくことがある」とセンセーショナルな見出しを付けている。
この事件、米国で執拗に尾を引くだろう。
☆
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(読者の声1)今から十三年前に上梓された新保祐司氏と富岡幸一郎氏の対談『日本の正統』を手に取りました。
休火山だと思って火口の中を覗いたら、奥深い底に岩鏘(マグマ)がめらめらと赤白く燃動しているような一著です。
世の謬見を何憚ることなく剔抉しているラディカルな対談です。
富岡氏はまえがきの冒頭に、「三島由紀夫は、坂口安吾の文学が太宰治にくらべて不当に低い評価しか受けていないことについに石塊が浮かんで葉が沈んでいると語ったことがあった」と書き記しています。
両氏は文学だけでなく、近代日本の思想・宗教・哲学の各分野での石塊が浮かんで葉が沈んでいる状況を舌鋒鋭く意気盛んに論じています。
新保・富岡両氏の対談本は三冊あるそうですが、本書がもっとも過激な仕上がりの由。これは対談を文字起こしした元学生運動家氏の才に大いに与っているようです。
目次のタイトルを拾うと、「西田幾太郎と波多野精一」、「和辻哲郎と村岡典嗣」、「九鬼周造と岩下荘一」、「小林秀雄と河上徹太郎 」などとあり、対の前者を容赦なく批判し、不当に貶められ忘れ去られ(た)ようとしている後者を再評価します。
小林秀雄については辛辣です。
小林の新古今の否定は新古今に最多の92首が採られた西行によって定家的な美の虚構を打ち砕いている。新古今によって新古今を撃っている。小林は浪漫的印象主義的でこれは小林のアキレス腱だ。小林の新古今批判は、美の中に入った儘の相対的パセティック批判だ。一方、正岡子規はリアリズムで新古今を打ち砕いていて二人の違いは大きい、と容赦ないのです。
福田恆存の望んだ書のタイトル「言葉、言葉、言葉」が採用されず「日本への遺言」となった一事に“言葉”に対する近代日本の鈍感さを嘆いています。
近代の宿命、カール・バルト(ロラン・バルトでなく)、出エジプト記と自然主義、感覚的実在の快楽と歴史的真実性の追求、正統に相渉る、等々の名称や言葉を拾うだけで同書の対談の躍動ぶりが伺えます。
新保氏はあとがきで、河上徹太郎の『日本のアウトサイダー』を小林が評価したことに触れ、近代日本における「正統思想」の不在を嘆きます。
そして伝統は正統とは異なると訴えます。
河上氏が論う日本のアウトサイダーたちにこそ、安易に伝統に駆け込まない日本の正統と相渉る強靭な知性と胆力の系統があり、それらこそ評価されるべきと熱く主張します。
新保氏は“正統”という言葉に意義と重みを見いだしています。
初めに言葉ありき、の“言葉”には奥深い意味があるのだということに思いを致させてくれる一著です。
(HN生、神奈川)
(宮崎正弘のコメント)当該書籍を知りませんでした。読んでみます。
♪
(読者の声2)今週の『週刊新潮』と『週刊文春』が奇しくも銀座の「文壇バア」で有名な「数寄屋橋」(開店40年とかで)の特集をグラビアでしていて、見入りました。昔から文壇関係者編集者作家らの出入りしたバアというのを、一度行ってみたいと思いながら、せいぜいが新宿ゴールデン街。
宮崎先生は大酒飲みと聞いておりますが、たまにはこういう柔らかい話もお聞かせいただけませんか。
(酒乱童子)
(宮崎正弘のコメント) 両週刊紙のグラビア、小生も感慨深く見ました。とりわけ女性の年齢の隠し方に関して。
しかし過去30年、そういう文壇関係のバアにはまず行ったことがありません。
興味が薄いというより、座って酒を嗜みつつも、まるで愉しくありませんね。率直に申し上げて。女給さんたちの知的レベルも。。。。。
文学、思想、哲学というよりスノビズムの世界ですから。難しい話をしろという意味ではなく、ホステスの躾と素養のなさが問題です。ま、そんな場所へ通う客のほうも知性を疑いたくなる人がやや多いかも(失礼)。
グラビアで特集された「数寄屋橋」というバアは、昭和48年から昭和50年にかけて北条誠先生や藤島泰輔、柴田穂の各氏に連れられて行った記憶があります。ま、せいぜい三回。
当時の文壇バアは岩田専太郎、梶山季之らが毎日のように通った「眉」が有名で、行くと江藤淳がいばっておりましたね。
「眉」にはよく、売れっ子作家連中に連れて行かれました。なにしろ加瀬英明さんなど学生時代から出入りしている酒場です。財界人の顧客も多かった。下品なひとが居なかったので、小生も「眉」だけは誘われるとついつい、お供しました。
感心したのは女性トイレの脇に出入りする作家や物書きの単行本が本箱に並んでいて、ホステスは日頃から強制的にそれらを読まされていたことです。
だから客の会話について行ける。
川端先生も時折通われた。『眠れる森の美女』のモデルは、この「眉」のホステスだった、という噂もあります。しかし同店は二十五年か三十年ほど前に閉じて(その店のあとは「キナコ」というスナックです)、その流れが銀座七丁目の「小眉」ですが、ここは昨今、流行作家と漫画家と当たっている某書店某編集長などに占領されていて、これまた流行の議論しか展開がなく、率直に言って愉しくありませんね。
昭和四十三年頃、六本木で三島由起夫氏が、となりに小田実が座ろうとしただけで店を飛び出したことがありますが、そういう店は行きたくないのです。
阿川弘之氏らがよく通った海軍バアなど、肌のあう店も少なからずありましたが、結局、この十数年、友人の編集者や物書き連中と飲むのは新宿ゴールデン街か、神田の中華料亭、それも論壇文壇関係者がまずこないところ(行先は秘密というより殆どが居酒屋、蕎麦屋、深夜ワインバアですから)。
小生にとってのバア(止まり木)という概念は、あくまでもヘミングウェイが毎日朝から通ったキィ・ウェストやキューバの、マッティーニなんぞを何杯も安く飲めて、高尚ではなくてもおしゃべりが出来るような場所です。キィウェストへ行った時はヘミングウェイが通った店の殆どをはしごしました。
いまやホテルのバアしか、そういう場所は日本にはないのでは?
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((( 宮崎正弘の新刊予告)))
黄文雄氏との共著
『世界が仰天した中国の野蛮』(徳間書店、三月下旬刊、予価1600円)
△ △
((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=32009305
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
http://www.business-i.jp/news/book-page/debut/200710130007o.nwc
(書評と申し込み方法 ↑)
♪
『2008年 世界大動乱』 (改訂最新版、1680円。並木書房)
『世界“新”資源戦争』 (阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『中国から日本企業は撤退せよ!』 (阪急コミュニケーションズ刊)
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
『三島由紀夫の現場』 (並木書房)
△
宮崎正弘全著作一覧 (これまでの127冊の著作リストを閲覧できます)
http://miyazaki.xii.jp/tyosyo/index.html
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2008 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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バアの話、古い話ですが昔「銀座」に友人の母親がやっていた場所に出入りしていましたが、フランク・永いなども顔を出していました、当時のママさんからして博学・世情にも通じていました、ママさんの顔が有り旧海軍軍人だったと言う、当時中年の人も見ましたが、今の様に「カラオケ」を置いておけば良いと言う様なものでは有りません、キャバレーでも教養が無ければ売れっ子には成れない、客のレベルが高かったのでしょうね。
2008/3/7
-
>3月5日にバクスター社の血液抗凝固剤から主成分のヘパリンに酷似した偽の成分が検出されたことをFDAが発表したため、事態は極めて深刻となった。
偽造品 ブランドばかりか 薬まで
こりゃ食品テロならぬ薬品テロだね
不衛生な生産方法で死んだんでないんだ
でもまず検査方法ほ考え直すことにするのかなkaraurizuki 2008/3/7
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発行者プロフィール
宮崎正弘
http://www.nippon-nn.net/miyazaki/国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/
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