国際情勢

宮崎正弘の国際ニュース・早読み

 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

2008/01/04


●小誌総発行部数1020万部を更新! ●登録読者10400名を突破!
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成20年(2008年) 1月4日(金曜日) 
通巻第2044号   新年特大号第二弾!
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 原油100ドル、ゴールド865ドル、NY株価代下落
  日本はいまこそ「戦略備蓄」を先陣切って取り崩せ
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 早くから警告されていた。
 日本が長期の連休にはいると、必ず仕掛けられるのが為替か株のマーケットだった。
 2008年の乱暴な年明けは、三点セットによる襲撃だ。
原油一バーレル=100ドルは史上空前、金(ゴールド)価格一オンス=865ドルは28年ぶりで史上最高値。そしてNY株価下落は、市場が再開される今日の日本を直撃する。

 ところが日本の政治家には庶民の悲鳴が聞こえないらしい。
魚場では油代金が上がって漁船も出せず、たとい魚をとっても逆ザヤ、タクシーは経営がおかしくなる。
道路の財源などが目的の「暫定税率」を、ならばといって、中断もしなければ次の法改正までに時間がかかると悠長なことを言っている。
超法規的決断が求められている。

 原油暴騰を抑制しインフレを抑制する目的が原油戦略備蓄の副次的目的にあるはずである。
 日本には120日分以上の原油備蓄があるではないか。
そもそも「有事」の際の国家備蓄を過去三十年以上に亘って何のためにやってきたのか?
 政治家と官僚に戦略的思考が欠落している証しだろうか。日本の政治が活力を欠くのは、この即断即決という即時対応能力の希薄さである。
     
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(((((( 書棚 )))))))

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野田毅著、阿羅健一監修『野田日記』(展転社)
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 淡々と叙述される大東亜戦争の工作現場
  百人斬りの汚名を着せられた野田大尉が克明につづった戦陣記録

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 これほど名誉を損壊された帝国軍人は珍しい。
冤罪、濡れ衣の極みである。
 本多勝一や朝日新聞を名誉毀損で訴えた遺族の裁判では、「百人斬りは疑わしい」という判決を勝ち得たが、名誉回復はならなかった。
 百人斬りなどとありもしないことを戦意向上のためといたずらなゲーム感覚で書いたのは毎日新聞の前身の特派員だった。
その嘘報道の新聞を南京の反日記念館などではいまも、パネル展示している。
 野田の残された写真をみると精悍で、かつ瓢きんな風貌をしている。ユーモアの好きな人物だったらしい。
彼は無実の罪で戦後、中国へ送られ、百人斬りの汚名を着せられてまま銃殺刑の判決が下った。南京雨花台に消えた野田は、送還の直前まで郷里の鹿児島にあって克明なノートを残していた。
その野田ノートが六十数年ぶりに世に出た。
 野田は陸軍士官卒のエリート、京都第十六師団として上海から南京へ入城した。

 その後、野田は能力を買われ、南機関の一員となった。
ビルマ独立を進めた特殊工作機関で最初は三十人足らず、憲兵隊も知らない存在が「南機関」だった。
野田は台北、ハノイ経由でバンコクに常駐し、ビルマ国境を越えた。その時代を詳細にノートは活写している。軍機に触れる内容のため、作戦の詳細はぼかされてはいるが、後知恵から、全体の作戦像もつかめる。
当時、野田は中尉。身分を隠し、商社員のいでたちでバンコックへ入る。昭和十五年のことだった。
 拠点、落ち会う場所の目標、当時の飛行機と燃料補給の様子、目つきの鋭い現地人やら胡散臭い出入り業者、正体不明の軍関係者。
私は、この時代のビルマ、ラオス、ベトナム、インドネシアを活写した伴野朗や胡桃沢耕二ら多くの小説を読んできたが、おおよそ飾りっ気のない現場の汗と、暑さと苛立ちがない混ざった文章を読むのは初めてである。
F機関、岩畦機関、光機関などの工作が、これらの地域に錯綜している。
 嘗ての『冒険ダン吉』や『少年ケニア』を手に汗を握って読んだ、あの懐かしい時代が蘇る。

 ともかく昭和十五年(皇紀二千六百年)、バンコクの根城を中心に『商社』らしき『本店』があり、有象無象の社員がいた。南機関のメンバーである。
ときに写真機を片手にジャングルや湿地帯を掻き分けて奥地へ這入りこみ、地形や、農業のストックや、敵の進出ぶり、道路の状況などを克明に下調べしている。それが当時の野田に与えられた活動任務のようで、几帳面な性格らしく、そのあたりのニュアンスが日記に滲み出ている。
こうした南機関の工作により、ビルマ人の独立義勇組織はふくらみ、日本軍は幹部を日本にひそかに引き入れて陸軍士官学校で特訓の後に、日本が占領していた海南島で軍事訓練を施した。
海南島は当時、日本軍の拠点、とくに南の三亜に訓練所、山奥にレーダー基地がおかれていた。いまも五指山には中華人民解放軍の軍事基地とレーダーサイトがあり、五指山一帯は軍事地域となっている。三亜はところで、中国のハワイと呼ばれる大リゾート地に変貌しているが。。。
野田日記は一級資料足りうるだろう。
 
 さて真珠湾攻撃の日、野田氏は何処にいたのか?
 十二月八日の記述がある。
かれはまだバンコックにいた。
「一、日本軍はタイ国に侵入したる英軍を攻撃しタイ国の独立を保護するためマレー半島(英タイ領)に上陸せり。
 二、仏印タイ国境およびバクナム(バンコック、メナム河口)にも日本軍は進駐せり。
 三、海軍はグアム島、フィリピン、ホノルル、シンガポール、ハワイを爆撃中なり。
 四、日本はタイ政府に対して平和進駐を交渉せるもピブン首相は不在にして、タイ政府の態度決定を待」った。
つづいて「夜七時」に
 「武官室に至り日本軍の上陸大成功なるを知る。八時、ラジオニュースにより左記件を知る。
一、日本は英米に対して宣戦布告
二、香港、フィリピン、シンガポール、ホノルル、ハワイ、グアム爆撃中。
三、パナマ、蘭印は日本人を逮捕せり
四、上海の租界に進駐せり。。。。。。。。。。」

 気持ちの高ぶりを押さえ、淡々と理性的に戦況を叙している。
 そして野田はビルマ独立義勇軍参謀長を務め、ビルマ独立後、南機関は解散される。
野田は満州へ移動。その後、浜松で、特攻隊を日夜、見送った。戦後、疎開先で突如「百人斬り」の汚名を着せられ、身柄は南京へ送られた。
昭和二十三年一月二十八日、雨花台に銃殺の露と消えた。
 かれの名誉は回復されなければならない。

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(読者の声1)謹んで新春のお慶びを申し上げます
 本年も何卒よろしくお願い申し上げます
日本列島は、これから本格的な寒さを迎えようとしておりますが、沖縄の本部町八重岳からは、春の便りが届いております。
例年、この季節の1月中旬から日本一早い桜祭りが始まります。面白いことに、記憶に間違いがなければ、南国と言うのに北風が吹いた後に開花が始まるようです。
桜の蕾が北風に当たり刺激を受け、目を覚ますのでしょうか。
北国、日本海側では雪景色、南の沖縄本島北部では春の息吹が伝わってきております。
このように日本列島は南北に長く、とても不思議に思います。
これからも、日本の四季折々の季節を肌に感じながら、また「桜の花」を愛でながら、この日本をいつまでも大切にしていきたいと心の中で誓っております。
これからも御皇室の益々のご繁栄を祈念し、我々に弥栄、日本国民に弥栄、日本国家に弥栄。
    (HS生、杉並)


(宮崎正弘のコメント)新年の一般参賀、宮内庁発表で7万9610人だった由です。お天気に恵まれたとはいえ、かの何とか集会の作為的11万(本当は二万人いなかった)と、国民の自発的意思による参加とをつい比較したくなります。
    


   ♪
(読者の声2)福田首相に手紙を書きました。
内閣総理大臣 福田康夫 殿

 選挙もない人権無視独裁政権の言い分と誰も否定出来ない模範的民主国家台湾と一体どちらが同じ価値観を共有できるというのでしょうか?
国民に直接意見を問うことをどうして否定できるというのでしょうか?。
 石油共同開発打合せ中に、日本が日本専管水域で探鉱すれば軍隊をだすと平然と脅迫するまさに“ならずもの国家”、中国をどうして支持すると表明することができるのでしょうか。もういいかげん、はっきり正論をぶっつけたらいかがですか?
 安倍政権において、同じ価値観を持つ国家との友好関係というきわめて明確な理念とは明らかに異なるものである。
 どう取り繕っても、説明できるはずもないのです。谷垣、河野、山拓と同じように、無法国家の独裁者が自由に出来る金品にて抱き込まれているとしか説明しようがないのです。お金?、それともまさか女?ではないでしょうね。
 通訳の誤訳にしろ、文書改造にしろ、福田政権というより福田康夫という人間個人を舐めきった態度であることがどうしてわからないのですか?
 言うべきこともいえない者を舐めてかかることは、かれらの常態であることを!。このままつづけば断じて福田政権を支持するわけにはいかないのです。これを大きな運動にしていくほかないのです。
    (YM生、各務原市)



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(読者の声3) 貴誌新春の第一弾が、米国の対中武器輸出の動き。
この早読みメルマがほど、日本における突出した存在理由をあからさまに示したものはないと、敬意を表する次第です。
 こうしたこわい情報の識別センスで、既存の商業ジャーナリズムで、貴誌に勝てるものはあるでしょうか? 褒めすぎとは思いません。
 この米中接近の動きは、日本が前後から刃を突きつけられていることです。12月に前後して訪中して、「歓迎」に浸った鈍感な与野党の方々は気づいているとは思えません。
 米中に対して日本が独自の立場になり得る鍵は台湾にあるはず。ですが、官民問わず無関心が大部分で、これもなんともはや、です。
 貴台が、角栄首相と大平外相による中華民国断行から発起した台湾行き、その心情に共感します。
 小生も二ヵ月後かに訪台して、近衛首相の「中華民国を相手にせず声明」(尾崎秀実が書いたと見られる)を外省人外交官から引き合いに出され、恥ずかしい思いをしました。
 台湾人の反応は、「半山」を含めて、これまた違うもの。その二重性の意味するものを考えさせられました。
 以上。今年も色々と貴誌により学びたいと思っております。
(SJ生)


(宮崎正弘のコメント) 蒋介石も、類まれな謀略家であったことは事実でしょうね。かれは日本に留学し、高田連隊で軍事学を習得した。ということは当時の日本ははるかに軍事学では秀でた人が多かったことでもありますが。。。。

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『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
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  • ソアミ2008/01/04

    すばらしいメルマガと、長く愛読しております。ところが、この1ヶ月ほど配信されません。ブックマークから探索して、定期的に執筆のことがわかりました。ヤフーから受信しているのですが、何か問題があるのでしょうか。他2,3のメルマガもそうです。解約して登録を何度か試みましたが、いまだ配信が途絶えております。

  • 名無しさん2008/01/04

    我が家でも昨夜老若男女(老は2人ですが)がテレビを見ていました、チャンピオンがピンポン、jリーガーが足でボーリング笑うに笑えず早く寝てしまいました。

    テレビ屋大事な電波を使い、アホを製造し続けるのかと思うとゾッとします。

    古いのでしょうか?今朝は「あんなテレビばかり見ているとバカになるよ」と云いましたが、全員で神社詣で(4日ですよ)に一族郎党私を放置出かけています。

    詣でるだけで許してしまう私もダメ男なのでしょうね、煩がられる〜経験したことですが何ともはや〜