国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/02/24


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成20年(2008年) 2月25日(月曜日)  
通巻第2100号  (2月24日発行)
      小誌2100号突破記念増大号!
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(速報)
 陳良宇(前上海市書記) 精神分裂用気味で法廷出廷不能か?
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 多維網(24日付け)によれば、汚職容疑で逮捕拘留され、現在、北京郊外の泰城監獄に収監されている陳良宇は、弁護士によれば「出廷恐怖症」という精神分裂症状を患っている模様で、近く開廷される予定だった天津での裁判が延期される可能性があると伝えた。

 陳良宇は上海書記時代に開発の波にのって、悪徳デベロッパーの周正毅と組んで不当に住民と撤去させた場所にビルを建てさせたり、市職員の年金基金から600億円を流用して不動産投資に充てていた。

 あまりの腐敗ぶりに北京中央が捜査班をさしむけ、江沢民の圧力をはねのけて逮捕に踏み切っていた。
 共犯の周正毅はすでに懲役18年が確定している。

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(((((( 今週の書棚 )))))

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阿久悠『清らかな厭世』(新潮社)
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 副題に「言葉をなくした日本人へ」とあって、格言、箴言、警句で綴ったというこの警世のアフォリズム集大成は産経新聞に連載された。
 じつは連載中、一度も読んだことがなかった。一面から政治、外報、経済そして「正論」のコラムまで読むと、そのあとのページは読む時間がないからである。スポーツ面と社会面は殆ど読んだことがない。だから阿久さんの連載は知らなかった。
 本書を通読してまず浮かんだのが芥川龍之介の『侏儒の言葉』だった。
 林房雄は後年、これをもじって『種々の言葉』という本を書いた。阿久悠版の『種々の言葉』は、言葉がもつ本来の魔力、人を感動させるパワーに用いて、さまざまなメッセージを現代日本人に問うている。
 つまりアフォリズムとは「大人たちが英知と生への実感で作り出した言葉」であり、人生の「栄養」であるはずなのに、日本の現代人は本来の言葉を失って、饒舌を積み重ねても「心を通過しないものは言葉とは呼ばない」と激しい。
 『カラオケで歌詞を目で追いながら歌う人は、目と口の距離しか言葉はとどまらず頭も心も通過していない』と。
 なるほど、言葉にこだわった作詞家アクユーの真骨頂は、この本に凝縮されている。阿久さんは、何度かパーティで見かけた事があるが、所詮、分野の違う人だと思っていた。
これほど日本の伝統と美をつたえる日本語への執着と、詩情豊かな感受性に恵まれていたとは遺作となった本書を通じてはじめて知ったことだった。

 

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兵頭二十八『逆説・北朝鮮に学ぼう!』(並木書房)
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 阿久さんの言葉論のあとで、この本を読むと、政治用語なのか、安全保障議論に特有の語彙なのか、不思議なコトバがならぶことがまず気になった。
 『ヘタレ』とか、『マック偽憲法』とか、その道の通でないとなじめない語彙があるかと思うと、他方では軍隊用語(エスピオナージ、サイドロブ、機序など)や、ときに文語調(畢竟、扶植、了察など)となって、ヒョウドウ式の言葉の使い方はどうなっているのだろうと思いながら、ともかく最後まで読んだ。
 基本的に常識を百七十五度ほどひっくり返す論理的迫力がある。
 北朝鮮への米国の秘密アプローチは、日本人からみれば裏切りだと情緒的に認識しがちだが、北朝鮮は国際環境での孤立を恐れずに核兵器らしきものを実験し、最後にはシナへの斬り込み隊をやりかなない、物騒なくにであり、しかも鎖国中で、かのシナもロシアもなしえなかった独裁を実現した北を、ブッシュ政権は日本の頭越しに使おうとしているという。
ヒョウドウ式の言葉を真似て、本書を比喩するとすればマベリック(異端児)。
 政治をリケンと考える小沢一郎、田中角栄、金丸信批判は当然にしても、世界の悪魔を相手に戦い方を知らなかった安部前首相も、この軍学者からみれば子供で、こっぴどくしかられる対象になる。
 キッシンジャーへの過大評価はやや首を傾げるが、タイトルにある「逆説」は、つまるところ、六者協議をのんべんだらりと時間稼ぎに使い、強引に核兵器を持ったと言い張りつつ、日本人拉致問題をはぐらかして、この瀬戸際外交を『北は秘密を守れる』として、米国は認めたのだというロジックである。
だからヘタレの日本に明日はないが、北朝鮮は凄まじいほどに勇ましいという奇妙な逆説が成立している。
 逆説の効用たるや、如何に?

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(読者の声1) 1.コソボ独立
この問題に関しての日本のマスメディアの報道で欠けている非常に重大な視点があります。日本の近傍で考えてコソボ独立に類似した事態がどこで発生する可能性が高く、それに対して日本はどう対応するかという視点です。
マスコミ業界の人たちは、内心それは台湾でありこの問題に触れるのは自分にとってタブーであると考えているのでしょう。
これは二重に間違っています。
そんな姿勢でよい報道ができるはずがないという日本の腰抜けマスコミには言っても仕方がない点と、もう一つは彼らの不勉強さのあらわれでもありますが、その場所は台湾ではありません。
一番可能性が高いのは、新宿歌舞伎町であり、次は日本全国の工業地帯、鉱業地帯等に点在する中国人密集地域です。このことの恐ろしさを明確に認識して、忌憚なく研究、議論することが緊要です。そしてさらに恐ろしいのは、ことの重大性を政治家も官僚もま
ったく閑却していることです。

2.軍用船と民間船の海難事件
西村さんのすばらしい論考を読ませていただきました。ありがとうございました。
この論考にもマスコミでの報道でも触れられていない重大な点があります。それは、軍用船と民間の船が衝突事故を起こしたとき、どちらがより責任が重いかという点に関する国際的な常識です。
答えは、平時は軍用船であり、戦時は民間の船です。
民間の船は経済性を高めるために操行性能が犠牲にされています。軍用船はコストを軽視して極限まで操行性能を追及しています。したがって、操行性能の高い軍用船が平時には避ける責任があります。
戦時は、民間の船は軍用船を優先させる義務が生じます。
まったく当たり前のことです。このことを当該イージース艦の船長ならびに船員は自分の問題として認識していなかったというのが、極めて重要な点です。プロのレーサーは一般道では非常に慎重に安全運転を行うそうです。
運転の危険さを熟知しているからなのでしょう。彼らにはそのことを認識できるだけの
訓練も心構えもなかったのでしょう。ところで民間の船の船長や船員は戦時のときの運行ル−ルを熟知して、それに対応できるようになっているのでしょうか。
これが次の問題です。

3.貴誌2097号「読者の声1」で「。。。意見:1.国体とは何か:私は日本人の固有の生存形式と考えます。それには生存のための全てのシステム(国防、政治、治安、教育、文化、社会、経済、文化が含まれます。いまその固有性を失い外国の真似をするので生存が難しくなっているのです。勿論米国には米国、英国には英国の国体があります」
と論じられました。
私は、米国には米国、英国には英国の国体があると簡単にはいえると考えません。なぜなら、国体という概念だけでなくどういう観点から国体を捉えるかという点まで日本では時代とともに変化してきました。
また、日本独自の状況に深く依存した形で国体が探求され論じられてきました。したがって、どの時代の国体論をベースによって、また国情の違いをどう斟酌するかによって、米国や英国の国体がなにかということに対して無数の回答がでてきます。現実には、米国や英国の国体は何かということは意味をなさない問いとなります。

ところで、私が知る限りで日本において国体という用語が使われた記録がある最古の例は、延喜格式の中に収録されている出雲国造神賀詞(いずもくにのみやつこのかむよごと)の中に「くにのかたち」と訓じられている部分が「国体」と漢字が当てられているものです。
岩波日本古典文学大系の古事記・祝詞の巻に所収されていることからも推せられるように、この賀詞は格式の中に収録された延喜の時代よりはるかに前から、新任の出雲国造が大和朝廷に就任の挨拶、就任一年後の挨拶の中で天皇陛下に向けて唱えてきたものでした。
この中での国体の意味は、江戸時代以降国学者が唱えた国体とはかなり趣がことなります。私はむしろこの原点に戻って日本の国体を考察すべきと考えます。これには異論のある方も多いことでしょう。
たとえば、戦後期に国体問題に関して多くの著書を著した元立命館大学教授里見岸雄氏は、この賀詞を国体論の対象とされていません。
一つ国体を学ぶための絶好の機会をご紹介いたします。
乃木将軍が創められた山鹿素行の研究会である素行會が創立100年の今年、国体論の連続講演を毎月の例会で行います。
第一回は3月8日(土)の午後1時から明治神宮会館第一研修室において行われます。連絡先は、錦正社(03−3291−7010、03−3219−0170)です。
参加費は2000円です。
錦正社は、里見氏の著書をはじめこの分野の本をたくさん出版しています。
  (ST生、神奈川)


(宮崎正弘のコメント)里見岸雄先生! 昔懐かしきお名前を伺いました。学生時代、氏の著作を元に勉強会をやったことがありますよ。夏の合宿などで。



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(読者の声2)いつも配信頂き、勉強の日々ですが、先般日本売国奴出版会社「学研」への投稿以来、入信が乱れておりまして、継続入信されておりません。
つきましては、送信状態を今一度、御確認頂きたく宜しくお願い致します。ヒョットしますと電信妨害に遇っているのでしょうか。
(FA生、マレーシア)


(宮崎正弘のコメント)小生のHPから「バックナンバー」へ入れます。
そこで、バックナンバーを「ブログ」のように毎回開けていただきますと確実に閲覧できます。ちょっと他に防御方法が見つからないので。
小誌のバックナンバー閲覧アクセス ↓
http://www.melma.com/backnumber_45206/



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(読者の声3)貴誌2099号の分析。「「台湾政治の限界、特にワシントンの影響力の強さを目撃するにつけ、これを迂回的恫喝のバネに逆利用と北京が考えるのは、『孫子の兵法』からすれば、当然と言えば当然の戦術なのである。
 そして今時の台湾総統選挙では、北京は一切の強硬発言を控え、直接介入を押さえ、軍事的示威を抑制し、もっぱら『ワシントン効果』に依拠した。」

 米中関係の変質を的確に指摘されております。
米国の態度が徐々に北京寄りになっていく経緯は、これまで貴誌の取上げていた報道でよくわかります。
今回の台湾問題における米中連携の意味するものを、日本政府は分かっているのか分からないのか、音なしの構え。
自分で自分の首を絞めている「温故知新」(我が首相福田さんが12月の訪中の際に揮毫)の現状。さらなる調査報道を願う次第。
(SJ生)


(宮崎正弘のコメント)正反対の意見が兵頭さんの前掲書です。米国は最終的には中国に敵対している、という基本はキッシンジャー以来かわりがない、と。

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(お知らせ1) 京都方面の読者の皆さんへ
  保守陣営の若き獅子たちが古都・京都で訴えます!
 
 来る3月1日(土)に、京都にて弊会初の関西地区講演会を開催いたします。弊会代表の岩田温と、弊会関西支部長で現在京都大学大学院に在籍しております早瀬善彦が、以下の詳細で講演を行います。
 
 岩田は「戦後レジームとは何か」との演題で、独自の視点から、我が国を未だに拘束する戦後レジームの実態を暴き、批判を加えます。早瀬は「フェミニズムの脅威」との演題で、我が国に思想的害悪をもたらしてきたフェミニズムの歴史を追い、我が国の採るべき方策を訴えます。戦後レジーム、フェミニズム共に、我が国が直ちに克服を果たさなければならないテーマと言えましょう。
 本講演会を期に、関西の方々とも交流を重ね、共に日本のあるべき姿を考えていく所存です。関西方面にお住まいの方、日頃講演会に参加しにくい方は、お誘い合わせの上、ぜひご参加下さい。

演題:「戦後レジームとは何か」(岩田温 日本保守主義研究会代表)
   「フェミニズムの脅威」(早瀬善彦 同関西支部長。京都大学大学院)

日時:平成20年3月1日(土)午後1時半開場 午後2時開始
会場:京大会館 
アクセスは http://www.kyodaikaikan.jp/access.html をご参照下さい
会費:一般2000円 学生1000円


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(お知らせ2) 2月25日(月曜) 
午後八時―九時半。「桜チャンネル 報道ワイド」に宮崎正弘が生出演します。
キャスターは大高未貴さん、コメンティターは井尻千男先生。
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<< 今月、これからの拙論 >>

(1)「来世は中国人に生まれたくない」(『週刊朝日』3月1日号、明日発売)。
(2)「親日派が台湾からいなくなる日 総統選挙はどうなる?」(『新潮45』三月号20枚、発売中)
(3)「中国産食品が日本から消えるとこうなる」(『週刊SPA』、2月26日号)
(4)「撫順洗脳機関のすさまじさ」(『撃論ムック 拉致と侵略の真実』、発売中)
(5)「北京五輪は大丈夫か?」(『宝島』別冊。発売中)。
(6)「中国の雪災害と軍隊」(『月刊日本』、四月号、発売中)
(7)「ダボス会議と中国」(『共同ウィークリー』、二月下旬号)
(8)「日本、かくも軽き存在」(『自由』四月号巻頭30枚、3月10日発売)
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(((  宮崎正弘の新刊 ))) 
  『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
   3刷は3月上旬に出来!
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((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
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『2008年 世界大動乱』 (改訂最新版、1680円。並木書房)
『世界“新”資源戦争』 (阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『中国から日本企業は撤退せよ!』 (阪急コミュニケーションズ刊)
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
『三島由紀夫の現場』 (並木書房)
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宮崎正弘全著作一覧 (これまでの127冊の著作リストを閲覧できます)
http://miyazaki.xii.jp/tyosyo/index.html
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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