国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

全て表示する >

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/02/18

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成20年(2008年) 2月18日(月曜日)
通巻 第2088号 
△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△△

 中国の民間企業からの共産党入党は298万人と判明
    4%の党員が共産主義と無縁のプライベート・セクター
****************************************

 最近、ジョン・ホプキンス大学のケレー・ツァイ教授が書いた『民主主義なき資本主義』(コーネル大学出版会)に依れば、江沢民の「三つの代表論」(要するに先進的指導は共産党が行い、ビジネスマンも入党を許す)以来、共産党員の数だけが鰻登りに増えている趨勢のなかで、民間企業からの入党が298万人前後にも上っている実態が分かった。

 70年代の中国の統計には「民間企業」の数は記録されていない。
無視してもいいほどの数でしかなかった。そもそもマルクスの『資本論』に従って、民間企業は8人以上の従業員を雇ってはならないというへんな規則が1988年まで存在したからだ。

 トウ小平の「改革・開放」から30年が経って、民間企業の数は個人商店も含めると2900万社。雇用は二億人を突破している。
ちなみに国有企業の雇用は激減を続けており、4400万人前後と見積もられ、外国企業の雇用が6000万人を超えて、逆転している模様である(ただし国有企業が49%以内の株式を民間に売却して「民営化」を称している企業を含める)。

 中国における「中産階級」は、何清蓮女史の研究に依ると、およそ16%(同氏『中国現代化の陥とし穴』草思社刊)。
 なかでも中産階級で、外国企業のマネージャー・クラスはかなりの高級をはむので、郊外に瀟洒な住宅、マイカー族が大量に出現した。
17日発売の『タイム』(2月25日号)の表紙は、郊外に贅沢に暮らす新中国人の特集で、「長征」をもじって「短征」とし、住宅の金色の鍵を飾る若い中国人男女を描いている(特集タイトルは “CHINA‘s SHORT MARCH”)

 さて、民主主義なき資本主義なるものは、可能なのか。
 現在の中国の全体主義システムの下で、まったく自由な市場経済はありえず、民間企業は競争原理で動くよりも、地域のボスや共産党高官にたとえば商務、契約上の不履行などのもめ事の解決を頼み、裁判に訴えることはまれである。

外国企業は裁判を起こして司法解決を試みるが、あまりの法的不備、法制度の未熟などにより、解決策を見いだせず悲鳴を上げている。
「中国的解決」は、結局、中国人マネージャーにゆだねざるを得ず、たとえば「クレヨンしんちゃん」の商標を中国人に横取りされても、偽物の映画を作られても、海賊版被害を訴えても、西側の論理的納得というかたちで解決されることはない。

 したがって自由民主法治をのぞむ民間企業の幹部さえも、とりあえずは「中国的解決」のために共産党員の登録をしておく仕儀となったのだ。

   ◎□み□▽や□ざ◎▽き◎◎ま□さ□ひ▽ろ□◎ 
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(読者の声1) 16日の大川周明をめぐってのシンポジウムに出席しました。会場のアルカディア市ヶ谷で、宮崎さんをお見かけしましたが、考えてみたら宮崎さんは新日本学の講師。大儀に存じます(2月16日、大川周明没後五十年、大川の今日的意義シンポ。市ヶ谷。主催=拓殖大学日本文化研究所)。
参加して「やっぱり」と感じたのは佐藤優氏がずば抜けていたことでした。
各パネリストの発言が一巡する中で佐藤氏の前の人の話が長く佐藤氏の持ち時間がかなり限られてしまいましたが、僅か十分間に凝縮した内容と集中力に非凡さを感じました。
      (HN生、神奈川県)


(宮崎正弘のコメント) 時代は変わりました。会場一杯、後ろが立ち見。雰囲気も高揚していて、大川周明の業績への再評価が、これほど現代の日本人から強く望まれていることに環境の激変、とくに保守思想の復活を強く感じました。
 大川周明の名は、小生らの世代では小学校のときから知っています。
それは東京裁判で、被告席の前にいた東条さんの禿頭をぺしゃりと叩き、精神病院に入れられたから。世評は仮病で裁判から逃れた、というものでした。
 あれは米国が、大川が裁判で喋り出すと不利となるので、ウィルスで梅毒菌に感染させ、裁判から隔離、無理矢理入院させたというのが真実に近いと考えられます。
 無理矢理押し込められた松沢病院で大川は粛々とコーランを翻訳し、著作に励んでいた。梅毒は一過性のもので、とうに直って居たのです。
 ですから大川周明への意図的誤解イメージは米国占領軍の情報操作の側面が強いと思います。



   ♪
(読者の声2) 大川周明没後五十年の記念講演会に参列させてもらひましたが、実に充実したイベントで、大いに知的興奮を味ははせてもらひました。
これも先生のメルマガから頂戴した学恩と申せませう。篤く御礼申し上げます。
北海道の苫小牧市立中央図書館には、淺野晃に宛てた大川の封書が残されてをります。淺野から岡倉天心全集を贈られたことへの礼状ですが、まさに龍が躍るやうな達筆でした。
 今日の模様は三月刊行予定の『昧爽』に報告として写真入りで書かせていただきます。
     (KN生、草加市)


(宮崎正弘のコメント) 大川が浅野晃に書を贈っていたのですか。しかも「龍が踊る」書体! 
大川周明の研究者が知ったら、いささか驚く事実ですね。
 大川周明シンポジウムのあと、小生も客員教授を務める拓殖大学日本文化研究所の「新日本学の聴講生終了式」があり、井尻千男所長以下、田中英道、佐藤優両氏や小堀桂一郎名誉教授らも出席されて、盛会でした。
それから二次会、三次会と果てしなく続きました。上の話は出ませんでした。当然と言えば当然ですが(苦笑)。
 小生が提案したのは、次のシンポジウムは頭山満、宮崎滔天らとならぶ内田良平はどうか、という案でしたが。。。

         □□□  ● ▽◎◎ ● ◎◎◎ ● □□□ ● □▽▽
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
   ♪
(((  宮崎正弘の新刊 ))) 
  『崩壊する中国 逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ、1680円)
   増刷出来!
       △
((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』 (徳間書店、1680円)
     ♪
『2008年 世界大動乱』 (改訂最新版、1680円。並木書房)
『世界“新”資源戦争』 (阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『中国から日本企業は撤退せよ!』 (阪急コミュニケーションズ刊)
『出身地でわかる中国人』 (PHP新書)
『三島由紀夫の現場』 (並木書房)
    △
宮崎正弘全著作一覧 (これまでの127冊の著作リストを閲覧できます)
http://miyazaki.xii.jp/tyosyo/index.html
       ◎◎ ◎◎ ◎◎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2008 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

規約に同意してこのメルマガに登録/解除する

メルマガ情報

創刊日:2001-08-18  
最終発行日:  
発行周期:ほぼ日刊  
Score!: 99 点   

コメント一覧コメントを書く

この記事にコメントを書く

上の画像で表示されている文字を半角英数で入力してください。

※コメントの内容はこのページに公開されます。発行者さんだけが閲覧できるものではありません。 コメントの投稿時は投稿者規約への同意が必要です。

  • 名無しさん2008/02/19

    いつも楽しみにしています

    迷惑メールに配信されるのですがなぜでしょうか



    ちなみにyahooの無料メールを使用しています

     先生の論表は、全ていわゆる同盟国であるアメリカも盗聴しているのでしょうか



     ドイツも、イタリアも同盟国でしたが早々と裏切りましたからね

     アメリカも真の同盟国といえるか

     日本の指導者も観念上の同盟とか

    戦前の政治家が決めた現人神としての天皇ではなく

     現実に即したシビアな感覚で日本国民を指導出来る人が政治家になってほしいですね

     くだらない政治家とマスコミが国益にとっていっていいことと悪いことの区別もつかない判断能力のない面を露呈してますね



     そこを外国がついてくるということも分かってないのでしょうか



     精神的に早くどの国に対しても

     日出づるところの天子

    書を日没するところの天子に送る

    つつがなきや

     と言える本物のリーダーの出現が望まれます