国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/01/08

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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成20年(2008年)  1月9日(水曜日) 
通巻第2049号  
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 中国株式のPERレシオは60倍
  バブル崩壊が秒読みなのに誰も気にしないという摩訶不思議
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 90年代初頭、日本がバブル破綻をむかえる寸前の株式市場でPER(一株あたりの利益率)は60倍を越えていた。
欧米の平均理論値は16−17倍だった。
 日本株はそれからバブル破産を迎え、株価は4分の一になった。東京市場の最近のPERレシオは20倍である。
 現在、上海上場のA株は、PERレシオがちょうど60倍。まさに異常というほかはない。

 株式市場のゆがみは小誌でも何回か指摘した。
65%の株が依然として中国の国家が保有しており、上位15社で時価発行の半分を占め、つまり35%の株式しか取引されておらず、まして企業情報が透明性を欠落し、あまつさえ共産党員の七割が株式投資に明け暮れているという異常さ。

 インフレ議論も出尽くしたが、中国のインフレ率6・9%は問題が多い。
最大の難点は、食料の供給が正常ではないために起きているインフレであるという特色だ。卵、豚肉、キャベツなど野菜、小麦製品の高騰である。

 経済構造のいびつさにも寸毫の変化がない。
すなわち輸出偏重、対米偏重。しかも、製造業の輸出に偏って、あらかたの輸出企業が外国資本もしくは外国との合弁によるものという偏重的矛盾をかかえたまま、10%台の経済成長にまい進する。そのこと自体が爆弾をかかえて暴走する、ブレーキのかからない驀進エンジン搭載なのである。

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(読者の声1)貴誌昨日付けの「投書2」に対する(宮崎正弘のコメント)にこうあります。
「病(やまい)は気から。日本の政治の混迷と経済の低迷という病も精神の萎縮が、じつは最大の要因ではないでしょうか。気力回復こそが先決の問題です」。
 貴見に全面的に賛意を表します。
とにかく暗い印象が強いのは、日本人から気力が萎えて来ているのではないかと痛感します。
 どうすれば気力を恢弘できるとお考えですか?
     (SJ生)


(宮崎正弘のコメント) 精神病理学的な分析は小田晋先生にお任せするとして、知識人の病は左翼小児病へのコンプレックス克服と、歴史意識の回復ではないでしょうか。
わが国の歴史を正しく評価し、それが徹底されれば欧米への劣等感も吹き飛び、中国への贖罪意識はなくなり、人間としても営みも再開可能。
 なにしろ戦前の日本は悪いという馬鹿げた潜在意識が、この国の国民をして明日への薔薇色の夢を描けなくさせ、子供たちをしてついには生殖能力をさえ失わせしめたのですから。
 元気の元は、祖国に対しての自信回復でしょう。



  ♪
(読者の声2) 最近、気になる新聞記事が2つありました。
なぜかいずれも小さい扱いで、しかも世間であまり問題になっていません。なぜこんな大きな問題がこんなに小さく扱われているか不思議です。
ひとつは昨年末に国連が物価の現状を反映して購買力平価の中国のGDPを40%下方修正しました。4%でも14%でもありません。
もうひとつは、今年の正月に発表された中国国民のアンケート調査で都市部の6割弱、地方の6割強の人が今一番大きな問題は物価の上昇であると答えました。2番目に多くの人が上げた問題が約5%であることを勘案するといかに物価高に庶民が困っているかがわかります。日本人の感覚ではまだ安くても、彼らの実感では物価高が強烈に起こっています。
通常なら解決策は、通貨切上と金利引上ですがいずれも効果がありません。
国内生産がほとんどの食料品と日用品が物価高の中心であり、また、いくら値上がりしても生きていくためには消費せざるを得ないものが値上がりしているからです。
食料品と日用品が値上がりして、購買力平価のGDPが為替交換比率ベースのGDPと接近することは、開発途上国が中進国なる過程で避けて通れないものです。
中国ではこのプロセスが猛烈な速度で進んでいますが、それに対処できるか、暴動・動
乱に発展するか今後の動きが注目されます。
理想的な解決策は、緩やかな物価高(つまり経済成長を遅くする)のなか、低所得層の年金を引き上げ、低開発地区での所得水準を引上げるような政策をとり制度を改革して、国内需要に経済発展を目指すことです。
しかし、共産党政権が実行できるか大きな疑問です。
最悪の事態は国民の不満を外に向ける場合です。その向ける先は日本と台湾でしょう。
そうならないように祈念いたします。
   (ST生、神奈川)
 

(宮崎正弘のコメント) 前節の40%PPP縮小に関しては小生もかなり目に取り上げました。
 世界銀行の年次報告だったと思います。
 後節のニュースは、今朝の小誌のあたまにすこし触れました。
 いずれにしても、日本のエコノミストの目は節穴だらけ。新聞記者の無学と似ていませんか?

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((( 宮崎正弘の新刊予告 )))
 『崩壊する中国、逃げ遅れる日本』(KKベストセラーズ。1575円) 
     1月15日発売!
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((((( サイト情報 ))))
ブッシュ大統領が1月7日にシカゴで行った米国経済についてのスピーチ。 
President Bush Discusses Economy in Chicago, Illinois 、Union League Club of Chicago 
 http://www.whitehouse.gov/news/releases/2008/01/20080107-7.html 
ホワイトハウスの経済政策関連サイト 
http://www.whitehouse.gov/infocus/economy/ 
Fact Sheet: December 2007 Marks Record 52nd Consecutive Month of Job Growth 
The White House. January 4, 2008 
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2008/01/20080104-2.html 
ポールソン財務長官はニューヨークで住宅と資本市場についてスピーチした。 
http://www.treas.gov/press/releases/hp757.htm 
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((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、1680円)
『2008年 世界大動乱』(改訂最新版、1680円。並木書房)
『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
   http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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  • 名無しさん2008/01/09

    宮崎様が言われる通り、日本の歴史を飾り気も退く堂々と語れば日本の再生は出来るのですが、誰かが言われる通り「気力」が無いのです。

    「気力」と言っても「素直」になれば良いだけの事ですが日本のマスコミ・外国にはには「恐怖」なのでしょうね。

  • 名無しさん2008/01/08

    本日、平成20年1月8日午後7時前のニュース番組の中でTBS系で、「南京「大虐殺」」云々と、叫んでいました。88歳という元兵士が現在の南京を訪れ、支那学生達に、「死者累々」と70年前の自分の見たという光景を説明するのです。この男は、揚子江で駆逐艦に乗船していたそうです。最近、南京事件はなかったという勢力が台頭してきたので、是非言い残して置きたいというのが、本人の趣旨です。

    マスゴミは、浅学で、少し勉強をしてから、取材すべきと改めて思いました。