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 評論家の宮崎正弘が独自の情報網を駆使して世界のニュースの舞台裏を分析

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宮崎正弘の国際ニュース・早読み

発行日:12/28


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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成19年(2007年) 12月28日(金曜日) 弐
通巻第2042号   年末最終号

 ◎読者の皆様、良いお年をお迎えください! 

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ブッド暗殺は予想されていた。
 今後の焦点は「パキスタンの核兵器がアルカィーダにわたる恐れ」である
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 ブッド暗殺は予測されていた。
12月27日、ラワルピンジで演説を終えて車に乗り込み、群集に手を振ろうと窓を開けたところを狙撃された。彼女の父親は軍によって処刑され、二人の兄弟は、一人が狙撃され、ひとりは海外でテロに倒れた。
 まるでインドのガンジー家のように、南アジアの名家を襲うのろわれた政治の血。

 ブッドが首相時代にパキスタンは核兵器を密かに開発していた。
が、「軍は首相のわたしにも、そのことを知らせなかった」と不満たらたらの言辞を数年前に『TIME』で述べていたことを思い出した。
ブッドと軍とは宿命の対立関係だったのである。

 パキスタンの問題点は、米軍のテロ対策基地を提供しておりながらも、軍人の多くがパシュトン族であり、かつ「英米留学組の西側の価値に染まった民主主義鼓吹主義者」(ブッド前首相のこと)を忌み嫌う。
 厳格なイスラムと、中世の部族社会がない交ぜになったようなパキスタンで、デモクラシーは危険思想であり、「共同体の破壊者」であると認識されているのではないか。
 くわえてパキスタン軍の情報部はアルカィーダにきわめて同情的であり、過激イスラム思想の持ち主が多い。

パキスタン軍の情報部にとって敵は、アルカィーダではなく、米国であり、ブッドである。パキスタン国民はイスラム過激派でなく、穏健派が多い。
 おそらくブッド暗殺は軍情報部が絡んでいるのではないか。


▲パキスタン軍人のアイデンティテイとは何か


パキスタン軍は地政学的にインドを憎み、したがってその背後にある中国に親しみを感じている。
半世紀以上の長きにわたる中国パキスタン軍事同盟は、日米安保条約より長い。

 さて、パキスタンは核兵器保有国である。
数発の核弾頭をどこかに隠しているが、この警備のためのパキスタン軍内の特殊部隊訓練などに米国は一億ドルを拠出してきた。
パキスタンの核兵器が、テロリストやアルカィーダや、イスラム過激派にわたるような時代となれば、世界は暗黒になる、と欧米は考えている。パキスタンと中国は、そうは考えていない。

米国と中国との間に挟まりつつ、綱渡りをつづけるムシャラフ大統領は、ところで軍の全面的支持を得ているわけではない。
だからこそ大統領再選にあたって陸軍参謀総長を兼務しなければならなかったのである。
イスラム過激派にとって次の標的は、北京とワシントンの同盟者、このムシャラフ大統領であろう。

      ◎○み□や△ざ◎き□◎□ま△さ◎ひ□ろ○◎
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  ▲予告△
(年始特番)桜チャンネル  1月5日土曜日 午後九時―零時 三時間スペシャル
     「討論倒論闘論」 テーマ 北京五輪と中国と日本の行方
      出演 青木直人、上村幸治、川村純彦、黄文雄、宮崎正弘、宮脇淳子、鳴霞、
司会=水島総        

△(予告編)
  『ハルピンで三年前のベンゼン流出事故の後遺症が発生しており、白血病患者がハルビン周辺で激増している』(鳴霞)
 『長江流域ではB型肝炎の異常発生。河川の汚染が原因。おそらく最低に見積もっても三千万人の患者がいる。この水が黄河に運ばれると全土で患者が増える』(黄文雄)
 『北京五輪で中国のモラルの低さ、民度が世界にさらされる』(川村純彦)
 『孔子批判があとで、権力闘争であったように、いまの北京の騒動は別の意味がある』(宮脇淳子)
 『いまの北京の状況は天安門事件前夜に酷似してきた』(青木直人)
 『あれほどいた韓国企業が中国から退去撤退を始めている。また党と軍の対立が先鋭的になった』(鳴)
 『旱魃、疫病、食糧不足がこれまでの王朝崩壊におけるパターンだったが次は違うのではないか』(上村幸治)
 『上海から杭州、南京まで30階建て以上のビルを1000棟調査したところ、じつに86・1%が建築基準に合格していなかった。かくも中途半端なビルを作るのは投機の対象物以外の何者でもないからだ』(黄)
 『三峡ダムはあと400万人の立ち退きが予定され、株、不動産の崩壊は時間の問題となってきた』(宮崎)などなど侃々諤々の三時間番組です(録画は終了しました)
   ◎◎◎
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   ♪
(読者の声1)近代史の見直しが必要と思います。
貴誌2041号の(読者の声3)です。<なぜ蒋介石は日本と組まなかったのかの理由が今ひとつ判然としません。要するに日本を対等に見ていなかったという抜きがたいシナ人の対日観の解明が必要ではないか。>

現在の歴史資料から見ると、支那事変前の極東情勢は、蒋介石は共産軍に勝利して支那統一の五分前といわれていました。
毛沢東はソ連に亡命する寸前でした。日本はソ連を最大の仮想敵国として満州国の建設に邁進していました。
欧州ではヒトラーが台頭し、スターリンは独ソ戦に備えて各国中枢に入り込んだソ連スパイを使い、政策を反日・ソ連寄りに誘導していました。日本ではそれが尾崎であり、コード名エコノミストといわれるスパイであったわけです。
米国では大スパイ網が構築され、ルーズベルトは容共で大統領特別補佐官A・ヒスまでソ連スパイでした。

その蒋介石が西安事件の共産側の謀略で逮捕され降伏し、支那統一を止めて日本攻撃に向かわされたわけです。
その代償は自分とソ連に人質になっていた子息蒋経国の生命、そしてソ連の大規模な軍事援助(三億ドル)と見られます。こうして蒋介石は脅迫に屈服して支那事変を始めましたが、自分の主力を損耗する対日戦を止めたくてしょうがなかった。しかし講和はソ連が許さない。そこで南京防衛に失敗すると、以後積極的に戦おうとしなかったのです。
これに支那満洲に野心をもつ愚かなルーズベルトが参加したので、極東情勢は各国の利害が錯綜しニッチモサッチモ行かなくなったという理解です。蒋介石はソ連、米国の傀儡に過ぎず、当事者能力はありませんでした。
 ちなみに戦前の共産主義者は田中清玄を含め、ソ連の対日工作に利用されましたが、ソ連国内のおそるべき実態を知らなかった。
スターリンはソ連ではアカを許さず共産主義者は家族ごと拷問処刑していた。権力をとれば用無しだったのです。これを知らないで亡命した杉本某など外国の共産主義者は直ちに拷問でスパイとされ殺されました。    
   (MC生)


(宮崎正弘のコメント)『革命聖地』といわれる延安で、毛沢東が展開していた「革命」なるものの実態は、反毛沢東一派の粛清と革命神話にあこがれてきた若い女性をハーレムとしたことでした。
ユン・チアンの『マオ』があますところなく、毛の『革命聖地』なる場所の実態をえぐっています。 
小生の延安見学紀行は下記サイトにあります。
http://miyazaki.xii.jp/tyosya-kinkyou/yanan/index.html



   ♪
(読者の声2) 貴誌に書評のでた、中村彰彦『東に名臣あり 家老列伝』(文藝春秋刊)。
読書欲が猛烈にそそられました。読もうかと思わせる運びはさすがですね。
 そういう人物が田中清玄さんの先祖にいたのかと感心しました。血というもは事例によっては後代に噴火するんですかね?
 清玄さんという人への貴台の寸言。「親しくなろうという心境にはなれなかったのだが。。。」のくだりに来て、おもわず笑いが込み上げてきました。貴台の憮然とした表情が。
そして思い出が浮かびました。実は小生もある因縁で接触しかけましたが、貴台と同様、縁のない方と感じたからです。でも、あの殺気満々の田中清玄氏の風姿は爽快で見事なものでした。
 ハイエクについては、その思想に共感してのものですか? それともモンペルラン協会という集団との関係を政治的に活用するためだけのものなのか? 
(SJ生) 


(宮崎正弘のコメント) ハイエクとの接点はモンペルラン協会でしょうね。田中氏の理想と輻輳する考え方がありますから。ところで、書くまでもないのですが、田中玄宰―田中土佐―田中清玄と続きますが、玄宰から五代目の清玄氏は嫡流ではないようです。
          ○○○
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  ♪
(お知らせ)
 年末特番!
ラジオ日本   12月30日正午から三時間スペシャル
出演 平沢勝栄、宮崎正弘、南丘喜八郎、田中慶秋、原口一博ほか。
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((( 宮崎正弘の新刊予告 )))
 『崩壊する中国、逃げ遅れる日本』 (KKベストセラーズ。予価1575円) 
1月15日発売決定!

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(年末年始の小誌発行予定) 12月29日―1月3日が休刊となります。
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((( 宮崎正弘のロングセラーズ )))
『中国は猛毒を撒きちらして自滅する』(徳間書店、1680円)
『2008年 世界大動乱』(改訂最新版、1680円。並木書房)
『世界“新”資源戦争』(阪急コミュニケーションズ刊、1680円)。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/%8B%7B%8D%E8%90%B3%8DO/list.html

『中国から日本企業は撤退せよ!』(阪急コミュニケーションズ刊)
『出身地でわかる中国人』(PHP新書)
『三島由紀夫の現場』(並木書房)
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 宮崎正弘の比較的入手しやすい本の一覧 ↓
 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
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宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
◎小誌の購読は下記サイトから。(過去4年分のバックナンバー閲覧も可能)。
http://www.melma.com/backnumber_45206/
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(C)有限会社・宮崎正弘事務所 2007 ◎転送自由。ただし転載は出典明示のこと。
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  1. 逃げ遅れる「日本」いつものパターン、日本人は平和が好きで物事に突き当たらないと動かない・動けない民族?
    中国との「互恵関係」て何でしょう、何時も一歩前進?挙句は日本が凹む「核議論」も出来ない国内状況を見ていると背筋が寒くなります。
    共産主義・中国の人口は民主主義国家の最大の弱点を知り攻めてきます、防備できるのは経済力と国内の治安維持・軍備だけと思うのですが?過激でしょうか?。

     2007/12/29

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発行者プロフィール

宮崎 正弘

宮崎 正弘

http://www.nippon-nn.net/miyazaki/

国際情勢の裏情報を豊富なデータと人脈から解析してゆく。独特な方法と辛辣な批判精神によるニュースの裏側で織りなされている人間模様に興味を持つ。筆者の人生観と執筆を継続する動機の基軸は同じ。ホームページは http://miyazaki.xii.jp/

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